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機械的な娘ふたり

20221025_0

!SYSTEM
アルシアが入室しました
!SYSTEM
リーレリアが入室しました
リーレリア
多分私がお相手に適しています。
アルシア
お互い静かないい子
リーレリア
果たして会話になるのか
ファイッ
どこにしましょう
アルシア
お店でもいいですし何故か貴女の部屋でもいいですよ
リーレリア
こわい
後者はこわいので星の標にしましょう。
開幕描写は受け持ちます。
 
 
夕食時を過ぎ、店内には酒飲み客やこの宿に部屋を取っている冒険者がちらほらと残っている程度の時間帯。
店の隅の方、邪魔にならず目立たないテーブル席に、その少女はいた。
リーレリア
恐らくは誰かに見繕われたのだろう、年相応の小綺麗で清楚な衣服に身を包んだ銀髪の少女は、目の前のテーブルに一冊の本を広げていた。
広げているのは、幼い子ども向けの童話が書かれたもの。可愛らしい挿し絵と共に、子供でも理解しやすい内容が記されている。
読み進める少女の顔は、真顔から動くことはない。時折ページを捲るために指を動かす以外、殆ど身体の動きすらなかった。
リーレリア
てきとうにいつでもどうぞ
アルシア
「こんばんは。リーレリア様」 そんな少女に声をかける者がいた。高い身長に黒髪赤目が特徴のルーンフォーク、アルシアである。
リーレリア
――」 声を掛けられれば、顔がそちらを向く。見知った顔と気配だったからか、戦場における警戒した動きではなく、落ち着いた動きだ。 「こんばんは」
返事は、交易共通語だった。以前同行した時よりも、大分違和感がなくなっているように思えるだろう。
アルシア
「本日も交易共通語のお勉強ですか」
リーレリア
「それも、あるのですが」
アルシア
「はい」
リーレリア
手元の本に視線を落とし、そこに書かれた文字をなぞる。 「心理の理解を、深めろと」
アルシア
「心理の理解、ですか?」 立ったまま首を傾げる
リーレリア
「はい」 再びアルシアを見上げて。 「人間の心の機微を、理解出来れば、戦闘にも、活かせるはずだと。教わったのです」
アルシア
「────」 少し黙して考える 「確かに、味方との連携も、常時声による意思疎通が行える訳ではない以上、求めるところを察して動けるというのは利点となります」
「かけても宜しいですか?」 自らが休むというより、リーレリアが此方を見上げる手間を省こうとして
リーレリア
「着席に、私の許可を求める必要は、ありません」
アルシア
「リーレリア様が一人で居たいと思う可能性を考慮しました」
リーレリア
「そのように、考えたことはありません」
アルシア
「承知しました」 では、と着席
リーレリア
「戦闘中の味方の意図は、ある程度、推察できます」
「しかし、敵の意図は、読み切れない事も多々あります」
それに役立つのならば、と続けてから、本にしおりを挟んで閉じ、表紙を軽く手で撫でた。
アルシア
「敵の意図というものは、当機も察しかねます。そもそも察せない相手も多いかと」
リーレリア
「はい。私は人間を相手することが、多かったのですが、今はそうではないようで。どれ程役に立つのかは、未知数です」
アルシア
「リーレリア様は、過去に“生きていた”人なのですね」
リーレリア
「そのようです。実感は、まだはっきりと持てていないのですが」
アルシア
「記憶が混濁しているのでしょうか」
リーレリア
「いえ」 首を横に振って。 「数百年が経過しているということに、まだ理解が、追いついていないのです」
アルシア
「成程。主観とすれば、寝て起きたら数百年経過している、ということでしょうか」
リーレリア
「はい。記憶にあった人物も居らず、街もなく、魔動機も殆ど見掛けません」
アルシア
「地域にずれは無いのでしょうか。この大陸では、他の地方、大陸などから突如転移したとしか思えない遺跡などが発見されることがままあるようです」
リーレリア
「少なくとも、大陸に変化はない、と考えています。地形は大きく変動しているとのことで、詳細は不明です」
アルシア
「成程。魔動機文明当時の発展具合を考慮すればこの地域は更地の様なものなのでしょう」
リーレリア
「はい。都市の規模も、機能も、私の記憶と比較して、大きく劣ります」
アルシア
「当機も製造は魔動機文明時代でしたが、稼働したのが現在であるため、リーレリア様の言う理解が追いつかないという現象はありません」
リーレリア
「当時、多くの魔動人造人間が製造されましたが、未稼働のまま、ジェネレータに放置されていた個体は、多かったと認識しています」
「アルシアさんには、当時の知識は、プリインストールされていないのですか?」
