相刻のネクサス chapter 3 幕間14
20240216_1
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- アニトラが入室しました
- アニトラ
- なかなかノープランひとりCC
- アニトラ
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- アニトラ
- 描写むずくね?(
- アニトラ
- 悲劇の夜を迎えた、魔術都市ロージアン。
一通り救助活動等が終わった今、一時の休息を取る時間となった。
次なる対策や準備のためというのは勿論、何よりこの痛ましい事件で擦り減った心身を休ませるのは、必要なことだ。
ある者は泥のように、ある者はうなされながら、ある者は寄り添い合って、眠りについていた。
学生寮。
ここには依頼のために訪れ、そして悲劇に関わった冒険者達が部屋を借りている場所でもあった。
冒険者達も皆、疲弊していた。件の魔剣による凶刃は仲間にも及んで、消え失せてしまった。
やり場のない怒りと悲しみ抱えた者、心を閉じて作業に奔走した者、心が折れ塞ぎ込んでしまった者など……
事件解決のため、再編の可能性がちらついて見えるような状態だ。
今はその借りた部屋かいずこかで、この一夜をやり過ごそうとしていた。
603号室。
部屋は他同様に薄暗闇に包まれ、静寂に満ちていた。
時折、ベッドの軋む音が僅かに鳴った。
ベッドの中では未だ眠りにつけず、ただ横たわっているだけのグラスランナーの女性が居た。
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- トゥエルヴが嬲るように斬りつけてきた言葉の刃を頭の中で繰り返す度に、
強く掴まれた腕が、壁に叩きつけられた背が、圧迫された気道の辺りが、心が、痛む。
- 親友からそのようにされて、どうしたらいいかわからなかった。
ただただ無力な事実を突きつけられて、果てには信頼を失ってしまった。
- 出会わなければ良かったとも言われた。
- 自惚れだった。彼の世界に、自分が入れる余地は無かった。
- 自分と彼の間に調和は成立しなかった。
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- ソフィアの何もかも諦めた姿を思い出す度に、胸が締め付けられる。
交流関係の中で一番近くに居たであろう彼女に、少し考えればわかるようなことを口に出してしまって、
無責任に、浅慮に、追い詰めてしまった。
- 彼女の世界に、自分が居なかったのはわかっていたことなのに。
余計なお世話だった。そっとしておくべきだった。
- 彼女の孤独は、自分が触れていい領域ではなかった。
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- イーサンは秘儀の間でトゥエルヴの怒りを受け止め、
そして必要に応じたように感情を殺し、迅速にすべきことを見定め対応していた。
恐らく彼は、フィオリに庇われたという意識が強く、それを責任として重く受け止めている。
- あれでいて、彼なりに他者を気遣おうとしているのはわかった。レイラに手渡した飴の存在を思い出す。
辛い気持ちを押し留めようとしているのは、何も自分だけではない。
本来なら自分も、そのようにやるべきだった。
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- レイヴェンがトゥエルヴとソフィアの二人を抱き寄せた姿が、不意に浮かんだ。
彼も少なからず無力を味わっただろうに、年長者故か切り替え早く、その後も頼もしく振る舞った。
色んな場所から求められていたのか、気づけばその姿は見えなくなっていた。
- 彼はどこで一息つけたのだろう。
こちらが勝手に持っている信頼からか、どのようにでも折り合いをつけていそうに思えた。
- かといって、これ以上負担をかけていいわけがない。
- 早く心身休めて、気持ちを切り替えて、次の朝には心配がないようにしなくてはならない。
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- ……だというのに、眠れそうな気配がない。纏まらない思考と記憶が堂々巡りする。
- 枕元に置いたツァンナの彫像に手を伸ばしかけたが、触れるのに躊躇して手を止めた。
- カーテンの隙間から差し込む月光から逃げるように、そのままベッドの中で丸まって蹲った。
- 意識を失うまで、どれほどかかってしまうのだろう。
ひたすら無為に時間が流れていった。
- アニトラ
- これで……ええか!
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- アニトラが退室しました