相刻のネクサス chapter 3 幕間11
20240212_1
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- ゲームルームの設定が変更されました
- ゲームルーム名: 相刻のネクサス 幕間Ⅰ
ゲームシステム: ソードワールド2.x
チャットタブ: メイン サブ
ステータス : HP MP 防護
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- イーサンが入室しました
- イーサン
- こんばんは。孤独のKルメにきました。
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- 刻の剣ネクサスをめぐる依頼の最中、仲間のをかばい、一人の少女がその凶刃を受け姿を消した。
- それの爪痕は大きく…そして、深く深く冒険者の心をえぐることとなった。
- ある者は己の世界の全てが壊され、ある者は突然の喪失に泣き叫び慟哭し、そしてある者は
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- BGMを変更 by イーサン
- 時の傷痕70%
- イーサン
- 仲間である少女アニトラと協力者であるレイラと別れた後、青年は一人外を歩いていた。
- 宿には戻らず…夜も更け、人の気配はもうほぼない街中を独りで歩いていた。
- 辿るのは今回の旅路である。
『ようこそ、ロージアンへ!』歓迎する魔術師の少女の青空に響いた。
- 昼間ならば人やキャルモが行き交うその場所も今はひっそりと静かなものであった。
青年はその場所に目を向け、始まりを振り返る。
- イーサン
- 騎乗場のそばには厩舎があり、係の者がキャルモを回収してくれた。
- リカント族の少女が労わってやれば、人なれしているキャルモは気持ちよさそうに、身体を摺り寄せるようにしていた。
- 『――中央の尖塔がある建物が、本校舎。あっちが寮で、あそこに並んでいるのが、右から第一、第二、第三図書館』風のように軽やかに魔術師の少女は順に案内をした。
青年はその場所に目を向け、その時を振り返る。
- イーサン
- 本校舎の中に入れば、授業中の教室がかいまみえ――好奇心旺盛なトゥエルヴ、魔法に興味津々ソフィア…アニトラやレイヴェンもふらふらとどこかへ行くトゥエルヴをよく見てくれた。
- 『ここの案内用につくられた地図です。主要な施設がどこにあるか、宿舎がどこにあるか、これで分かります』
- 『この学校、むやみに広いから…… 毎年行方不明になる人が出るんですよね』魔術師の少女のあの言葉は果たして冗談か、あるいは真だったのか。
- イーサン
- そのまま歩を進めれば…次は日用品などを扱っている購買が目に入る。
- 『えへへ……』 制服を買うと、リカント族の少女はそれを大事そうに抱えていた。
- イーサン
- 今思うと、彼女は魔法に憧れていた部分もあり………アニトラやフィオリとおそろいであったことを喜んでいたのだろう。
- 『じゃあこれお代ねえ』酒幸神の神官はシードルを3本とお菓子類を買っていた。彼らはそうやって、幸せを分かち合うのだろう。
- 歩を進めながら青年は今回の旅路を振り返る。
- 『――ここが第一図書館。ロージアンのなかで一番古い図書館です。蔵書数は…… ごめんなさい忘れました』
『貸し出しはできませんけど、この中で読む分には皆さんも利用できますよ』魔術師の少女の優しい案内に
『良い機会ですし、そうですね……何冊か手にとって見てみたいですね』グラスランナーの少女も興味深そうにしていた。
- 更に先に進めば…ちょうど、箒の練習をしている集団のところに出くわしたあたりだ。
- 『ちょっと待っててくださいね』
- イーサン
- そう言って魔術師の少女は教師と交渉し…箒の授業の体験をさせてくれた。
- 最も…自分は見守ることに徹していたが。ただ、それでも…アニトラの見事な箒裁きや、ソフィアやフィオリの楽しそうな表情、トゥエルヴは…最初こそ苦戦していた様子だったが、感覚を掴めば上手に乗りこなして見せた姿に、心のどこかがあたたかくなるのを感じた。
- 『まあ、手放し運転で野放図に飛んでいくのはちょっと困るかなあ』レイヴェンは苦笑いしていたが、優しいまなざしを向けていた。
- そのまま歩を進めていく。確かこのあたりで…爆発騒ぎとゴーレムの暴走があり、それを止め、そして…彼女に出会った。
- 『まあ、フィオリエナさんのお友達?』『ロージアンから離れて何をしているかと思えば、はるばるイルスファールまでお友達を作りに行っていらしたなんて』
- 『私はレイラ。スタニスラス学長に続く三賢が一人、レイラ・スタンフォード。以後お見知りおきを。冒険者の皆様』
- イーサン
- 今思えば…レイラ嬢は自分達に対して警戒をしていたのだろうとは思う。彼女の立場を考えればもっともな事だ。
- また少し歩いて…気が付けば、今は片付けられていたが…あの寮祭で、かがり火がたかれていたあたりに来ていた。
- 中庭の中央に設置されたやぐらから、炎が上がっていた。あの夜、炎は通常の火とは異なり、時間が経つにつれ、鮮やかな青と緑、紫色に輝き、躍るように揺れていた。
