泡沫のプロヴィデンス 幕間XIV
20231026_0
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- セイラが入室しました
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- リアレイラが入室しました
- セイラ
- こんばんは夜分遅くすみません。
- よろしくお願いいたします
- リアレイラ
- よろしくおねがいします
- 本体は宿に居るので訓練の後帰ってきて訪ねるとかでもよし、よそでもよし
- セイラ
- では訪ねましょう。
-
-
-
- 庭の実験施設調査から戻った一行は、しばしの休息の時をえる。
- ある者は手合わせを、ある者は情報収集を、ある者は考察を…その中の一幕である。
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- かの時の証言100%
- セイラ
- 宿屋のとある部屋の前に一人の女性が立っていた。
- カスラーンとの手合わせを終え、クヴァレとカスラーンと別れ、宿屋に戻ってきたところである。
- カスラーンとの話については共有した方がいい部分もあった、が、共有に値するかと言われると答えに詰まる。
- ただ、情報量があまりに多く、整理整頓したい気持ちもある。
- 息を吸って…吐いて…そして
- 丁寧に目の前のドアをノックした
- 「リアレイラ、起きてる?」
- リアレイラ
- 「―――」 返事がない。読書や書き物に集中しているにしては物音がしない。寝ているのか、と思えば、なにやらコソコソとネズミが這うような小さな気配がする
- セイラ
- 「取り込み中なら、出直すわ」何をやっているのかと訝し気な顔になるものの
- リアレイラ
- 「その声、セイラか? 今、開け、いや、開いている、入ってくれ」 声は妙に下の方から聞こえた
- セイラ
- 「……じゃあ、入るわよ」訝し気な表情はそのままに、
- 扉をあける。
- リアレイラ
- 部屋の中は暗い、ベッドに目を向けると白銀の髪の女性が横たわっているのが見える。
- セイラ
- 「…休んでるなら出直すわよ」しかしあの声…距離からして、違うところから聞こえてきたような…?
- 牛くん
- 「今灯りを付けよう、いや、先に戻るとしよう」 声は下から聞こえた。暗がりの床に牛を模したぬいぐるみが立っていて、そこから声は発せられていた。
- ぱたり、とぬいぐるみが倒れる。
- セイラ
- 「なんでわざわざソレ使ってるのよ」純粋な疑問である
- リアレイラ
- 『光明』 同時に、ベッドの上の女性が起き上がり呪文を唱えた。部屋に光が満ちる
- セイラ
- 魔法を使いっぱなしの方が疲れないのだろうか…?自分が魔法使いではないからそう思うだけだろうか。
- ぬいぐるみを拾い
- リアレイラ
- 「実験だ。召物と遠操の魔法印が干渉しないかを試していた」
- セイラ
- 「結果は?」
- はい、とぬいぐるみを返しつつ
- リアレイラ
- 「遠隔操作中に引き寄せを行えると、より便利なのだがそちらは当然無理だったが、操作を解除して本体に戻ってからの引き寄せは成功した」
- セイラ
- わたしはなにもみなかった
- リアレイラ
- うまぴょいした
- セイラ
- ゆるせねえよあこないと…
- リアレイラ
- 「そして、引き寄せ後の人形に再度意識を移すことも問題なかった」
- セイラ
- 「つまり同時には発動はできなかったってことね」
- リアレイラ
- 「うん、これを先に仕込んでおけばフロッシュを失うことも無かったのだが」
- セイラ
- 「…あのカエル、名前つけてたのね」
- 意外である。
- 割と物に愛着を持つタイプなのだろうか…?
