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サウィンの準備と昔の話

20221101_0

!SYSTEM
ホークアイが入室しました
ホークアイ
群馬にやってきた
!SYSTEM
が入室しました
のりこめーっ
ホークアイ
ほししべでgdgdしてればいいって?
そう、おそらくそう
ホークアイ
じゃあおそらくそうしている
適当にはじめておこう
 
 
ある日の〈星の標〉の午後。緊急の依頼もなく、落ち着いた時間が流れる店内に、白いシルエットの娘はいた。
近頃は諸事情で王都から離れることが多く、店に来ても長く滞在することは殆どない。
ところが今日は久しぶりに食事を取ってから、食後のコーヒーを傍らにのんびりと過ごしていた。
ホークアイ
「ふぁーあ…………」 コーヒーを飲んだものの、陽が高くなるにつれて肌寒さも薄れ、生じた眠気が完全に払われることはない。
大きく伸びをすると軽く肩を回してから、また背もたれに深く身体を預けた。
片手で頬杖をつくと、退屈そうにため息を吐く。姿を晦まし続けるのも面倒ではあるが、何もすることがないというのはそれはそれで暇だ。
アデルフィア
そんな折、ライフォスの聖印を胸に灰色の修道服姿の少女が一人、店内へとやってきた。
ホークアイ
気配には敏感な方だ。新たな客の来訪を察せば、そちらを向いて軽く手を振った。
いいところに暇が潰せそうな相手が来た、とでも言いたげだ。
アデルフィア
その手に何かがゴロゴロと積まれた籠を抱えている。カウンターの方へと真っ直ぐ向かい、店主と一言二言、言葉を交わした後、店の太い柱の方へと歩いていき、そこで屈んで籠から取り出した何かを置いている。
ホークアイ
「何してんの」 気がつけば少女の背後にいて、その所作を見下ろしていた。
アデルフィア
――」手を振られたことに気付いた素振りを見せるも、口元に指を立て、沈黙を保ったまま会釈して柱へ向かう。
ホークアイ
きっと私が背後に立ったのはこれのあと
アデルフィア
覗き込んでみれば籠の中には、木片のようなものに4本、足に見えなくもない棒が突き出た酷く不格好な動物のような工芸品(?)がいくつもあり
ホークアイ
「……?」 中身を見れば、片眉をあげて怪訝そうな顔を浮かべて。 「神殿の関係で妙な事でも頼まれたの」
アデルフィア
少女は、そのうちの一つを柱の根元へ置き、木の実のようなものが入った小皿を沿え、向きを整えている
ホークアイ
「…………」 何かの儀式じみたそれを、腕を組んで眺める。
アデルフィア
――」顔を上げ、方角を確かめるような素振りの後、奇妙な動物の置物の角度を微調整をし、小さく息を吐いた。
「……サウィンの季節がやってきました」
ホークアイ
「まあ、それは知ってるけど」
「…………」 言葉を聞いてから、奇妙な置物と小皿をもう一度見下ろした。
アデルフィア
「これは神殿からの依頼ではなく、森羅導師としての務めです」
ホークアイ
「これ、捧げ物とかそういう?」
アデルフィア
「此処は人の流れが多く、生と死が行き交う場所です。精霊馬を置き、彷徨う魂の案内とします」
ホークアイ
「それ馬だったんだ」
アデルフィア
精霊馬、と少女が呼んだそれは、不格好で牛にも馬にも見えない。一応、足は四本あるが顔といえるものもない
「はい」
ホークアイ
「首から先が無くない?」
アデルフィア
「おおよそ、形を模していれば問題ありません」
ホークアイ
「ふぅん、方角は重要だけど、そこはある程度適当でいいわけか」 しゃがみこんで、間近で不格好な動物らしき置物を眺めた。
「なんかデュラハンの馬みたいでちょっとアレだな……」
アデルフィア
「精霊体を降ろす為のシンボルの一種です。実際に降りるのが馬とも鹿とも限りません」
ホークアイ
「でも、そういうのは神殿でやればいいんじゃないの? 別にここでもやる必要はないように思うけど」
