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英傑は死なず:幕間

20220604_0

!SYSTEM
トゥエルヴが入室しました
!SYSTEM
フィオリが入室しました
フィオリ
よろしくおねがいします
トゥエルヴ
宜しくお願いします!
フィオリ
さてえーっと
時間としては翌日の昼までだっけか
トゥエルヴ
みたいっすね!
フィオリ
アニトラとの回はどのあたりに位置するの?
トゥエルヴ
その辺はぼやかしたつもりだけど、一晩寝たーとかいってたので翌日の朝あたりになりますかね
フィオリ
そうすると前日のほうが時間空いてる感じかなあ
トゥエルヴ
かなぁ~でもいいねさんならお願いすれば話し合いはまた一日伸ばしてくれたりはしてくれるかもしれない気がしないでもないかもしれない
フィオリ
フィオリは前日だと早めに寝ているので
夜に起き出してなんかしてると思うので
トゥエルヴ
じゃあ前日夜?かな!?
フィオリ
トゥエルヴはさすがに部屋を訪ねることはしなそうだから外に出ておこう…
夜風にあたりにいったとかなんとか
トゥエルヴ
そうね…
カーサンに怒られちゃうから。。。
じゃあ夜の街のなんかどっかにしますか!
ちーずちずちず
フィオリ
盾の城のマップってどこにあったか探してました
トゥエルヴ
前回のログにあった!
トゥエルヴ
フィオリ
大門の上とかかな
 
 
フィオリ
かるく描写しちゃいます
トゥエルヴ
ひゃい!
~大門にいく理由を考えております~
Now Loading
フィオリ
一応心配させないように「ちょっと外に出てきます 朝までには戻ります」程度の置き手紙は食堂においておきました
トゥエルヴ
フラグかな?
じゃあそれ見て探しに行く感じにします!
フィオリ
ほい
トゥエルヴ
12「こういう書置きして出ていくと大体変な事に巻き込まれて帰ってこないのがお約束なんだよ」
星の少ない暗い夜の空に、神秘的な輝きを湛える"道"が何条も、いっぱいに広がっている。
それらは、ブリタニアにそびえる異界の大樹の枝だ。
非現実的な光景であった。どんな城、どんな城壁よりも高く、折れ曲がり、絡み合いながら空へそそり立つ大樹は、あたかも伝説の世界樹を思わせる。
しかし、そんな光景も、種を知ってしまえばうそ寒く感じる。世界に実りをもたらすどころか、あれは、人の命を養分として生長する、巨大な食虫植物のようなものだ。
フィオリ
―――……」 そんな光景を眺めながら、少女が膝を抱えている。街の外から吹く夜風が、彼女の長い銀髪をなぶり、黒いケープをはためかせる。
そこは、街をぐるりと囲む城壁の上だった。盾の街を守る大門も、この城壁の一部だ。
とくに目的があったわけではない。ただ、夜風にあたって思考を覚ませたかった――その程度のこと。騎士たちのおかげだろう、自分たちの存在は、この数日ですっかり浸透しているようで、城壁を守る兵士に頼めば快く通してくれた。簡単すぎて、逆に少し心配になったほどだ。
フィオリ
信じて送り出したフィオリが
トゥエルヴ
うぇーい、オタクくんみってる~?w
そんな展開いやだ!!!
トゥエルヴ
"ちょっと外に出てきます 朝までには戻ります"
そんな書置きを食堂で見つけたのは、ほんの少し前だった。
各々平気そうに取り繕っていたが、その実かなり消耗していたようで、仲間達がそれぞれの寝室に戻ったあとは静かだった。少年も残った体力で風呂に入ったあと、寝室へ戻ろうとしたわけなのだが…その道すがらそんな書置きを発見して慌てて外に飛び出した。
フィオリ
トゥエルヴくんやすんでない!
トゥエルヴ
皆より全然元気だったから!!
ディスペルしてないしマナ消費してないし体力はある方!