- リアレイラ
- 「そのもの、カエルを意味する言葉に過ぎないが」
- セイラ
- ただの名称だった。
- リアレイラ
- 「あれには遠操の印もつけていなかった、非常に惜しい事をした」
- 「今となっては唯一、元の世界を窺い知る方法だったかもしれないというのにな」
- 「最も、そう単純な話でも無さそうではあるが……」
- セイラ
- 「そうね…庭の遺跡でのことも考えると、魔域とは違う…かもとは、思ってるわ」
- 「そのあたりは、貴方とあの男の方が詳しいし、考察も進んでるんでしょうけど…」
- リアレイラ
- 「まだ、原理は分からない。だが、つい先ほどまで、そのシュティーアは彼の許にあった。その体でディアキリスティス女史との会談に参加させて貰った」
- セイラ
- 「ディアキリスティスと…?奈落の剣や教団について確認でもしてたの?」
- リアレイラ
- 「彼女の感覚では、此処がパンデモニウム内にあったレムリア島と同質の存在であろうという捉え方になるらしい。
だが、この街の様式は彼女の知る当時のアトランティスのそれとは異なるようだし、感覚的な面でも違和があるそうだ」
- セイラ
- 「………」少し考える
- リアレイラ
- 「エイレイテュイアの魂の気配はこのレムリアに広く薄く偏在しているのみならず、この世界の王都でも感じ取れたそうだ」
- 「そして、もう一つ」
- セイラ
- 「どこにでもいて、どこにもいない。まるで謎かけね」
- リアレイラ
- 「元の世界の王都でも、その気配をごく僅かだが感じていたように思うと言っていた」
- 「これは非常に示唆に富んだ見解だ」
- セイラ
- 「………」
- 「仮定とも呼べないものだけど」
- リアレイラ
- 「私達は元の世界に似た世界に転移されたという方向性で仮説を立てていたが、その前提を覆すかもしれない事実だ」
- セイラ
- 「エイレイテュイアが何らかの物質に魂を移していて、ソレが王都に持ち込まれていた」
- リアレイラ
- 「ふむ、聞かせて欲しい」 仮定、という言葉に興味に瞳を輝かせた
- セイラ
- 「………言っとくけど、貴方やアコナイトみたいに根拠があるものじゃないわよ」と断って
- リアレイラ
- 「魂の気配、というものが、五感に近い感覚――つまり、距離の影響を受けるものであるならば、その物品を中心とした範囲内で気配の濃度が異なると考えられる」
- 「彼女の話では、このレムリアがこれまでの中では最も気配を感じさせる場であるらしい。その物品自体が移動しているのでなければ中々難しいだろう」
- セイラ
- 「エイレイテュイア…というよりも…本当に突拍子もないわよ」と前置きして
- リアレイラ
- 「ほう?」
- セイラ
- 「エイレイテュイアを取り込んだ世界樹の端末…あるいは、奈落の剣に近い物が王都に持ち込まれた
- リアレイラ
- 「ふむ」
- セイラ
- 「…疑問だったのよ、魔域なら、なんで王都があんなに正確に再現されてるのかって」
- 「実験場で奈落の剣と世界樹を接続した…なら、つまり、奈落の剣の端末が置いてある場所の情報を世界樹は見ることができるってことでしょ」
- リアレイラ
- 「もっともな疑問だ。私もその精確性には疑問を抱いていた」
- セイラ
- 「あらかじめそこに端末を置いていたなら?」
- 「教団か…あるいは、スクレータかはわからないけど…」
- リアレイラ
- 「一つ、問題点があるとすれば、何故、あえてイルスファールの王都にそれを置く必要が?という点だ」
- 「そして、その仮説に便乗する形でもう一つの仮説を打ち立てることが出来る」
- 「エイレイテュイアの魂の在処は、元の世界におけるこのレムリアのある場所に、元々あった、という可能性だ」
- セイラ
