相刻のネクサス chapter3 幕間
20240203_0
- !SYSTEM
- ソフィアが入室しました
- ソフィア
- ネクサス……?(挨拶)
- !SYSTEM
- トゥエルヴが入室しました
- トゥエルヴ
- ネクサス!(挨拶)
- ソフィア
- きみだれ
- トゥエルヴ
- ぼくはだれだ?
- ソフィア
- 君は今から死ぬヒト
- トゥエルヴ
- きみは?
- ソフィア
- ダンシングが落ち着いた後くらいの会話?
- 私は生きる
- トゥエルヴ
- ずるい
- ダンシング落ちついた後くらいかな?
- ソフィア
- でしょ
- トゥエルヴ
- うん…
- ソフィア
- 今日の開幕は生き延びるために12がやってくれるって聞きました
- トゥエルヴ
- 仕方ないにゃあ
- なんか特別シチュエーションとかは想定してない……感じ!?
- ソフィア
- 普通に話そうとしてただけだから
- 落ち着いてればいつでも……
- トゥエルヴ
- ああい
- じゃあどうしよっかな。ダンス終わってさぱっと分かれるのもあれだしな
- ソフィア
- さぱ
- トゥエルヴ
- 鯖
- ソフィア
- さぱっと分かれる(頭と胴体が)
- トゥエルヴ
- 首だけもってお話するとか
- こわい
- ソフィア
- こわいね
- トゥエルヴ
- ダンス終わってある程度落ち着いて
- また食べ歩きでもするか…
- ソフィア
- まだたべるの……
- トゥエルヴ
- でも迷子になったら迷子センター呼び出しになっちゃうから…んーーー
- ソフィア
- 淫紋があるからね
- トゥエルヴ
- えっち
- まあまあ、なんかふらふらっとどこか行った体に
- しよ
- !SYSTEM
- レイヴェンが入室しました
- トゥエルヴ
- おいたん!?
- ソフィア
- おいたんご
- レイヴェン
- こっちにも入っておいてどちらでも対応できる体になる
- トゥエルヴ
- 天才じゃん
- ソフィア
- 分身する男
- トゥエルヴ
- どちらかが鏡像
- レイヴェン
- 華麗な反復横跳び
- トゥエルヴ
- 通話のイヤリングの活用法
- はじめるざます!
- レイヴェン
- 鏡像はソフィアが一撃で仕留めます
- トゥエルヴ
-
-
-
- ソフィア
- よろしくお願いざます
- レイヴェン
- 見届けよう……君たちの勇姿を
- !SYSTEM
- KGMが入室しました
- トゥエルヴ
- 大勢の学生達を巻き込む楽しいダンスパーティーが、ある程度落ち着きを見せた頃。炎の魔法の応用で、盛大に打ち上げられるファイヤーワークスは、夜空に綺麗な花を咲かせまだ空を照らしていた。
- 青や緑、赤や黄色。色とりどりの花火が夜の闇を彩っていた。
- KGM
- じっ……
- ソフィア
- GMもトゥエルヴの死に様を眺めに来た
- トゥエルヴ
- 広場の中央スペースでは、まだ余韻に浸る学生達の姿があったし、周囲の出店も盛況な様子。寮祭はまだまだ、終わりを見せない。
- トゥエルヴ
- ひえ…
- トゥエルヴ
- 学生たちに紛れて祭りを楽しんでいた冒険者一行。仲間達との楽しいダンスを終えた後、その余韻に浸る者、まだ見ぬ出し物を探しに行くもの、粛々と荷物番をする者など……各々の時間を楽しんでいた。
- トゥエルヴ
- こんなもんでええか!?
- KGM
- 良い描写……えらいぞ……
- トゥエルヴ
- ///
- ソフィア
- いいじょ
- トゥエルヴ
- 冒険者一行の一人である黒髪の少年・トゥエルヴは、そのうちの"まだ見ぬ出し物を探しにいく"タイプの人間だった。
- ソフィア
- 俺より強い出し物に会いに行く
- トゥエルヴ
- 彼は、買い込んだ食べ物を仲間達に分け終えると、ふらふらっとその足で仲間達の輪から外れていった。
- トゥエルヴ
- 強い出し物ってなんだよ!
