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姉妹の再会に祝福を

20221220_0

!SYSTEM
シャルロッテが入室しました
!SYSTEM
アデルフィアが入室しました
アデルフィア
にゃんということでしょう
シャルロッテ
あなたはにゃんです
アデルフィア
にゃんではありませんが
シャルロッテ
にゃんですが……
!SYSTEM
アンリエットが入室しました
シャルロッテ
出ましたね
アンリエット
ここが6文字ハウスね
シャルロッテ
みんな名前が
長い
アデルフィア
ほんとうですね
シャルロッテ
JIKANがありますし
ほししべで話でも聞かせていただきましょうか
その後軽く今日のアイちゃんハウスに突撃すればいいんです
アンリエット
(かつ丼を用意する)
シャルロッテ
開幕はみょんみょんします。
よろしくお願いします。
アンリエット
よろしくお願いします
アデルフィア
でも、私、語るほどアイちゃんの事を詳しくは知らないんですよね(たぶんみんなだいたいそう
よろしくお願いします
 
 
シャルロッテ
メモ書きがあればそれでいいんです
〈星の標〉のテーブルのひとつに、ブロンドの長い髪と尖った耳、ふさふさの尻尾を持ったリカントの娘が座っていた。
ぱたぱたと落ち着き無く尻尾を揺らめかせ、これから来る予定の相手を待っている。
シャルロッテ
アンリエットさんは最初から一緒にいてもいいし今から来てくれてもいいです
一緒にお話聞いてくださいって誘ってます。
あでにゃんには果たし状を渡してあります。
アンリエット
こわい
対面はアデルフィアに座らせるので隣にステイしましょう
アデルフィア
こわい
アンリエット
「……」 揺れる尻尾に視線をちらちらと奪われつつ、テーブルの上にある湯気の立つカップに触れた。
シャルロッテ
長い間――数年以上も連絡が取れなかった姉を追う目的もあってこの国を訪れ、あっさりと〈星の標〉に在籍していることは掴めたものの、それ以上の進展はないまましばらくが過ぎ、ようやく出会ったのが、その友人だという神官の少女だった。
アンリエット
中には暖かな紅茶が入っていて、ゆっくりとそれを薄い唇に付けて一口嚥下する。熱が喉を伝って胸に、腹へと落ちていくのが心地よい。
シャルロッテ
注文していた飲み物のことはすっかりと頭から抜けてしまっていて、時折隣にいる少女に微笑みかけたりしつつ、入り口の方を見ては時計を確認し、また入り口を見る。
アデルフィア
――……お待たせいたしましたか」 訪れたのは灰色の修道服に身を包んだ少女。髪も瞳も銀灰で色彩に欠くシルエットの中、胸に金糸で刺繍されたライフォスの聖印が唯一の主張といえるだろう。
シャルロッテ
「あ」 やってきた少女を見て、がたんと音を立てて席を立つ。 「いえいえ、全然待っていません」
とはいうものの、尻尾と耳の動きから待ってましたと言わんばかりなのは明らかだ。
アンリエット
「そうね。ずっとそわそわそわそわ、落ち着きがなかったもの」 やってきた少女に口を開きつつ、立ち上がったシャルロッテを示して小さく肩を竦めさせた。
シャルロッテ
「そ、そんなことないですよ」 落ち着いてましたし。
アンリエット
「そうかしら」 薄く笑みつつ、アデルフィアに視線を向けて、シャルロッテの対面の席を促した。
アデルフィア
「……いいえ、もう少し早く来るべきだったかもしれません。お気持ちは理解出来る……筈でした。申し訳ありません」 人形めいた表情に大きな感情の揺らぎは見えない。ただ、真摯な気持ちで頭を下げているのは伝わるかもしれない
「探し物が見つかる、というのは……心がざわめくものなのでしょうから」
シャルロッテ
「そうです」 少し頬を膨らませてアンリエットに返しながら、彼女がアデルフィアに席を勧めたのに続いた。 「どうぞ、座ってください。あ、何か飲みますか? 外は寒かったでしょう」
アンリエット
つつつ、とメニューを差し出しておきました。
シャルロッテ
「謝らないでください。急かしてしまっているのはこちらなんですから」 ぱたぱたと両手を振ってから、店員を呼び寄せた。
アデルフィア
「いいえ、問題ありませ……では、白湯を」 席に着きつつ、飲み物は辞退しようとしたが思いとどまって
シャルロッテ
アデルフィアの注文をそのまま店員に伝えると、自分も席に座り直す。どうにか尻尾を揺らさないように努めているようだが、まだゆらゆらと微かに揺れている。
やがて店員が白湯を運んでくれば、それをアデルフィアの前に置くように促して。
アンリエット
シャルロッテの探している姉についての話――というのは聴いていたし、それを彼女が心待ちにしているのは分かっているだけれど。
その嬉しさがはちきれんばかりの様子に沸いて来るのは、悪戯心だ。 
シャルロッテ
そこでようやく、自分の注文していた紅茶がすっかり冷めてしまっていることに意識が行き、ぬるいそれを手に取った。
アンリエット
「尻尾、抱えていましょうか?」 
シャルロッテ
「え、えぇ……そんなに揺れてました?」
アンリエット
「待てをされてる子犬みたいよ」 もう一度紅茶に口を付けて。
アデルフィア
「……」 今日の用件は至ってシンプルなもの。予てよりの知己である一人と、先日、縁を得た目の前の一人、その間に実は繋がりがあった事を知ったのだ。
シャルロッテ
「動物扱いしないでください……」 動かないようにぺたんと尻尾を下ろした。
「ええと……それで、」 カップを置くと、手を膝の上に置いてアデルフィアへと顔を向ける。 「アデルフィアさんはお姉ちゃん――アーデルハイトとお友達、なんですよね」
アデルフィア
自分という一本の細い糸が断たれていた縁を繋ぐ架け橋となる。調和を司る神の信徒の使命ともいえるだろう。ただ、ほんの少し、良からぬ私情、妬みをを抱いていると思っていた。
「……友達、と言えるのでしょうか。私は彼女に助けていただいたことがあります。しかし、同じだけのものを返せているとは思えません」
アンリエット
薄い笑みをこっそりと浮かべつつ、2人の会話をゆっくりと聞く。
アデルフィア
「対等の友人関係を結べているのか、私には分かりません。ですが、」
シャルロッテ
「もらったものと同じだけ与えなければ友達じゃない、というわけではありませんよ。私だって、アンリエットさんには迷惑を掛けちゃってますけど、お友達だと思ってますし」
ね? と横でうっすらと微笑んでいる娘に笑いかけた。
アンリエット