- 「…つまり、まとめると、世界樹側…こちら側の世界からあちら側の世界に何らかの形で干渉が既にされていたとすると、ソレに関わってるエイレイテュイアの魂が感じられたのもわかる…かな…って………」
- 「…あの私達が最初に入った、何もなかった空間?」
- 「もしくは封印される前に…海の上に浮かんでたその場所ってこと…?」
- 「確か大元は海の上に浮かんでた…って、ディアキリスティスは言ってたわね…」
- 「封印されるときに鎖につなぎ留められて、浮遊島になっただけで…」
- リアレイラ
- 「正確な座標は分からないが、リアン島北方の海上辺りという事になるだろうが」
- 「その海中なり、隠れた小島なりにその物品が元々あったならば、辻褄の合う要素もいくつかある」
- セイラ
- 「…魔域は魔域でも、同じ座標にあるなら、気配を濃く感じるのも頷けるってこと?」
- リアレイラ
- 「いや、この世界が元居た世界と変わらない、という可能性が出て来た」
- セイラ
- 「それは前に…他の人の認識齟齬の規模が大きすぎるから可能性としては低い…って話じゃなかった…?」
- 「確かに奴らは認識を阻害する、あるいはずらす能力を持っているけれど…」
- リアレイラ
- 「私達が認識できなかっただけで、この島も、世界樹もこの地に在ったのかもしれない」
- 「ああ、一度は否定した荒唐無稽すぎる話だ」
- セイラ
- 「ユノの話が本当ならそれはありうるでしょうけど…神域とか云々については…」むむむ
- リアレイラ
- 「だが、元の世界でもエイレイテュイアの存在を感じたという話に、また振り出しに戻された」
- 「実に面白い事になった」
- セイラ
- 「こっちは色々情報がありすぎて頭痛いわ…」
- リアレイラ
- 「頭の中で情報の整理が頻繁に行われている証左だ。そういう時は突拍子もない夢を見たりするものだ」
- セイラ
- 「…世界樹が彼女という意思がある存在で、仮に私達を呼んだのなら、いったい何させたいのかしらね…」
- 「さっき突拍子もないって断ったでしょ…!」ぷい
- リアレイラ
- 「君は読んだ本を要素に分解して引き出しに分類するタイプだな。学者に向いている」
- セイラ
- 「学者とか研究とか、ガラじゃないにもほどがあるわ…」
- リアレイラ
- 「目を通し、読んで記憶しただだけで頭の中の本棚に仕舞うようでは駄目だ。本は知識の象徴だが、本質ではない。本とは情報の集積であり、情報は精査してこそ思考の助けとなる」
- 「君は君なりの観点で、状況を紐解き、理解に落とし込もうとしている。素晴らしいアプローチだ。大図書館に探検気分でやって来た愚かな学生に見習わせたい性質だ」
- セイラ
- 「得意不得意はあるし、任せた方がいいところであるのはそうだけど…何もしないのはまた違うだけよ」
- リアレイラ
- 「なるほど、彼が君の事を気に掛けるのも頷ける」
- セイラ
- 「状況を自分でも理解していないと、いざという時迷って動けなくなったらそれこそ………は?」
- ない、絶対ないという表情
- リアレイラ
- 「私達のような人種からすると、君のような人との会話は様々な気付きを得られる予感、期待を抱かせるのかもしれない」
- セイラ
- 「あの男の頭にあるのは自分の知的好奇心と研究についてと謎解きと考察だけでしょ…」
- リアレイラ
- 「仮説も検証も、独力のみに頼ると個人の嗜好により歪みが生じやすい」
- 「私も彼も外部から取り入れる情報に目や耳を閉ざしてはいないよ」
- 「彼とも一度話をして見るといい、私とはまた違う見識を得られることだろう」」
- セイラ
- 「それなら、いくつか共有しておくわ。あとあの男との話は…どう考えても、貴方よりうまくいくとは思えないけど…努力はする…わ」
- 「…さっきカスラーンと手合わせしたわ」
- リアレイラ
- 「彼の神意の性能を見極める為か。どうだった?」
