- !SYSTEM
- ウォードが入室しました
- !SYSTEM
- ネフェリアが入室しました
- ウォード
- やあ
- ネフェリア
- よろしく~
- ウォード
- こちらこそよろしうなんだ。
- 実はあの卓から1ヶ月以上経ってて震えた。
- 前文を適当に用意したので垂れ流しておくね。
- ネフェリア
- うーん、はやい
- やったぜ助かります
- ウォード
- まあ零式も始まったしね
-
-
- ヴァンスで発生していた、カップル同士が大喧嘩を始めるという奇妙な騒動からしばしの時が過ぎていた。
- 往来で大喧嘩を始める恋人同士がいて、時には流血沙汰にすら発展していたというその事件であった。
- その事件の犯人はなんと、ティキラと呼ばれる魔神の一種だったのだ。
- 仲の良い人々が仲たがいをするのを眺めるのが好きだという困った性質を持ったその魔神を誘き寄せる為に、恋人同士のふりをしてデートらしき体裁を行った少年と少女だったが、狙い通りでこそあったのだがその最中に魔神の横槍を受けることとなった。
- そして戦いの末に魔神を退け、ひと息ついた後に、少年は改めてのお出かけへと少女を誘ったのだった。
- それは仲間からのからかい混じりの「続きでもしたらどうだ」というたぐいの言葉もあったが、それでなくともなんだかんだと自分とは全く異なる少女との時間を楽しいと感じていたのは間違いなくて、もう少しその楽しさを感じていたいと思ってしまったのだ。
- そうして少女からも了承の返事を受けて、出掛けることになったのだ、が――。
-
- ウォード
- 「ふう……」 小さく息を付いて、慣れない自身の格好を手慰みに整え直す。先日は依頼の内容的にもしっかりと鎧を着込む必要もあったが今回は完全にただの私的な外出なのだ。金属鎧を着込んで出掛けるのもどうかと思い、それでも無防備でいるのは居心地が悪く比較的見目のいい布鎧を購入して上から上からジャケットで羽織ることにしたのだが、何分そういったおしゃれというものとは縁遠く、果たして自分の格好がおかしくないかと不安を覚えているのだった。
- 先日の事件から、気がつけばそれなりに日が経ってしまっていた。
お互いに冒険者として生活しているのもあり、なかなかタイミングが合わなかったというのを建前に。実情としては、どうやって誘いの声をかければいいのかわからずに後手後手になっていたというところで。
- とは言えいい加減に……と思っていた所、先日〈星の標〉で顔を合わせて、このタイミングしかないと本日の外出を提案したのだった。
流石に依頼でもないのに待ち合わせに〈星の標〉を使うのも、と少し離れた商業街入口の待ち合わせスポットを選んだのだが、早めに到着してみれば似たような目的の顔ぶれが幾つか見えるのだった。
待ち合わせ相手を待つ顔、待ち人が来て出掛ける人々などを眺めながら、少年もまた待ち人が来るまでを空を眺めたりしながら過ごすのだった。
今日は雨も降りそうにない、いい天気になりそうだった。
- ウォード
- まあまあ時間があったので適当にだらだら書いておいたけど、状況把握はしやすいだろうからいいだろう……。
- ネフェリア
- そういえばどんな言葉で誘っただろう
- (格好を変えるかどうかをかんがえている
- ウォード
- この間のお出かけをするって約束を覚えてるかな、って確認から入って、覚えていてくれたらじゃあ、この日空いてたらどうかな、って具合かなぁ。あまり気の利いた誘いは出来なさそう。
- デートって言葉は恥ずかしいのでデートしようという言い回しにはまだ行えない。
- ネフェリア
- おっけー¥
- ウォード
- 何ならデートだと思いながら、いやでも付き合ったりしてるわけじゃあないからコレはデートじゃないはず……みたいな思考があってもいい。
- ネフェリア