「死者の魂をどうのこうのっていうなら、神殿も協力はしてくれるでしょ」
アデルフィア
「……これは神殿の作法に則った儀式ではありませんので」
ホークアイ
「ライフォス神殿は融通が利かないなぁ」
アデルフィア
「この街には剣の結界があります。本来はこのような儀式も不要でしょう」
ホークアイ
「ま、少なくとも地上にアンデッドが出てくることは殆どないだろうね」
アデルフィア
「しかし、こうした儀式は死者の魂の為だけでなく、送る者、迎える者の心構えの為にもある。そう、教えられた事を思い出しましたので」
ホークアイ
「ふぅん。実際に死んだ魂がどう思うかはともかく、とりあえずやったって実感があれば、納得出来るからって感じか」
「誰に教えられたの」
アデルフィア
「ルスルリアン王国の森羅導師です」
ホークアイ
「なるほど」 言って、まだ置物が大量に入った籠に目を向けた。 「……たくさん入ってるけど、まさかそれをいろんな所に置くつもりなの?」
アデルフィア
「街の要所要所へ向かい、許可を取り付けたうえで設置するつもりです」
ホークアイ
「一応聞くけど、ひとりでやるとか言わないよね」
アデルフィア
「? これは私の個人的な活動ですから」
ホークアイ
「何時間かけるつもりだよ……。下手すりゃ一日じゃ終わんないじゃん」
アデルフィア
「日の出前から開始し、全12か所のうち4か所がこれで完了しました。今日中には完了する見込みです」
ホークアイ
「いやいや、もうお昼過ぎてるんだよ。日の出前から今までで4箇所じゃ、夜になっても全然終わらないよ」
アデルフィア
「明日の日の出前には完了する見込みです」 言い直した
ホークアイ
「一睡もせずに作業し続けるつもりかっての……。普通、休憩挟むとか、誰かに手伝いを頼むとかするでしょ」
アデルフィア
「余人の手を煩わせる必要はないかと」
「それに、休憩は結果的に取れています」
ホークアイ
「ひとりでやるつもりなら、もうちょっとスケジュールに余裕を持ちなよ。別に今日の内に全部置かなきゃいけないわけでもないんでしょ」
「私が話し掛けて引き止めちゃってるからね」
アデルフィア
「いいえ、2箇所目、3箇所目の店舗でお茶と菓子を振舞われ、各々で1時間強ほど世間話などを持ちかけられました」
ホークアイ
「それでこれだけ時間が掛かったわけか……。計画性なさすぎでしょ……」
アデルフィア
「ですので、此方では最小限のやり取りで設置のみを行い、次へ向かおうと思っておりました」
ホークアイ
「……」 がしがしと頭をかいて。 「後は何処に置く予定なの、それ」
アデルフィア
「王城を中心に12方位で区切った市壁内の各所です。次はティダン神殿最寄りの喫茶店へ交渉を持ちかけるつもりでした」
ホークアイ
「ふぅん……」 そう言うと、カウンターへと歩いていって、ガルバと少し離してから一枚の紙を受け取った。
「これにざっくりでいいからまだ置いてない場所を描きなよ」 近くのテーブルにその紙……王都の簡易地図を広げて。
アデルフィア
「それでしたら既に用意があります」 白紙の本から破り取ったものらしい一枚の紙を取り出した。市壁や大通りなどが描かれた簡易地図に12の丸印がつけられている。
終点はライダーギルドの間近で、その2つ手前はといえば……花街のど真ん中だ
ホークアイ
「さすがに用意してたか」 自分が広げた地図はくるくると丸める。 「じゃ、残り8箇所のうち4箇所は私がやるよ。適当に振り分けなよ」
アデルフィア
「……」 パチクリと瞬きをしてホークアイの顔を見つめた
ホークアイ
「……一人でやってたら真夜中に花街に行くくらいになってんじゃん。はあ……声掛けといて正解だったね」
「なに?」
アデルフィア
「アイはこうした儀式事に関心が薄いのでは、と思いました」
ホークアイ