- セイラ
- 「あと少し話も聞けたわ…庭の時の事」
- 「本気で神意を使ってたかはわからないけど、一対一で引き分けるくらいだったわ」
- 「本人いわく、武器を振るう時に発現する能力…身体強化と感覚強化…私は、高位の神の息吹のようなイメージでとらえたわ」
- リアレイラ
- 「奇蹟の恒常化か……いや、剣の加護に近い、より根付いた能力と見るべきか」
- セイラ
- 「アナムとルキナの神意は…それぞれ、魔法の発現…カスラーンいわく、神意のおかげで魔法を使うことができるようになった…とか」
- 「ルキナはカスラーンと同じ戦闘時における感覚強化…ではあるけれども、系統が違うみたいで、カスラーンが純粋な能力強化なら、ルキナは、敵の弱点を見抜く…そういった能力だったそうよ」
- 「これだけ聞くとやっぱりキルヒア神由来…あるいは、それを模したもののように聞こえるわね」
- 「といっても、全ての知識がある世界樹なんて…あの神の教義から考えると、少しずれてる気も…」
- リアレイラ
- 「前にも言ったが、技能や記憶、身体感覚を後天的に付与する魔法は、古代語魔法にもあるし、記憶操作に関しては闇の妖精魔法の専売だ」
- 「一概に神の奇蹟に由来するものとは断言しかねるところがある」
- セイラ
- 「イメージに引っ張られてるわね…あとは…ウィスカと会った時、ロゼットを見て知り合いに似てるって言ってた件」
- 「ルキナとロゼットは似てるのかって聞いたら、庭にいる子達はロゼットと似たような雰囲気を持っていて…ロゼットは物静かだけど、ルキナはもう少し表情豊かで、明るい性格だったそうよ」
- リアレイラ
- 「"庭"の目的が、自分達に都合の良い神の創造、その生長と剪定が今の段階ではないかという仮説を立ててはいるが、神意の在り方については疑問が大きい」
- セイラ
- 「私達や…レアルタに何かをさせたいのだとしても、回りくどすぎるのよね…」
- リアレイラ
- 「"庭"の扱う薬物には精神や人格を歪め足り、摩耗させるような強いものもあるという。似た印象を抱くというのはそういう事なのかもしれないが」
- 「単に巻き込まれただけなのか、あの空間で聞いた声の主による介入で私達が送り込まれた、という形なのかにもよるだろう」
- セイラ
- 「あとは…スクレータについては、そんな大それたことをする人には見えなかったそうよ、ただのおっさんって言ってたわ」
- 「…演技かどうかまではわからないけど、カスラーンから見て…少なくとも、カスラーン達が当時優勢だったから力を貸した…んじゃなくて、可能な限り庭の子達を助けたい…そんな人だったそうよ」
- リアレイラ
- 「あの声は、私達の存在を認知して語り掛けてきたわけではない、という事も十分あり得るので、偶然説にも一定以上の信憑性がある」
- 「ふむ、君はカスラーンを高く評価しているようだが」
- 「彼が演技を見破るのに長けていると思うだろうか?」
- セイラ
- 「現時点の印象から言うと、感覚では見破れるでしょうけど、何か証拠がない限り…厳しいわね」
- リアレイラ
- 「何より、当時、彼らには精神的なゆとりが一切無かったのだろう?」
- セイラ
- 「…そうね」
- リアレイラ
- 「残念ながら、人は自分が信じたいと思うものを信じる」
- 「情報の一つして引き出しにしまっておくとしよう」
- セイラ
- 「クヴァレについても、気にかけてくれてたわよ、カスラーン」
- リアレイラ
- 「後で礼を述べておこう」
- 「それで? 猥談の一つでもする仲になっただろうか?」 涼しい顔でこの発想である
- セイラ
- 「貴方も機会があれば話してみるといいわ、悪い人じゃなかったから」
- 「は?なんでそうなるのよ…若い子みんながみんなその手の話するとは限らないわ」
- リアレイラ