- ――約束の刻限、ほんの少し前。
- 待ち合わせの場所へ続く石畳をたどり、ネフェリアは歩く。
- いつもの旅用の白いフード付きマントではなく、深紫色の外套を羽織っている。胸元には金糸で小さく星の意匠があしらわれていた。
- 黒基調の軽装は町歩きに合わせて意識的に布地が多いものを選んだ――“特別”すぎない、でも“少しだけ”おでかけ用、そんな雰囲気。
- (あの時は“依頼”という大義名分があったけれど…… 今日はただ、わたしが楽しむためのお出かけ)
- 嬉しい――でも。
- (わたしだけが、こんな穏やかな時間を貰ってしまっていいのだろうか)
- そんな思いもある。
- 遠い故郷を思えば、胸に刺さる微かな罪悪感。
- それでも応える気になったのは、ウォードのまっすぐな瞳と、不器用なお誘いの言葉に絆されたから。彼へのお礼の気持ちもある。
- だから今日は――ほんの少し、自分を許すことにする。
- 広場に入ると、人波の向こうに見慣れた赤髪が見えた。少年のどこか落ち着かないようすに、ネフェリアはくすりと笑った。
- 「ウォード」 近寄って、声を掛ける
- ウォード
- 「――……あ」 雲の動きを追いながら、そろそろだろうかと思っていた矢先、掛かった声に顔を向けて。 「おはよう、ネフェリア」
- ネフェリア
- 「はい、おはようございます」
- 「お待たせしました。……今日は、どこへ案内してくださるのですか?」
- ウォード
- 何気なくそう名前を呼びながら目に入った少女の様子に、少し目を丸くして。なんとなく、見慣れた格好で来るものと思っていたけれど少し雰囲気の違う姿に、虚を突かれてしまったのだ。
- 「あ、ええと」 挨拶に続いた言葉にはっと我に帰り。小さく頭を振って、気を取り直す。
- ネフェリア
- 「鎧姿とは雰囲気がちがいますね、ウォード。そのジャケット、とてもお似合いです」
- ウォード
- 「本当は、折角だしどこに行こうかなって色々考えたんだけど」 少し考える様子を見せた後、素直に話してしまおうと。頬をかきながら仄かに苦い笑いを浮かべて。
- ネフェリア
- 「はい、ネフェリアはどこへなりともお供します」
- ウォード
- 「あ、ありがとう。変じゃないなら良かった、店の人に選んで貰ったんだけど慣れなくて」 本当に変じゃないかなと少し、引っ張るようにしたりして見せたりして。
- 「それで……色々、考えてみたんだけど。どこに行って何したり何を見たりとか、そういうのを考えて、気付いたんだよね」
- 「どうすれば楽しめるかなって考えたけど、それで何をすればいいのか何もわからないなって……。僕って、ネフェリアが何が好きだとか、どういうことが好きだとか。そういうのをまだ何も知らないから」 きっと逆もそうなのだろう。
- ネフェリア
- ネフェリアは小さく首を振り、微笑んで 「変どころか、とても新鮮です。髪の色が映えて、よくお似合いですよ」 よい店員さんだったのかもしれない
- ウォード
- 「だから。今日は、前と同じ様に。商店街を見て回って、お昼を食べたりして。それで、ネフェリアのことを教えて貰おうかなって……。どうだろう?」 王都の商店街、なんだかんだでしっかりと見て回る事も少ないからそういう意味でも新鮮でもあると思ったのだが。果たしてそれは少女にも当てはまるだろうかと今更に少し不安になってしまった。
- ネフェリア
- 「なるほど」 胸の前で両手を軽く合わせる。 「それなら、きょうは良い機会ですね」
- ウォード
- 「……あ、ありがとう」 重ねて褒められれば少し気恥ずかしく。良かったと安堵しながら、はっと思い出して。 「ネフェリアも、普段見かけるのとは違って……」 なんと表現すれば良いのか、良いとは思っているがうまく言葉を見付けられずに考えて。
- ネフェリア