「……、」 笑い掛けられれば、むっとその表情が引き締まった。
「そうね。魔神使いわたしなんかと居てくれているのに、還せているものがある訳じゃないもの」
応えた後、自分はいい、と手で制しつつ、アデルフィアが言い掛けた言葉の続きを待つ。
シャルロッテ
「そんなことないですよ。お願いしたら、こうして一緒に話だって聞いてくれてるじゃないですか」
アデルフィア
「……彼女にあなたのような家族がいること、あなたが彼女を想っていることを、羨ましく、そして……快い、と感じました」 言葉を選びながらそう口にする。そう、妬みだけではなく、二人の橋渡しとなれることを確かに喜ばしいことだと感じてもいた。
シャルロッテ
先に聞こえてきた言葉に、少し考え込む。 「……お友達といっても、勝手に家族の事情に巻き込んでしまって、ごめんなさい」
アデルフィア
「推測のもとでしたが、自らの意思で“関わる”と判断しました。気に病む必要はございません」
シャルロッテ
「……分かりました。では、これ以上はそれについては謝らないようにします」
アデルフィア
「では、こちらを」 シャルロッテの前に一枚のメモを置いた。ホークアイと名乗っていた彼女の姉から預かったものだ
シャルロッテ
「ありがとうございます」 礼を述べてから差し出されたメモに手を伸ばす。
皆に見えるように、テーブルの上でそのメモを広げてみれば……
アンリエット
「……」 机の上で受け渡された手紙に視線を向けつつ、
シャルロッテ
書いてあったのは、一見何の繋がりもない数字や言葉の羅列だ。
アンリエット
しかし中身まで読んでしまうのはどうだろうかと、視線をゆっくりとそらした。
アデルフィア
「“アーデルハイトからそのメモを預かった”そう言えばいい、と仰っていました」
シャルロッテ
「はい。お姉ちゃんはこのメモで自分の居場所……滞在先を教えてくれてるみたいです」
アデルフィア
「なるほど」
シャルロッテ
無関係な人間が見ればただの乱雑なメモにしか見えないそれは、一種の暗号のようで、
アンリエット
ちらりとシャルロッテに視線を向けて。 「それなら、向かってみる?」
シャルロッテ
「私が小さな頃にお姉ちゃんが遊んでくれた暗号遊びに基づいて書かれてるみたいです」
――うん、そうですね」
アデルフィア
「これで約束を履行されたことになります」一つ頷き
シャルロッテ
「このメモの通りなら、今日は王都の東の方で宿を取っているはずです」
「……あの、よかったらお二人も一緒に来てくれませんか?」
アデルフィア
「……私も、ですか?」
シャルロッテ
「はい。こうして橋渡し役を務めてくださいましたし、先程関わると言ってくださいましたよね」
アデルフィア
「僅かですが、あなた方の事情を伺っています。余人に知らしめる類のものでないことも」
シャルロッテ
「それに、私だけだとのらりくらりと避けられちゃう可能性もゼロじゃないですから」
アンリエット
「……前の仕事の時も、それなりに話も出ていたものね」
アデルフィア
「……」避けられる可能性がゼロではないという言葉に、視線がふっと虚空に向けられ、数秒
「確かに」
シャルロッテ
「……まだ、お話していないことも沢山ありますが、アンリエットさんになら聞かれても問題ないですから」
「それに、お姉ちゃんがアデルフィアさんには話したというのなら、それだけの信用を置いているということです」
アンリエット
「アデルフィアはともかく、私は……」 視線を外して、逃げる様に冷めた紅茶に手を伸ばし。
アデルフィア
「あなた方は旧知の友人、なのですか?」アンリエットとシャルロッテの両名を見比べ
アンリエット
「友達の頼みでしょ。……断る理由、ないわ」 目を伏せると、そのまま紅茶を啜った。 
シャルロッテ
「冒険者になってから知り合った仲ではありますが――」 横から聞こえてきた言葉に、にこっと明るい笑みを浮かべてアデルフィアに向けた。 「ということです」
先程下ろした尻尾は、ぱたぱたと無意識に振られている。
アデルフィア
「“それが誰であれ、縁を持った相手を隣人とし、支え、信じること” それを好む者であると、彼女はあなたをそう評していました」
アンリエット
カップを置いて、僅かに染まった頬をそのままにゆっくりと瞳を開いて、尻尾を取ってやろうかと少しだけ考えたがやめた。
アデルフィア
「私は信仰に基づいた使命としてそれを是としますが、あなたのそれは気質によるものなのでしょう」
シャルロッテ
「そんな大層なものではないですけど……騎士として、神官として、多くの人々に手を伸ばしたいとは思っています」
「…………」 気質によるもの、と言われればそれもその通りで、苦笑を浮かべた。 「そういう性分なのは否定できませんね。それで近くの人に迷惑を掛けちゃうこともありますけど……」
アンリエット
「……」 貴女が魔神使いわたしにしている事は、そういう大層なもの、だと思うけれど。口には出さなかったが、アデルフィアに頷きを返した。
アデルフィア
「では、私もその要請に応えましょう」
「少なくとも、今、最も近くにいる者達はそれを迷惑、と考えてはいないようです」
アンリエットに頷き返し
シャルロッテ
「……ありがとうございます」 頼みに応じてくれたことと、それに続いた言葉の両方に対し、それぞれに礼を口にして頭を下げた。
アンリエット
「ただ、あなたのお姉さんが困らなければ、よ」 突然大人数で押しかけられても困るかもしれないし。
これで迎える側がシャルロッテであれば諸手を振って歓迎するのだろうけれど。
シャルロッテ
「勝手に家を出て音信不通になったんですから、そのくらいは許してもらいましょう」
アデルフィア
「問題ありません。困らせてしまえば良いと思います」
アンリエット
「えっ、……」 シャルロッテに軽口を返そうとしたら、アデルフィアの思わぬ返答に声が漏れた。
シャルロッテ
「……ふふっ、アデルフィアさんも同じ考えみたいですね」
アデルフィア
そんな、らしからぬ言葉を淡々とした表情で口にした。運ばれてきていた白湯を一口。
アンリエット
「……そんな事も言うのね、あなた」 意外だ。
アデルフィア
「私は彼女にわだかまりを抱いた事がありますので」
シャルロッテ
「お姉ちゃんのことを、そう言える相手だと思っている証拠、ですよ」
アデルフィア
「その事で彼女に気を遣わせてしまった結果がそれです」 手紙に視線を向け
シャルロッテ
テーブルの上に広げたメモ書きにもう一度視線を落とした。
アンリエット
向けられた視線を追って、今度はちゃんと手紙を見遣る。