トゥエルヴ
広場をぐるり一周、その後に図書館――ここは時間が遅かった為閉鎖されていた――、がらがらになった飲食街を見て回って、もう一度広場に戻ってきた頃。
「……」 大門の上で輝いていた満月を見つけて、何とはなしにそちらへ足を向けたのは本当にたまたま。偶然だった。
フィオリ
そんなことが起こっているとはつゆ知らず――
トゥエルヴ
兵士達がこちらを見てきたが、他人の視線はお構いなし。探し回っていた目的もその刹那だけは忘れて、満月を見上げながら城壁をゆっくり歩いた。
フィオリ
「……本当、ひとがいい人が多いんだから」 呟く。目を横に落とせば、そこに金属製のポットとカップが置かれている。これも詰めていた兵士が持たせてくれたものだった。簡単な魔法が施されたポットで、中にいれた液体が冷めにくい優れものだ。寒い時期には、これをもって、兵士たちは交代の時間までそれぞれの持ち場を守るのだという。
トゥエルヴ
この城壁、中に巨人入ってないよね
フィオリ
実は入ってるかもしれない
トゥエルヴ
ヒッ
トゥエルヴ
前方に、人の気配。満月を見上げていた視線をゆっくりと降ろすと、目的の人物が視界に入った 「あ」 数度の瞬きののち、まずは無事な事に安堵の息を吐く。
フィオリ
大樹の輝きと、満月の下で、少女の銀髪が光を受けて輝いている。
白い横顔はつと空に向けられ、どこか遠くを見るようにしていた。
トゥエルヴ
「………」 絵になるような光景だった。声をかけるのも憚れるくらいに。しかしふと、少女の周りの景色が消えて、真っ白な殺風景な背景に切り替わる。覚えのある光景に、慌てて声をかけた 「……なにしてんの」
フィオリ
「…………」 不意に名を呼ばれて、夢から覚めるように思考の中から戻ってくる。ぼんやりと少年を見たその瞳に色が戻って、 「――あ」
トゥエルヴ
その一瞬の表情が、普段とは違ってあどけなく見えた。――そもそもこれが年相応ともいえるものでもあるのだが 「………探したんだけど」
フィオリ
しかしその後の切り替えは速かった。すぐさま立ち上がりながら、 「何かあったの――敵襲?」
トゥエルヴ
「…………」 げんなり、そんな表情を見せた
フィオリ
「………」 その表情を見て 「ち、違う?」
トゥエルヴ
「……違うよ。あんだけ疲れてたから寝てると思ったのに、いないから……」
×いないから
○出かけてくるって書いてあるから
フィオリ
「………」 立ち上がりかけた格好のまま、少しの間があった。珍しくばつの悪い顔で、ゆっくりと腰を下ろしながら、 「……早めに休ませてもらったから、そのぶん早くに目も覚めてしまって―― 頭を冷やして、考えをまとめたかったから」
トゥエルヴ
「明日、どうせガラハッドやモルドレッド達とも話し合うんだ。考えるなら、そこでもいいじゃん……」
フィオリ
「……わたしはジャックみたいに直観で決断できるタイプじゃないから、自分なりに準備がいるんです!」
トゥエルヴ
「……でも戦う時は、たまに直観で動いてない?」
フィオリ
それはまあ―― 否定はしない。けれど、 「……トゥエルヴほどじゃないです」
トゥエルヴ
「………」 それはまあ―― そう。
フィオリ
「………」
「……どうせ、頭でっかちだなとか融通が利かないとか、思ってるんでしょ?」
トゥエルヴ
「……えっ」
バレた。
「…べ、別に止めろ、とは言わないよ。それが、フィオリのやり方なら」
「ただ、行先くらいは書いておいてよね」 結構探したんだ。言わないけど。
フィオリ
「……確かに、理屈と理由をつけないと納得できないし、納得できないと動けないですよ。でも、それをないがしろにする人が多すぎるんです。一歩間違えれば取り返しのつかないことにだってなりかねないのに―― 天才でも英雄でもないただの人間は、そうやって折り合いをつけていくしかないじゃないですか」
それを優等生だの何だのバカにして―― 何か変なトラウマでもあるのか、ぶつぶつと恨めしげに
 トゥエルヴというより、虚空に向けて呟いていたフィオリは、 「………それは」
「……悪かったですけど」 ぐうの音も出ず、目をそらして詫びた。
トゥエルヴ
「………」 僕も別に、天才でも英雄でもないのだが。恨めしそうに呟くフィオリを、珍しいものを見るような目で見た。
フィオリ
>行き先くらいは
トゥエルヴ
フィオリが僕の言葉に、反論しない。それもまた珍しいものだった。心がざわついて、それを隠すように片手で片腕を寄せる。
フィオリ
「………」 珍しいものを見るような視線に、居心地が悪そうにしながら
大きなため息をついて、 「……たまに、ジャックやヴィクセンさんのように在れる人が羨ましくなります」 こわくないのかしら
トゥエルヴ
「ジャックやヴィクセンは、そもそも怖いものがなさそうだもん」
フィオリ
「……」 自分の横の地面をぺしぺしと叩いて、何だか他人事みたいな口調で 「……いつまで突っ立ってるんですか。随分歩き回ったんでしょう。少し休んでいけばいいんじゃないですか」
フィオリ
ぷいっ
トゥエルヴ
おやおやおやおや
普段とは真逆ですね……
トゥエルヴ
あっ、この子まだ帰らないつもりだ。ああいった手前、無理に連れ帰ることもできない。とはいえ一人にするのも気が引ける。
フィオリ
「それは――」 ふたりが怖いものか。頭の中でジャックとヴィクセンを立たせ、様々な恐ろしいシチュエーションにあわせてみる。 「……そうかも」
トゥエルヴ
ふぃ
フィオリってどっち向きで座ってるんだろ!