- 「ネフェリアも、ウォードにも、この街にも、知りたいことがいっぱいです。きょうは、お互いを少しずつ探す時間にしましょう」
- ウォード
- かわいいとか素敵とかそういうのとは何だか違う気がして。 「落ち着いてて、素敵、だと思う」 これで正しいのだろうか、わからないが浮かんだ言葉を口にして頷き。
- 「よかった。そうやってネフェリアのことを知れれば、次はもっと楽しめるだろうから。どこかに行ったりするなら、それからの方が良いかなと思って」 お互いを探す時間に、と受け入れて貰えればほっと胸を撫で下ろして。
- ネフェリア
- 「ふふ、ありがとうございます。イルスファールへ持ってこれたものも数少ないんですけど…… その中にこれがあって良かったです」
- ウォード
- 「ネフェリアは、イルスファールの人じゃあなかったんだ。……もしかして、漂流者なのかな」 雰囲気的にも、とそういうことを話しながら。
- 「とりあえず、ゆっくり歩いて見て行ってみよう。……実は僕も、普段はなんだかんだで実用品ばっかり見てて」 このあたりの一般の人も使うような店はあまり見たことがないのだと言って少し気恥ずかしげに。
- ネフェリア
- 「道ばたの屋台でも路地裏の古本屋でも、たとえ立ち止まるのが花壇の前でも…… あなたが気になった場所へ、ネフェリアを連れていってください。代わりに、わたしが気に留めたものも、あなたに全部教えます」 ちょっとしたゲームでもするかのようで、少し楽しくなってくる
- 「はいっ、では行きましょう」 歩き出しながら、
- 「漂流者というのは、因果もわからず、この大陸に転移してきてしまった者のこと――でしたね」
- ウォード
- 「実はこんな大きな街には慣れてないから……色んな場所で足を止めるかも」 冗談半分本気半分で言いつつ。 ネフェリアがどんなものに気を引かれるのかと思えばそれも楽しみで。
- 共に歩き出した少女の手に一瞬視線が向かうが、以前と違って無理にそういう素振りをする必要もない、と小さく気付かれない程度に頭を振って。
- 「僕も詳しくはないけど、そう言われてるよね。……住んでると慣れて来るけれど、やっぱり変な土地だとは思う」
- !SYSTEM
- 背景を変更 by ウォード
- 無題
- !SYSTEM
- BGMを変更 by ウォード
- 無題80%
- ネフェリア
- 「それで言うと、当たらずといえども遠からず――でしょうか。こちらへ来たのは自分の意志でもありますが、実際どこへ出るかは分からなかったので」
- ウォード
- 細かいところを見ては行けない雰囲気だけの背景。(それっぽければいいやという雑生成)
- ネフェリア
- 「わかります」 ネフェリアにとってはウォードの理由と同じではないが、遠い異国の地、何もかも新鮮に映るのだ 「このあいだは、つい、楽しくて依頼を忘れてしまいそうでした」 と小さく舌を出す。
- ウォード
- 「どこへ出るかはわからない?」 奇妙な言い回しに、少し首を傾げた。
- 「なら、お互い様かな」 分かる、と言ってくれればそう言って少し安心したように。 「僕も、だからまた出かけよう、なんて言っちゃったんだけど。あんなふうに、女の子と歩くのも初めてだったし」
- ネフェリア
- 「……ネフェリアは、ある魔域を通してこの地に来たのです。遠い遠い国から」
- ウォード
- 「ええっ」 魔域を通して来た、なんて話に思わず驚いて声が出た。声を上げてから、周りの人の目に気付いてなんでもないと示して。
- 「魔域って……あの魔域だよね」 奈落の……と。冒険者として最低限の知識はあるが、それ以上は持ち得ない為に“奈落の魔域”と言えば発見すればすぐに破壊するべきものという印象しかないのだった。
- ネフェリア