- 「常々、彼には同年代か年上の男性の友人が必要と思っていた」
- セイラ
- 「クヴァレの場合それ以前のところからのスタートでしょ…そこは同感」
- リアレイラ
- 「女所帯では男は委縮しやすいものだ」
- 「道中、アナムと会話が増えていたように思う。良い傾向だ」
- セイラ
- 「…圧倒的に経験がないものね」
- リアレイラ
- 「私もだ」
- セイラ
- 「世界が広がればまた考えも変わるでしょ…脱却できるといいわね、神様扱い」
- リアレイラ
- 「男と暮らしたことはあるが、産んだことも育てた事もない。両親を参考しようにも、彼の現状と私の子供時代では比較にならない。困ったものだ」
- セイラ
- 「私からしたら…今のクヴァレはいい環境にあるように見えるわね…」
- リアレイラ
- 「善いものだけを知ることが、善い人になる条件とは限らない」
- セイラ
- 「最も…やっぱり、神様が導いたからって、この稼業に首突っ込んでるのも相変わらずわからないわ」
- リアレイラ
- 「栄養のある土では逆に育たない作物があるように、滋養だけが人を人たらしめるわけではないのだろう」
- 「おそらく、彼を助けた私達の模倣であり、私達と共に在りたいという願望もあるのかもしれない」
- 「私はその芽を摘むべきではないと思い、この道に進む為の手を貸してしまった」
- セイラ
- 「…ほっといたら誰かを殺すのはそうね」
- リアレイラ
- 「様子を見て、神殿勤めに専念するよう勧めるつもりもあった」
- 「しかし、事が起き、事を起こしてしまった」
- 「彼はもう殺してしまった。少なくとも彼自身はそう思ってしまった」
- 「次にそれが起これば、彼はまた事を起こすだろう」
- 「そうなる前に考えを改めさせねばならないのだがな」
- セイラ
- 「そうね…まずは自分の命の価値に気づくところあたり、から?」
- 「…もしくは、自己犠牲でなんでもかんでも解決できるわけじゃないって教えるところから…あたりかしらね」
- リアレイラ
- 「自分を低みに置くことで、相対的にただびとに過ぎない私達を高く、尊いものであると考えているのだろう」
- セイラ
- 「ないわ」ないわ
- リアレイラ
- 「ふむ」
- セイラ
- 「私はただの冒険者よ。そしてクヴァレもそう」
- 「…まあ、それがあの子の身の護り方だったんでしょうけど、察するに」
- リアレイラ
- 「ああ」
- 「命の他に持っているものはなく、己より下の存在はないと教えられてきた」
- セイラ
- 「………人の忠告に関して気づいてるけど目をそらし続けてる図太さは出てきてるわね」
- リアレイラ
- 「命を投げ打つという選択は、彼にとって賭けられるすべてだったからだろう」
- 「ああ、彼には利己的な部分がある。欲張りで、身勝手で、思考よりも感情に左右されてしまうところがある」
- セイラ
- 「それは手段の一つであって絶対的な手段ではないわ…そうね、耳をふさがれてるわ」
- リアレイラ
- 「要するに、彼の周りにいた者がそうだったからだ。どうしても影響は受けてしまうものだ」
- セイラ
- 「仮に前衛が全滅したら彼が馬鹿な事する前に彼を連れて逃げて頂戴ね」
- リアレイラ
- 「彼が冒険者の道を選んだ時、彼には名が無かった。そこで、私とイルヤンカ、二人の親友と共に、彼に名を与えた。それが、クヴァレ=ファロ=ノイレイの成り立ちだ」
- 「いずれも捨てがたかった、とも取れるが。すべて己のモノにしたいという欲求のように思えて、私は小気味よいと感じた」
- セイラ
- 「名前ね…」
- リアレイラ
- 「壁無しで逃げ切れるとは思えないが、そんな巡りが回ってきたら最善を尽くす事は約束しよう」>全滅
- セイラ
- 「あの男なら全滅せずに一緒に行ってくれるわよ」
- リアレイラ