アデルフィア
「負い目、というものを互いに持ったままでは対等とは言い難いと思いますので」
シャルロッテ
顔を上げると、アデルフィアに向けて小さく首を横に振る。 「気を遣ったというのもなくはないかも知れませんが、もっと大きな理由があったと思いますよ」
アンリエット
――……」 言われて、ふと気付く。シャルロッテを指して友達だ、友人だとは言ったが、では負い目がないのかと言えば、そんな事はない。
アデルフィア
「私も彼女に対して何かをやらかします。それでおあいこなのではと」
シャルロッテ
続く物言いに、思わずぷっと吹き出した。 「……ふ、ふふ、やっぱり、お姉ちゃんのお友達ですね」
アデルフィア
全く以てらしからぬ言葉だ、どこで覚えたのかは分からない。あえていうなればホークアイの言動に近いものがあろう
アンリエット
それが消えるのかも今は分からない。語るアデルフィアの様子を見て、どこか羨ましく思えた。
「いいわね、そういうの」
アデルフィア
「そう、でしょうか」小首を傾げ  「……そうあれば良い、そう思います」
シャルロッテ
「じゃあ気兼ねなく、迷惑を掛けに行っちゃいましょう」 紅茶を飲み干してからそう言うと、立ち上がってアンリエットの手を取った。
「間違いありません。私が保証します」
アンリエット
「……貴女達は既知の相手でも、私には初対面だって事は忘れないでよ」 咎める様に言いつつ、ゆっくりとその差し伸べられた手を取った。
シャルロッテ
「はい、ちゃんと紹介しますね」 お互いに。
アデルフィア
彼女アイはそういったものを気にせず話すことが出来ます、大丈夫です」
アンリエット
「そういう事にしておく……」 ゆっくりと腰をあげて、ファーの付いたコートを羽織り直す。
シャルロッテ
「何処かに出掛けてないといいですけど……」 言いつつ、椅子にかけてあったコートを手に取った。 「アデルフィアさん、寒くありませんか?」 これを羽織っていきますか、と自分のコートを軽く持ち上げて示して見せた。
アンリエット
「その時は、また日を改めましょう。暗号を書いて渡すなら、居留守を使われる事はないだろうし」
アデルフィア
「問題ありません、お構いなく」
シャルロッテ
「ええ、アデルフィアさんも一緒なら居留守や窓から逃げられたりすることはないと思います」
「寒くなったら言ってくださいね、コートも尻尾も貸しますから」
アデルフィア
「居場所が分かっているのであれば、こちらから手紙を届けることも出来ます」
「尻尾」
シャルロッテ
主張するように大きく尻尾を揺らして見せた。
アンリエット
「……良いわよ、あれ」 シャルロッテの尻尾を指した。
シャルロッテ
「お墨付きです」
アデルフィア
「……」口元に手をやって何かを思い出すように
アンリエット
「それなら、予め向かう旨を届けて貰ってもいいかもしれないわね」 >てがみー
シャルロッテ
「いえ、それはやめておきましょう。とりあえずは突然行って驚かせたいですし」
「まあ……途中でバレそうな気はしますけど」
アデルフィア
「あなたの耳と尻尾の触り心地は恋しく思う、と言っていました。それほどのものなのですか……?」
アンリエット
「……悪戯っ子ね」 
「気になるなら、試してみたら?」 
シャルロッテ
「触ってみますか?」 アデルフィアの方に近付いていって、ボリュームのある尻尾を寄せて見せた。
「ちょっとした悪戯は好きですから」 普段突然後ろから声を掛けたりするのもそれだ。
アンリエット
「知ってるわよ。常習犯だからそう言ったの」 むっ、とむくれつつ、アデルフィアに尻尾を触れさせに行ったシャルロッテの脇腹を指先でつついた。
アデルフィア
「では、失礼いたします」思いの外、大胆にむぎゅと掴む。握力はそう強くはない。感触を確かめるように細い指先を毛皮に潜らせる
シャルロッテ
「ひゃ」 脇腹をつつかれて軽く身を捩らせつつ。 「…………」 脇腹も尻尾もちょっとむず痒い。
長く触り心地の良い毛に覆われた尻尾はふかふかで、この季節でもとてもあたたかい。
アデルフィア
「なるほど、オーバーコートから滑らかではありますが、アンダーコートの柔らかさは特筆に値します」
アンリエット
「……前に一度、疲れ切った時に抱き枕にさせて貰ったんだけど。ゆっくり眠れたわ」
シャルロッテ
「ふふ、尻尾の手入れは欠かしていませんから」
アデルフィア
「これは冬毛なのですか? 換毛期があるのでしょうか」
シャルロッテ
「ええ、一応生え変わります。その時期、ちょっと掃除が大変なのがネックですね……」
アンリエット
「……部屋中もこもこになるのかしら」
アデルフィア
「換毛期に合わせたブラシを選ぶことが肝要と思います」
シャルロッテ
「そこまでにはなりませんよ」 苦笑を返して。 「それじゃあ、そろそろいきますか?」
アンリエット
「そう……」 ちょっと残念。それだけあればクッションの一つは出来そうなものなのに。
アデルフィア
「はい」
アンリエット
「いつでも行けるわよ」 勘定をすませーの。
シャルロッテ
「ええ、ちゃんと用意してあります。実家で使っていたお気に入りのものをそのまま持って来ていますから」
「では、いきましょうか」
そうして、シャルロッテの先導の下、3人は冬のイルスファールの町を行く。
アデルフィア
はい、と言いつつまだ尻尾を触っていたが手を放し
アデルフィア
ところでリカント種にとって尻尾はどういう位置づけにあたるのでしょうか?
アンリエット
「……」 尻尾に手を少しだけ触れさせつつ、
星の標から内壁の中を突っ切るようにして、ちょうど対角に位置するアステリア神殿を通り過ぎ、ミィルズ神殿へと向かう路地に入る。
アンリエット
先導について歩いて行く。
シャルロッテ
尻尾は尻尾ですが……
そこからさらに細い路に入っていったところに、ごくごく小さな無名の宿があった。
宿だといわれなければ、それがそうだとは誰も思わないような店構えだ。
アンリエット
斬ったら生え直すわよ
アデルフィア
https://pbs.twimg.com/media/BPvpFviCYAA7u0M?format=jpg&name=900x900
シャルロッテ
入ってみれば、愛想のあまりよくない店主が歓迎――してくれるはずもなく、じろじろと3人を見て、
アンリエット
ニャンカス……w
シャルロッテ
それに物怖じせず軽く事情を話せば、君たちは2階に通される。
シャルロッテ
尻尾と耳がある種族が
尻尾と耳が敏感じゃないことがありますか?