「関心があるかないかで言えば、まあそんなにはないけど」
アデルフィア
「では、どうして」
ホークアイ
「えぇ……そこ説明必要?」
「暇してたし、知り合いとか友達が妙なことしようとしてたら、口とか手を出したくなることくらいはあるじゃん」
アデルフィア
「協力の申し出には感謝いたしますが、あなたにとってのメリットがありません」
ホークアイ
「別にメリットを求めての行動じゃないしね。ま、強いて言えば暇潰しになるってところかな」
「ああでも、キルヒア神殿の近くはそっちでやってね。今はあんまりあの辺には近付きたくないんだ」
アデルフィア
「計画性、という点では確かに見直すべき要素があることは理解しました。日を分けて行えば私単独でも……」
「賢神の神殿付近に何か」
ホークアイ
「まあ日数掛けて自分でやるのもいいけどさ。そのくらいのことだったら、手伝ってくれる奴は私じゃなくてもいると思うよ」
「知り合いが居る可能性が高くてね。会いたくはあるけど、会うとちょっと面倒事になりそうだからさ」
アデルフィア
「面倒事」
「トラブルを抱えているようであれば、協力いたします」
ホークアイ
「いや、まあトラブルってわけじゃないよ」
腰に片手を当て、ひとつ息を吐いてから。 「妹が、イルスファールに来てるみたいでね。賢神の神官でもあるから、神殿で世話になってるみたいなんだ」
アデルフィア
「妹、家族がいたのですね」
ホークアイ
「そりゃまあ、ルーンフォークじゃないし」
アデルフィア
「暇、と仰るのであれば会いに行けばよろしいでのは」
「会いたい、と思える相手であれば、会えるうちに会っておくべきです」
ホークアイ
「面倒に巻き込んじゃう可能性があるから、会わないようにしてるんだ。私、もう家は随分昔に出てるしね」
アデルフィア
「それが叶わなくなることもあり得る、そういう生業です」
ホークアイ
「まあ、ね。それはもっともなんだけど、色々あるんだよ。ほら、私ダルクレムの信者だし」
アデルフィア
「家族間で宗教的な思想の対立が既にあったのですか」
ホークアイ
「手伝うなら、少しくらい話が長くなってもいいか。まあ、あんまり人に話すようなことじゃないけど、アデルフィアには別に話しても害はなさそうだし」
座りなよ、とテーブル席のひとつを示して、椅子に座った。
コーヒーのおかわりを二人分頼むと、テーブルに頬杖をついて。
アデルフィア
「他言はいたしません」
ホークアイ
「両親と妹は、別に私がダルクレムの声を聞いたかもしれないって言ったり、その教えを学んで、同調していっても、うるさくは言わなかったよ」
「まあ、それなりに心配はされたけど」
アデルフィア
予定を考えれば座り話をしている場合ではないのだが、結局、断わるという選択肢自体が発想にないのだ。それが計画の破綻の原因である
ホークアイ
「……ああ、予め断っておくけど、用事を優先したいなら構わないからね。ドルイド的には、多分大事な用事なんだろうし」
アデルフィア
「いいえ。これはライフォス神官や森羅導師としてではない私にとって大事な用事にあたります」
ホークアイ
「そ。なら時間を取った分はちゃんと手伝うから勘弁してもらおう」
テーブルにコーヒーが運ばれてくれば、そのひとつはアデルフィアの前に置かせる。
アデルフィア
「はい」
ホークアイ
「私の家、故郷では一応それなりに知られた騎士の家――まあ、世間一般で言う名家で、それが問題でね」
アデルフィア
「いただきます」出されたものは感謝して受け取る。それが例えブラックだったとしても味はどうせ分からないので問題ない
「兵士や軍務関係者が密かに戦神を信仰する例はあると聞きます」
ホークアイ
「ま、そういう奴が居るのは事実だけど、立場のある人間が大っぴらに信仰するっていうのは問題になるし、どうやって他の家を出し抜くか、蹴落とすかを考えてない奴らにとっては格好の的になるんだよ」