- レイヴェン
- 語り合い大会とかですよ先輩
- ソフィア
- わざわざひとりになって……
- 殺されにいくようなものだ
- トゥエルヴ
- 腹は大体九分目。甘味ならまだいくばくか入りそうだな、などとは思うものの、その晩の楽しさだけで腹も心も満たされていた。
- ソフィア
- 九分目で食べにいくな
- トゥエルヴ
- 後輩……何故、こんなところに…
- 俺より強い出し物を探しにきたんだ
- トゥエルヴ
- 今は、終わりに近づきつつ寮祭の雰囲気を楽しむべく、何とはなしに出歩いているだけに過ぎない。
- きらきら光る明かりに、そこかしこから漂う良い匂い。それに、道行く人は皆、笑顔だった。歩いているだけで楽しい 「………」 表情こそ平坦なれど、足取りはとても軽い。
- トゥエルヴ
- あ、いつでもいいですわよ!
- ソフィア
- しょうがないにゃあ
- トゥエルヴ
- とはいえあまり一人で遠くへも行けない。何故なら右手の甲に、不本意な落書きがされているからだ。
- ソフィア
- そんな少年へと近付いてくる、雑踏に紛れる一つの足音。
- 人の合間から少年の姿を認めると少し歩を早めた。
- 「――トゥエルヴさん」
- トゥエルヴ
- 両目を閉じて、近くの装飾に触れる。ラメ加工が施されたそれからは、ざらざらとした感覚が指先から伝わってくる。新しい感触だ。そんな風に、祭りを五感全てを使って楽しんでいると、声がかかる 「……ん」 柔らかな睫毛を震わせて、目を開けた。
- 「ソフィア。どうしたの、なんか食べ物探しにきたの?」
- ソフィア
- 予想通りの少年の言葉に、息を整えながら小さく首を横に振った。 「……放っておくと、遠くに行っちゃいそうだから見に来たの。……フィオリも、多分これ以上は飲まないだろうし」 みんなが見てくれていれば……。
- トゥエルヴ
- 「大丈夫だよ」 装飾品から手をはなし、ぱっと両手を自身の後ろに回す 「……君が書いたんじゃないか、落書き……これがあるから、遠くにいけない」
- 片頬を膨らませて見せたが、声色は不機嫌なものではない。
- ソフィア
- 「それはそうなんだけど」 改めて考えてみると、ちょっと目立ちすぎるかもしれない。困ったように頭を下げて 「……ごめんなさい。ちょっとやりすぎたかもしれない……」
- トゥエルヴ
- 「………」 両目をぱちぱち、と瞬かせた 「謝るほどのことじゃないよ」
- ソフィア
- 「……よく考えてみたら、それどうやったら消えるんだろう」
- トゥエルヴ
- 「やりすぎ、とも……思ってないし」 そもそも自分を心配してのこと、というのは分かった。
- 「……………」
- 右手をまた前に戻して、手の甲を見下ろした。試しに、ごしごしと自分の服で拭ってみる。
- ソフィア
- 「ううん……私もお祭りで少し舞い上がってたのかも」
- それから、えーと……と考えながら服で拭う様子を眺めて。 「……後で、フィオリに聞いてみようか」
- トゥエルヴ
- 「え"」
- ソフィア
- 「……?」
- トゥエルヴ
- 「また、揶揄われる……」 見せることまでしなくとも、絶対突っ込んでくる…
- ソフィア
- 「……別にトゥエルヴさんの腕のことは教えなくてもいいんじゃ」 ただあの筆で書いたものってどうやって消すのかなって聞けばいいだけだよ。
- トゥエルヴ
- それもそうか。色んな事に首を突っ込もうとする彼女でも、さすがに逐一詳細までは聞かないだろう 「じゃあ、分かったら教えてね」
- ソフィア
- 「うん……書いた以上は責任は取るから」
- トゥエルヴ
- 「そういえば、あっちに美味しそうなクレープ作ってる店があったよ。見に行く?それとも、あっちでやってたくじ引き大会とか、射的とか見に行く?」 ソフィアが近くにいるのだから、もっと遠くに行ってもいいだろう
- ソフィア
- 「それで――ええと……」 追ってきたのには理由がある。少し言い淀んでから顔を上げ直して、 「……じゃあ、その……クレープを食べながら、少し話でもどうかな」
- トゥエルヴ