アルシア
「当機もその一体と思われます」
「敢えてなのか、エラーであるのか、製造年、製造国等については情報がありません」
「ともすれば、販売される製品であった可能性もあります。そう考えれば、予め“余計”なことを入力されていないのは納得が行きます」
リーレリア
「我々の時代には、魔動人造人間にも人権を認める、という気運が強まり、人間に近い状態で生み出すべき、という思想もあったようです」
「そういった事情が、あったのかもしれません」
アルシア
「なるほど。非合理的ではありますが」
リーレリア
「私が生まれる前の時代は、魔動人造人間には人権は認められず、兵器として、兵士として、運用されることが常識だったそうです」
アルシア
「その点については当機も戦闘用として製造されたことが判明しています。人権が付与されていない時代であろうとも」
リーレリア
「…………」 ふむ、と顎に手を当てて考え込む。 「少々、不可解です」
アルシア
「ハウスキーパー、オールワークメイドとしての機能がプリセットされていたことから、前線運用ではなく要人宅への配置目的であった可能性はあります」
「不可解とは」
リーレリア
「そのような状況で、製造された機体であれば、施設ごと破壊、あるいは、鹵獲され、敵国側で利用される可能性が、高いように思われます」
アルシア
「肯定します。現に、製造国とは関係の無い現代において運用されています」
リーレリア
「はい。何故当時、稼働されなかったのか。疑問を抱きました」
アルシア
「………」 口に手を当て考える 「国家が万全な状態にあるならば稼働はされており、そうでない有事があったとしても、見過ごされて現代まで保存されていることが不可思議であると」
リーレリア
「肯定します」
アルシア
「しかし、当機はその問いに対する回答は持ち合わせておりません。寝ていたという実感さえ無いのですから」
リーレリア
「回答が得られることが、望ましくはありました。ですが、支障はありません」
アルシア
「可能性としてあげられるのは、施設が意図的に封鎖、封印、隠匿されていたというものでしょうか」
リーレリア
「疑問を抱き、思考する事自体が、心理の理解に重要なプロセスであると、教わりました」
アルシア
「成程。自ら思考することによる学習ですね」
リーレリア
「その場合、何故、どのような目的で、何者によって、と思考を進めていくそうです」
「……………………。確かに、」
「成人の抱く疑問より、子供の抱く疑問の方が、答えの提示が困難なのかもしれません」
しばらく考えた後、何かを納得するように呟いた。
アルシア
「子供の抱く疑問」 視線がリーレリアの持つ本に行く 「その書に何か書かれていたのでしょうか」
リーレリア
首を横に振って。 「ルイス先生の指示で、先日から、キルヒア神殿併設の図書館にて、児童への本の読み聞かせを、担当させていただいているのです」
「まだ僅か2度ですが、子供たちから、回答の困難な疑問が、大量に寄せられました」
「回答が提示出来たものも、あったのですが。納得と理解は、得られませんでした」
アルシア
「──なるほど。ルイス様の指示で」 納得した 「困難である問いとは、どの様なものが?」
リーレリア
「先日、子供たちの前で読んだのは、3匹の擬人化された豚が、ワーウルフに対抗するため、それぞれ知恵を絞るというものでした」
アルシア
「────擬人化された豚」
リーレリア
「はい、二足で歩き、人語を解します」
アルシア
「それはワーウルフの仲間なのでは」
リーレリア
「私もそう考えました」
「ですが、子供たちは、それには疑問を抱かなかったようです」
アルシア
「物語としても仲間ではないと」
リーレリア
「3匹の豚と狼人間は、敵対関係にあったようです」
アルシア
「分かりました。続けて下さい」
リーレリア
「子供たちからの、質問のひとつを挙げると……」 少し俯いて記憶を手繰って。 「まず、ワーウルフは何故、豚を食べようとするのか、仲良くできないのか、というものがありました」
「前者には、ワーウルフは肉食が可能であるから、と回答しました。後者は意図が不明でした」
アルシア
「仲良くする、ですか」
リーレリア
「はい」
アルシア
「その子供はライフォス的思想の持ち主なのではないでしょうか」
リーレリア
「ライフォスの教義というと……」
「調和を尊び、隣人を愛せよ、というものでしたか」
アルシア
「はい。より簡潔にするならば博愛です」
リーレリア
「確かに、ライフォス的発想です」
「該当の子供には、次の機会に、『ワーウルフと豚たちは、共に始祖神の信者ではなかった』と、回答しておきます」
アルシア
「はい」
リーレリア