いや、ない。
アデルフィア
はい
シャルロッテ
その一室の扉の前に立つと、こんこん。少し間を置いてから、こんここんと変わったリズムで扉をノックした。
――開けてあるよ」 開いてるよ、ではなく、そんな言葉が中から返って来て。
シャルロッテ
シャルロッテはちょっと残念そうな顔を二人に向けて、肩を落とした。
アンリエット
「……自分で言ってた通りじゃない……」 バレてるのは。言いながら、頭を軽く撫でた。
シャルロッテ
「万が一くらいはあるかなと思ってたんです……」
「とにかく」 気を取り直して。 「入るよ、お姉ちゃん」
一言伝えてから、扉を開く。
アンリエット
ゆっくりとアデルフィアの後ろに回って、自分は最後にお邪魔する意思表示。
シャルロッテ
ぽすっ。
アデルフィア
「アイ、アディです。私も同席させていただきます」
シャルロッテ
「わぷ――」 扉を開いたシャルロッテの頭へと、何か柔らかい包みが落ちてきた。
ホークアイ
「知ってる。その子の性格を考えれば、多分そうなるだろうと思ってたから」 開いた扉から、真っ白な長い髪を持ち、ややもすればシャルロッテより幼く見える姿の娘が顔を覗かせた。
シャルロッテ
頭にぶつかった反動で落ちてきた袋を手でキャッチしつつ。 「……お姉ちゃん、もし私以外に当たってたらどうするつもりだったの」
アデルフィア
「どうにもなりはしません」
アンリエット
「……はじめまして。シャルロッテさんの友人の、アンリエットです」 その風貌に、姉……? と少し眉を顰めつつ。
ホークアイ
「アンタ以外が開けるとは思ってなかったし、まあ、万が一そうなってもなんとかなるでしょ」
シャルロッテ
「そこはちょっとくらい怒ってもいいと思います……」 >アデルフィア
アデルフィア
「少なくとも私に命中していたとしても、それを理由に謝罪や賠償を要求するつもりはありません」
アンリエット
「……」 あまり似ていない姉妹……と思ったが、まあいたずらっ子(?)である部分は同じのよう。
ホークアイ
――ん、ああ。うん、知ってる」 一方的にだけど、と付け加えて。 「ホークアイだよ。それと、敬語とか要らないから」 >アンリエット
アデルフィア
「ただ、意図についての説明を求めるだけです」じっとホークアイに非難ではないが問いただすような目を向け
アンリエット
敬語は不要だと告げられれば、それには頷きを返して。 「……知られる程、名は売れていない筈だけど」
ホークアイ
「大した意味はないよ。いきなり会いに来た失礼な奴らへのちょっとした仕返し」 アデルフィアに返すと、つかつかと部屋の中に戻っていって。
アデルフィア
「迷惑をかけたことを自覚している家族への害意の無い不意打ち、これはあなたなりの気まずさから来るのでは?」
アンリエット
周囲の人間がとやかく言われない様にとランクを取得するようにはし始めているが、長剣級の冒険者なら山のようにいるだろう。
ホークアイ
その子シャルと会わないように、周辺の人間関係とかは調べてたから」
アデルフィアの言葉にがしがしと頭をかいた。 「いいから。入りなよ」
シャルロッテ
「図星みたいです」
アンリエット
「そこまでして会いたくなかったのね……」 小さく息を抜いて。 
アデルフィア
「はい」
アンリエット
頷きを返しつつ、最後に部屋にイン。
中に入れば、部屋は殺風景なものだ。
最低限の家具――もなく、とりあえずその日雨風を過ごせれば良いといった程度のもの。
荷物は隅にまとめてあって、それ以外は手入れ途中だったらしい弓が奥のテーブルに置かれているくらいだ。
ホークアイ
「人数分の椅子なんてないから、適当にベッドに座るなりなんなりして」
シャルロッテ
きょろきょろと見回しつつ中に入って。 「転々としてるなら当たり前かもしれないけど、生活感ないね……」
アデルフィア
「ここで構いません」立ったまま、特に部屋の内部を物色する様子も見せず
ホークアイ
「まあ、すぐ引き払えるようにしてあるからね」
アンリエット
「住んでいる、よりは寝に戻っているくらいみたいね」 
「私も、ここで」 邪魔にも失礼にもならない程度の所に、そのまま腰を下ろす。
ホークアイ
「……客を立たせたままは流石に落ち着かないだろ」 奥の作業台の椅子をよっこらとアデルフィアの傍に運んできた。
シャルロッテ
アンリエットの横にちょこんと座って。
ぱたぱたと耳と尻尾が揺れる。
アデルフィア
「私は想定外の来訪者です、気になさらず」
アンリエット
「……お話しに来たんだから、ちゃんと向かい合って座ったらいいじゃない」 ホークアイがどこに座るかはともかく。
ホークアイ
「いいから座る」 アデルフィアの肩を掴むと、ぐっと力を込めて椅子に座らせた。
シャルロッテ
「そうするとお姉ちゃんが逆に緊張しちゃうかなって」
アデルフィア
座らせられればそれ以上逆らうことなくすとんと椅子に尻を預けた
ホークアイ
全員が座れば、自分はベッドの端に腰掛けて。 「それで、何」
シャルロッテ
「何って、会いに来たに決まってるでしょ」
アンリエット
「……」 シャルロッテも緊張しているのは間違いないが、その出方に差がある姉妹だとそれぞれを見て。
アデルフィア
彼女シャルロッテと依頼で同行することになり、条件の一致から確認をしました」
アンリエット
「アデルフィアと同じ、付き添いに」
アデルフィア
「彼女に手紙を預け、同行を求められたので来ました」
ホークアイ
「……流石にそういう運までは、私にもどうしようも出来ないな」 アデルフィアの言葉に、やれやれと肩を竦めた。
シャルロッテ
「アンリエットさんは、こっちで一番私と仲がいい友達だから一緒に来てもらったの。アデルフィアさんにも来てもらった理由は、お姉ちゃんが一番よく分かるでしょ」
アデルフィア
「あなたは“機会があったら妹のことは助けてあげてよ”と仰いました。それを履行していますが、問題でも?」
アンリエット
「ただ、話しづらくなるようなら、外で待っているのは大丈夫だから」 言って、ホークアイに頷いて見せる。敬語が要らないと言われれば、取り払われるのは早かった。
ホークアイ
「ないよ。降参です」 両の掌を向けた。>アデルフィア
アデルフィア
「……そうなのですか?」 お姉ちゃんが一番よくわかるでしょ、の言葉に何故か首を傾げる本人
ホークアイ
「別に聞かれて困るようなことは話さないし、気にしなくていいよ」
シャルロッテ
「私の為人は、お姉ちゃんはよくわかってるでしょうから」