アデルフィア
「アイは、自身の信仰を表立って明らかにしたのですか?」
ホークアイ
「家族にはちゃんと話してた。でも、子供とはいえ私にも最低限の分別はあったし、自分から外に対して言ったりはしなかったけど」
「まあ、人の口に戸は立てられない。偶然耳にしてしまったのか、使用人辺りから外に漏れたらしくてね」
アデルフィア
「では、家格を貶める要因になることを嫌って出奔を?」
ホークアイ
「もう遅かったけどね。騎士って言ったけど、父親は爵位持ちでもあった。あっという間に噂は広まって、真偽がどうこうとかもはやどっちでもいいって感じで周りの貴族、騎士様たちから糾弾の嵐」
アデルフィア
「……神の声を聴くということが、救いとなることもあれば呪縛となることもあるのですね」
ホークアイ
「私はそういう諸々が面倒臭くなって半ば逃げ出す形で家を出たんだ。父親は爵位を取り上げられて、実質家は取り潰して没落。一応、お情けで家格は残されてはいるんだけど」
「そうだね。でも私は聞いちゃったものは仕方ないし、それが間違ってないと思ったことも仕方ないと考えたから」
「家を出た後は、まあ、それこそあんまり大っぴらに出来ない仕事をしてた」
アデルフィア
「その仕事で生じた縁を家族に持ち込みたくないのですね」
ホークアイ
「そういうこと。妹は私と違って真面目だから、自分が騎士になって、家を再興しようと頑張ってるみたいでね」
「邪魔するのも申し訳ないし、会い辛いなって思うわけ」
アデルフィア
「手紙などで安否のみ連絡を取るわけにはいかないのですか」
ホークアイ
「そういうのもしてない。あの子に関してはプライバシーを勝手に探りたくはないしね」
アデルフィア
「……」
ホークアイ
「どうしたの?」
アデルフィア
「アイは、この先も家族に会わないつもりなのでしょうか」
ホークアイ
「そもそも両親はもう死んでる。妹は……まあ、分かんないな」
アデルフィア
「分からないのは、相手がどう思うかということですか」
「それとも、自分自身の心や未来に関わることでしょうか」
ホークアイ
「後者かな。妹がそのことで私を恨んだりはしてないっていうのは、よく知ってるし」
アデルフィア
「……」コーヒーカップを握る手に少しだけ力が加わった
ホークアイ
「時々、あの触り心地のいい耳と尻尾の感触は恋しくなるけどね」 沈みかけた空気を解すように、冗談らしく言って。
アデルフィア
「アイにはいくつもの選択肢が残されています。それは……とても、得難いことです」
ホークアイ
「選択肢?」
アデルフィア
「会わずに見守ること、会って縁を取り戻すこと、手紙・人伝に縁を繋ぐこと、どれも、あなたが望めば取り得る選択肢でしょう」
ホークアイ
「少なくとも、今はひとつ目を続けるつもりだよ。今はこっちで冒険者してるけど、故郷の方に戻ればまた元の仕事に逆戻りだ」
アデルフィア
「会えば良い縁も悪い縁も繋がってしまい、会わなければそうならずに済むから、ですか」
ホークアイ
「ただでさえ、私のせいで要らない縁まで押し付けちゃってるだろうからね。これ以上は可哀想でしょ」
アデルフィア
「それはアイの側からの話です」
ホークアイ
「……まあ、そうだけど」
アデルフィア
「あなたの家族は出奔したあなたを恨むような方でなく、再興の為の努力を続ける方でもあると仰いました」
「では、何故、故郷ではなく此処へいらっしゃったのでしょうか」
「あなたを探す目的もあるのではありませんか」
ホークアイ
「……そういう側面があるだろうってのは否定しないよ。現に、ガルバさんに私のことについて尋ねてはいるみたいだし」
「ただ、」
「妹とは別に、面倒臭い奴もこっちで私を探してるみたいでさ」
アデルフィア
「……つまり、選ぶには時期が悪い、と?」
ホークアイ
「そういうこと。少なくとも、そいつとの関係をどうにかしてからじゃないと、余計な事にまで妹を巻き込みかねない」