「感謝します。子供たちから、回答を急げと命じられていましたので」
アルシア
「──、一つ訂正が」
リーレリア
「なんでしょうか」
アルシア
「ライフォスは博愛的な思想の持ち主であったと言いますが、その思想を解しないダルクレム、ひいては蛮族の攻撃を受け続けたため、現在の教義においては防衛のための反撃を許容しています」
「また蛮族に対しては積極的な攻撃に出ることも厭われていません」
リーレリア
「では、防衛として、各々襲撃に備えた豚たちは、始祖神の信者である可能性がある、と」
アルシア
「はい。豚は争いたくなかったかも知れないが、ワーウルフが攻撃的であったため自衛のため対抗した可能性もあります」
リーレリア
「了解しました。ライフォスの信者ではなかったのは、ワーウルフだけとの回答にします」
アルシア
「芳しい反応が得られなかった場合は申し訳ありません。当機も、学んでいる最中です」
リーレリア
「問題ありません。監督者の方が、とりなしてくださいます」
アルシア
「ルイス様は子供たちへの教育と同時に、リーレリア様にも教育を施しているのですね」
リーレリア
「読み聞かせをするという提案には、そのような意図も、あったそうです」
アルシア
「先程は予習ないし復習をしていたのですか」
リーレリア
「はい、次回に読む本の理解を、と。子供向けの本、童話などを読むこと自体も、私の学習になるのではないか、とも言われています」
アルシア
「はい。過去の反応から、子供たちはどの様な部分を疑問に思うのか、またそれに対する回答をどうすべきか、自ら想定を作り、回答を作成する必要があります」
「その過程がリーレリア様のためになる、とルイス様は考えているものかと」
リーレリア
「質問の想定を……。それは、私には無い発想でした。しかし、推測が可能であれば、効率的に回答が行なえます」
アルシア
「特に理由が明示されておらず、人生経験の乏しい子供たちには理解の難しい行動、というものが質問になりやすいのではと思います」
リーレリア
「経験という点では、私も、戦闘以外の知識、経験は持っていません」
アルシア
「では、リーレリア様から見ても何故そうなったのか分からない箇所は、質問になりやすいのではないでしょうか
リーレリア
「……ですが、先程の例で言うと、子供たちは、豚が擬人化されていたことに疑問を覚えず、」
「また、防衛に魔動兵器を備えなかったことにも、疑問を抱いていない様子でした」
アルシア
「確かに」 顎に手を当て首を傾げる
リーレリア
「我々が疑問に抱く点と、子供たちが疑問に思う点は、異なるものと思われます」
アルシア
「その問題点を逆に子供たちに問いかけてみるのはどうでしょう。リーレリア様が気になった部分を、子供達が気にしなかった理由」
リーレリア
「子供たちは、答えを知っていて、疑問に抱かなかった可能性が……と。参考にします」
アルシア
「子供達の学習と同時にリーレリア様の学習であるのなら、疑問点は放置しない方が宜しいかと思います」
リーレリア
「了解しました。子供であると侮らず、彼らにも教えを乞うようにします」
アルシア
「はい。当機もそうしたく思います」
リーレリア
「よろしければ、アルシアさんも参加されてはいかがでしょう」
アルシア
「当機が、ですか」
リーレリア
「はい。私に回答出来ないものも、あなたならば回答が可能、かもしれません」
アルシア
「了解しました。断る理由も存在しません。作戦に参加します」
リーレリア
「では、図書館長と日程をすり合わせた後、報告します」
アルシア
「了解しました。当機は現在この宿に滞在しています。不在の際は店員に言伝を」
リーレリア
頷きを返して。 「連絡をお待ちください」
言うと、本を鞄にしまって立ち上がる。 「そろそろ、帰還の時間です。あまり夜遅く出歩く時は、宿の方に予め声を、と指示されています」
「本日は、そのように報告していませんので」
アルシア
「はい。了解しました」
リーレリア
「それでは、失礼します」 折り目正しくお辞儀すれば、きっちりとした動きでその場を後にした。
アルシア
「はい。失礼します」 こちらも立ち上がってきっちりお辞儀を返した
リーレリア
きっとこんなところです
アルシア
ルーンフォークx2の様な会話でした
リーレリア
似たようなものです
ですが勉強になりました。
ありがとうございます。
アルシア
お付き合いありがとうございました。
リーレリア
ログは2022/10/25_0の予定です
アルシア
了解しました。
では撤退します。また宜しくお願いします。
!SYSTEM
アルシアが退室しました
リーレリア
はい。またお願いします。
!SYSTEM
リーレリアが退室しました
背景
BGM