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望むこと望まれる事

20250115_0

!SYSTEM
シャルルが入室しました
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アキトが入室しました
アキト
おまたせしました
良ければ書き出そう
シャルル
いえいえ
お願いしまーす
アキト
よろしくお願いします
シャルル
よろしくお願いします





 
――魔動人造人間・シャルルマーニャが冒険者として依頼を請け、王都イルスファール、〈星の標〉へと帰還したその翌日のこと。
 
「シャルル」 彼女と揃いの金の瞳を持つ、黒髪の青年がその名を呼んだ。
帰還した翌日である今日は依頼を請けず疲れを抜こう、という青年の提案から、青年と少女は普段の時間を過ぎても部屋で休息を取っていた。
気が抜ける時間を過ごしながら、多弁ではない青年の声が響くと、彼はこう続けた。

「少し、話がしたい」 それは、青年が少女出会ってからすぐはあったものの 旅を始めてからは言われなくなっていた言葉だった。
 

 
昼下がりの星の標は、気が抜けるほど人がいなかった。
昼食を食べた面々も店を後にしたのか、それとも何かの用事があったか。
ともかく、青年が少女を連れ出したとき、その場はがらんとした静かな空間になっていた。
アキト
ギターケースを背負った青年は、酒場の席の中でも最も隅の席を選ぶとそこに腰掛け シャルルにもその向かいに座るように促した。
――それから。
しばしの沈黙が流れた後、青年はギターケースからアコースティックギターを取り出すと、その音を奏で始める。
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BGMを変更 by アキト
"Take Me Home, Country Roads"100%
アキト
「……シャルル」 ギターを弾き、少し落ち着いたのか。指を動かし、音を奏でながらゆっくりと声をかける。
シャルル
青年に連れられて いつもの服装 いつもの姿で対面の席に付き 音が奏でられれば、頭に浮かぶ歌詞を口にする
「"一人ぼっち恐れずに、生きようと、夢見てた"~♪」 
アキト
「少し、考えたんだ。サイゾウやオザンナ達に、言われたことを」
シャルル
「"寂しさ、閉じ込めて……"、……?」
アキト
「労いの言葉が足りない、とか。言われていたんだよ」
シャルル
「そんなことはないと思いますよ」 ふんわりと微笑んで 「お役に立てているなら嬉しいですし、それに加えてお言葉も頂けるなんて、過分なことです」
アキト
シャルルの返答に静かに目を伏せる。お前は、きっとそう言うだろう、と思ったから。
「どうしてなのか、考えたときに」 わずかに、ギターの音色が歪んだ。
「お前がそう言ってくれていても、周囲にはそう見えないほどの言葉しかかけていないのは」
「それは、俺がシャルルのことを道具として見ているからだ、と思った」
シャルル
「………、それに、何か問題が?」 小首を傾げて
アキト
僅かにペースが落ちて、すぐにそれが持ち直される。
「お前は、道具扱いそれで問題はないと思うだろう」
シャルル
「アキト様は、そうではない、ということですね」
アキト
「少し、違う」
シャルル
「……なにか不足がありますか?」
アキト
「俺もそれで良かったんだ。言われるまでは」
「だが今は、……そうでない自分がいることに、気づいた」 
シャルル
「………」 意図を掴むために、聞きに回って
アキト
「……シャルルへの扱いと、」
「他の皆への扱いと」
「距離が近い分、シャルルには任せることは多くても……本質的な部分では、俺は同じように見ている、と思う」
「つまり、……お前のことを人形として扱う節もあるのと同時に、友人のように思う節もある」
「……」 少しうなって。 「悪い。伝わりづらいな」
シャルル
「つまり、」 言葉を少女人形は咀嚼した 「アキト様の中で、私との関係が変化している、と」
「その過程で、道具としてだけは見られなくなっている、ということでよろしいでしょうか」
アキト
小さく頷くと、 「ああ。お前には、都合が悪いかもしれないが」
――自らを道具としているというのに、これまで道具として扱っていた者から、ヒトを求められる。
それは、なんて勝手なことだろうと。――きっと、彼女はそう言わない
シャルル
「いえいえ」 少年の想像通りの笑顔を浮かべて 「アキト様の中でそのような変化があるのは良いことですよ」
「私のことはお気になさらず、必要であればそう振る舞いますね」
アキト
その表情も、言葉も。どちらも予想していたものと違わないことが、彼女への理解が正しいことの裏付けで。
もしも、を期待した心が僅かに呻いたような、そんな気がした。
シャルル
少女は続ける 「どのような振る舞いをご希望ですか?」
アキト
こんな事を言うくらいならば、所有権を放棄して、主と従者という繋がりを放棄して、そこではじめて言えばいいのに。
弱い。……小さくて、弱いな。
「希望はない。シャルルの思いついたように行動してくれたらいい」
シャルル
「………」 少し間があって 微笑みを浮かべる 「では、これまで通りに」 当たり障りない、そして相手にも負担にならない、的確な回答だ
アキト
こんな繋がりが無いと、言葉にするのも恐ろしいのか。
――考えてみれば、人との繋がりなど師匠のほかには余程なかったから、当然、か。
「……これまで通りでは、なくしてくれ」
シャルル
「……、申し訳ありません」 折り目正しく頭を下げて 「では、そうですね」 少し悩む様子を見せた
「アキトさん、とお呼びするのはどうでしょうか」 演算が終わった様子で 笑顔を浮かべながら少女の形をした物は提案した
アキト
指が止まって、数拍の無音の時間が出来て。それから、再び旋律が流れ始める。