「……まあ、もうひとりの方も私にとっては敵ってわけじゃないし、あいつからいつまでも逃げるのは無理だって分かってるし、そろそろ腹を決めなきゃいけないんだけど」
アデルフィア
「立場を理由に出奔したにもかかわらず、別の立場があなたを翻弄する」
ホークアイ
「まったく、面倒臭いったらないよね」
アデルフィア
「彼の神は、敗北を受け入れることや諦観を赦さないと聞きます」
ホークアイ
「そうだね。そういう教えだ」
アデルフィア
「あなたの選択肢もその観点から選ぶことが出来るよう、お祈りいたします」
表情や口調は淡々としたものだが、その意味するところは 家族から逃げるな という事になるだろう。
ホークアイ
「家族から逃げ続けるのは、負けを認めてるようなもの、か。……やれやれ、否定は出来ないね」
アデルフィア
「それに」
ホークアイ
「?」
アデルフィア
「あなたが持つ縁は悪いものばかりではありません」
ホークアイ
「まあ、ね。こっちで出来た知人友人は、私も好ましく思ってるよ」
アデルフィア
「あなたが私に協力を申し出てくれたように、私も同じ事を返すことが出来ます」
ホークアイ
「面倒さが違いすぎるって」
アデルフィア
「"手伝ってくれる奴は私じゃなくてもいると思うよ" です」
ホークアイ
目を瞬かせてからふ、と笑って。 「どうかな。私はアンタみたいに助けてあげたくなるようなタイプじゃないから」
アデルフィア
「面倒事に自分から踏み込むのが冒険者の持つ性質の一つだと思います」
ホークアイ
「なるべく面倒は避けて、楽な仕事で稼ぎたいって思ってるのも多いと思うよ?」
アデルフィア
「安定を望むのであれば生業を見直すべきでは」
ホークアイ
「安定とはまた別の話。ちまちま稼ぐのは嫌だけど、出来るだけ楽して大金が欲しいって考えてるのはいるでしょ」
「……ま」
「私というか、機会があったら妹のことは助けてあげてよ」
アデルフィア
「それが誰であれ、縁を持った相手を隣人とし、支え、信じることが私の使命です」
ホークアイ
「アンタほど極端じゃないだろうけど、あの子もどっちかっていうとそういうタイプだし、そこそこ気は合うと思うよ」
アデルフィア
「……それは、わかりません」
ホークアイ
「不安?」
アデルフィア
「もし、その相手があなたの妹であることを知ったとしたら、私は余分な事を考えてしまうかもしれません」
ホークアイ
「私とどう引き合わせるかとか、そういうこと?」
アデルフィア
「いいえ」
ホークアイ
「じゃあ、余計なことって?」
アデルフィア
「……会いたいと思える相手に会うことが出来るのに会わない、という選択を取るあなたを、私は妬ましいと感じているからです」
ホークアイ
「……そっか。そうだったね」
「……というか、妹に会う会わない関係なく、既にそう思われてるってことだな、これ」
アデルフィア
「あなたの選択次第でそれが実現する、あなたの妹さんにも同様の気持ちを抱かないとは限りません」
「はい」
ホークアイ
「妹は会おうとしてるんだから、私とは違うよ。私が逃げてるだけなんだから」
アデルフィア
「私の狭量さ故です。本来は口にせず、心にしまっておくべき事柄でした」
ホークアイ
「いや、前にあんな話を聞いてるんだから、そう思われるのは当然だよ。私の考えが足りなかった」
「でも、話しちゃったものは仕方ないしな。とはいえ、アンタに嫌われたくはないし――
もう一度仕方ないと呟くと、荷物から筆記具と白紙の本を取り出して一枚破り、それにさらさらと文字を書き始めた。
アデルフィア
「これは私が邪な心を抱いているに過ぎません。あなたを嫌う理由はありません」
「それは」
ホークアイ
書き終えた後、それを小さく折り畳んでアデルフィアに差し出す。 「アンタが会いたい相手に会えないって知ってるのに、こんな話をしたら嫌味な奴でしょ。そのままで居るのは私も嫌だから」
