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幕間:知らない言葉

20250621_0

!SYSTEM
コーデリアが入室しました
!SYSTEM
エルミニオが入室しました
エルミニオ
星の標でいいかな?
コーデリア
導入はお任せしてよろしいですか
はい
エルミニオ
神殿に来てからじゃあ標で合流するか になった形でいいか
コーデリア
大丈夫です
エルミニオ
(およそライフォス神殿にいるだろうので
OK 
よろしくお願いします。
コーデリア
よろしくお願いします



ある依頼の帰り道に遭遇した少年・マルロの頼みを聞き、
彼の村へと向かい、そこを襲撃した蛮族たちを撃破し 君達が到着するまでの間、たった2名だけは守り抜けた旅の騎士を見送った
そんな依頼を終え、数日後――
 
――王都イルスファール、冒険者ギルド支店〈星の標〉。
昼下がりの店内には、早朝や夜間の賑やかさとは縁遠い穏やかな時間が流れていた。
訪れている客も少なく、店員たちも半ば休憩のような時間を過ごしている中、
ふと、新たな客の来訪を知らせる鐘が鳴る。
橙の髪に紫の瞳を持つ少年は、普段店を訪れる時の鎧姿ではなくこれと言って特徴のない平服を着ていて、なにか一仕事を終えた後なのかふう、と息を吐いた。
エルミニオ
よう、と見知った店員たちに声をかけつつ、店内に先に来ているだろう少女を探して視線を振った。
コーデリア
窓際のテーブル席。日差しよけのためにカーテンをかけられているが それが僅かに開いている
一筋のカーテンの光を浴びない位置に 少女型魔動人造人間は座っていた
エルミニオ
「お」 見っけ。 「悪い、待たせたなー」
コーデリア
首がゆっくりと動いて 少年を見つければ、ゆっくりとお辞儀をする
「否定。到着して10分程度でした。待ってはいません、エルミニオ」
エルミニオ
まだじっとりと汗ばんだ、健康的な色の肌を緩く拭う。
「暖かくなってきたもんで、神殿の力仕事手伝うのも大変だ」 
コーデリア
「ご注文をどうぞ」 とメニューを差し出して
「高温下での労働後には、水分の補給が推奨されます」
エルミニオ
「つっても、“ビッグボックス”からライフォス神殿、そっからここまで戻って10分も経ってりゃ結構時間も経ったろ?」 さんきゅー>メニュー
コーデリア
「私の到着後10分程度の意味です」
エルミニオ
キャロラインに冷えたコーヒーを注文すると、ぱたぱたと手で仰いだ。
「んで、どうした? 何か進展でもあった…なら、個人的な呼び出しじゃねえよな」 これまでみたいにガルバ経由だよな
コーデリア
「はい。スモールボックス関連の事柄ではありません」
「貴方に関すること、と言うには要素が曖昧なのですが」
エルミニオ
「?」 届いたコーヒーを受け取って、啜りながら首を傾げた。
コーデリア
「こちらを」 僅かに血が取りきれてない、盾の聖印をエルミニオの前に置いて
「残りの遺品はライフォス神殿に預けていますが、話を円滑に進めるためにこちらだけお借りしました」
エルミニオ
視線を落として、それが何かはすぐに理解できた。自分の手にしているものと同じ意匠のものだったから。
コーデリア
「先日、依頼の帰りに救援を求められ、ドラス近郊の村へ急行した際、」
「その村に滞在していた遍歴の騎士が持っていたものです」
エルミニオ
遺品か、と問おうとして 説明が始まったので傾聴の姿勢
コーデリア
「彼は村人を救うために奮戦した後、蛮族によって殺害されました」
「その後に我々が到着。蛮族を処理し、生き残りの2名を救助、後に帰還しました」
「騎士に関する情報は殆どなかったため、イルスファールに回収しましたが、同じザイア神を信仰する貴方ならば、或いは何かご存知ではないかと思ったのです」
と結んで
「心当たりはありませんでしょうか」
エルミニオ
「……、……」 ザイア神官、ドラス、…… 自分と共通する事はある。あるが、 「コーには言ってなかった、っけか」
コーデリア
金色の瞳がエルミニオを見上げて
エルミニオ
困ったように頭を掻いて、 「俺、流れ者なんだよな。記憶がねえんだ、助けられるより前のこと」
コーデリア
「なるほど」
「失礼しました。或いは聞いていたかもしれませんが、失念しておりました」
エルミニオ
「あんま言うことでもねえから人には言ってなかったんだけどな、気ぃ遣われても面倒臭ぇから」
「いいよ。……それに、なんか引っかかるのもそうなんだよ」
コーデリア
小首をかしげて 「引っかかる、とは」
エルミニオ
「俺、ドラスで見つかってさ」
「ドラスっても語弊があるか。ドラスの近くにある、コーグって村なんだが」
コーデリア
エルミニオが話すのを見つめて
エルミニオ
「で、まあ……あー、流れがだな」 先ほどのコーデリアが行った的確な説明とは真逆の、身振り手振りのついたもたもたとした説明が始まる。
当人ははぐらかそうとしているだけではなく、どこから話したものか……と悩みつつ語っているようで
「最初にまず、俺が流れ着いて」 「次に、コーグの近くに遺跡が流れてきたんだと」
「で、その遺跡を調査してたら奥から魔神が出てきて、」 身振り 手振り
「村の連中も、遺跡の調査してた奴も殆ど殺されちまって。何とか守んねえとって思って俺も戦って……そん時に、ザイアの声を聞いて」 
「……時間稼ぎはしたんだがどうにもならなかった、ってとこで、〈星の標〉に出してた依頼を請けた奴……あー、センセとかは知ってるよな」 オリヴィア、と続けて。