- 「話?」 珍しいな。なんて思いながらも 「いいよ」 と端的に頷いた
- 「じゃあこっち」 ソフィアの服の袖をつん、と摘まんで、先ほど見つけた店の方へと歩き出した。
- ソフィア
- ほっとした様子で頷きを返した。 「それじゃあ案内――」 をお願いという前に既に引っ張られていた。
- トゥエルヴ
- 人の波をすいすいと潜っていく。食べ物の出店が並んでいる通りは、人でごった返してはいるものの、斥候の性なのか、人にぶつかる事もなくスムーズに目的の店まで辿り着いた。
- イチゴクレープにバナナチョコクレープ、魔法の何某を使った不思議なクレープまで。その店には定番から見た事のないメニューまで取り揃えられていた。目の前でクレープが作られていく光景を見て、少年はぱっと瞳を輝かせる。
- ソフィア
- 「…………」 よく考えたら、目の前の少年は既にあれだけ食べたというのにまだこんなに食べるのだろうか。
- ソフィア
- クレープ食べたくなってきたからかってきて
- トゥエルヴ
- ぼくもたべたい
- トゥエルヴ
- 「えーと……」 メニュー表を見上げて、悩むこと数分
- 「あいつ、何が好きなんだっけな。まあ適当にチョコクレープでも買ってってやろっと。アニトラはー……あっちのイチゴの奴がいいかな」
- ソフィア
- トゥエルヴの傍で唸りこそしないものの、メニューを眺めて今お腹の中に入りそうなものを見繕う。おかずクレープとかいう分類のやつらは絶対無理だ。
- 「……え、まだみんなの分まで買うの?」
- トゥエルヴ
- 「お酒入りのクレープなんてないよね。じゃあこの、おかず系で――……ん?うん」
- ソフィア
- 「……さっき残していったものを食べるだけでも、結構たいへんそうだったよ……?」
- トゥエルヴ
- 「そうなの?」 再び目を瞬かせた。そうして、メニュー表を再度見上げる。
- ソフィア
- 「いくらお祭りだからって、あんなに入らないから……」
- トゥエルヴ
- 「でも、こういうところ皆で来ること、滅多にないし」
- ソフィア
- 私ももうクレープが入るか入らないかぎりぎりだし……とお腹を撫でた。
- トゥエルヴ
- 「……自分で食べたものは、皆にも食べてほしい」
- 相変わらず表情に変化はないものの、何処か寂しそうにした。
- ソフィア
- 「……雰囲気や体験を共有したいなら、食べ物じゃなくてもいいんじゃない?」
- トゥエルヴ
- 「そういうもんかな。………」 それでもめげずにメニューを見ていると 「あ、じゃああれは?」
- KGM
- 百倍激辛タコス
- ソフィア
- 寂しそうにされるとなんだか気が咎めてしまうが、満腹になって動けなくなったら祭りも楽しめなくなってしまうかもしれない。
- トゥエルヴ
- メニューの一つを指差した。そこには、一つのクレープ生地を等分したミニクレープセットと記載がある。
- ソフィア
- 「……折角食べ物以外の出し物もあるんだし――」 そう言いつつ、促された先を見る。
- トゥエルヴ
- そんなものを共有するんじゃない!
- ソフィア
- 「……あ、そうだね。あのくらいなら」
- ソフィア
- でも激辛を食べるフィオリのことみたいでしょ?
- トゥエルヴ
- 「……」 ソフィアが肯定したのを聞いて 「やった」 と一言。すぐさま店の学生に注文する。
- トゥエルヴ
- はふ、はふっ…するフィオリ
- トゥエルヴ
- 数分後に手渡された、魔法学園ならではの具の盛り込まれたクレープセットを受け取り、少年はほくほく顔になった 「ん」 早速一口サイズのクレープを一つ適当に取り出し、口に放り込む。同時に、ミニクレープの詰まった容器をソフィアにも差し出した。
- "一つ好きなの持っていきなよ"と視線で訴える。
- ソフィア
- 「……ありがとう」 いちごの入ったそれをひとつ受け取ると、丁度よく座れる場所がないかと食べる前に辺りを見回した。
- トゥエルヴ
- マンドラゴラのクレープとかもある
- ソフィア
- それをトゥエルヴにあげる
- トゥエルヴ
- やだーーーーー!!!!