- 「魔域は、ここにあり、どこでもない、異なる場所に存在する世界。熟練した奈落睨士は、ふたつの魔域をつなげて行き来することもできるんですよ」
- ウォード
- 「ネフェリアも、その奈落睨士……なんだよね」 あまり身近とは言い難い能力で。信じていないというより単純に耳慣れない言葉を口にするのに少し詰まり。
- ネフェリア
- 「その端くれ…… ですね」 誇らしさともどかしさのないまぜになった表情、 「さっき言ったような大きな魔法は、いまのネフェリアには扱えません。まだまだ修行中の身です」
- ウォード
- 「……じゃあ違う魔域から入って別のところから出れば……」 さっき言っていたように遠い場所から別の場所に行くこともできる……ということなのだろうか。少し想像したこともない話になってきて、理解が追いついているとは言い難いかもしれない。
- 「あ、やっぱり大変な魔法ではあるんだ」 扱えないという言葉に、そう言って。そりゃあ誰でもそんな事ができるなら、もっと噂になってるかと思い直すのだった。
- 「僕なんて自分の体を使うことしかできないから、端くれでもなんでも凄いと思うけど」 そういう魔法とか得意な才能はからっきしだと。
- そういう会話をしながらも、歩き出す前に話した通り、気になるものがあれば足を止めて眺めたりもするのだ。小物屋の用途のわからない品物を眺めたり、歩きながら飲むのにちょうど良さそうな屋台のドリンクを買ってみたり。
ウォードの歩みは遅い。それは自分よりも小柄なネフェリアに合わせてというものではなく、一歩一歩を確かめるように足を進めているからだと観察していれば気付くだろうか。
- ネフェリア
- 「はい、そういう事です」 本当は、もう少し事情が異なるのだが、ウォードからすれば、あまりに浮世離れした話で信じてもらえないかもしれないと、そのくらいにとどめておく。 「でも、いつかネフェリア自身でも扱えるようになってみせます。いまの目標のひとつなんです」
- 「ありがとう、ウォード。でも、ウォードも自分を卑下してはいけません。人を守ることのできる才があるじゃないですか」
- ウォード
- 「きっと出来るよ」 いつか扱えるように、と言う少女に簡単そうに言って頷いた。簡単そうに言うが適当に言っているわけではなく、本当にそう信じている様子。 「じゃあ、こっちにはその修業のために……みたいな感じなのかな」 志が大きいなと目を眇めて少女を見て。
- ネフェリア
- 屋台で買ったドリンクを片手に、ウォードについて見て回る。奇妙な魔除けを手にとっては店員に質問し、明るい色の外套を見つければ羽織ってみて、「どうですか、ウォード」 と尋ねてみたりする。
- ウォード
- 「田舎から出てきて、自分に出来ることをしようと思ったら、それが一番うまく自分を使えると思ったんだ」 人を守る才がと言われれば、頷いて。 「凄い鎧を作って貰えたりもして」
- ネフェリア
- 「――そうですね。ネフェリアの故郷は長く苦境にあります。いつか皆を救える力を身につけたいのです」
- 「確かに、あの鎧は見事でした。きっと、名のある職人の手によるものなのでしょう」
- ウォード
- そんな魔除けを買うのかと目を丸くしていたり。その一方でこちらはこちらで、薬草の類や体の調子を整える為の道具なんかに興味を見せがちだったことだろう。外套なんかを羽織ってどうかと言われれば、「似合ってると思う」と素直に返す。適当ではなく、何を手にとっても少女の為に誂えたように見えてしまうのだから仕方がない。
- ネフェリア
- 「あんなに重い鎧を着こなして自在に動けるウォードは、ほんとうにすごいです。ネフェリアが同じものを着たら……、きっと、その場から一歩も動けないでしょうね」
- ネフェリア
- 回避が-15とかになる(のか
- -18かもしれない
- ウォード
- 10秒間に3mの制限移動は可能!
