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相刻のネクサス chapter 3 幕間

20240209_0

!SYSTEM
KGMが入室しました
KGM
とりあえずINしつつメシ!等
!SYSTEM
ソフィアが入室しました
ソフィア
ネクサス!(挨拶
KGM
ふう
ソフィア
うむ
KGM
何か希望のシチュエーションとかあります? なければトゥエルヴとのCC後の部屋に戻ってきた後なんかも面白そうだなって思ったんだけど
ソフィア
それで大丈夫よ
トゥエルヴとのCCをちゃんと見てくるか……
KGM
をとめ状態になってる
ソフィア
12を処さなきゃ……
KGM
https://sw.2-d.jp/game/?mode=logs&log=20240206_0
これか
ソフィア
すでに開いている
KGM
ばかな
ソフィア
でもキャラは何があったか知らないからね
だいじょうぶ
KGM
時間的には深夜ということになるので、フィオリがただならぬ様子で部屋に戻ってきたところをソフィアが目撃したか、自室で戻ってきた音を耳にするか、みたいな……
ソフィア
いいですよ
じゃあ様子を見に行こう……
KGM
ヨシ
じゃあ軽く描写しちゃおう
 
 
ソフィア
お願いします
 
 
 
KGM
楽しい時も、いつかは終わる。
ロージアンの寮祭の夜は更け、時刻はすっかり真夜中。
学生寮の人気のない廊下に、階下から足音が響いてくる。白い魔法の明かりを伴って現れたのは、魔術師の少女、フィオリエナだ。
その足取りはどこかふらふらふらとおぼつかず、白い灯りに照らされて、暗闇に浮かび上がるその姿は、幽霊かなにかのように見えないこともない。
フィオリ
「………」
ソフィア
その姿を見掛けたのは偶然だった。
祭りが落ち着き、部屋に戻ってきた後、高揚が抜けずに眠れずに、なんとなく辺りを散歩していた。
真夜中の廊下に突然現れた影を、最初は見回りの教師か怪異の類かとでも思い、陰から様子を見守っていたものの、
よくよく目を凝らしてみれば、それはよく見知った少女のシルエットに見えて、驚かせないように気配を隠さずゆっくりと近付いていき、様子を伺う。
「……ええと、フィオリ……?」
KGM
どうにか、間借りしている寮の個室にたどり着くと、少女は中へと入っていく。
ソフィア
呼びかけに答えはない。ふらふらと頼りない足取りは、酒に酔っているようなそれのようにも見えるし、それ以外の理由にも見える。
なにかあったのかもしれないと、慌ててフィオリの部屋の前まで駆けていくと、迷わず部屋の扉をノックした。
KGM
ソフィアが駆け寄っていくと、ばたん、ごとん、と部屋の中から音が聞こえてくる。その音が、ノックした途端にぴったりと止まった。
しばしの間があって――
ソフィア
「……あの、フィオリ? 私、ソフィア……だけど」
フィオリ
がちゃり、と扉が開く。
「ソフィア……」
ソフィア
「あ」 扉が開けば、一歩後ろに下がって。 「……ご、ごめんね、こんなに遅くに。でも、なんだか調子が悪そうに見えたから……」
フィオリ
フィオリエナはなぜか枕を抱えていて、自分でも遅れてそれに気づき、取り繕うように背中に隠した(隠れてない)。
ソフィア
フィオリの顔色を伺うように、小さく首を傾げ、心配そうな表情に連動するように耳がへにょんと萎れる。