- ソフィア
- これはお前が始めた物語だろ
- トゥエルヴ
- これはイーサンにあげよう
- ソフィア
- 「……ええっと、ちょっとあの辺りに座らない?」
- トゥエルヴ
- もくもく、口を動かしながら、近くを通りかかっていった空飛ぶ魔法の箒についていこうとしたが…… 「ん」 ぎりぎり呼び止められた。
- ソフィア
- 「……」 こいつ、話そうっていってたのもう忘れてやがったな。
- トゥエルヴ
- 仕方ないなぁ。なんて、まるで妹の我儘を聞く、気の利いた兄貴面でソフィアについていった。
- ソフィア
- なんでそんな誇らしげなんだろう……。でも突っ込むと変にいじけられそうだし言及するのはやめておいた。
- トゥエルヴ
- 段々扱いに慣れてくるじゃん
- ソフィア
- 少し人混みから離れた場所に置かれたベンチに腰掛けると、隣に座ってと見上げる。
- トゥエルヴ
- もぐもぐと咀嚼していたクレープを、ごくりと一飲み。そうしてから、ちょこんとソフィアの隣に腰かけた。
- ソフィア
- 普通より小さなクレープを、これまた小さな口で食べつつ、
- トゥエルヴ
- 「あとで、あっちの射的も見に行こう。この前教えてもらった箒を使った競技大会みたいなのもやってるってさ」
- ソフィア
- 口の中にあったものを飲み込むと口を開いた。
- 「……今日だけじゃ、とても回り切れなさそうだね」
- トゥエルヴ
- 「うん。次来た時も、きっとそうだ」
- ソフィア
- 「次……」 もう来年のことを考えているなんて気が早いなと思いながらも、トゥエルヴらしいと苦笑を浮かべた。 「……次も参加許可貰えるのかなぁ」
- トゥエルヴ
- 「大丈夫だよ。またフィオリにお願いしよ。それが駄目なら、また学長の依頼見つけて恩を売ろう」
- ソフィア
- 「……あんまりフィオリや学長さんに迷惑を掛けちゃダメだよ?」
- トゥエルヴ
- 「はーい」 注意にも、楽しそうに返答した。
- ソフィア
- 「…………」 本当に分かってるのかなぁ。
- トゥエルヴ
- 視線は、夜空を照らす花火を見つめている。きらきらと散る火花の光が、はちみつ色の瞳に反射した。
- 「――そういえば、話って?」 はた、と思い出してソフィアに向いた。
- ソフィア
- 滅多に見かける機会のない花火をぼんやりと眺めていたが、掛けられた声にはっとなって振り向いて。 「あ……ええっと、大した話じゃないんだけど」
- 「……アヴァールにいる間は、忙しくてゆっくり話をする機会がなかったから」
- トゥエルヴ
- 「? うん」 首を傾げて
- ソフィア
- 「……妹と会ったって、言ってたでしょ」
- トゥエルヴ
- くりっとした瞳が、記憶を探るように左上へと向いた 「ああ、うん」
- ソフィア
- 「……どう、だった?」 不安そうにトゥエルヴの顔を覗き込んでから、視線を外し、膝の上で組んだ指に落とした。
- 「……あ、ええっと……どうだったっていうのは……」
- 「……私のこと、何か言ってなかったかとか……、トゥエルヴさんに何か嫌な事言わなかったかとか……、あの子のことをどう思ったか、とか」
- そういった諸々……と、尻すぼみに言葉を終えた。
- トゥエルヴ
- また、記憶を探るように視線が泳ぐ 「ソフィアの事…? ……さあ、言ってなかったと思う。嫌な事も全然。楽しそうにしてたよ」
- 淡々と紡がれる返答には、特別な思慮だとか配慮だとか、そういったものは含まれていなかった。ただ、思った、思い出した事を口にしている。そんな様子。
- ソフィア
- 「……そう」 じゃあ彼女は偶然、何かの用事でこちらに来ていただけなのだろうか。ほっとしたような、逆にこわいような……。
- トゥエルヴ
- 「ミアの事、気にしてるの?」
- ソフィア
- 「…………」 数秒の間を置いてから、言葉なく頷いた。 「……私は、ずっとあの子と比べられて来たから」
- トゥエルヴ
- 「ふぅん……。それって、今も?」