- ウォード
- 「そっか。故郷のことが、とても大事なんだ」 皆を救える力をと言う様子には、強い決意のようなものが感じ取れて。それほどに、その故郷を想っているのだろうと。
- 「……実はあの鎧って、“奈落の魔域”で出会った変わり者のゴーストに作って貰ったんだ」 見事だと褒められれば、少し嬉しそうに。 「長くなるから、もしも興味があればご飯のときにでも話そうか」
- ネフェリア
- 「なるほど、そんな薬効が……」 とウォードや店員の言葉を聞きながら、同じ薬草を買ったりしていた。
- ウォード
- 「なんだかんだでああいう鎧って、着るのに慣れればそこまで重いって感じはしないんだけれど。でも、確かにネフェリアには似合わないかも」 鎧を着せて、全く動けなくなっている少女の様子を想像すれば、少しおかしくて笑みを浮かべてしまった。
- ネフェリア
- 「はい。何より大切です。故郷も、民も」 ネフェリアは眼の前の風景を見ているようで、どこか遠くを見ているにも見える。
- 「変わり者のゴースト…… なんだか面白そうな話ですね。ぜひ」 ふふ、と笑って
- それから、首をかしげる。 「でもゴーストに、槌や道具を握ることなどできるのでしょうか?」 想像して、楽しそうにまた笑った
- ウォード
- 聞きかじりで奈落睨士についての説明を受けたのであれば、それならとリラックスできる物があればイメージを固めるのに役立つのではないか、と。薬草とまでは言わないまでもミント系のポプリやハーブティーを勧めてみたり。
- ネフェリア
- 「さっき、田舎から出てきたと言っていましたが、ウォードの故郷はどんなところなんですか?」
- 「もし良ければ、聞かせてください」
- ウォード
- 「そこまで、大事に思えるっていうのも羨ましいな。……僕はあまり、折り合いがよくなかったから」 遠くを見る目に、少し淋しげに。聞かせて欲しい、という言葉には頷いて見せて。
- ネフェリア
- むかしのアーティストと薬物の親和性を思うと、感覚を鋭敏にする変なおくすりとかありそう
- ウォード
- 「もちろん持てなくて。だけど、その手足になるためのルーンフォークの女の子も造られてたんだ」 ネフェリアの抱いた疑問に、その疑問は正しいと頷いたりして。
- ネフェリア
- 「――……」 ウォードの表情に、聞いてもいいものだろうかとも思ったが
- ウォード
- 魔動機文明を挟んでるから多少マシにはなってそうだけど麻薬スレスレのはまあまあ多そう。大麻も合法そう
- ネフェリア
- 「なるほど、そのための助手が……。職人の幽霊と共に暮らすルーンフォーク…… なんて不思議な組み合わせ、まるで物語のようです。ぜひそのお二人にお目にかかってみたかったです」
- ウォード
- 「ごく普通の開拓村で、農業や狩猟で外貨を稼いでる様なところだよ。二月に一度くらい、行商人が来てくれるだけでもイベントになるくらいの」 ほんの小さな村で、と。
- 「じゃあ、後で話そうか。自分に自信がなくて、だけど凄い鍛冶師だったその人のこと」 興味を持って貰えているようなので、なんとかまとめて伝えることにしよう、と。お昼ごはんまでの課題ができたのだった。実はそのルーンフォークは、こちらに出てきているので会える、と伝えれば驚いてくれるだろうかなんて思うと少し楽しみかもしれない。
- ネフェリア
- 途中、焼き菓子の甘い香りに足が止まり、黄金色のタルトを指さして店主に熱心に問いかける。さっきのお茶に合いそうだと小さな紙袋に詰めてもらったり。
- 人だかりが出来ているのを見かけると、首を突っ込んで、楽師たちが奏でる音楽に耳を傾けたり。
- 以前訪ねた村を思い出しながら、ウォードの話を聞く。
- ウォード
- 「それで、僕も普通にそこの農家の子供に生まれたんだけれど……」 そこまで言って、はたと。そういえばこれを話すには自分の体質についても話さないといけないかと思い至って、少し言葉が止まって。
- ネフェリア
- 「農業も、狩猟も、恵みを得るには季節や自然に左右されます。きっと暮らしには大変なこともあるのでしょうね」