フィオリ
えーと
街の外をむいて座ってるつもりでした
木を眺められる方向なので
トゥエルヴ
おっけい
トゥエルヴ
とんとん、と爪先を何度か地面に跳ねさせてから無造作に少女に近づくと、外を向いている少女とは逆の方向――街を一望できるような形で隣に座った。
フィオリ
ふたりが針の山を越え、鉄球から逃げ回り、巨大髑髏と戦いだしたところで、その髑髏がカレンに変身してジャックが逃げ出した。
「……強いて言えば女の子かな、ジャックは」
トゥエルヴ
草ァ!
フィオリ
「あれは怖いというよりは、どう接していいのか分からないっていう感じですけど」
ふ、と少し笑って
トゥエルヴ
翌日ならプロポーズするらしいよって言えたんだけどな!くっそー!
トゥエルヴ
「すごく仲良さそうなのにね」
フィオリ
そっち向きに座りますか、と思ったが、フィオリはあえて何も言わなかった。
「仲がいい…… というか。あれはもう男女の交際をしているんじゃないですか」
してなかったら不埒なので刺しますけど
トゥエルヴ
「ダンジョのコーサイ?」
こわい…
フィオリ
「………」
「その、お付き合いをしているということです」
トゥエルヴ
うーん、と考えて 「…コイビトって奴?」
フィオリ
「まあ、はい。そうです」
トゥエルヴ
「ふぅーん……そうだったんだ」
フィオリ
「そうだったんだ、って」
「興味がなさそうですね、こういう話題」
フィオリ
神ってますよあいつら 許せますか
トゥエルヴ
許せねぇ…
あいつらから幸せ税を搾り取ろう
トゥエルヴ
「まあ……コーサイってよくわかんないし。逆に女の子は好きだよね、そういう話」
フィオリ
「主語が大きい。わたしは別に…… 特別好きって言うわけじゃないですけど?」 「ただ、パーティ内の規律と風紀を考えて……」 ぶつぶつ
トゥエルヴ
「そうなの?」 意外
フィオリ
「……なんで思いっきり意外そうな声を出してるんですか」
トゥエルヴ
恋愛小説とか読んでたし…という情報はPCにはなかった、くそーーっ
フィオリ
よくおぼえてますね
トゥエルヴ
「フィオリは女の子だから。女の子は皆そういうのが好きだと思ってたし」
「……でも、別にそんな煩く言わなくてもいいんじゃない?ジャックとカレンがコーサイしてても、周りに迷惑はかけてないし――
フィオリ
「………」 フィオリは少しむっとした。表情は、トゥエルヴには見えていないだろうが。
「それは、まあ……」
トゥエルヴ
「…とやかく言うのは、アイツだけで十分だよ」 小さくそう付け加えて
片足を持ち上げ抱き寄せて、そこに顎を乗せる。もう片方の足は、とん、とん、と静かに城壁の側面をかかとで蹴った。
フィオリ
そのとき少女は自分でも自覚せず、意地悪な気分になっていた。だので、さきほどの意趣返しをこめて、こんなことを言った。 「男の子なら、好きな子のためには人一倍頑張れるでしょうし?」
「ジャックは実際、そういうところがあるし―― 目の前でべたべたされるのは、ちょっと目のやり場に困るけど……」
「だから、わたしだって、他人のことまでうるさく言うつもりはないです」
トゥエルヴ
「好きな子」 ああ、そうか。ジャックにとってカレンは好きな子なんだ。コイビトの関係の前に、まずそれがあるはずだったのに、すっかり抜けていた。
「ジャックがあんなに頑張ってるのは、そういう理由もあったんだ」
フィオリ
まあ、そこに男女の差はないだろうけど―― そんな風に思いながらポットを取り、カップに温かい茶を注ぐ。
トゥエルヴ
男の子は好きな子のためなら――なるほど、しっくりくる。自身も、ソフィーや上司である少女の為なら、人一倍頑張れる気がする。一人納得顔で、うんうん、と頷いた。
フィオリ
