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- アストレアが入室しました
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- カーティスが入室しました
- カーティス
- 導入は任せて良い感じかな?
- アストレア
- ああ。私がやろう
- それじゃあ始めていこう よろしくお願いします
- カーティス
- OK
- よろしくお願いします
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- リアン地方イルスファール王国王都イルスファール
- 街の壁を超えた先、線路を超えた辺りに、開発計画の外にある墓地がある
- 王都内の敷地に埋葬されるものは稀で それもかなり高額な墓地代を納める必要がある
- 一般的な霊園もあるにはあるが、やはり高価で すぐに手を出せるものでもない
- そんな者たちのためにある、郊外の墓地
- そこに、白百合の花束を両手に抱えた金髪の娘が、青年を1人伴ってその墓地の中を歩いている
- 行く先はもうわかっているのか、迷う素振りも見せずに、静かな墓が並ぶ場所を歩いていくと 小さな丘の上に辿り着く
- そこには、墓石が埋まっていて
- 大理石で出来たそれには 『マリアベル・ケスティル』と名前が掘られ生年と没年が刻まれている
- アストレア
- 「──これが一番困ったんだ」 白百合の花束を墓石の上に置くと 青年に背を向けたまま少女はようやく口を開く
- カーティス
- 少女に声をかけられ、その目的地を知った時から、青年の口数は普段と同じものではなくなっていた。
- アストレア
- 「没年を正確に勘案すると、マリアの年齢は18から48くらいになってしまうからね」
- 「ちょっと、困ったよ」
- カーティス
- 前を歩く少女の背を見守りながら、その口には煙草を咥える事も無く。ただ黙って、彼女の後を追って――
- 「ズレがあるもんだからな。仕方ねえさ」 口を開いた少女へと、漸く口を開いて。背を向けたままの少女の向こう、墓に刻まれた彼女の名を見つめた。
- アストレア
- 「……、王都の中でも本当は買えたんだ」
- 「でも、たまに来るくらいにする距離じゃないと」
- 「マリアが心配するだろうからね」
- カーティス
- 語られる言葉に相槌を打ちながら、その小さな背中を見守っていたが、
- アストレア
- 「──遅くなって、済まない」 青年と故人、どちらに対しても言っているようなセリフを重ねて
- カーティス
- 「――……」 その丘から臨める風景を見回して、そのままぐるりと王都を振り向いた。
- カーティス
- ここから王都内は流石に城壁で見えないかな?
- アストレア
- うん
- そんな高い丘じゃない
- カーティス
- OK
-
- 振り向いた先は城壁があり
- 王都の姿を臨むことは出来ない
- カーティス
- 「たまに、の距離でも都はすぐそこだ。マリアベルも、気に掛かったら苦も無く見に来れるさ」
- 「アストだって、伝えたい事が出来れば、な」 普段よりも穏やかな声色で応えれば、良い場所が見つかったな、と微笑んだ。
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- 「……ああ」
- アストレア
- と少女は頷いて
- 「でも今日は、伝える相手は別にいるんだ」
- 「だから見ていてくれ、」
- 「マリア」
- カーティス
- すまない、という言葉には青年は応えを返さずに、墓石を見つめる背を見つめた。
- アストレア
- ゆっくりと振り返ると 綺麗に笑って
- 「……待たせたね」
- カーティス
- 振り向き、浮かべられた笑顔に、青年の目が見開かれる。
- 美人だ、とは以前から思っていた。此方に来て打ち解けていく時も、
- 奈落の魔域の中、はじめて彼女と出逢った時も。闘いの最中に見せる表情をひとつ取ったとしてもそうだった。
- それでも、
- 「――……、」 青年が知るどれよりも可憐に咲いたその表情に、見惚れる様に瞳が見開かれ 唇が小さく開かれた。
- 「……ああ」 穏やかに口にして、小さく頷きを返す。
- アストレア
- 「ずっと、待たせて済まなかった」
- 一歩、青年の方に踏み出す
- 「もし、カーティスの気持ちが、私の思った通りなら、」
- 「私の言葉を返そうと思う」
- カーティス
- その言葉に、落ち着かない様子で左手で髪を小さく弄ると、
- アストレア
- 「……いいかな?」
- と、青年を紅い瞳が見つめて
- 『――しゃんとしろ、ガキめ』
- 『――全くだよ。今くらいは決められないかなぁ』
- 『――ほら、カート。ちゃんと、ね?』
- カーティス
- ――く、と笑って、その手を降ろし。
- 「聞かせてくれ、アスト。……お前の言葉を」
- 真剣な表情を浮かべて、アストレアにそう答えた。
- アストレア
- 「………、わかった」
- その眼差しに頬に朱が入って
- 「……、私も」 少しの唇の震えの後に、敢えて低く出された声が青年の耳を叩く
- 「私もカーティスが、好きだよ」
- カーティス
- その言葉を聞けば、静かに拳が握り込まれて、