- 「そんな村から、どうして旅に? ――外の世界に出る決心は、簡単ではなかったはずです」
- 「――、」 ふと、言葉が止まったのに気づいて 「ウォード?」
- ウォード
- 甘い匂いに惹かれて買い込む様子に、やっぱり女の子はこういうの好きなんだなと思いながら眺めて。人だかりに入っていく時には、少女が楽になる様に率先して人込みへ割り行って。
- ネフェリア
- 「……もし話しづらいことなら、無理に教えなくても大丈夫ですよ、ウォード」 微妙な機微に、少女はそのように解釈したようで、少年を慮るようにそう言った
- ウォード
- 「うん」 名を呼ばれればは、として頷き。続いた気遣うような言葉に、大丈夫というように小さく首を振って見せて。 「……外に出るのを決心したっていうより、僕に問題があったから」 そう、言葉を続けて。
- ネフェリア
- 「――問題、……ですか」
- ウォード
- こんなことを聞かされても困るだろうかなんて思いながら、それでもどこかで聞いて欲しいと思ってしまった、のかもしれない。
- 問題、という相槌に一つ頷いて見せて。 「ネフェリアって例えば、怪我をしたら、どう感じる? 火とか、氷に触ったりとか」
- ネフェリア
- 「――」 奇妙な問いだと思った。それでも、 「どう感じるかって…… 怪我をしたら痛いですし、熱いものも冷たいものも、長く触っていられません。感じ方は皆さんと変わらないと思います」
- ウォード
- 「それが普通だよね」 うん、と頷いて。続く言葉を口にするのには、少し勇気が必要だった。 「……僕は、それが全然感じられなくて」
- ネフェリア
- 「……感じられない――?」
- ウォード
- 「怪我をしても痛まなくて、熱いとか冷たいも同じで。……この間、平然としててすごいって言われたけど、汗なんかもかかないんじゃなくて、かけないみたいで」 手を繋いだ時、言われたことだ。
- ネフェリア
- ネフェリアは静かに息を吸い込み、そっと自分のてのひらを見下ろす。あのときのことを思い出したのだ。
- ウォード
- 「普通にしてればわからないんだろうけど、やっぱりそういうのって伝わっちゃうんだよね。……怪我をして、血だらけになって家に帰ってお母さんに悲鳴を上げられたり、なんてこともあって」
- ネフェリア
- あの時、彼の手は確かに温かかった──けれど汗ばむ気配はなく、まったく動じていないのだと思った。ではそうではなかったのか。
- ウォード
- 「小さな、田舎の村だから。やっぱりそういう、“へんなやつ”には当たりは良くなくて。……だから、出ることを決意したっていうよりは、もういられないなと思って出て来たってことになるのかな」 自分が村にいては両親も扱いがよくなかっただろう。
- ネフェリア
- 「……そうだったのですね」
- ウォード
- 「――でも、悪いことばかりじゃあないと思ってるんだ」
- ネフェリア
- 「人は、自分と違うものを奇異の目で見てしまいますから。閉じた環境では、その視線がより強くなるものです。幼いあなたには、その目がきっと――痛かったでしょうね」
- ウォード
- 「痛くないから、こういうみんなの壁になるのに、躊躇いとかそういうのを覚えないで済むっていうのは普通の人じゃあ難しいこと、なんだよね」 実感はないけれど。人が躊躇うことを迷いなく実行できる、というのは強みになっているはずで。
- ネフェリア
- 悪いことばかりじゃなかった、との言葉に、伏せていた目を上げて、ウォードを見る。
- 「……そうですね。痛みがあるから、ひとは本能的な恐れを覚え、生き延びるためにそれを避けようとするのでしょうから」
- ウォード
- 「あの頃は……そういうのも、あまりわかってなかったかも」 痛かっただろうという言葉には、苦笑して。当時はそこまで考えていなかったと。 「でもあそこに、そのままいられないんだっていうのを実感した時は、寂しかったとは思う」