「……ええっと……も、もう寝るところだった?」 それにしては大きな物音がしていたけど……。
フィオリ
「ご、……ごめん。そういうわけじゃないの」 奇妙な様子だった。調子が悪いにしては、血色がよく生気にあふれているように見える。金色の瞳は物憂げに潤んでいるようにも見える……。
ソフィア
様子を観察してみた限り、体調が悪いようには見えない。しかし、瞳が眠気だけではないだろう潤みを帯びているのを見れば、ひとつの考えに思い至る。 「……もしかして、なにか嫌なことでもあった?」
この学園は、彼女にとって良い思い出、良い相手ばかりではない場所のはずだ。祭りの最中、なにかあったのではないかと心配と、怒りを滲ませながら問いかける。
フィオリ
「え、えーっと……」 嫌なことは、あった。あったが、複雑な前提条件の上にあったことであり、それを簡単に説明できる気がまるでなかった。
「……ちょっと待って」 部屋から頭を出し、右を見て、左を見て。ソフィア以外に誰もいないことを確認すると、いまさらながらに声を潜める。 「良ければ、中に入って」
ソフィア
「……聞かせて」 事と次第によっては相手はただじゃおかない。有無を言わさぬ様子でフィオリに詰め寄――るよりも前に答えが来て、頷きを返す。 「うん、お邪魔させてもらうね」
フィオリ
「どうぞ……」 とソフィアを奥へ促し、後ろ手に扉を閉める。
ソフィアの醸し出す一種の迫力に気づいていないのだから、重症であった。
ソフィアが中に入ると、壁にかかっていた絵画は斜めになり、その下には本来ソファに置かれた筈のクッションが落ちていた。
ソフィア
フィオリの部屋に入るのは、寮はともかく、イルスファールでは時々あったことだ。ざっと部屋の様子を見回してから、枕がいなくなったベッドを見やる。
「……」 嫌な事、といってもここまで彼女が取り乱すのは相当なことではないだろうか。ひとしきり見回した後、フィオリに振り返る。 「……本当に、何があったの?」
フィオリ
――あっ」 ぱたぱたと歩いてきて、枕をベッドに放り出し、絵画を直して、クッションをひっつかんだ。 「あはは……」
ソフィア
「誰かに嫌なことでも言われた……? もしかして、レイラさんがいつかの仕返しにトマトでも投げつけてきた……?」
KGM
濡れ衣ですわ
ソフィア
まだ疑念は晴れていない
フィオリ
「え? ちっ、違う、違う!」 思わぬ人物に嫌疑がかかりそうになって、慌てて否定する。逡巡を見せながらも、ソフィアに圧されるようにして、たどたどしく口を開く。抱えたクッションに力がこもる。 「実は、さっきまでトゥエルヴと居たんだけど……」
ソフィア
「トゥエルヴさんと……?」 二人で話してみんなの元に戻った後、まさかそんなことになっていたなんて。驚いて目を瞠りながらも、フィオリへの距離を詰めた。 「……何を言われたの? なにか失礼なこと言われた?」
フィオリ
ソフィアが詰めよれば、フィオリはそのぶんだけ後ろに下がる。狭い部屋のなかでは逃げ場もなく、すぐに後が無くなり、 「まっ、待って待って! は、話すから、話すから落ち着いて…… 落ち着いてお話しよう……?」
クッションを盾のように捧げ持つ。頼りないことこの上ない防御だ。
ソフィア
「……あ」 フィオリに宥められ、自分が無意識のうちに必要以上に圧を感じさせてしまっていたことに気付く。 「ご、ごめんね……。フィオリがこんなになるなんて、余程のことだと思うから……」