- 「ここでいう最善には、当然ながら私だけが生き残り、蘇生を試みるという手段も含むが」
- 「ふむ、随分と信頼しているようだ」
- セイラ
- 「逆に聞くけど、あの男が劣勢の時殊勝に殿引き受けるとか言うと思う?」
- 「明確な勝ち筋が見えていないならやらないわ、あの男は」
- リアレイラ
- 「状況次第だろう」
- 「自分の遺体の回収の見込みがあると踏んだら、存外、引き受けるかもしれない」
- セイラ
- 「…それ聞くとありそうって思えてきたわ」
- リアレイラ
- 「輪廻に還るのはいつでも出来るが、蘇りを体験できるのは戻ってこそだ」
- 「彼は呼べば還ってくる。そう確信している」
- 「私がそうだからな」
- セイラ
- 「あの性格の悪さと個人主義なところとわざと遠回しに言うところはおいておくとして、能力は高いのは知ってるわ。だから剣も預けたのよ」
- 「あの男が一番剣を護り切れて、有効活用できると踏んだから…」
- リアレイラ
- 「友人を蘇生した時は、還ってこなかったらどうしようかと悩んだものだが、彼や自分に関しては何ら心配していない」
- セイラ
- 「…話を始めたのは私だけど、それ、クヴァレには言わないようにしなさいね」
- あの様子だとリアレイラが死ぬ話をしようものならおろおろとして下手したら泣くだろう…
- リアレイラ
- 「立ち回りから言っても、彼が倒れること早々ないだろう。心配なのはむしろ君達だ」
- 「いや、話しておく。その事も、彼が問題を起こした原因の一つだったからな」
- セイラ
- 「この仕事してるのよ、いつ倒れてもおかしくはないわ、PTに負担をかけたいって意味じゃなくてね」
- リアレイラ
- 「亡くなった友人は一度は蘇生に応えなかったんだ。それが彼に過ちを犯させた」
- セイラ
- 「………それを選ぶ人もいるでしょう。元々、普通は蘇生っていうのは忌避されるものだわ」
- リアレイラ
- 「紆余曲折を経て、私の蘇生を受け入れてくれたが、まったく、あいつめ」
- 「命を金で切り売りするような商売だ、金で買い戻して何が悪い」
- 「自分の命くらい稼いだ金で買い戻してみせろ、と言いたい」
- セイラ
- 「死んだらそのまま輪廻に行きたいって人もいるのよ…」意外にたくましいわねとは思いつつ
- 「で、結論、何したの、クヴァレ」
- リアレイラ
- 「亡くなった友人はイルヤンカと同じ、ウィークリングだった。彼女の元主人のドレイクの手引きで、遺体は盗まれ、クヴァレには蘇生能力を持たせる魔剣を渡された」
- 「蘇生を拒む彼女の意を無視して、クヴァレは魔剣の力を借りて蘇らせた。つまり、遺体泥棒の片棒を担いだも同然だ」
- セイラ
- 「その悪趣味なクソドレイクに誘導されたのもあるんでしょうけど、なるほどね…」
- リアレイラ
- 「そこに王都からの失踪も加味すれば、本来、どのような処理を下されるか分かるだろう?」
- セイラ
- 「…貴方相当頑張ったわね」
- 「猶更、外に出さない処理がされそうなものだけれども」
- リアレイラ
- 「私はあの街でそこまで政治的な工作を出来る立場にはない。神殿と冒険者ギルドの意向が後押ししていたことも大きい」
- セイラ
- 「………高位の奇跡の使い手ってこと?」
- リアレイラ
- 「名目としては、そのドレイクの暗躍を阻止した、という方向性にした」
- セイラ
- 「…でしょうね」
- リアレイラ
- 「神殿側にその意図がどういう形で伝わっているのかは聞かなかった」
- 「知らなければ口を割ることもないからな」
- セイラ
- 「………まだシーンでよかったわね」本当
- ライフォスやティダンあたりになると目も当てられない
- リアレイラ
- 「おそらく、後ろ暗い何かがあった事を想起させない為に、今の活動を維持させたというところだろう」