- 「そういうのがないから、思い切り踏み込めるし、身代わりになれるし。魔物なんかを殴り付けるのも、力いっぱい出来たりとか。……その分、しっかり自分の身体を面倒見てやらないといけなかったりするんだけど」 だから、人間の身体や薬草なんかにも詳しくなったと。
- ネフェリア
- 「躊躇うことなく、身を晒せるというのは、確かに他の人には出来ないことかもしれません」
- 「それで、薬草のことにも詳しいのですね。痛みを感じないということは、怪我をしていることも気づきにくいのでしょうし…… 自分の身体の特性と向き合ってきた、ウォードなりの戦い方なのですね」
- ウォード
- 「だから、今はちゃんとこういう身体で役に立ててるんだ、って思うんだ。大変なことも多いけど」 そう言って嬉しそうにしているが。自分を擲って他者に尽くすことに喜びを見出しているということに危うさを覚える者もいるだろう。
- 「違和感を感じないわけじゃないから、そういうときはしっかり見るようにはしてるんだ」 自分なりの戦い方と表現されれば、頷いて。
- 「良かったとは言ったけど。でも、やっぱりおかしいとは思ってるんだ」
- 「こんなの普通じゃあないから。だから、誰かに話したのはこれが初めてなんだけど……」 やっぱり気持ち悪いと思われてしまっているだろうか、とネフェリアの反応を伺う。
- ネフェリア
- ネフェリアはウォードの言葉を聞きながら、そっとまばたきを一つ。
- 「……自分の痛みのかわりに、他人の痛みを引き受ける――ですか」
- ウォードの顔を見る。その笑顔は誇りに満ちているように見えた。自分にしかできないことを見つけて、それを力にして―― それを誰かに使えることに喜びを覚える。その気持ちにはとても共感できた。
- ウォード
- 「そこまで、考えてたわけじゃないけど……」 ネフェリアに、自分の行いを言葉にして貰えば、それは自分が思っている以上に良いことに思えて。
- 「でも。そうか、僕がそうしていれば。そういういやなことが減らせるんだ」 痛いという辛いマイナスの感情を、自分が引き受けることでゼロにできるのだと。そう強く実感できて。
- ネフェリア
- 「痛みを知らないからこそ、踏み込める場所がある。けれど、それは簡単なことではありません。あなただって、喜びも、かなしみも、恐れも覚える普通の人なんですから」
- 「あなたは、自分自身と向き合って、戦っている。それだけで、ネフェリアは十分すごいと思います」
- 「………」 ウォードの心配そうな視線に。村の者のように気味悪がられていないかと心配しているのはすぐに分かった。そんなことは思っていないと、首をふる。
- ウォード
- 「ありがとう、ネフェリア。そう言って貰えて、ちゃんと自分のこと、もう少し好きになれたと思う」 悪いことだけじゃない、と。それは口にしていても多少なり、そう思い込もうとしていた部分があったのだ。
- ネフェリア
- 「あなたの技術や知識は、あなたが自分に向き合ってきた証拠です」 何と危ういことだろうか。それがなければ、とてもいままで生き延びられなかっただろう。 「……だから、ネフェリアが何かを言えた義理ではないのですけど」
- ウォード
- 「本当は、こんなことを言うのは少し迷ったんだけど。……でも、言ってよかった」
- ネフェリア
- 「ウォード。どうか、自分を大切にしてください。ひとを守るために、自分自身を守ってくださいね」
- ウォード
- 「うん。わかってる、これでもちゃんと依頼に出た後は休養を取る様にしてたりはするから大丈夫だよ」 そう頷いて答えるが。そうするべきだと判断して出来ているだけで、必要と判断すればあっさりと自分を擲ってしまいそうな危うさは取り除けまい。
- ネフェリア
- 「あなたが倒れるということは、あなたが守る者、あなたがこの先守る、数多の者を危険にさらすことだと―― そう心に秘めて、あなた自身を大切にしてやってください」
- ウォード
- 「……うん、わかった。ちゃんと、大事に使う様にするよ」 重ねて言われれば少し神妙に。それでもどこか他人事のようなきらいがあるのは、痛みという実感がないことに起因するのだろう。