一歩下がった後、胸に片手を当ててすぅ、はぁと2回深呼吸。
フィオリ
「……ううん。心配してくれて有難う」
ソフィア
それから、思考を巡らせる。私が焚きつけるようなことを言ったのは確かで、彼も満更でもなさそうな反応だった。あの後二人になったということは、期待していたようなことがあってもおかしくはないはずだが、お子様なトゥエルヴは素直にならずにフィオリの機嫌を損ねたということも十分考えられる。そうなったら今度説教しないと……。
頭の中でぶつぶつと独り言を繰り返した後、またひとりで空想の世界に入りかけていたことにはっとなって。 「……え、ええと……嫌じゃないなら、何があったのか、聞かせて欲しいな」
フィオリ
息をつくと、不意に寒気を感じて身を小さく震わせた。長い時間、誰もいなかった室内はすっかりと冷え切っていた。すぐに暖を取るものも無い。 「とりあえず…… 寒いから、毛布を被りながらでいい?」
ソフィア
「……うん、それはもちろん構わないよ。……温かい飲み物とか用意出来ればよかったんだけど」
フィオリ
クッションをソファに放り、ベッドの上に座る。毛布を被って―― 立ったままのソフィアに気づく。 「大丈夫。それよりソフィアも入って。寒いでしょう」
毛布をあけて、とんとん、と自分の隣をしめした。
ソフィア
「……え?」 ベッドか椅子に座ってと言われるとは思っていたが、毛布の中に入れとまで言われるのは予想外で、ぱちぱちと瞬き。 「う、うん……」 散歩で身体は多少温まっているとはいえ、すぐに冷えてしまうだろう。言われるがままにフィオリの横に座ると、ふさふさの尻尾をフィオリの膝の上に伸ばしていく。
「……よかったら、これで温まってくれていいから」
フィオリ
ふわっ、とふさふさの感触が膝にあたって、 「わぁ……」 思わず声が出る。
ソフィア
「……結構暖かいでしょ? イルスファールに来てからは、手入れもしっかりしてるから……」
寒い時は自分も湯たんぽ代わりに使ったりするんだ、と小さく笑って。
フィオリ
「暖かくて気持ちいい……」 失礼のないように、そっと手で触れて、髪をとかすようにその毛の流れの方向に撫でてみる。 「いいな……。これだけ綺麗に保つの、大変じゃない?」
ソフィア
「ん……」 尻尾を梳かすように触れられると、くすぐったいのか小さく身動ぎして。 「うん……ちょっと大変。でも、私、そうやってお洒落に気を遣うのとか……ずっとしてみたかったし」
フィオリ
毛布をふたりでシェアし、さらにソフィアの尻尾のひざ掛けもあって。 「……これはぬくいわね……」
ソフィア
「……でしょ? フィオリになら、いつでも使わせてあげる」
フィオリ
女の子だな――とフィオリは思う。ソフィアの変化が心から嬉しかった。
と同時に、もはや自分よりしっかりしていそうだ――とも思う。美容そっちのけで魔術書片手に徹夜当たり前の自分などより。
ソフィア
「……どうしたの?」 そんな考えは露知らず、下から顔を覗き込む。
フィオリ
「………」 一瞬、さっきまでの動転を忘れて、ソフィアの温かさとその変化に思いを馳せるフィオリであったが、
「……んん、……」 毛布の中で、髪の毛をいじる。自分だってそれなりにはと思っていたけれど、感触を比べてしまうと…… 「わたしも、もう少しちゃんとした方がいいかなって……」
KGM
さいきn枝毛が増えてしまったフィオリさん
ソフィア
仕事のストレスが!