- どこかから、音楽が奏でられはじめ、いつの間にか、やぐらの周りに集まっていた学生たちが、一人、また一人と立ち上がり、炎の周りを取り囲むように踊り始めた。キャンプファイアーの光が彼らの顔を照らし出し、歓声と笑い声が夜空に響いていた。
- イーサン
- あの時の光は綺麗で…自分には眩しすぎて。
- 近付くことはできなかったけれど、仲間達の楽しそうな様子に笑った顔に、心が穏やかになった。
- どうか彼らの旅路が、これからも…この照らされた空のように、明るく、穏やかなものでありますように。
- そう………確かに願った。このような時間が続けばいいと。
- 『そう言った『なんとなく』の気持ちは今必要そうじゃなくてもポケットに入れておくといい』
- 『――イーサンさんも、楽しんでくださいね』
- 『う、うるさいな。いいだろ、別に……お前が表情に出なさすぎるから、その分僕が表情に出してやってるんだ』
- イーサン
- ああ、そうか、これがきっと”楽しい”なんだろうと、そう思った。
彼含めてこうして共に日々を過ごすことが…きっと、いや…自分にとっての楽しいである、と
- そう、思ってしまった。
- 『そんな資格、お前にはないだろうに』
- 『捨てられたくないのなら、身の程を弁えろ』
- 『確かに十二番と法務を共にする機会は増えただろうが、一時の事だ。所詮お前は、小間使い……道具だよ』
- 『道具に学は必要ない。有用な知識はつけても、無用な知恵をつけるな』
- 『命じられた事を成せ。我々がお前に望んでいるのはそれだけだ』
- 『一度自身を見直すことだ。――生きた人間の目をしているぞ』
- イーサン
- 「………わかっていたのに」静かな場所に、ひっそりとした呟きが漏れる。
- 「………わかって、いたのにっ」その声はまるで泣いている子どものようでもあって
- イーサン
- 「どうして…フィオリだったんだ…」空を見上げる。あの時少女が見ていた時と同じように。
- イーサン
- 「どうして…また俺じゃなかったんだ…」今でも覚えている。この手の中で冷たくなっていくあの人を。俺が殺したあの人を。
- 黒い光の斬撃が、今までイーサンが居たところを切り裂く。その斬撃に切り裂かれ―― 魔術師の少女は、その切り口から黒い煤となって分解し永遠とも思える一瞬。金色の瞳が君たちを探すように動き
- 身体の中心から毒が回るように、細かな粒子に分解されていくように崩れ、
最後の力を振り絞るかのように手を伸ばし、しかし、その手は空を切るだけで、何も掴むことはできず
――最後の残滓すらも消え去った。
- イーサン
- あの時…もっと状況を見ていれば、もっと慎重に動いていれば…。
- 分不相応な願いなど抱かなければ、あんなことには…ならなかった。
- 息を一つ深く吐く。脳裏にある少年の叫びが響く。
- 『知ってるなら戻せ……、戻せよッ!』
- 『――お前、が……っ』
- イーサン
- 「………そんなこと、俺が一番わかっている」少年が何を言おうとしていたのかは容易に想像がついた。いや、そう思うように仕向けたと言った方が正しいか。
- 神は応えない。ただ人々を見守り、奇跡を授け、人々を救う。
- でもカミサマは俺達のことは愛してくれやしない、愛するわけがない、俺達が穢れているから
- 『……自分の意志で動いてるなら、自分にしか見つけられないことを探せばいいよ』『ごめん、フィオリ』
- 『僕らが平穏無事にいてくれればいいっていう。なら、その平穏を守る為に、お前は何もするつもりがないのか?お前はただ、お前の前で勝手に作られる平穏に、勝手に満足しようとしてるだけだ』『ごめん、アニトラ、レイヴェン、ソフィア』
『平穏を作ろうとしないのに、平穏でいて欲しいなんて――無責任じゃん』『ごめん、トゥエルヴ』
- イーサン
- 「わかっている…だから、フィオリはお前達の所に帰す」そのために足掻き、力を尽くそう。『もう何も望まないから』
- フィオリを取り戻して、お前達のところに帰して、お前達の平穏を取り戻す、その後は。『道具に戻るから』
- 「…それが俺の最期の役目」『神様、フィオリを皆のところに返して』
- その後
- サーティーン
- 元居た場所に還るだけだ。
- イーサン
- そう呟いて、目を伏せて…そして次に開いた時そこにいたのはイーサンか、あるいは、サーティーンか
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- その日の朝、寮の冒険者一行のドアの前には…飴等の菓子類が入った小さな袋が置かれていた。
- 誰が置いたのかはわからない…寮の管理人のサービスか…その正体は神のみぞ知る。
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- イーサン
- お粗末さまでした。
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- イーサンが退室しました
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- イーサンが入室しました
- イーサン
- お粗末さまでした。