――実際、彼の実力はすごい。本人がどう思っているにせよ、さすがに魔剣級にまで認められるだけのことはある。その彼の力を引き出せるなら、ふたりの関係は、わたしたちにとってもプラスかもね」
トゥエルヴ
「……?」 でも別に二人とはダンジョのコーサイをするつもりは……おや?納得顔で頷いていると今度は首を傾げて、一人悩みだした。
フィオリ
「ん」 軽く振り返り、カップを差し出して。 
「……温まるから。わたしは、さっき少し貰った」
トゥエルヴ
「……」 差し出されたカップを見下ろしてから、受け取る 「お茶だ」
フィオリ
「兵士のひとが持たせてくれたの。ここは冷えるからって」
トゥエルヴ
「ふぅん……良い人だね」
カップに口をつける寸前で、一度止まる 「………」 さっき貰ったってことは、彼女もこのカップを使ったのか。
フィオリ
「……そうだね。良い人たち。ここは魔域の中で、あの人たちははるか昔の人たちだけど―― こういう営みは、どこでも変わらないんだなって、思う」
フィオリ
穢れきたない
トゥエルヴ
ばっちぃ
フィオリ
ここから身を投げます
トゥエルヴ
フィオリーーーーッ!!!
トゥエルヴ
躊躇った理由をぐるぐる探る。ナイトメアだから?以前の自分なら多分そう言うだろう。しかし、ざわつく胸のうちに嫌悪感は無かった。
「………………」 悩んだ末に、悩む自分がおかしい気がして、カップに口をつけると一口飲んだ。隣にいるフィオリの話は、右から左だった。
フィオリ
後ろのトゥエルヴが静かなので、フィオリの思考は宙を漂う。
しばしの間があいたあと、不意に
「ねえ。さっきの、アイツ……って。……あのひと(イーサンさん)のコト?」
トゥエルヴ
「………、」 カップに口を付けた状態で、固まった。みるみるうちに表情が不機嫌なものに染まっていく。
暖かくて美味しいお茶の味が、分からなくなった。熱いはずのお茶をごくりと飲み込んで 「そうだよ。あいつ、口うるさいじゃん」
フィオリ
「……同じ、ライフォス神殿の同僚なんですよね。ずいぶん仲が悪いみたいだけど、」 というよりは、トゥエルヴが一方的に嫌っているようだけど――とは言わなかった。 「何か、あったんですか」
「それは、まあ……」 思い返す。ちょっと苦笑してしまって 「……確かに。お目付け役、みたいな」
トゥエルヴ
「……別に。何か決定的なきっかけがあって嫌いになったわけじゃ――
「……最初から、気に食わなかった」
フィオリ
「……最初から?」
トゥエルヴ
――……」 どう言おう、何を言おう。ちらっと盗み見るようにフィオリを見て
フィオリ
好悪がマイナスから始まることが多いにせよ、いまのトゥエルヴはもう、ただナイトメアというだけで無条件に目の敵にするようなことはない、とフィオリは知っている。そして、きっとその変化は、あまり自覚的ではないのではないか――少女は、そう考えている。
トゥエルヴ
少女は自身の部隊の事を知っている。なら、下手に隠しても無駄だ。そもそも隠す事自体苦手なんだ。ふぅ、と深く息を吐く 「……審問隊の――
「……知らない部隊員だった」
フィオリ
ただ、それは最近の話。実際、フィオリがトゥエルヴと出会った頃のことを考えると、イーサンの種族特徴からして、毛嫌いすることは当然のように思える。
「……。じゃあ、本当に同僚……」
トゥエルヴ
「……知らなかったんだ、そんな部隊員いるなんて。ルツィに紹介されるまで、本当に知らなかった」
フィオリ
「大きな組織なら、顔も知らないひとがいても不思議じゃないけど……」 実際、フィオリが所属する魔術学校にも、そういった人間はたくさんいる。その逆で、フィオリの悪名を知らない人間は、あまりいないのだけれど。
トゥエルヴ
悪名……?
あたまでっかち委員長とか!?
フィオリ
委員長がきたぞ逃げろ!