KGM
ずっとカリカリしてたから可哀想
ソフィア
「えぇ……?」 そんなことないと思うけど……と髪に指で触れるフィオリの様子を眺める。 「私もそんなに詳しいわけじゃないし……。あ、じゃあ……イルスファールに戻ったら、アニトラさんも誘って、一緒に皆でお買い物にいこう?」
「私、美容やお洒落の秘訣、本で調べておくから」
フィオリ
「いいな。楽しそう」 ふ、と暗がりで自然と笑みが浮かぶ。ここのところずっと気を張りっぱなしだ。無事に封印が済んだら、何も考えずに休みたい。ソフィアの誘いが、とても甘美で魅力的なものに感じられた。
「それは頼もしいな」
ソフィア
「アヴァールでもあんまりゆっくり観光は出来なかったし……これだけ大きな仕事をこなした後なら、もう少しくらい休んだって、きっと文句は言われないよ」
3人で街に繰り出して買い物、食事などを楽しむ様子を想像して、思わず頬が緩む。故郷に居た頃の自分からは到底考えられない話だ。
隣に座る少女への感謝を改めて感じたところで、本題を思い出した。 「……そうだ。さっきの話」
フィオリ
「そうかな―― だといいけど」 そんな風に話していると、だんだんと気持ちが落ち着いていくのを感じた。ソフィアには付き合わせてしまって悪いけれど、彼女の存在が心底ありがたいと思う。 「――ん、」
「……うん」
ソフィア
「何があったのか聞かせてもらっていい……?」 トゥエルヴが原因なら、私にも責任があるかもしれないし――という言葉までは流石に口には出さなかった。
フィオリ
「……ん」 指先で、ソフィアの尻尾を、さりさりと無意識に撫でるようにしながら、
ソフィア
フィオリの膝の上で、尻尾の先端がぱたぱたと揺れる。
フィオリ
「……もうすぐお祭りも終わるって頃、トゥエルヴに会ってね」
ソフィア
「……うん」
フィオリ
「出店なんかは、もうほとんど終わった後だったけど―― なんとなく、そのまま帰るのが勿体ないような気がして、」
「中央校舎の屋上に、星を見に行ったの」
ソフィア
「うん?」 嫌な事があったというからどんな話かと身構えていたが、フィオリの口から出てきたのはそれとは違う流れのような展開。 「――うん」 相槌が期待の篭ったようなそれに変わった。
フィオリ
ぽつぽつと語るフィオリの瞳は、どこか遠くを見ているようにも見えて。
その目には、もしかしたらそのときの星が映っていたのかもしれない。
ソフィア
空には魔法の花火ばかりが目立っていたが、その奥で確かに星々も輝いていた。
祭りの夜、人気の少ない場所にそんな光景を二人で見に行ったのなら、それはもう……。心の中でトゥエルヴも意外とやるじゃないかと感心しつつも、続きを待つ。
フィオリ
「話…… どんな話をしたんだっけ」 「確か…… あの星はどれだけ遠いんだろう、とか、ひとつくらい自分が星に名前をつけてもいいかな、なんて、……そんな他愛もない話をしてた気がする」
ソフィア
「うん」 年頃の少年少女が二人きりで、星を見上げながら話を交わす。フィオリは他愛ないと言ったが、日常ではそんな話はしないと考えれば、十分ロマンチックなものだ。
フィオリ
「思い出した。みんなも、これを見てるのかなって―― 特に、ソフィアは星が好きみたいだから、見てて欲しいなって、トゥエルヴが言ってたっけ」
ソフィア
実家で、まだ平穏に過ごしていた幼い時分、読み漁っていた大衆向け娯楽小説の展開が頭の中に思い起こされる。
「……みんなのところに戻る前、トゥエルヴさんと二人で、花火や星を居ながらちょっと話したからね。それで、そう思ったのかも」
フィオリ
「……そ、そうなんだ……?」
ソフィア
「あ――」 慌てて首を横に振った。 「心配しないでね……? 私……ちょっとトゥエルヴさんにお礼を言いたかっただけだから」
「変なこととかは、何もないし……」 今は友人として見てはいるが、少なくとも今のところそれ以上の感情はない。
フィオリ
「べ、別に心配なんて」 自分だけじゃないんだ――という思いと、そんな思いを抱いてしまった自分への羞恥まで、ソフィアには見抜かれている気がして、ばつが悪いことこの上ない