- ソフィア
- 「……今も――」 そう言われて、イルスファールに来てからのことを思い返してみる。それまでと当初に比べれば、気にしていない……というより、忙しくて思い出さずに済むようにはなったとは思う。しかし、 「……気にしてる、と思う」
- トゥエルヴ
- 「そっか。まあ、家族ってそういうもんらしいしね」 気になるのも無理ないか、と
- ソフィア
- 「家族……」
- 「……ミアは、私のことを家族だなんて思ってるのかな……」
- トゥエルヴ
- フィオリだって、幼い頃に分かれた父親に引きずられて、盗まれた魔法具の捜索なんて課題をしているわけだし。と一人納得顔。
- 「………」 ソフィアの言葉に、ふと、過去に聞いた彼女の生い立ちを思い出した。
- ソフィア
- 「……トゥエルヴさんに、私から話したことはなかったっけ」 そもそも、好き好んで身の上話を自分からすることなんてない。
- トゥエルヴ
- ログをさぱっと探していた
- ソフィア
- さぱっ(トゥエルヴの上半身と下半身がわかれるおと
- トゥエルヴ
- 「ソフィアからは聞いてないよ。僕からも、聞こうとは思わなかった。君、自分の事話すの苦手そうだし」
- トゥエルヴ
- 生首を語り合うソフィアは違和感ないんだよなぁ!
- と!
- ソフィア
- 「……楽しい話じゃないしね」
- トゥエルヴ
- 「でも、フィオリからは少しね」 足を組んで、組んだ足の上で頬杖をついた。
- ソフィア
- 「そう……フィオリから」
- トゥエルヴ
- 「うん。フィオリも、ミアのこと目の上のたんこぶみたいに気にしてるようだったし」
- ソフィア
- 彼女も軽々にそんな話をする人間ではない。理由や事情があって、自分のことを気にしてくれて話したのだろうと頷いて。
- その様子が容易に想像出来て、こんな話の最中でも思わず小さく笑ってしまった。 「……ミアは、きっとフィオリのことを気に入ってるけどね」
- トゥエルヴ
- 「みたいだね」 そっけなく言い返す。しばらく無言のまま花火を見上げていたが 「でも、分かんないんだよね」
- ソフィア
- 「……あの子も両親と同じ……才能のある人が好き。才能がない人間は嫌いだから」
- 「……なにが?」
- トゥエルヴ
- 「それ」 ソフィアにちら、と視線を向けた。
- ソフィア
- 「それ……?」
- トゥエルヴ
- 「魔術師の才能。なんでそういうのを気にしてるんだろう、皆」
- ソフィア
- 「……お父様は、故郷で有名な魔術師だったから。子供にも……それを期待していたの」
- 「……でも人間と人間から生まれた私は、魔法に一切の適性のない種族だった」
- トゥエルヴ
- 「………」 じっと、はちみつ色の瞳がソフィアを横目で見つめている。
- ソフィア
- 「最初は才能の開花が遅いだけだろうって、ちゃんと育ててくれたけど……、ミアが大きくなって、彼女が両親から余すことなく魔法の才能を受け継いでいるのが分かると、……家族にとって私は不要な存在になった」
- トゥエルヴ
- 「だから、家から放り出されて、今冒険者をしてるって?」
- ソフィア
- 「…………」 首を横に振る。 「それは、ちょっと違うかな」
- 「……表向きは家出したことにされて、私は長い間、屋敷の奥に閉じ込められていたの」
- トゥエルヴ
- 「へぇ………」 ソフィアに向けられていた瞳が、僅か逸らされる。
- ソフィア
- 「……父にとって、要らなくなった、使い古された、壊れて役に立たなくなった道具と同じように、誰も来ない場所に閉じ込められて、」
- 「偶然……なのかは分からないけど、そこにあった魔道具に反応して、私は魔域のような場所に入り込んだ」
- トゥエルヴ
- いつもと変わらぬ、無表情。怒りも悲しさもなく、語られる事実を受け止めている。ただ、先ほどを違って、少年の瞳は花火の光をそのまま綺麗に反射することはなく、その下方を眺めていた。
- ソフィア