トゥエルヴ
「僕の部隊は、12人しかいない。知らない人は、いない」
フィオリ
――12人」 12。トゥエルヴ。
ルツィというのは、部隊の中心的存在なのだろう。
トゥエルヴ
「隠されてたのか知らないけど…ぽっと出の奴なのに、図々しく部隊に引っ付きまわって仕事してるし、ルツィとよく一緒に居るのを見かけるようになったし……。ただでさえ邪魔なのに、冒険者にもなるし」 
「……今回の依頼だって、ついてきて――
徐々にふてくされる子供のような表情になる。今回の依頼、そうだ。今回の依頼で、アイツがもっと嫌いになった。その理由は多分頭の何処かで分かってるけれど、口に出したら負けな気がして、強く唇を結んだ。
フィオリ
「……トゥエルヴにとっては、商売敵――って言ったら、失礼か。目の上の瘤みたいな存在っていうわけですね」
トゥエルヴ
「目の上……うん、まあ……そんな感じ」
言うべきか、言わざるべきか。しばし悩んでから言いづらそうに零した 「――……フィオリは、アイツの事どう思ってるの?」
フィオリ
「その気持ちは…… うん、分からなくはない――かな」
トゥエルヴ
ふぃおりもあいつのことがきらい!!!(そんなことない
フィオリ
「あ、え? どう、って…… それは、どう……?」
トゥエルヴ
伺うような視線が、少女を真っ直ぐ見つめた 「……だから、どう……嫌いとか、むかつくとか、」
フィオリ
(……ネガティブな感情を求められている……)
トゥエルヴ
「………」 じぃ
フィオリ
「……。仕事仲間として、ふつうに、頼りになる人だなって思ってますけど……」 嘘がつけず、フィオリは端的に語った。戦闘の腕や、神聖魔法による支援もそうだが、それよりもむしろ精神性が、パーティを安定させる重しになっているような所がある、というのが、彼女なりの評価である。 「……ただ、まあ」
――細かく指摘したり、何かとお小言を言うところは、ああわたしもこんなふうに見えてるのかな――と思いますけど……」 自嘲ぎみに笑った。フフッ
トゥエルヴ
「っ、……フィオリとアイツは全然似てないよ。ぜんっぜん似てないっ」
何処か慌てるように否定した。
フィオリ
「!?」
――そ、そうですか」
トゥエルヴの反応に驚きながら、ただそう言うしかなかった。
トゥエルヴ
ふてくされたように唇を突き出して、ぷいっと顔を背ける 「……そうだよ。全く、全然、微塵も似てない」
フィオリ
―――………」
これはどう受け取れば、どう反応すれば良いのだろう。少女の明晰な頭脳はこういうときは全く役に立たず、少年の様子をおろおろと見ているしかなかった。
トゥエルヴ
「……僕だって、少しくらい――算術の話はできるように、なったし」 うぅ、と小さく唸りながらぽつぽつ零して
そうじゃないそうじゃない、と頭を横に振っていけ好かないアイツの顔を頭から追い出した。
話題の転換だ。自然に、フィオリに気付かれないくらい自然に―― 「……ちなみにさっきフィオリが言ってた、フィオリの目の上のタンコブって、誰の事?」 自然のつもりだった。
フィオリ
「……審問隊のなかで、評価を比較されたりしているんですか?」
トゥエルヴ
転換失敗!!!