ソフィア
そんな分かりやすい少女の様子に、思わずくすりと笑みが零れた。 「……それで、他にはどんな話をしたの?」
フィオリ
「……。他には――
「これまでの話をしたよ。……出会った頃の印象はおたがい最悪だったよね、って」
ソフィア
「……昔は、トゥエルヴさん、穢れのこと、よく思ってなかったよね」 まだ関係が浅かった頃、彼の態度と言動に強い敵意を覚えたのははっきりと覚えている。
そう思えば、自分以上に彼もよく変わったものだと思う。
フィオリ
「そうだね。前にこうやってソフィアと旅をした――マルフォードでの一件の頃は、いまよりずっと、拒否反応が強かったから」
穢れを忌避するのは、当然のことではあるんだけど、と付け加えて
ソフィア
「……でも、今はちゃんと、トゥエルヴさんもフィオリをフィオリとして見てる」
フィオリ
こくり、と頷き
ソフィア
それどころか、あの反応は間違いなく彼女に対して好意を持っているものだ。その話の流れなら、踏み込んだところまで話している可能性は十分ある。
フィオリ
「すごいことだよね。自分が支えにしてきた教えを疑うんだから。きっと、彼なりにたくさん考えたんだろうし…… 葛藤もあったと思う」
「いま思えば、わたしの方こそ、大人げなかった」
ソフィア
「……お互いそうだったから、仲良くなれたのかもね」
「……ほら、偶に聞くでしょ? ……好意の反対は悪意よりも無関心だ、って」
「……二人はお互いに無関心なんじゃなくて、印象が悪かったからこそ、仲良くなれたんじゃないかな」
フィオリ
「……そう、かな」
「いま思えば、半分は、ただの意地だった気がするよ」
ソフィア
「……私は、そう思うよ」 膝の上で組んだ指に視線を落とす。少し間を置いてから、 「……多分、お父様から見た私が、無関心そうだったから」
だからそれが好意に変わることはないんだ、と困ったような笑みで口にして。
それから、その笑みは悪戯っぽいものに変わった。 「……フィオリって、意外とそういうところあるからね」
フィオリ
「それはそうよ。ナイトメアはきたない。悪い行いをしたから穢れて産まれてくるんだ、なんて言われて――」 小さく苦笑する、 「他とひとくくりじゃなくて、何がなんでも、わたし自身を見せてやる、わたし自身を認めさせてやる、って」
「あのひとが、いまのソフィアを見たらびっくりするわね」
ソフィア
「……そう思えるのが、フィオリのすごいところだよ。昔の私は……そうはいかなかった」
「……どうかな。結局、魔法は扱えないままだし……あの人にとってはいないのと同じなのは、変わらない気がする」
フィオリ
―――……」 ふいに、毛布の中で腕を回し、ソフィアを抱き寄せた。
ソフィア
「……ふぃ、フィオリ?」
フィオリ
「こんなにソフィアはすごいのにね……」
ソフィア
「……だとしたら、それはフィオリやみんなのおかげだよ。……あなたがいなかったら、私はここに居ることさえ出来てないんだから……」
フィオリ
やわらかな言葉とは裏腹に、語気には隠せぬ憤りが滲んでいる。フィオリは労わるようにソフィアの背中をさすった。
ソフィア
そんな気遣いにありがとうと小さく返して。 「……でも、大丈夫。……今は自分から口に出来るくらい、平気になってるから」
「……だって私には、フィオリみたいな頼もしい友達がいるもの」
フィオリ
「それはもうお互いさま。ソフィアが、みんなが居なかったら、刻の魔剣の回収どころか、たどり着くことさえ出来なかった」 「――その前に、挫けてしまっていたと思う」
ソフィア
「……フィオリの役に立てたなら、嬉しい。……恩返しもしたいし、そうじゃなくても、フィオリの力になりたいから」
フィオリ
ふ、と笑った。 「頼もしいこと言ってくれるわね」 抱き寄せていた手を緩め、代わりに額を寄せるようにして
―――……」 どんな思いか、つかのま、目を伏せた
ソフィア
「…………」 距離の近さに一瞬驚きつつも、口元に小さく笑みを浮かべて。