アンリエット
頷きを返しつつ、ホークアイは2人の様なタイプに弱いのだろうなとぼんやりと眺めて。 
ホークアイ
「そもそも、何でシャルがこっちに居るの」
アデルフィア
「あなたを探しに来たのでは?」
シャルロッテ
「それは勿論、騎士としての修行の一環よ。騎士闘技にも、出るつもりだし」
「それに――」 アデルフィアの言葉に頷いて。 「お姉ちゃんがこっちの方に来てるっていう話も聞いたから」
ホークアイ
「……そこじゃなくて」
アンリエット
「……」 前回の仕事の際に聴いた情報が頭を過ぎったが、それを問うのは彼女からの方がいいだろう。
!SYSTEM
アデルフィアが入室しました
アデルフィア
私はおふろふぃあ
ホークアイ
「そんな資金が何処にあったの、って聞いてるの」
アンリエット
湯上りふぃあ
シャルロッテ
サービスシーン
アンリエット
これからだった
シャルロッテ
「うちにだって、まだ支援してくれる人はいるの。イルスファールへの留学?は、いい経験になるだろうからって勧めてくれたのもその人」
ホークアイ
「…………」 大きなため息をついた。
アデルフィア
「書類上は負債では無いのですね?」
シャルロッテ
「はい。そういうわけではありません。あちらからの頼み事もこなすという条件はついていますけど」
アデルフィア
「家屋や土地の抵当権に言及された約定がなされていないのであればまだ……」
アンリエット
「その頼み事、って?」
アデルフィア
「頼み事を」
シャルロッテ
「その方も同じ時期にミールからリアンへ渡ってきたんですけど、ディニスまでの護衛を務めたり、後はイルスファールにその方がいらしてからも何度か簡単な依頼を請けたり」
「特にこれ、っていうわけじゃないんですけど、そういう形です」
「アンリエットさんは会ったことありますよね、ファルマーさん」
アンリエット
「……ああ、付き合っていたものね」 頷きを返して。
ホークアイ
「……ふう、そんなことだろうと思った」
アンリエット
「お知り合い?」 >ホークアイ
アデルフィア
「……」
ホークアイ
「まあ、一応ね」
アデルフィア
「アイ、これが厄介事なのですね」
ホークアイ
「否定はしない」
アデルフィア
「そのファルマーという男性の依頼は私も一度引き受けました」
アンリエット
「アデルフィアも、だったのね」 
アデルフィア
「率直に申し上げて、契約を交わす相手としては不適格かと」
ホークアイ
「……アデルフィアに、シャルの友人にも手をつけたか。あいつの考えそうなことだね」
アンリエット
「……」 ノーコメント。>契約相手としては……。
シャルロッテ
「確かに掴みどころがない方ではありますけど……」
ホークアイ
「まあ、向こうも少なからず私に用があって来たんでしょ。シャルはこれ以上ファルマーの言うことは聞かなくていいから」
シャルロッテ
「え、えぇ……それじゃあいくらなんでもファルマーさんに失礼じゃない」
アデルフィア
「考古学者を自称されていましたが、いずれかの組織に属している相手のように思いました」
ホークアイ
「いいの。話は私が付けとくから」
アンリエット
「向こうはともかく、シャルロッテは良いって言ってもやめないだろうし、3人で話してみたら?」
ホークアイ
「考古学者ってのも嘘じゃないけどね。それ以上はノーコメント」
アンリエットの言葉には首を横に振る。 「それはしない。私があの人と話せば済むことだから」
アデルフィア
「わかりました。追求はいたしません」
「ただ、一つだけ」
アンリエット
「だそうだけど」 あなたはいいの、とシャルロッテに。
シャルロッテ
む、と不満げな表情になって。 「お姉ちゃんはすぐにそうやって自分で抱えようとする」
「よくないです」
アデルフィア
「彼の依頼を受けて向かった遺跡で、薬物による強化を受けた人族の兵と交戦しました」
ホークアイ
「薬物強化、ね。“庭”とはまた別の薬だったでしょ、それ」
アンリエット
「だそうよ。……どういうつもりか解らないけれど、納得させなきゃダメなんじゃない?」
アデルフィア
「はい。尋問を行いましたが情報を引き出すことはできませんでした」
ホークアイ
アンリエットの言葉にため息をつく。 「これは騎士の仕事じゃなくて、騎士を辞めた人間の仕事だから」
アデルフィア
「あれは訓練ではなく調整によるものと感じました」
シャルロッテ
「そんなので納得出来るわけないじゃない」
ホークアイ
「別に納得は求めてない。首を突っ込んで来るなら姉妹の縁を切る」
アデルフィア
「彼、ファルマーと関わりを持つということは、それらとの接点にも繋がるのではありませんか?」
シャルロッテ
「そんな乱暴な……。余計に納得できないよ、それじゃあ」
アンリエット
「……」 額に手を当てて。
アデルフィア
「あなたの言う厄介事、面倒事から彼女を遠ざけるのであれば、事情の説明が必要と思います」
ホークアイ
「ま、そうだね。ミールの、ディストラとは別の所のいざこざに巻き込まれることになるかもしれない」
アンリエット
「厄介事、面倒事からシャルロッテを離そうとする理由は、そのいざこざにシャルロッテを近づけない為?」
シャルロッテ
「……そうだよ。せめてもう少し説明してくれないと、私だって黙って従えない」
アデルフィア
「アイ、あなたがそれを望んだとしても厄介事の方から彼女に近づて来たのなら」
「あなただけで彼女は守れません」
ホークアイ
再びためいきをひとつ。 「別に私だって、そこまで詳細に把握してるわけじゃないからね。それと、話せないことも沢山ある」
アンリエット
「何でも話せ、なんて言うつもりはないけれど」 頭を振って。
ホークアイ
アンリエットの問いかけには、答えがないのが肯定に繋がるだろう。
アンリエット
「守りたいなら、遠ざけたいなら、貴女はシャルロッテと縁を切るべきでも、離れるべきでもないでしょう」
「アデルフィアの言う通りなのは、わざわざ言われなくても一番わかっているんじゃないのかしら?」
ホークアイ
「……シャルだってもう子供じゃない。ある程度は自分で自分くらい守るだろ」
シャルロッテ
「それだけじゃなくて、今度はちゃんとお姉ちゃんの力にもなるつもりだよ」
アンリエット
「じゃあ、話すべきでしょ? 自分で守る力があるんだもの、どうして離す必要があるの?」
アデルフィア
「アディ、ないし、アデルで結構です。いえ、そう呼んでください」やや場違いにそんなことを言った>アンリエット
ホークアイ