トゥエルヴ
「評価……?」 首を傾げる 「さあ、よく、分かんない……というか意識したこと、ない」
フィオリ
「冒険者としての仕事で、比較されたりは?」
トゥエルヴ
「……わかんない。多分、ない。少なくとも、誰かに比較されるようなことは言われてない」
フィオリ
「……じゃあ、あとは矜持の問題、か」 男の子だな、と思いつつ
「自分自身の問題として、このひとにだけは負けたくない、って。……うん。それは、少し分かります」
トゥエルヴ
――…」 ぐ、と歯噛みした。押し込めたはずの感情を、本当にこの少女はよく掬い上げてくるもんだと感心すら覚える。
フィオリ
「だって、それはわたしにもあるから」
トゥエルヴ
「……フィオリが?」
フィオリ
「そ。それが、わたしのとってのタンコブかな」 あはは、と少し笑って
トゥエルヴ
「………ミアの事?」
フィオリ
「う゛っ」
トゥエルヴ
「………」 あっ、あたった
フィオリ
「ど、どうして……」 胸に一撃(クリティカル)を喰らったように動揺して
トゥエルヴ
「……なんとなく………」
「……ミアが魔術師の"才能"について話す時、フィオリ、いつも不機嫌そうだったから」
フィオリ
「……そ、そう……ですか」 気を付けないと……
「……わたしだって世の中を見れば、相当恵まれた方だと思いますけど……」 と、それは自覚している。いまの自分があるのは、自分の努力の結果だけ――など思うほどには幼くはない。
――由緒正しい魔術師の血筋に生まれて、魔術師なら誰もが知るような優秀な父と、望めば望むだけが手に入る環境の元に育ち、わたしよりもずっと魔術の才能を持っている」
「そんな、最初から絵付きの手札しか持っていないような存在に出会ったら、わたしだって複雑だし、多少は妬みもします」
トゥエルヴ
絵付きの手札とか
なんてオシャレな言い方しよるんや……
フィオリ
どや
フィオリ
開き直ったように、フィオリはそう言った
どうせ、ここには自分と彼しかいない。隠す必要もないだろう。
トゥエルヴ
「フィオリも、誰かを羨んだりするんだね」 なんだかんだ、いつだって人当たりよく誰にも彼にも真っ直ぐ当たっていく少女だっただけに、意外だ。
フィオリ
「ないものねだりくらい、誰だってするでしょう」
トゥエルヴ
「なら、フィオリもミアがないものねだりするような何かを見つければ、お相子になるのかな」
――そういうの、フィオリはもう持ってる気もするけど」
フィオリ
「魔術のことはおいておいても、もう少し身長が欲しかったし…… もっと優しい性格になりたかったし…… ふつうに、家族で暮らすようなくらしもしてみたかった」
トゥエルヴ
「………」 盗み見るように、フィオリの様子を伺った。
フィオリ
「………?」 ふと、トゥエルヴの言うことが気になって、振り返る。そうすると、ちょうど少年と目があった。
トゥエルヴ
盗み見るつもりだっただけに、目が合えばどきりとした。取り繕うように視線を逸らして
フィオリ
少年の反応に、満月の光を映したような、金色の目を瞬かせた。 「……」
トゥエルヴ
「……普通の家族として、暮らせなかったの?少しも」 父親の話を以前、聞いた事を思い出す。
大罪人と言っていた。なら母親は?兄弟とかはいなかったのか。一度疑問を持ってしまえば、気になって気になって仕方がなかった。
フィオリ
「……なかったな。お世話になったひとのところに転がり込んで、ほかの子たちが勉強するのを眺めながら、ずっと身の回りのこととか、下働きみたいなことをしながら食べさせてもらって」
トゥエルヴ
此処でフィオリを見つけた時に思い出したあの光景は――鏡の中で見た、彼女の過去だ。殺風景な景色の中、少女が泣いていた。今更ながらにそれを思い出して
「………」 どんな顔をして話しているのだろう。確認してみたい気持ちもあったが、確認するのが少し怖い。迷う視線が、眼前の街の中を泳いでいく。
フィオリ
「母は物心つくときにはもう亡くなっていたし、わたしの父は、禁庫から危険な魔法具を解き放った張本人とされて、いまも行方不明のままだし――
「だから、厄介者みたいな扱いのわたしを預かってくれただけでも、感謝しなくちゃいけないんですけど」
トゥエルヴ
「!」 迷っていたはずの瞳が、今度は真っ直ぐ少女へ向けられた
フィオリ
「どんなにお願いしても、わたしには魔術のまも教えてくれないそのひとに我慢ができなくて。泣くほど悔しかったから、夜中にこっそり書庫に忍び込んで、勉強したりしたな……」 それは傷なのだろうが、過ぎ去った日々を思い返すような、懐かしむような声色だった
トゥエルヴ
「学校の宿題……フィオリが魔法具を集めてるのって、父親のせいで?」
フィオリ
――まあ、いま思うと、とっくに気づかれてたと思うけど。魔術師が、秘蔵の書庫に鍵をかけないわけがないもの」
「半分はそうで、半分は違う。わたしは自分で志願して、この仕事をしてる」
トゥエルヴ
「……なんで?大変なんじゃないの?」
「父親のせいなら、父親を捜して自分でやらせればいいのに……」
フィオリ
「さあ。言うなれば、遠回しな復讐、っていうところです。父親のせいで被らされた汚名の返上をして、わたしと父は違うんだって証明をする」
「……そんなところかな」
トゥエルヴ
「……復讐する前に、死んじゃったら?」 今までだって、何度か死ぬ思いをしてきたはずだ。危険な目にあっているのも、この目で見てきた。
フィオリ
「……そのときは――
すこし間があって、
輝く月と、そこにかかる異界の樹―― 幻想的な光景を見上げながら、
「……困りますね。どうしようかな」 どこか間の抜けた答えが返ってきた。
トゥエルヴ
「………なんでも慎重に考えてから行動するのに」 どうしてそこだけ…
フィオリ
「……」 こらえきれないように、くすくす、とフィオリは笑った。 「……本当だ。ほんとうはわたしって、直情的な性格で、だから自分を戒めてるのかも」
トゥエルヴ
「…今からでも、遅くないんじゃない。学校に戻って、魔術の勉強して……たくさん勉強すればミアに追いつくかもしれない。こんな、死ぬかもしれない冒険者続けるよりは、そっちの方がずっと目があるよ」 戦場で顔を青くしている少女を見てからは、強くそう感じる。
フィオリ
「………」
「……いずれは、そうしたいとは思っているんですけどね」
トゥエルヴ
「そっちの方が、ずっと似合ってるよ。よくわかんない本に埋もれて、寝落ちて、ほっぺたに本の痕つけて……」
フィオリ
「……勉強?」 寝ているのでは……?