「万一妹に会うことがあったら、それを渡しておいて」
アデルフィア
「……手紙」
ホークアイ
「手紙って程の内容じゃないけどね。ただのメモ書き」
アデルフィア
「いつか、あなたの時期が整った時に手紙を出すようにと約束をして貰おうと考えておりました」
ホークアイ
「それじゃ、私が約束を破らないとも限らないし、それまでの間妬み続けられるかもしれないでしょ」
アデルフィア
「それは私の側の問題です。いずれ向き合って整理をつけたいと思います」
ホークアイ
「それでも、だよ。そういう暗い事を考えさせる切欠にはなりたくないの」
「いつか折り合いをつけるっていうのは、いいことだと思うけどね」
アデルフィア
「暗いこと、にしたくないのです」
ホークアイ
「今はまだ暗いことでしょ。妬むって自覚しちゃうくらいなんだし」
アデルフィア
「……それは私の未熟さが」
「ともあれ、此方は確かにお預かりいたします。」
ホークアイ
「別にアデルフィアに限った話じゃないって。自分にないもの、手に入らないものを持ってる相手を妬ましく思うなんて普通のことなんだから」
「ま、偶然会ったら渡すでもいいし、好きに探すのも止めはしないよ」
アデルフィア
「賢神に縁がある方という事でしたら、神殿を尋ねたいと思います」
ホークアイ
「いつも居るわけじゃないだろうけどね。仕事で長期間王都に居ないってこともあるだろうし」
アデルフィア
「あなたについて尋ねられた場合は、なんと?」
「私は嘘が得意ではありません」
ホークアイ
「アーデルハイトからそのメモを預かった、って言えばいいよ。アンタが嘘をつけるとは思ってないし」
アデルフィア
――
ホークアイ
「なに?」
アデルフィア
「いいえ。 似ていたのだな、と感じただけです」 アーデルハイトとアデルフィア、略し方などは違うだろうが
ホークアイ
「……言われてみればそうだな。本名で呼ばれることなんてないし、まったく意識してなかった」
「ま、イルスファールの人間で私の本名を知ってるのはアンタだけ。そのメモもあれば、私のものだって向こうには伝わるよ」
アデルフィア
「みだりに口にしないことをお約束します」
ホークアイ
「別に隠してるわけでもないんだけどね」 苦笑して言うと、コーヒーを飲み干して立ち上がった。 「悪かったね、長々と。そろそろいこうか」
アデルフィア
「いいえ、お話いただきありがとうございました。では、改めて儀式にご協力いただけるという事であれば――
行ってもらう場所や設置に相応しい場所、起き方などを説明し
ホークアイ
「了解。終わったら、また此処に集合しようか」
アデルフィア
「はい、よろしくお願いいたします」
ホークアイ
「……あと、これから行く所では、話し掛けられたり飲み物とか出されても、長居しないようにね。終わらなくなるから」
アデルフィア
「しかし、善意で持ちかけられたことを無為にするのは」
ホークアイ
「今度違う形で返せばいいんだよ」
アデルフィア
なんて話をし、次の箇所をひとまず一緒に行った先で案の定、大いに時間を費やすことになり
ホークアイ
こっちが終わった後も全然戻って来ないから様子を見に行くことになりました……
店先の掃除をはじめていたところでした
ホークアイ
あれほどいったのに……
アデルフィア
結局、日を分けて行うことになったのだった
ホークアイ
うむ
すごいもうこんな時間
長々とお付き合いありがとう!
たのしかった!
お付き合い感謝!
ホークアイ
ログは2022/11/01_0だむぅ
いっぱいはなしちゃった///
やったあ
ホークアイ
ということで退室だあ!
!SYSTEM
ホークアイが退室しました
背景
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