「だから話さないとは言ってないでしょ……。厄介な助っ人2人を連れてきて……、いつからそんな知恵が回るようになったんだか」
アデルフィア
「アイ、あなたは目標を射抜く時、決して躊躇わず外しません」
アンリエット
「そうね、なら一緒に動くべき、に言い換えようかしら」
アデルフィアに頷きを返しつつ、その場では名前を呼び返さずに。
アデルフィア
「だと言うのに、彼女に関わることでは大きなブレを見せます」
「これはあなたにとっても隙になるのではありませんか」
ホークアイ
「だから関わらないようにしてたんだってば……。はあ……」
「話せる所は話すけど、一緒に動くつもりはない。これだけは何があっても変わらないから」
アンリエット
「そう。でも、縁を切る、は撤回して」
シャルロッテ
自分より早く、アンリエットがそれを口にしたことに驚いた後、笑みを見せて。
アデルフィア
「それはあなたの判断です。双方の合意を以て決めるべきことです」
ホークアイ
「……分かったよ。アンタ、見た目に見合わず友達思いというか、情に厚いというか……」
アンリエット
「貴女の手掛かりになるアディを見つけた時、シャルロッテがどれだけ喜んだと思って――
シャルロッテ
「それを撤回してくれるなら、私はそれでいいよ」
アンリエット
「そっくりそのまま、返すわよ。妹想いのお姉ちゃん」
ホークアイ
「それを受けて、アンタたちがどう動くかはアンタたちの判断だ。それでいいでしょ」 >アデルフィア
アンリエット
む、としつつ、今ならば返す言葉があった。
ホークアイ
「…………」 シャルロッテと違って表情の変化に乏しい顔がむす、と少し膨れて。
アデルフィア
「はい」
ホークアイ
「どうせ、その件で冒険者に対する依頼はこっちまでは来ないだろうしね」
「話すといっても、本当に大したことは話せない。期待はしないで」
「まず、アデルフィアにはうちの事情は話したことがあるけど、アンリエットは知らない――」 ちらとシャルを見て。 「だろうから、簡単にそこだけ」
アデルフィア
「時には無知こそが最大の盾となります。取捨選択はお任せします」
アンリエット
「……お願い」 頷きを返して。
ホークアイ
「私たちの家、アーベントロート家はミール地方にあるディストラ帝国の貴族。そこそこ由緒ある家柄だったらしいけど、私のせいで没落することになってね」
シャルロッテ
「それはお姉ちゃんのせいなんかじゃないでしょ」
ホークアイ
いいから、とシャルロッテを手で制して。 「基本、キルヒアやイーヴ、ハルーラなんかを信仰してる家だったんだけど、嫡女の私がダルクレムの声を聞いちゃって、それが色々と問題を呼んだの」
「ま、私がダルクレムの教義に共感したのが大きな原因なんだけどね」
シャルロッテ
むすー、と納得いかない様子だが、ひとまず話の腰を折らないように黙っている。
ホークアイ
「貴族や騎士ってのは、暇な連中でさ。特にディストラのそいつらは、周囲のライバルをどう蹴落とすかばかり考えてるわけ」
アンリエット
「……それを良いように言われちゃったのね」 頷きを返しつつ。
ホークアイ
「うちに対する周囲からの糾弾は段々強くなっていって、それが一番酷くなったのが、騎士闘技っていう騎士たちの競技に私が出場した後」
「ま、それでなんやかんやあって、両親は死んじゃって、家もほぼ取り潰しみたいな状態」
アンリエット
「前に聴いた部分ね、騎士闘技……」
アデルフィア
「集団の中に弱者を一人設けることで大勢の団結を図れます。しかし、それは一時凌ぎに過ぎません」
ホークアイ
「そうなる前に私は家を離れたんだけど、まあ、それでどうにかなるものでもなかったんだ」
シャルロッテ
「……お姉ちゃんがダルクレムを信仰してたのは本当だけど、ディストラの騎士として、貴族として、国や名誉に背くことなんてなにひとつしてなかったのに」
ホークアイ
「連中にとっては、一時凌ぎでもなんでもいいんだよ」
アデルフィア
「アーベントロート家という攻撃対象がある間は権力闘争が棚上げされるのでしょうが」
アンリエット
「悪い事をしていなくても関係ないのよ、そういう連中には」
「何をしていなくても悪し様に言えれば、それだけで十分なの」 
アデルフィア
「今でもその価値が……標的たる理由があるのですか?」
シャルロッテ
「…………」 アンリエットの言葉に拳を握る。彼女が過剰なくらいに周囲に対して自分が魔神使いであることについて気を遣うのは、そういう部分があるからなのだろう。
アデルフィア
「単なる権力闘争であれば次の標的を見出して、既に無視されていたとしても不思議は無いのでは」
アンリエット
「……」 私は悪い事をしてしまっているから、ホークアイとは違うものだけれど。それは口にする事が出来ず、シャルロッテの背を軽く撫でた。
ホークアイ
「アーベントロート家はもう格のない家だ。わざわざ気にかける価値なんてないと思うけど」
アデルフィア
「あなたがたが他家への復讐を掲げているのであれば話は別ですが」
シャルロッテ
背を撫でられながら、尻尾を揺らす。 「復讐なんて考えていません。家を再興したいとは考えていますけど」
「アーベントロートという家を狙う理由はない、と私も思いますけど……」
アンリエット
「……家の格についての話は分かったわ。けど、」
アデルフィア
「あなたにとってに再興が誰かの不利益なのかもしれません」
ホークアイ
「……ま、再興に関してはシャルが頑張ることだ。私は最低限の手助けはするけど、基本的に干渉するつもりはない」
アンリエット
切り出すか少し迷ったが、ゆっくりと口を開く。
「シャルロッテ個人が、ディストラの者から恨みを買っている、という話は知っている?」
ホークアイ
「シャル個人が……?」
「この子が恨みを買うような子に見える?」
アデルフィア
「詳しく伺っても?」
アンリエット
「そうね、私は少しあるけれど」 人が作ったものを軽々踏み超えてきたものだから、と茶化した後、
シャルロッテ
「アデルフィアさんともご一緒した時の話、ですよね」 >アンリエット
「え、ええっ」
アンリエット
「アディは、あの時は別の相手の尋問をしていた、んだったかしら」
「次の騎士闘技までの間に、彼女の首を持ってくれば懸賞金を受け取れる、……だったわね」 >シャルロッテ
アデルフィア
「……アイ、誰からも祝福されるべき者たちであっても、狭量に、それを妬むような輩もいるのです」
シャルロッテ
「……はい」
ホークアイ