- ネフェリア
- 「………」 どこか切なさをにじませて、少年の目を見つめる。ウォード自身は、きっと気がついていないのだろう。
- ウォード
- 「ネフェリアは優しいね。僕みたいなのに、ちゃんとそんな風に言ってくれるんだから」 良いように使おうと思えば、それもできるだろうにと。心の蟠りを解すだけでなく、心配までしてくれるのだから。
- そう言って。自分を見つめる少女の目に宿った色に、何かおかしなことを言っただろうかと怪訝そうにして。
- ネフェリア
- 「ネフェリアはただ…… あなたのような人が、報われてほしいと思います。ちゃんと、生きて、立って、笑って――いてほしいんです」
- ウォード
- 「報われる……って言うなら、さっきがそうだと思うよ」
- 「ネフェリアがすごいって言ってくれて、認めて言葉にしてくれたから。それで、自信が持てたんだ」
- ネフェリア
- 「話してくれてありがとう、ウォード。ネフェリアも、もっと力を付けますね。共に戦うときに、きっと支えられるように」
- ウォードの言葉に、ネフェリアはふと目を見開き、そして少しだけ恥ずかしそうに微笑む
- ウォード
- 「こっちこそありがとう。こんな話を聞いて、そう言ってくれて。僕も、もっと頑張ろうって思う。ネフェリアも、他の人ももっと多くの“痛み”を減らせるように。それと、心配も掛けないように」 もっと実力を磨けば心配をさせることも減るだろうと。
- ネフェリア
- 「……そんなふうに言ってもらえると、少し照れてしまいますね」
- ウォード
- 「……?」 照れるようなことを言っただろうか。
- ネフェリア
- 「自分に向き合って、それでも前を向けるひとは、そう多くありません。ネフェリアの言葉を導いたのは、それはきっと、あなた自身がずっと頑張ってきたからです」
- 「うん。がんばりましょう、ウォード」 ぴょんと小さく跳ねるようにして、両の拳を握った。
- ネフェリア
- ★2が立ったらがんばりましょうね
- ウォード
- 「体は、僕が守れるけど。ネフェリアは体だけじゃなくて、気持ちも楽にしてくれたから」 だからすごい。
- ウォード
- こんな感じで話をまとめつつ、でーとは続けながらフェードアウトする頃合い。
- ネフェリア
- うむ
- ウォード
- たぶん後で買っておいた詰め替えできるポプリをプレゼントしたりした。
- ネフェリア
- 「だから、それはウォードがすごいのであって……」 エンドレス。
- ネフェリア
- かわいいね~
- ウォード
- そんな風に小さな秘密を打ち明けあったのもあって、お出かけが始まった時よりも少し自然な雰囲気になりながら、その日は一日平穏に過ごしたことでしょう。
- ネフェリア
- ほほえましい一日でした
- ウォード
- 別れ際には、また誘ってもいいかを尋ねて、次の行き先は一緒に決めようと言ったりする。
- ネフェリア
- おつかれさまでしたン
- ウォード
- 実は直前まで、もっとちゃんとしたデートさせようか考えてたんだけど
- それよりはお互いを知ろうって方がいいかなとなったのだった。
- おつかれさまでした。
- ネフェリア
- このくらいがちょうどいいでしょう
- ログは20250418_0か
- ウォード
- うむ
- ネフェリア
- もう一ヶ月かはやいな…… また遊んでください
- ウォード
- 良い感じに好感度が上がったし、無茶しようとしたときに止めに行くフックもできたぜ
- こちらこそだわ。零式攻略がんばってね……
- ネフェリア
- 事情を知ったのはおおきいね
- うむ……
- 二層がなかなか大変だった
- 突破したのであとはスムーズにいくといいね…
- ウォード
- 零式ないタイミングとかで遊べたら遊ぼう……。
- ネフェリア
- うむ。卓も出たいしたてたい
- ではではまたよろしくお願いします
- ウォード
- それじゃあ退室確認したらたたんでおくわ。今日はお付き合い感謝よ。
- ネフェリア
- TETAI!
- !SYSTEM
- ネフェリアが退室しました