トゥエルヴ
「………」 寝てるだけだこれは……
フィオリ
「………」 というか、いやに解像度の高い想像だ。もしかして、そんな光景を目撃されている……?
かぶりを振って、そんな考えを払い
トゥエルヴ
実はマルフォードで見てるんだな!
フィオリ
「……確かに、危険なことは山ほどある。魔法具を取り戻すのだって、昔みたいに、ただ依頼をする側だったら、効率は悪いけどもっと安全に進めていけるのかもしれない」
「でも、あそこへ戻って勉強するのは、それこそ、後からだってできる。学校を出てからの――冒険者として過ごす日々は、今までいかに自分が無知だったのかを思い知る日々だった」
トゥエルヴ
「……」 知る事が楽しい、彼女がよく言っている台詞だ。だからこそ、無知と思い知るのは悔しく感じられても、同時に楽しくもあったのだろうか。
フィオリ
「……あるひとは、魔術のことを、自分が望んだとおりに世界の一部を書き換える技――そう表現するんです」
トゥエルヴ
「……ん」 何処か柔らかい雰囲気のまま、相槌を打つ。
フィオリ
「それが正しいなら、わたしは、世界のことをもっと知っておきたい」
「どう変えることを望むにしろ、それを知らずにいることは、許されないことなんじゃないかって思うんです」
トゥエルヴ
「……責任感、ってやつ?」
フィオリ
「………」 トゥエルヴの言葉に、深く考え込む気配。
トゥエルヴ
じっと、少女の答えを待つ。存外、辛抱強く。
フィオリ
「……半分、は。もう半分は……欲?」
トゥエルヴ
「欲」
フィオリ
「怖い思いも、楽しい思い出も、みんなとの繋がりも―― こうして、あなたと話す時間も」
トゥエルヴ
「……」 ぱち、と目を瞬かせてから、フィオリを見た。
フィオリ
「……この目を通したこれが、わたしにとっての真実(しんじつ)で、」
「これだけは、ミアにもない、父のものでもない、わたしだけのものだと思うから」
「………」 態勢をくずしてトゥエルヴを振り返り、苦笑してみせた。 「……なんて。だめ。うまく言えないです」
「言葉って、不自由だな……。心の中に確かにあるのに、かたちにすると、何か違うものになってしまう」
トゥエルヴ
「…………」 唇を引き結ぶ。少し、頬が染まる。
フィオリ
最後のそれは、ほとんど独り言のように。
トゥエルヴ
まだ手の中にあるカップは、すでに熱を失っている。それをゆらゆらと僅かに揺らしながら
「……フィオリだけの魔術。多分もう、使えてる」
フィオリ
世界にしんじつのルビをふろうとおもったらまちがえたのはひみつなんでうs
トゥエルヴ
おっちょこちょいさんめ///
僕が真実を読めないと思われているのかと思いました
フィオリ
「………?」 さあっ、と夜風が吹いてきて―― 月光を受けて輝く髪がさらさらと揺れた。
フィオリ
ま、……まこと…… ま、み……
トゥエルヴ
「世界とかどうとか、そんな大層な事よくわかんないけど……」 ちらと控えめに少女を見て
「フィオリは、僕を変えてくれた――ような気がする。だって僕はもう、君に触れるのが怖くないんだ」
フィオリ
――――………」
「あ、あ……あぅ……」
トゥエルヴ
「………」 言ってしまってから、気恥ずかしくなってきた。そっと視線を外して、立ち上がる。
フィオリ
頬が熱い。
トゥエルヴ
「……さすがに、そろそろ戻った方がいいんじゃない。風、冷たくなってきたし」
「…疲労じゃなくて、今度は風邪引いて寝込んでも知らないよ」
フィオリ
頭がそれを理解するよりもはやく、胸の鼓動だけが速くなって、少女はひどく戸惑った。
――そ、そうですね」
埃を払って立ち上がり、原因不明の動悸をおさめるために、こっそりと深呼吸をする。
トゥエルヴ
カップとポットを少女の代わりに手に持ちあげる。こちらも何処か素っ気ない様子で、必死に取り繕うようにして宿に戻る準備をする。
フィオリ
トゥエルヴ(あなた)だって――」 
トゥエルヴ
そそくさと立ち去ろうとする足を止めて少女を振り返る。
フィオリ
――あなただって、ろくに休めてもないでしょう。どうせ、店を飛び出して探して回って……」 
わたしのために。
わたしのために?