「わかってる」 アデルフィアの言葉にはそう返しつつ、アンリエットの話に対しては腕を組んで考え始めた。
アンリエット
「それ以上、詳しい事は分からないけれど。強化装甲を使っている連中から、そんな話を聞いたの」
ホークアイ
「どうして狙われてるのか、すぐには思いつかないな。私個人ならまだしも」
アンリエット
「アーデルハイト……貴女の名もアディが出していたけれど、そちらは知らない様子だった」
アデルフィア
「狙う側には理由があるのでしょう」
ホークアイ
「……ま、帝国は強大だけど、中は多分アンタたちが知っている以上に混沌としてる」
「もし理由が分かったら、それはアンタたちにも伝えるよ」
「それまでは自衛に努めること。下手に物事に首は突っ込まない。いいね」
シャルロッテ
「それは言われなくても分かってるし、後半については約束できません」
ホークアイ
「はいはい……」
アンリエット
「……ふ」 小さく笑い声が漏れて。
アデルフィア
「アイ、心配なのであれば行動を供にすれば良いのでは?」
アンリエット
「可愛い妹ね」 >ホークアイ
ホークアイ
「でしょ」 冗談混じりにアンリエットに答えて。
「それはしない。代わりにアンタたちに任せるよ」
「ファルマーが私を探してる理由は、そのシャルの件とは別だろうし……」
アデルフィア
「彼との接触は避けるべきですか?」
アンリエット
「シャルロッテの事は、出来る限り見ておく。もしも無理が目に余るくらいなら、引き留めるから」 
ホークアイ
「個人的にはあまり関わってほしくないけど……、別にアンタたちに危害を加えたり、そういうことはしないと思うよ」
「うん、お願いするよ。アンタはシャルの友達として信用できそうだ」
アンリエット
「強化装甲を使っている連中だった事も、伝えておく。……言えばきっと伝わるでしょ」 向こうでは知られていたものみたいだし。
「本当なら、魔神使いの知人なんて信用しない方が良いと思うけれど。……友達として見ておく」 
アデルフィア
「目的次第だと思います。彼がシャルロッテに接触を持っていた事を把握出来ていなかったのではありませんか」
ホークアイ
「ダルクレムの神官が、そんなこと気にすると思う?」 >アンリエット
「……そうだね。少なくとも、私の目を掻い潜ってたのは確かだ」
アンリエット
「それ、妹も同じだから何とかしてあげておいて欲しかったわ」 >ホークアイ
アデルフィア
「アイ、あなたの鷹の目は、こと彼女に関わると節穴です」
アンリエット
「…………」 凄い事言ってない?
ホークアイ
「そういう文句は母親に頼むよ」 もういないけど。
「…………」 いつになくずばっと言うなぁ。
アンリエット
ファルマーそっちについては……私達はともかく、シャルロッテもこれまで通りでいいの?」
ホークアイ
「……言っとくけど、情報の扱いに関しては、私よりファルマーの方がよっぽど上手だからね」
アデルフィア
「なるほど、これが溜飲が下がるという感覚なのですね」
シャルロッテ
「アデルフィアさんも、お姉ちゃんのお友達としてすっごく信頼できます」 2人のやり取りに思わずくすくすと笑った。
アンリエット
「思ったよりずっと、やり手みたい」 シャルロッテに頷いて。
ホークアイ
「……ま、変なことはしないように釘は刺しておくよ。あいつが持ち込んだ依頼を請ける分には構わない」
アデルフィア
「私は私としても、あなたの信頼を得られるよう努めます」
シャルロッテ
「もう十分過ぎるくらい私は信じられますけどね」
アデルフィア
「分かりました。そちらを対処していただけるのであれば任されます」
ホークアイ
「ファルマーは、まあ私のクライアントの一人みたいなものでさ」
アンリエット
「……」 こくこく。
ホークアイ
「少なくとも、現状アンタたちに危害を加える理由もメリットもないから、そこは安心していいよ」
アンリエット
「私個人はともかく、シャルロッテやアディに何も無いならいいの」
アデルフィア
「判断材料を持ち合わせていませんが、あなたが信じろと仰るのであれば信じます」
シャルロッテ
「アンリエットさんにも何かあってはだめです」
アンリエット
「そういう意味じゃ……」 なくはなかった。口を閉じる。
ホークアイ
「ただ、もしアンタたちがリアンを出て、ミールの各国で活動する時には、少し気をつけて」
「これは何も、ファルマーに限った話ではないけどね」
アデルフィア
「負い目、というものは感じさせている側にも負担になるようです」>アンリエット
「少なくとも、私達の間でそれを持つ必要はありません」
アンリエット
「……覚えておく」 小さく息を抜いてから頷いた。 「必要があって出た時は、思い出す様にする」 >ミール各国
アデルフィア
「ミール地方では昨今、政変が起こって混乱状態にあると聞きました」
ホークアイ
「アンタたちが見た薬物強化や強化装甲を用いた傭兵は、まず間違いなくミールの何処かの国や組織から送られたものだろう」
「ルセルメスは大きな政変があったばかりだし、それを巡って各国の関係がぴりぴりし始めてる」
アデルフィア
「そうした混乱期に敢えて出向く理由もございません」
ホークアイ
「レストリノもレストリノで、ツィオーレ辺りは元々治安もあまり安定してないし……」
「うん、それでいい」
アンリエット
「混乱しているのも、友人が狙われているのも解ってる場所に敢えて行く事はない、と思うけれど」
「向かう時は、手紙の一つでも下のお兄さんに頼んでおく」
シャルロッテ
「……でも、お姉ちゃんはあっちに戻るんだよね」
ホークアイ
「多分ね。ファルマーの用が何であれ、あっちでのいざこざの処理だろうからさ」
「私が先にミールに向かってる可能性の方が高いだろうけど、ね」 >アンリエット
アンリエット
「……そう。それで、シャルロッテはどうしたいの」 彼女は戻る様だけれど。
アデルフィア
「シャルロッテと二人、オルトラント地方の諸国に亡命するという選択肢もある筈です」
シャルロッテ
「いえ」 亡命にははっきりと首を横に振る。 「それは出来ません。私はディストラの騎士を辞めるつもりはありませんから」
「まだしばらくは、イルスファールで活動を続けます」
「以前私たちが出遭った人たちが何の目的でイルスファールで暗躍していたのか、」
「それを確かめた上で、必要なら私もミールに向かいます」
ホークアイ
「私は私の、シャルにはシャルの仕事がある。それでいいよ」
シャルロッテ