「……俺の許可は、求めなくていい」
「自分で選んで、……決めていって欲しい。出来るか」
シャルル
「これなら多少は気安く見えるのでは――、」
「…………、」 間があった
主の意図していることを掴みかねているような、そういう間だ
彼女の中では、"アキトは対外的な印象に対して懸念が存在している"と固まりつつあった
それとは別方向の要望が来ていて、再び少女は演算を開始する
アキト
この間が、何を意味するのか。言葉にせずとも、それには察しはつく――思考が追い付かなくなったときに見られるものだったから。
シャルル
少し固まった少女は 暫くしてから再び笑みを浮かべる
「アキトさんは、他の方の目が気になっている、と思っていましたが、違うご様子ですね」
アキト
「……」 今、彼女は懸命に思考しているのだろう。“主の意図を汲み、それを果たす”ために。
シャルル
「私が自分で決めることは、アキトさんのためになりますか?戦闘やお世話においては、その辺りの自己判断はしているつもりでしたが、受動的になっていましたか?」
「そうであれば、怠慢でした。申し訳ありません」 折り目正しいお辞儀をする
アキト
「違う」 だが、シャルルに求めたいものは、今はそこにはない。
求めたいもの? ――道具として扱いたくないと思いながら、よくもまあ。
シャルル
「………、」 顔をあげ 再び少女は固まる
アキト
――うるさい。知ったことか。脳裏に響いた自分の声を強引に踏み潰して 
――俺の為になる。シャルルが道具としてではなく、人間としていてくれるということが」
「今、俺にとっては一番重要なことだと思う」
シャルル
少し間を置いて 微笑みを浮かべる 「なるほど、そういう振る舞いをご希望なのですね」 「申し訳ありません、なるべく違和感のない振る舞いを心掛けて居たのですが、アキトさんからすると違和感のある振る舞いだったのでしょう」
アキト
「いいや。……違和感はなかった。なかったんだ、シャルル」
「それが心地良かったから、何も言わなかっただけで。……ただ、俺が気づいて、変わっただけなんだ」
「だから、もう謝らないでくれ」
シャルル
「………、」 ぴたり、と表情も動きも固まって
「…………、」 じ、と金色の瞳が少年を見つめ続ける 瞬きもせず、ただ、じ、と
アキト
その視線を受け止めながら、ゆっくりと指を止める。
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BGMを削除 by アキト
アキト
青年もまた黙したまま、少女の演算思考を待ち続ける。
シャルル
必死に演算をする 少年の意図を掴むために 正しい回答を導き出すために
無表情のまま、少女は口だけを動かしてこう口にした 「よく、わかりません」 「マスター・アキトの意図を掴みかねています。現在、リソースを演算に殆ど回しています、対人インタフェースが機能していません」
「もう暫くお待ち下さい」
アキト
「……、……1分しても結論が出なければ、中断しろ」 
シャルル
「最優先タスクに設定しました」
「口頭でカウントします、59、58、」 淀みなく少女は数字を口にしていく
力が抜け 身体が傾き始める
「47、46、45……」
アキト
「……、」 席を立って、シャルルの隣に腰掛けて
その体を受け止めながら、時間を待つ
シャルル
「38、37、36……」
「……24、23、22」 ゆっくりと時間は進んでいって
「………6、5、4、3、2、1」
「タスクを強制終了、通常状態に復帰します」
「………」 ぴく、と震えると
「………、お手間をおかけしました、アキトさん」 ゆるく微笑んで身体を起こす
アキト
「……」 緩く頭を振って
「思考はしなくていいが、先ほどの俺の言葉は記憶しているか」
シャルル
「はい」 頷いて見せて
「何を求めていただいているのか、今もわかりません」
アキト
「時間があるとき、他に影響が出ないように思考してくれ。……俺は、俺が求めているものは、」
逡巡の後、普段していたようにシャルルの頭をぽん、と撫でて
「道具としてではなく、仲間として、人として一緒にいてくれること、だ」
シャルル
「………、演算が終わりましたら、まずアキトさんにお伝えしますね」
アキト
「ああ」
「……、」 負担をかけたことを謝ろうとして それだけは違うと、思った。
「シャルル」
シャルル
「はい」
アキト
「出かけよう。……外で、一緒に演奏がしたい」
シャルル
これから先、演算をするのに必要なものは多くの"情報"と"経験"であると少女は結論付けた
「はい。喜んで」 だが、それが集まるまでもなく、自分は闇狩の人形として、少年のそばにあることは変わらない
アキト
ギターケースにギターを納めて 肩にかけ
シャルル
であれば、やることはこれまで通りに、そして少年の意図に徐々に近づいていけばいい 柔軟性に富む少女の思考回路はそう結んだ
アキト
普段通り先んじて歩き出す――ではなく、少女が立ち上がるのを待って ともに歩いていく
シャルル
アキトの少し後ろを歩いて 続いていく
アキト
こんなところか
シャルル
そうですね
宿題を頂きました
アキト
少しずつ解いてくれ
シャルル
頑張ります(ぐ
アキト
こっちが次話で死にそうな宿題で
ちょっと笑うな
シャルル
私が死んでも面白いですね
アキト
生きろ生きろ
シャルル
何のことでしょうか? って
どちら様でしたか? って始めるのは
ルーンフォークの醍醐味です
アキト
12セッション分まであと4回ある
シャルル
20250115_0 ログ番号です
アキト
ありがとう。では先に撤退する
お疲れ様でした。
シャルル
お疲れ様でした
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アキトが退室しました

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