フィオリ
「……そういえば、こんな感じだった」
ソフィア
「……フィオリとこんな距離で話をしてるって知られたら、」 やきもちを妬かれてしまうかも――と呟きかけたところで。 「……こんな感じって、なにが?」
フィオリ
「………」
フィオリは押し黙る。
ソフィアの瞳を見つめながら、そのなめらかな頬に手をそわせて
そうしながらも、 「………」 フィオリはなおも押し黙っている。
ソフィア
「え、え……フィオリ……?」 間近にある金色の瞳を赤い瞳の中に浮かべながら、頬をなぞる手の動きにぴくんと表情が動く。
「……ま、まだお酒が残ってるとかじゃ……ないよね……」
フィオリ
動揺するソフィアをよそに、フィオリエナは金色の目を細め、吸い込まれるようにして、ソフィアとの距離を少しずつ縮めていき……
ソフィア
「っ……」 お互いの吐息が掛かるくらいの距離。思わずきゅっと目を瞑って……
フィオリ
―――……」
こつん、とお互いの額がぶつかった。
暗がりの中で、フィオリエナの頬ははっきりと赤い。
ソフィア
額にぶつかる人肌の温度と感触に、ゆっくりと目を開き直す。 「……ど、どうしたの? 急に……」
フィオリ
「……ごめんね。さっきの話の続きを思い出しちゃって」 トゥエルヴとのやり取りのことを言っているのだろう。 「その――お互いのこれまでの話をした、って言ったでしょう」
ソフィア
「……ううん」 謝らなくていいと、額をくっつけたまま首を横に振る……わけにもいかず、小さく言葉だけで否定を伝え、それから続いた言葉にうん、と返す。
フィオリ
「そう、お互いの、話をして――
「わたしにも分からないんだけど、気づいたら、なぜかこうなってて、その……」
KGM
ムズムズする
ソフィア
むずむずしろ
KGM
たえろ!かのえ!
ソフィア
それを越えた先にフィオリエナはいる
ソフィア
――……」 やっぱりそういう流れになっていたんだと、心の内で納得する。
つまり、先程のフィオリの取り乱しっぷりは怒りや憎悪ではなく、気恥ずかしさから来るものなのではないか――。本の描写から集めた知識が、そんな考えに至らせた。
フィオリ
いつもはっきりとした物言いをする才女の面影はどこにもなく、ただ年相応の少女の姿がそこにあった。
ソフィア
「……」 フィオリの頬を両手で挟み、ゆっくりと顔と顔の距離を離してからじっと見つめて。
「……フィオリは、トゥエルヴさんのこと、どう思ってるの?」
フィオリ
「………」
ソフィアの手を頬に感じながら、彼女の瞳を困ったように見つめ
口が開こうとして、閉じ、また何かを言おうとして
ソフィアの赤い瞳の前に、やがて観念したように、息をついた。
ソフィア
部屋に戻ってきた後の様子、憂いに潤んでいた瞳、それにこれまでの話から察せない程、人の感情に疎くはない。むしろ誰かから認められること、愛されることに飢えていた分、他人のそれにも人一倍敏感なくらいだ。
KGM
さすが愛を求める少女…
ソフィア
「……大丈夫。私は、応援するから」
ソフィア
夢は友達とコイバナすることでした
フィオリ
―――」 その言葉が、最後のきっかけになった。
吐息の音、
「……好き…… なんだと、思う……」
何がなんでも、わたし自身を見せてやる、わたし自身を認めさせてやる―― 不寛容と不理解と、変えられない自分の境遇への怒りが生んだそんな思いが、その言葉を同じくしながら、別のものへと置き換わっていったのは、いったいいつの事だっただろうか。
自分自身ですら、わからない。
ソフィア
「…………。うん」 友人としてではなく、異性としての好意を認めるニュアンスの言葉。間を空けてから、聞こえた言葉を後押しするように頷いた。 「……そうなんだろうなって、思ってた」
フィオリ
「……ソフィアにはバレちゃってたか」
ソフィア
「……フィオリのことは、よく見てるから」 ふふ、と笑う。
KGM
フィオリさん、ざんねんながらソフィアさんだけではないとおもいます
ソフィア
バレていないと思っているのは本人だけ!