コーデリア
「──、」 頷いて
エルミニオ
「まあ、助けるつもりが助けられて紆余曲折を経て――って感じなんだが」
コーデリア
「つまるところ、」
「因果関係は見当たらない、ということが今の会話で把握できました」
エルミニオ
「……まあ、場所と、信仰してる神様と、やろうとしてできなかったこと、結果的に〈星の標〉の連中に助けられたこと」
「その辺が被るからひっかかってだけで――まあ、そうなるな」 ・x・)
「偶然にしちゃ被り過ぎてる気がしてさ。まあ、だからどうって訳じゃないのは、今コーが言った通りだよ」
コーデリア
「ですが、似たような境遇であった、という事からエルミニオが興味を惹かれたのは自然な反応だと言えます」
「なので、貴方にも彼の最期の言葉をお伝えしておきます」
エルミニオ
苦笑しながら頷くと、コーヒーを飲んで。
「最期の? ……なんだよ、人に話す内容なのか?」
コーデリア
「"愛は滅びない"と、彼はそう言って事切れました」
「誰かに宛てたものかは分かりませんが、同じ神を信仰する以上、伝えたかった対象と遭遇しやすいのは私よりも貴方でしょう」
エルミニオ
「ふうん……」 その言葉を聞いて小さく頷くと、手に持っていたカップをテーブルに戻し―― 
コーデリア
「騎士の名前も分からない以上は、それもかなりの難易度になりますが、」
「拡散しておいたほうが正解にたどり着く可能性は高いと───」
エルミニオ
かしゃん、と テーブルに置くというよりは取り落としたと形容する方が正しいような音が響き、カップが悲鳴をあげた。
コーデリア
カップの悲鳴が言葉を遮った
「エルミニオ」
「もっと大切に扱って下さい」
エルミニオ
「うお、っと」 飲んで中身が減っていたコーヒーは溢れず、カップはふるふると揺れた後に倒れることなくそっと姿勢を整えた。
コーデリア
カップの音の方から視線を少年へあげて
エルミニオ
「ああ、悪い、……」 ぱちぱちと瞬きをしつつ、額に手を当てて
コーデリア
小首を傾げて
「不調ですか、エルミニオ」
エルミニオ
「ああいや……何か、聞き覚えがあるような気がするんだ」
コーデリア
「外での労働による疲労や熱中症の可能性があります。涼しい場所で横になることを推奨します」
エルミニオ
「どこで、誰にだったのかは、……わかんねえんだけど」 呟きながら、椅子の背凭れに身体を預けて
「いや……そうじゃない……と思う……」 まるで幻覚を見ているようにぼんやりと天井を見つめ
コーデリア
「………」 耳元の硬質パーツが点滅して 「私からは通常の状態ではないように思えます」
エルミニオ
遠い所を見つめるように目を細めると、ぶつぶつと譫言のように繰り返す。
――“愛は滅びない”、“愛は”、“決して滅びない”」
コーデリア
「エルミニオ」
名前を呼ぶ
エルミニオ
「“いずれ、予言も異言も知識も廃れるが”、“完全なものは、決して”――」  
は、と
コーデリア
「エルミニオ」
エルミニオ
名前を呼ばれると紫の瞳がきゅっと見開かれ、ぶんぶんと頭を振る。
「わ、悪い、なんか……勝手に口が……」
コーデリア
「やはり、通常の状態では無いように思われます」
「神殿での症状の受診後、今日は無理をせず横になって下さい」
エルミニオ
「…………、わかった」 コーデリアの言葉を否定することはできても、納得させることはできないだろう。
コーデリア
「歩行は可能ですか」
エルミニオ
「ヘンな気分だ。知らねえ言葉のはずなのに、知ってる」
コーデリア
「難しいようなら人を呼びますが」
エルミニオ
「……」 よっこいせ、と立ち上がると数歩歩いて見せて
「問題ないな」 傍から見ていても無事そうな様子を見せた。少なくとも、考えなければ問題はないのだろう。
コーデリア
「分かりました。」 立ち上がって
「であれば、神殿までご同行します」
エルミニオ
それを裏付けるように、 「……」 思考が戻っていっているのか、また様子がぼうっとし始める。
「ん、ああ、……心配し過ぎだ、大丈夫だぞ?」 
コーデリア
「エルミニオ」
エルミニオ
「……」 ウッ
コーデリア
「貴方は通常の状態ではありません」
エルミニオ
「わかった、わかったよ。……悪いな、遠回りさせて」 
コーデリア
「問題ありません」
促すように歩き出して
エルミニオ
「……、」 兎にも角にも、あの言葉のことは考えない方が良いだろう。少なくとも、自室に戻ってからだ。
よし、と。自分の中でそう決めると、頭を振って。
「……イーヴ神殿とハルーラ神殿の近くにある店、寄っていいか」
コーデリア
「理由をお伺いします」
見上げて
エルミニオ
「ウマい菓子が売ってるから、コーへの礼にな。……あと俺もあれだ、糖分? 補給」
コーデリア
「後日頂きます。今日である必要性はありません」
「状況を理解して下さい、エルミニオ」
エルミニオ
「わかったわかった、……心配かけて悪いな」 コーデリアに続いて歩き出し
「また今度、元気な時に連れてくよ」 
コーデリア
「はい」 頷いて
「先導します。こちらへ」
と歩き出して
エルミニオ
「……」 なんだかんだ、こいつも変わったな。
流れてからこれまでの記憶を振り返りつつ、そんなことを思いながら彼女に続いて歩いて行った。
コーデリア
こんなところでしょうか
エルミニオ
OK お疲れさまでした
20250621_0 ログです
コーデリア
ありがとうございます。では撤退します
!SYSTEM
コーデリアが退室しました
背景
BGM