- 「……穿った見方をするならば、仕事中に命を落とせば後腐れが無い、という考え方も出来る」
- セイラ
- 「…それ、話してよかったの?」
- リアレイラ
- 「荒唐無稽な思い付きばかりを口にする、変わり者のエルフから聞いた話など大した価値はない」
- セイラ
- 「私が正義感に燃えるような奴だったらどうすんのよ…」
- リアレイラ
- 「ハッ、君が?」笑った
- セイラ
- 「ただの例えよ」
- リアレイラ
- 「君は社会的な正義より、自分自身を納得させる事のできる正義を重視しているだろう」
- セイラ
- 「少なくともお綺麗で真っ当な人間じゃないのは確かね」そもそもこの稼業選ぶ時点でお察しである
- リアレイラ
- 「そして、主義に反する者と相対した場合、敢えて闘争を選択するタイプでもない。関わりを断ち、そっと離れていくのではないか?」
- セイラ
- 「ソレについては場合によるわね。ぶつかる必要性がないからしないだけで、元々短気よ、私」
- リアレイラ
- 「ふむ……これを言うと短気な君に殴られるかもしれないが」
- 「どう考えても面倒臭く余計なしがらみを抱えているクヴァレや、彼に肩入れする私のような者に、こうして首を突っ込み、過去の出来事まで聞いてくる時点で、君は私達に相当肩入れしていることになる」
- 「"場合による"から、だいぶ度を越しているのではないか? セイラ」
- 「そういう性質を端的に述べると――人が好い、という事になると思う次第だ」
- セイラ
- 「…………人がいいっていうのはもっと他に当てはまる人いるでしょ」イルヤンカとかイルヤンカとかイルヤンカとか
- リアレイラ
- 「他にも当てはまる者はいる」
- 「少なくとも、私は君のその性質を好ましく思い、とても感謝している」
- セイラ
- 「………別に、クヴァレの件は自分がただ気にいらないだけで、私だって、さっきこの世界の事について貴方から教えてもらってるし、お互い様よ」
- リアレイラ
- 「そうか、お互い様……なるほど、そういう事か、ふむ」これは何か失礼なことを考えている雰囲気だ。
- セイラ
- 「………」経験上、わかってきた。これは何か考えてる…言い換えれば、突拍子もないことを考えてる
- リアレイラ
- 「確かに、似ていると言えば似ている、か、いや、よそう、私の憶測を押し付けて混乱させてしまうのは本意ではない」
- セイラ
- 「…似ている?」
- リアレイラ
- 君はクヴァレと同じで本心を自己暗示的に押し込めるのが得意なフレンズなんだろう?
- つまり、君のクヴァレに対する憤懣は自分自身に対する以下略
- セイラ
- は?からのそんなわけないでしょコンボですねそれは・・・
- セイラ
- 「………」すごく失礼なことを考えられてる気もするが、今更である
- セイラ
- 由緒正しいテンプレートツンデレなのはそれはそう
- 時間もえらいことになってきましたしこんなあたりですかね…
- リアレイラ
- 「いや、結構、ただの戯言だ。うん。これからも君は君で居て欲しい」
- リアレイラ
- 止めどなく話し込んでしまった
- セイラ
- 「………」すごくあたたかい目で見てない?ちょっと、ねえ
- セイラ
- お付き合い感謝です
- リアレイラ
- 「もし、相談に乗れることがあれば、私も協力は惜しむまい」
- リアレイラ
- ありがとう、ありがとう
- セイラ
- 「…ありがとう」確かに知識面や考察面は頼りになる存在である
- セイラ
- また機会あればお話しましょう
- 撤退しまーす。ありがとうございました!!
- リアレイラ
- )))
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- セイラが退室しました
- リアレイラ
- そのまま撤収