「~~~~……」
トゥエルヴ
自爆しとるやん!
トゥエルヴ
「……っさ、探してない」 探してました。
「い、いいから早くっ。僕はジャックみたいには運んで上げないからね」 ジャックがカレンを軽々持ち上げて運ぶ姿を思い出し、ついあげつらってしまう。
フィオリ
「……自分のことももっと大切にしてください。いつも考えなしに突っ込んじゃうんだから、いつもどれだけ心ぱ……」
「…………」
こういうのを墓穴をほるというのである
「………行きますよ!」
トゥエルヴ
「……急……」 ぐるぐるしながら歩を進めた。
フィオリ
「おっことわりです。絶っっ対に人前でやらないでくださいね!」>カレン運び
トゥエルヴ
「でもカレンは喜んでたよ」
フィオリ
「………」
「……まあ、王子様に抱かれて運ばれるというのは、女の子の夢みたいなところはありますけど…… あ、一般論として……」
トゥエルヴ
「………イッパンロン」
「王子様って……モッさんにああやって運ばれたいってこと……?女の子ってわかんないね」
フィオリ
「………。そういえば、あの人って正真正銘の王子さまなんですよね……………」
トゥエルヴ
「うん、まあ…」
フィオリ
「………」 理想と現実とは異なるということ。まあ、そんなものだろう。とため息をついて、歩きながら不意に横の少年を見上げた。
―――………」
――――背、伸びたのかな?
トゥエルヴ
あら^~~~~
トゥエルヴ
「……?」 見られてる?少女を見下ろして
フィオリ
「……別に」 ぷいっ、と前を向いて
「……ただ…… 少し、ゆっくり歩いてもらえると助かります」
――そうすれば、自分の成長もどうにか追いつくかもしれない。
トゥエルヴ
「………そう」 頭上に疑問符を浮かべながらこちらも前を向いてから、無言で少女に従って歩調を緩めた。
トゥエルヴ
あらあらあらあら
んま~~!
フィオリ
「…………」 素直に歩調を合わせてくれたことに、こっそりと顔を伏せるようにして笑んで
そのまま、城壁の上をふたり、歩いていく。
フィオリ
きれいなので
トゥエルヴ
ア、アオハル~!
フィオリ
わたしはこのへんで〆でよさそう
トゥエルヴ
わたしもしめでよい!
フィオリ
やったぜ!
トゥエルヴ
お疲れ様でした!!
フィオリ
おつかれさまでした
ごちそうさまでした
トゥエルヴ
でもまだ友達ですらないです
フィオリ
は?
トゥエルヴ
フィオリ
ログは20220604_0ですね
イーサンとの関係も聞けたし本編とかでいかしていきましょう
トゥエルヴ
二人の関係を言葉に表そうとすると友達ではない……なんかその先にバイパス結んじゃってる
わーい!
フィオリ
たしかにそれはそう
その先にいってるといっても親友……でもないし
ふしぎなかんけい
トゥエルヴ
ふしぎ!
でもこのあやういかんけいが
とてもおいしいですご馳走様でした
フィオリ
こちらこそおいしかったです
長時間ありがとう!」
トゥエルヴ
こちらこそ!またチャンスあれば宜しくお願いします!
フィオリ
お掃除はGMにお願いしよう
おねがいします!
ではでは!
トゥエルヴ
うむ、此度はお疲れ様でしたー!
では!!!!!飯の時間だああああああ!!!!
フィオリ
うおおおおおおおおおお
!SYSTEM
フィオリが退室しました
!SYSTEM
トゥエルヴが退室しました
背景
BGM