- それがゆっくりと開かれると、少女へとその手が伸びて その身体を抱き寄せる。
- アストレア
- 「──っ」
- カーティス
- 「――アスト、お前が好きだ」
- 「お前を縛ってたものも、お前が背負ってたものも、お前が付けた傷も、付けられた傷も、」
- 「全部一緒に受け止めて、一緒に生きていきたい。……」
- アストレア
- 「……分かち合って、貰えるかな」
- カーティス
- 「俺の全部で、お前の全部と生きたいんだ。……当たり前だろ」
- アストレア
- 「……、そんな相手、親族にしか居なくて、……初めてだよ」
- 「……とても、安心するね」
- カーティス
- 「……
- 抱き締めていた手を、ゆっくりと離して 墓石へと身体を向ける。
- アストレア
- 「……、」 1つ頷くと離れて
- カーティス
- 「マリアベル。今の俺を、手放しで認めて貰えるかは解らねえ。……けど、」
- 「この先、アストレアが直面するどんな悲しみも、苦しみも、何だろうと俺が全部打開する」 真剣な声色で墓石へと宣言し、
- 「……何があっても、独りにさせねえし、傍で護り続ける」 握られた拳が、だん、と胸を打つ。
- 「必ず、幸せだと笑わせてみせる。……これはお前達への約束であり、俺の宣誓だ」
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- 頬を撫でるように風が吹く
- 風に乗って、どこかの鐘の音が聞こえてきたような気がした
- カーティス
- だから、見ていてくれ。――そう結ぼうとした言葉は、口には出さなかった。そんな事は言われるまでもないと睨まれてしまうだろうから。
- アストレア
- 髪を押さえて 目を細める
- カーティス
- 頬を撫でた風と、微かな鐘の音に 普段と同じ、不敵な笑みを浮かべてみせた。
- アストレア
- 「…ありがとう、マリア」
- カーティス
- 「……」 マリアベルの墓石を見つめるアストレアの背中を、あやす様に小さく撫でる。
- 堪える事はないと気遣う様に、ひとつ、ふたつと。
- アストレア
- 「………ふ、……」 肩がふるる、と 小刻みに震えて
- 「……ぅ……ぅぅ……」
- ようやく少女は涙を流す
- 「………マリア……マリア……」
- 「……ごめんマリア…」
- カーティス
- 「……」 その背を撫で続けながら、言葉は発さずに
- 少女から吐き出されるその嗚咽を受け止め 促す様に触れる
- アストレア
- 暫く涙を流し続けて
- ハンカチで顔を拭うと 青年に目元と鼻の赤くなった顔を向けて
- 「………ありがとう。やっと……涙が出せた」
- 「ずっとずっと、泣けなくて……自分がどれだけ薄情者かと、思い知らされてきたから」
- カーティス
- 「薄情だから泣けなかった、じゃないだろう?」 答えはわかっているだろう、と問いかける様な声色だ。
- アストレア
- 「……気を張っていたんだ、ずっとずっと…‥報いるまで泣けないって……でも、やっと…」
- 「……ありがとう、カーティス」
- カーティス
- 「礼なんて良いんだよ。俺は俺がしたい事を、したい様にしただけだ」
- 「だから、これはアストが向き合って、アストが答えを出したんだよ。……、」
- 「頑張ったな、アスト」 労う様に笑みを浮かべて、肩をひとつ叩いた。
- アストレア
- 「……ああ」 頷いて 小さく笑った
- カーティス
- 「……」 笑顔を見れば、笑みを深めて 「笑った顔が一番綺麗だ」
- アストレア
- 「…こんな風に笑うことなんて、なかったから」
- 「……今がすごく、楽しいよ」
- カーティス
- 「これからは、もっと笑えるさ」
- 「何たって、俺と一緒なんだからな」 不敵に笑ってみせて
- アストレア
- 「……うん」
- カーティス
- 「……もう少し、ゆっくりしていくか?」
- アストレア
- 「…いや、帰ろう」
- カーティス
- 「ああ、わかった。……、と」
- アストレア
- 「もしかしたら、まだ駆け込みの仕事があるかもしれないし」
- 「やっと眠る場所が出来たんだから…ゆっくりさせてあげたい」
- カーティス
- 「……手だけ、ちゃんと合わさせてくれ」
- アストレア
- 「うん」
- カーティス
- 墓前に屈み、両手を合わせて
- 眼を伏せ、小さく息を吐いた。
- 見ててくれ。……そう墓前に祈ると、ゆっくりと腰を上げ、アストレアに振り向いた。
- 自分はこれで、と示す様に頷いて見せる。
- アストレア
- 聖印に触れて祈りの言葉を捧げると
- カーティスに頷く
- カーティス
- 「それじゃ、行くか。……また来るぜ、マリアベル」
- アストレア
- 「…‥またね」
- カーティス
- 墓石に手を振ると、下ろしたその手でアストレアの手を取って
- エスコートする様に、彼女の手を引いた。
- アストレア
- 手を引かれて続いていく
- カーティス
- こんな感じかな
- アストレア
- 私はこれでいい
- うん
- お疲れ様でした
- カーティス
- お疲れ様でした
- 2022/05/26_1 だな
- アストレア
- ありがとう。
- また遊ぼう。撤退するよ
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- アストレアが退室しました