「でも、いつまでも分からず屋なままだと追っていってまた捕まえるからね」
アデルフィア
「結果、あなたがたの友人・知人・親類縁者を巻き込むことになってもですか?」
シャルロッテ
「……その時になってみないと、はっきりとしたことは言えませんが」
「私はお姉ちゃんみたいに、何でもひとりでこなせるような人間ではないので、頼らなければならない時には周りの人を頼らせてもらうつもりです」
「もし巻き込んでしまう場合は、責任を持ってその方々を守ります」
アンリエット
「2人がお互いにそれで納得できるなら、良いんじゃない」 いいでしょう、とホークアイを見遣って。
アデルフィア
「あなたは賢神の使徒でありながら、視野が狭く浅慮なところがあるように思います」
シャルロッテ
「う……」
ホークアイ
「アデルフィアは異議を唱えたいみたいだよ」 >アンリエット
アデルフィア
「アイの妹であるという事がよく分かりました」どこか満足げに頷き
ホークアイ
「どういう意味だよ」
アンリエット
「異議というより、納得だったようだけれど?」 
アデルフィア
「あなた方には信頼できる部分とそうで無い部分があるという意味です」
ホークアイ
「…………今更ながら、アデルフィアに話したことをちょっと後悔してきた」 思った以上の強敵だ。
シャルロッテ
「修行中の身なのでそこはどうか暖かく見守ってくださると……」
「しっかり信頼していただけるように精進を続けますので……!」
アデルフィア
「私はあの時、この縁を得たことを感謝しています」
アンリエット
「時既に遅しね。……それに、信頼できる部分とそうでない部分があるのは、この姉妹に限った事じゃない」
「人って、皆そんなものだと思うわ」 アデルフィアに頭を振って。
アデルフィア
「はい、だからこそこんな私でも助けになることが出来ます」
「そう、自信を持つことが出来ました」
ホークアイ
「……まあ、その自信につながったなら何よりだよ」
アンリエット
そう、と小さく続けながら頷きを返す。
ホークアイ
「私がいつミールに発つことになるかは分からないけど、」
「離れてる間は、妹のことは頼むよ」
アデルフィア
「はい」
シャルロッテ
「お姉ちゃんも、何かあったらきちんと私たちに頼ってね」
アンリエット
「頼まれるほど助けられる訳じゃないけれど、ね」
ホークアイ
「約束はできません」 さっき言われたような言葉を返して。
シャルロッテ
「そんなことないですよ。既に十分助けられてますから」
ホークアイ
「ここに来た時点で、ね」
アデルフィア
「私が此処に来たのはアイに対する清算の為です」
ホークアイ
「別にアデルフィアに貸しなんて作ってないけど……」
「んー……」 ベッドから立ち上がり、窓の外を見る。
「……まあ、そのくらいはするか」
「ご飯、食べにいかない? 奢るよ」
シャルロッテ
「うん、いいね。行こう行こう」
アデルフィア
「あなたは“嫌味な奴”ではない、ということです」
アンリエット
彼女を少しは助けられてはいるかもしれないが、それでは不釣り合いで、まだまだ足りない。
先程は恨みが、なんて茶化したけれど、少なくとも自分はその明るさに救われているのだから。……それを負い目にしていては、また怒られるだろうが。
ホークアイ
すたすたと歩み寄っていって、がしがしとアデルフィアの頭を撫でた。 「ありがと」
アンリエット
「食事も良いけれど、今日は確りシャルロッテに構ってあげて」
ホークアイ
「後で耳と尻尾を沢山触るよ」
アデルフィア
「はい」 ズレた頭巾を直し、微かに口元を綻ばせた
シャルロッテ
「それは構ってるとはいわないの……。いいけど」
アンリエット
「……」 伝わっているだろうから、これ以上はいいか。小さく肩を竦めて
シャルロッテ
「それじゃあ、いきましょうか。二人共、遠慮なく頼んでいいですからね」
アンリエット
「シャルロッテも、沢山甘えて来なさい」 
シャルロッテ
「ふふ、そうします」
アンリエット
「ええ」 頷きを返しつつ、ゆっくりと立ち上がってシャルロッテに手を差し出した。
シャルロッテ
差し出された手を取って立ち上がって。
アデルフィア
「……再会するまでに、不安や焦りなどを感じてきましたか?」
ホークアイ
外出用のコートを取って羽織りながら。 「そういう部分が全くなかった、とは言えないかな。いくら信頼してる相手であっても、ね」
アデルフィア
「それは今、解消され、無くなったのでしょうか? それとも、新たな不安が増えましたか」
ホークアイ
「時間はどんな風にも人を変えるから」
荷の中から、別のコートを取り出して。
アンリエット
アデルフィアとホークアイの会話を聞きながら、手を握ったままのシャルロッテに視線を向けて。
「……シャルロッテは?」
ホークアイ
――両方」 ばさっとアデルフィアにそれを羽織らせて、部屋の出入り口へと歩いていった。
アデルフィア
「……」コートの下でぎゅっと手を握り閉めて、小さく息を吐いた
シャルロッテ
「私は、嬉しい方が勝ってますけど、でもやっぱりまったく不安なことがなかったかと言えば、嘘になるかもしれません」
「でも、――うん、会えて良かったです」
シャルロッテ
ということで各自よくなったらみんなでご飯にいって終わりにしよう
アンリエット
「……」 さっさと歩いて行ったホークアイの背中に、その声が届いているだろうかと視線を向けつつ、
「そう。……嬉しそうで、何よりよ」 取った手に込めた力を僅かに強めつつ、手を引いて歩いて行った。
アデルフィア
「……その再会に祝福を。あなた達、姉妹アデルフィアの絆が再び紡ぎ合わされた事に言祝ぎを」
アンリエット
OKDOS
アデルフィア
OKPK
シャルロッテ
あでにゃんがきれいにしめたので
終わり!!
おつかれさまでした。
アンリエット
お疲れ様でした~
アデルフィア
おつかれさまでしたにゃん
シャルロッテ
2022/12/20_0 ログはきっとこうどす。
ミール地方編第一弾は……いつか、はじまる
アデルフィア
ミール地方なんて危ない場所にいくわけありません
シャルロッテ
そういっていたあでにゃんがまさか2コマ即落ちなんて……
アンリエット
そんな危ない所に行く訳が……
シャルロッテ
そういっていたあんりえっとさんがry
アンリエット
よしでは撤退!!
お疲れ様でした!1
アデルフィア
てっしゅう!
シャルロッテ
おちゅう
!SYSTEM
アンリエットが退室しました
!SYSTEM
シャルロッテが退室しました
背景
BGM