- 「……そこをフィオリたちが助けて、イルスファールに連れ出してくれたんだ」
- 「……そんな境遇だったから、」
- トゥエルヴ
- 「……」 なるほど、と内心で呟く。フィオリを友達と呼んで大事に――たまに行き過ぎてるところもあるけど――しているのは、それが切欠だ。
- ソフィア
- 顔を上げると、片手を打ち上がる花火――その奥の星へと向けて伸ばす。 「私は、誰かに必要とされたかった。昔みたいに、愛してほしかった。あの星みたいに、輝いた存在になりたかった」
- トゥエルヴ
- ちら、とソフィアに視線を戻す。その細い手が伸ばす先を、少年も眺めやって
- ソフィア
- 「……フィオリはね、友達になろうって言ってくれた初めての人なの」
- 「あんなにすごい魔法の才能を持ってて、最初は妬ましくて、憎く思ったこともあったけど、」
- 「……それ以上に、ずっとずっと大事なものを私にくれた。私を必要としてくれたの」
- トゥエルヴ
- 「だから、そんなに大事に想ってるんだ」
- ソフィア
- うん、と頷いて、ベンチから立ち上がり、トゥエルヴを振り返る。 「……でもね、今はフィオリだけじゃないんだよ」
- トゥエルヴ
- ソフィアを見上げる。少女の背後で、大きな花火が打ち上げられた。その更に奥には、星が見える。
- ソフィア
- 「あなたにとっては、ただ思ったことを口にしただけの、何気ない一言だったかもしれないけど、」
- 「……ミアより、私との方が気が合う、って言ってくれたでしょ」
- トゥエルヴ
- 「そういえば、そんな事も言ったっけ」 ちら、と視線を逸らす。冗談交じりの声色
- ソフィア
- 目の前の少年はきっと覚えていない他愛のない会話の一部分。必要としているとか、そんな意図は一切ないのだろうけど、
- それでも。 「……嬉しかったんだ」
- 「だから、お礼を言っておこうって思って」
- トゥエルヴ
- 「――………」 ソフィアのそんな言葉に、何処となくそっけなく 「そう」 と返した。関心がないわけではない。少し、照れた様子だ。
- 「律儀だよね、君も」
- ソフィア
- 少し考えた後に、薄っすらと笑みを浮かべた。 「……少なくとも、トゥエルヴさんよりはね」
- トゥエルヴ
- ぐぬ、と唸る小さな声が漏れた。
- ソフィア
- 「……しておきたい話は、そういうこと。聞いてくれてありが――」
- 言った所で、「あ」と声が漏れた。
- 「……もうひとつ、聞きたいことがあったんだった」
- トゥエルヴ
- 「?」 瞳が瞬かれる。
- ソフィア
- 決して周りに聞かれてはいけない内緒話をするように、トゥエルヴとの距離を詰めて。
- 「……トゥエルヴさんって、フィオリのこと、好きなの?」 手で外に声が漏れないように遮りながら、小声で問いかけた。
- トゥエルヴ
- 「………え、なに…」 まだ照れくささが残ってる。最初こそ体を逸らそうとしたが、結局はソフィアにこちらからも近づく。
- 「――…なっ」 一瞬詰まった。さっと表情が慌てたそれになる 「……なにそれ」
- ソフィア
- 「……何だかすごく気に掛けてるみたいだから」
- トゥエルヴ
- 「し、仕事仲間だよ、フィオリは。君と一緒……」
- ソフィア
- 「……そう」 その反応に満足したように笑みを返すと、手を差し伸べた。 「……そろそろ一度戻ろう? クレープ、届けてあげないと」
- トゥエルヴ
- ちら、と差し伸べられた手を見上げる 「あのさ、君がどんな想いで閉じ込められてたのか、それは僕じゃ分かんないけど」
- ソフィア
- 「……?」
- トゥエルヴ
- 「僕にとっては、幸運な事だと思う」 ソフィアの手を取り、よいしょと立ち上がる 「ミアと違って、君は今、家に縛られていない。だから冒険者になれた。だから、ソフィアと出会えたんだ」
- 「君がいなかったら、今、僕はフィオリの事まだナイトメアだからって嫌ってた」
- 「――い、いや、今も好き……とかではないんだけど」 慌てて付け足して
- ソフィア
