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答え

20220526_1

!SYSTEM
アストレアが入室しました
!SYSTEM
カーティスが入室しました
カーティス
導入は任せて良い感じかな?
アストレア
ああ。私がやろう
それじゃあ始めていこう よろしくお願いします
カーティス
OK
よろしくお願いします
 
 
 
 
 
 
 
 
リアン地方イルスファール王国王都イルスファール
街の壁を超えた先、線路を超えた辺りに、開発計画の外にある墓地がある
王都内の敷地に埋葬されるものは稀で それもかなり高額な墓地代を納める必要がある
一般的な霊園もあるにはあるが、やはり高価で すぐに手を出せるものでもない
そんな者たちのためにある、郊外の墓地
そこに、白百合の花束を両手に抱えた金髪の娘が、青年を1人伴ってその墓地の中を歩いている
行く先はもうわかっているのか、迷う素振りも見せずに、静かな墓が並ぶ場所を歩いていくと 小さな丘の上に辿り着く
そこには、墓石が埋まっていて
大理石で出来たそれには 『マリアベル・ケスティル』と名前が掘られ生年と没年が刻まれている
アストレア
「──これが一番困ったんだ」 白百合の花束を墓石の上に置くと 青年に背を向けたまま少女はようやく口を開く
カーティス
少女に声をかけられ、その目的地を知った時から、青年の口数は普段と同じものではなくなっていた。
アストレア
「没年を正確に勘案すると、マリアの年齢は18から48くらいになってしまうからね」
「ちょっと、困ったよ」
カーティス
前を歩く少女の背を見守りながら、その口には煙草を咥える事も無く。ただ黙って、彼女の後を追って――
「ズレがあるもんだからな。仕方ねえさ」 口を開いた少女へと、漸く口を開いて。背を向けたままの少女の向こう、墓に刻まれた彼女の名を見つめた。
アストレア
「……、王都の中でも本当は買えたんだ」
「でも、たまに来るくらいにする距離じゃないと」
「マリアが心配するだろうからね」
カーティス
語られる言葉に相槌を打ちながら、その小さな背中を見守っていたが、
アストレア
「──遅くなって、済まない」 青年と故人、どちらに対しても言っているようなセリフを重ねて
カーティス
――……」 その丘から臨める風景を見回して、そのままぐるりと王都を振り向いた。
カーティス
ここから王都内は流石に城壁で見えないかな?
アストレア
うん
そんな高い丘じゃない
カーティス
OK
 
振り向いた先は城壁があり
王都の姿を臨むことは出来ない
カーティス
「たまに、の距離でも都はすぐそこだ。マリアベルも、気に掛かったら苦も無く見に来れるさ」
「アストだって、伝えたい事が出来れば、な」 普段よりも穏やかな声色で応えれば、良い場所が見つかったな、と微笑んだ。
 
「……ああ」
アストレア
と少女は頷いて
「でも今日は、伝える相手は別にいるんだ」
「だから見ていてくれ、」
「マリア」
カーティス
すまない、という言葉には青年は応えを返さずに、墓石を見つめる背を見つめた。
アストレア
ゆっくりと振り返ると 綺麗に笑って
「……待たせたね」
カーティス
振り向き、浮かべられた笑顔に、青年の目が見開かれる。
美人だ、とは以前から思っていた。此方に来て打ち解けていく時も、
奈落の魔域の中、はじめて彼女と出逢った時も。闘いの最中に見せる表情をひとつ取ったとしてもそうだった。
それでも、
――……、」 青年が知るどれよりも可憐に咲いたその表情に、見惚れる様に瞳が見開かれ 唇が小さく開かれた。
「……ああ」 穏やかに口にして、小さく頷きを返す。
アストレア
「ずっと、待たせて済まなかった」
一歩、青年の方に踏み出す
「もし、カーティスの気持ちが、私の思った通りなら、」
「私の言葉を返そうと思う」
カーティス
その言葉に、落ち着かない様子で左手で髪を小さく弄ると、
アストレア
「……いいかな?」
と、青年を紅い瞳が見つめて
――しゃんとしろ、ガキめ』
――全くだよ。今くらいは決められないかなぁ』
――ほら、カート。ちゃんと、ね?』
カーティス
――く、と笑って、その手を降ろし。
「聞かせてくれ、アスト。……お前の言葉を」
真剣な表情を浮かべて、アストレアにそう答えた。
アストレア
「………、わかった」
その眼差しに頬に朱が入って
「……、私も」 少しの唇の震えの後に、敢えて低く出された声が青年の耳を叩く
「私もカーティスが、好きだよ」
カーティス
その言葉を聞けば、静かに拳が握り込まれて、
それがゆっくりと開かれると、少女へとその手が伸びて その身体を抱き寄せる。
アストレア
「──っ」
カーティス
――アスト、お前が好きだ」
「お前を縛ってたものも、お前が背負ってたものも、お前が付けた傷も、付けられた傷も、」
「全部一緒に受け止めて、一緒に生きていきたい。……」
アストレア
「……分かち合って、貰えるかな」
カーティス
「俺の全部で、お前の全部と生きたいんだ。……当たり前だろ」
アストレア
「……、そんな相手、親族にしか居なくて、……初めてだよ」
「……とても、安心するね」
カーティス
「……
抱き締めていた手を、ゆっくりと離して 墓石へと身体を向ける。
アストレア
「……、」 1つ頷くと離れて
カーティス
「マリアベル。今の俺を、手放しで認めて貰えるかは解らねえ。……けど、」
「この先、アストレアが直面するどんな悲しみも、苦しみも、何だろうと俺が全部打開する」 真剣な声色で墓石へと宣言し、
「……何があっても、独りにさせねえし、傍で護り続ける」 握られた拳が、だん、と胸を打つ。
「必ず、幸せだと笑わせてみせる。……これはお前への約束であり、俺の宣誓だ」
 