フィオリ
はは、と笑った。 「叶わないなぁ……」
ソフィア
――でも、良かった」
フィオリ
「こういうの、理屈じゃないって聞いたことはあったけど、本当ね。自分でも、どうしてか分からない…… 蝶々をふらふら追いかけて怒られるようなヒトなのにね」
「………?」 よかった、の言葉に、怪訝そうに瞬きをする
ソフィア
「……そうだね。子供っぽいし、雑だし、整理整頓とか出来なさそうだし、生活力もなさそうだし、鈍感そうだし、ダメそうなところをあげたらキリがないけど――
フィオリ
そう、じゃないかも……」 うーん
ソフィア
わざとやんわりといったのに、フィオリ本人から否定が飛んできて、思わず笑ってから、
「……多分、そんな人だから、なんだろうね」
「フィオリは、お父さんがいなくなってからずっと、学園にいても……冒険者になってからも、どうしても気を張り詰め続けてたんだと思う」
フィオリ
「………」 否定はしようがなかった。
ソフィア
「……周りと少し距離を取って、別に相手に認められなくても、自分がやるべきことをやれればいいって、思ってたところ、あったんじゃないかな」
フィオリ
「……ソフィア」
「ほんとうによく見てるわ……」
ソフィア
見るのは得意なの、と笑ってから、元の表情に戻る。 「周りも周りで、フィオリにはっきりと悪意をぶつけてくるような相手はいなかった」
「……だからはじめてか、ひさしぶりか、だったんだろうね」 トゥエルヴさんが、と続けて。 「だからフィオリは意地になって、認めさせてやる――ってなって」
フィオリ
「耳が痛い話ね」 フィオリエナとしては、苦笑するほかない。 「そう。……やるべきことを成せば、いずれ認めてもらえるってどこかで思ってた。他人との関わり合いを避けるくせに、どこかで他人に期待して」
ソフィア
「……その過程で、彼も変わった。あの人の子供っぽいところは、言い換えれば、純真というか、純粋というか……」
フィオリ
「あれはバカって言うの、バカ」
ソフィア
「……そうだね」 馬鹿なのは否定しない。旅の途中で思わず言ってしまった程だ。 「そんな人だから、フィオリも変わった」
フィオリ
「………」 なんだか、くすぐったい。
ソフィア
「……見てきたんでしょ。……馬鹿だけど、トゥエルヴさんがそれだけの人じゃないって」
フィオリ
「………」 ためらいながらも、……こくり、と頷く。
ソフィア
「……ずっと気を張り続けてきたフィオリが、そういうことを考えられるようになった。……それだけ、心に余裕が出来た」
「……私には、それが嬉しいの」 きっと自分も、その一助になれていると思うから。
フィオリ
―――……」
「トゥエルヴは、」
「………どう思ってるのかな」
ぽつり。
ソフィア
「……私はトゥエルヴさんじゃないから、彼の気持ちは分からないけど――」 本当は、あからさまな反応で分かってはいるけれど、はっきりとした答えは本人から言わせるべきだ。 
少し考えた後、遠回しに自分の意見を述べることにした。
「……私だったら、フィオリのことは放っておかないな」
「……私が男の子だったら、絶対、フィオリのことを好きになってるもの」
フィオリ
うつむき気味だった顔があげられ、金色の瞳でソフィアを伺う。
――っ」
「そ、そう……」
ソフィア
同じ意味の言葉を、少し言い方を変えて二度口にして強調する。 
「……私が言うのも、何だか変だけど」
フィオリ
同性としての最大級の言葉を贈られ、フィオリエナはどぎまぎする。
ソフィア
「……自信を持って。フィオリは、とても素敵な女の子だよ」
フィオリ
―――、」
「……ありがとう」
ソフィア
「……うん」
フィオリ
ソフィアに勇気づけられ―― そして、彼女を通して自分の気持ちに整理がついたような気がして、はぁ、と何だか熱っぽい息を吐いた。
―――
「…ん?」
ソフィア
完全に物語の中の恋する乙女な様子を見て、小さく呟く。 「……トゥエルヴさんが、ちょっとうらやましいな」
「……うん?」