- 手を差し出したまま、何度もぱちぱちと目を瞬かせた。それから続いた言葉に嬉しそうに微笑んで。 「――うん。……私も、今こうしていられて、良かったと思ってる」
- トゥエルヴ
- 「……それと、ミアのこと。他の人がミアのことどう思ってるかなんて知らない。僕もさっき、楽しそうだったって言ったけど――同じくらい、息苦しそうだと思ったんだ」
- ソフィア
- 「息苦しい……、ミアが?」
- トゥエルヴ
- 「――なんとなくだけどね。才能だとか、家柄だとか……そういうのがあればあるだけ、自分をその中にあてはめようとしちゃうんじゃない?」
- 「フィオリだって……そうだったじゃん」 自由に学園生活を楽しんでいるかと思えば、彼女はずっと、父親の影を追いかけっぱなしだ。
- ソフィア
- 「…………そう、だね」 平気そうに見せていても、内に苦しみを抱えている人もいるというのは、何よりも身近な例がある。
- トゥエルヴ
- 「だから……えーと」 言語化に苦しんでいる様子で、言葉を選んでいる。
- ソフィア
- 「……いいよ、変に言葉を選ばないで、素直に言ってくれれば」
- 別にあなたに悪意はないってことは分かっているから、と。
- トゥエルヴ
- 「――……」 その一言に、じゃあ、と前置きを置いてから 「ありがとう。君の苦しい過去があったから、僕は今の君と会えたんだ」
- ソフィア
- 確かにこれはそのまま言うのが憚られたのも分かる。
- それでも彼なりの誠意を持って気持ちを伝えてきたのは理解出来て、優しい笑みを浮かべると、 「……どういたしまして」
- トゥエルヴ
- 「……」 さすがに怒った?少し屈んで、顔を覗き込むようにして
- 「……ん…」 しかし、それは杞憂に終わったようだ。こくりと頷く。
- ソフィア
- 「……さ、戻ろう。……フィオリを誘って、他の出し物も見に行ってみたら?」
- 冗談なのか本気なのか分かり難い声色で言いながら、差し出したままの手でトゥエルヴの手を取った。
- トゥエルヴ
- 「……な、なんでそこでフィオリが出てくるの。そっちこそ、フィオリを誘って見に行きなよ」 こちらからもソフィアの手を取って
- ソフィア
- 「うん、私も……時間が許せば誘うつもりだよ」
- トゥエルヴ
- 「さっきも言ったけど、別に好きとかそういうのじゃないからね。あんまり気を遣わなくても、いいし……」
- ソフィア
- 「わかった。じゃあ、……そういうことにしておくね」 明らかに明らかな反応が面白く、少しだけ意地悪な笑みを返してから、手を引いていく。
- トゥエルヴ
- 「――ほんと最近、遠慮がなくなってきてる気がする…」 別にいいけど。そう呟きながら、ソフィアについていった。
- ソフィア
- オワ!
- リ!
- トゥエルヴ
- これはランキング下がりました。私には分かる
- リ!!!
- ソフィア
- すでに下がってただろ
- トゥエルヴ
- もっと下がった
- ソフィア
- でもフィオリを悲しませたら
- 処すゲージがあがる
- トゥエルヴ
- ひえ…
- ソフィア
- ふええ……
- トゥエルヴ
- 速くまたソフィアをいじめるんだ
- ソフィア
- こんなのフィオリの前じゃ話せないよぉ><
- トゥエルヴ
- ソフィ虐待ってます
- ソフィア
- いじめられるのは私じゃない
- トゥエルヴ
- はなせ!!!
- ミア!?
- ソフィア
- ミア!?
- ふええ
- おつかれだまだよぅ……
- だま!?
- トゥエルヴ
- ふええふええいうのやめなさい!
- だまだま!?
- ソフィア
- てったい!!!1
- また……会おう……
- トゥエルヴ
- あい!!!!!!
- またあおう…
- !SYSTEM
- ソフィアが退室しました
- !SYSTEM
- トゥエルヴが退室しました
- KGM
- おつかれだよお
- レイヴェン
- こっちおとしとこうね~
- !SYSTEM
- レイヴェンが退室しました