頬を撫でるように風が吹く
風に乗って、どこかの鐘の音が聞こえてきたような気がした
カーティス
だから、見ていてくれ。――そう結ぼうとした言葉は、口には出さなかった。そんな事は言われるまでもないと睨まれてしまうだろうから。
アストレア
髪を押さえて 目を細める
カーティス
頬を撫でた風と、微かな鐘の音に 普段と同じ、不敵な笑みを浮かべてみせた。
アストレア
「…ありがとう、マリア」
カーティス
「……」 マリアベルの墓石を見つめるアストレアの背中を、あやす様に小さく撫でる。
堪える事はないと気遣う様に、ひとつ、ふたつと。
アストレア
「………ふ、……」 肩がふるる、と 小刻みに震えて
「……ぅ……ぅぅ……」
ようやく少女は涙を流す
「………マリア……マリア……」
「……ごめんマリア…」
カーティス
「……」 その背を撫で続けながら、言葉は発さずに
少女から吐き出されるその嗚咽を受け止め 促す様に触れる
アストレア
暫く涙を流し続けて
ハンカチで顔を拭うと 青年に目元と鼻の赤くなった顔を向けて
「………ありがとう。やっと……涙が出せた」
「ずっとずっと、泣けなくて……自分がどれだけ薄情者かと、思い知らされてきたから」
カーティス
「薄情だから泣けなかった、じゃないだろう?」 答えはわかっているだろう、と問いかける様な声色だ。 
アストレア
「……気を張っていたんだ、ずっとずっと…‥報いるまで泣けないって……でも、やっと…」
「……ありがとう、カーティス」
カーティス
「礼なんて良いんだよ。俺は俺がしたい事を、したい様にしただけだ」
「だから、これはアストが向き合って、アストが答えを出したんだよ。……、」
「頑張ったな、アスト」 労う様に笑みを浮かべて、肩をひとつ叩いた。
アストレア
「……ああ」 頷いて 小さく笑った
カーティス
「……」 笑顔を見れば、笑みを深めて 「笑った顔が一番綺麗だ」
アストレア
「…こんな風に笑うことなんて、なかったから」
「……今がすごく、楽しいよ」
カーティス
「これからは、もっと笑えるさ」 
「何たって、俺と一緒なんだからな」 不敵に笑ってみせて
アストレア
「……うん」
カーティス
「……もう少し、ゆっくりしていくか?」
アストレア
「…いや、帰ろう」
カーティス
「ああ、わかった。……、と」
アストレア
「もしかしたら、まだ駆け込みの仕事があるかもしれないし」
「やっと眠る場所が出来たんだから…ゆっくりさせてあげたい」
カーティス
「……手だけ、ちゃんと合わさせてくれ」
アストレア
「うん」
カーティス
墓前に屈み、両手を合わせて
眼を伏せ、小さく息を吐いた。
見ててくれ。……そう墓前に祈ると、ゆっくりと腰を上げ、アストレアに振り向いた。
自分はこれで、と示す様に頷いて見せる。
アストレア
聖印に触れて祈りの言葉を捧げると
カーティスに頷く
カーティス
「それじゃ、行くか。……また来るぜ、マリアベル」
アストレア
「…‥またね」
カーティス
墓石に手を振ると、下ろしたその手でアストレアの手を取って
エスコートする様に、彼女の手を引いた。
アストレア
手を引かれて続いていく
カーティス
こんな感じかな
アストレア
私はこれでいい
うん
お疲れ様でした
カーティス
お疲れ様でした
2022/05/26_1 だな
アストレア
ありがとう。
また遊ぼう。撤退するよ
!SYSTEM
アストレアが退室しました
背景
BGM