フィオリ
「あっ」
「い、言っておくけど…… トゥエルヴとは何もしてないから! そこは誤解しないでよね?!」
「……まだ……」
ソフィア
「えっ……あ、うん……」 言われるまでもなく、どう思ってるのかなんて質問が出たからには、多分キスのひとつもしていないんだろうと察しはついていた。
フィオリ
「うん………」
ソフィア
「……そういうところも、子供っぽそうだもん。……先は長そうだね……」
フィオリ
それすらもソフィアにとってはお見通しだった――? なんとなくのかみ合わなさを感じて、そのことに思い至る。
ソフィア
「……なにかあれば、遠慮なく相談してね。……私、出来る限り力になるから」
ぐ、と胸の前で片手を握った。
フィオリ
「………」
――フィオリは、自身をソフィアと対等の存在と考えてきた。ソフィアは自分のことを羨むが、自分には自分の、ソフィアにはソフィアの長所があり、得意とするフィールドがある。それが違うだけだ、と。
しかしなんというか―― ここにきて、はっきりとソフィアとの差を感じてしまったフィオリエナであった。
「……うん。相談…… 乗ってね……」
KGM
愛の人にはかなわねぇよ
ソフィア
「……勿論」 はっきりとそう答えてから頬をかく。 「……っていっても、私、そういう知識は本の知識しかないから……あんまり頼りにならないかもしれないけど」
ソフィア
耳年増なのでまかせてください
フィオリ
「本……」 本を読むことなら得意だ。
ソフィアの手をがしりと握って、 「おすすめの本があったら、ぜひ教えて」
その様子は、どこかすがっているようにも見えた。
KGM
なんとなくいい感じに〆る気がします
ソフィア
勢いよく手を握られたことに、真剣さが伝わってきてその可愛らしさに思わず微笑む。 「うん、……イルスファールに帰ったら、沢山教えるね」
ソフィア
ですね
フィオリ
「うん」 こく、こく。
ソフィア
「……それじゃあ、封印までちゃんとこなすためにも、今日はそろそろ休もう?」
フィオリだって、お祭りからそんなイベントまであって疲れてるでしょ?とベッドに横になるように促す。
フィオリ
――そうね。遅くまでごめん。話を聞いてもらえて、よかった」
「そうだね。今日は、朝からいろいろありすぎた……」
気が抜けた反動か、瞼に重さを感じる。
ソフィア
「……ううん、平気。友達とこういう話をするの……夢だったから」 えへへ、と笑って、フィオリに毛布を被せてからベッドから立ち上がる。
フィオリ
ソフィアに促されるままに、ベッドに身体を横たえて、毛布を口元までかぶる。
ふたりの温もりがたっぷり溜まっていて、心地よいぬくさだ。
ソフィア
身を屈め、そんなフィオリの頭をひとなでしてから 「……おやすみ、フィオリ。ゆっくり休んでね」
フィオリ
「……ふふ」 それはなにより、と。
「……ん。ソフィアも、おやすみなさい」
ソフィア
うん、と手を振って返した後、フィオリと他の部屋の皆の眠りを妨げないよう、物音を極力立てないように、自分の部屋へと戻っていった。
フィオリ
どこか懐かしい感覚。こうして寝かしつけられたのは遠いいつの日か
―――……」
ソフィアが去り、静かになった部屋の中で、彼女が去った扉のほうへ、
「……おやすみなさい」
小さく言って、少女は目を閉じた。
KGM
こちらははヨシ!
ソフィア
こっちもヨシ!
KGM
ありがとうございました
ソフィア
12に配慮して添い寝はしないえらい
ありがとうございました
アオハルしろ……
KGM
アオハルだぜ
ソフィア
アオハル学園
KGM
おっとこんな時間か…… 遅い時間までお付き合い感謝!
ソフィア
こちらこそ!!
また明日の夜にあおう!1
お疲れ様でした~
KGM
ログは 20240209_0 になるそうです
ソフィア
ヤッター!
じゃあこっちは撤退しておこう
KGM
ho-i
ソフィア
おつみょん~~~
!SYSTEM
ソフィアが退室しました
KGM
おつかれーーー
背景
BGM