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幕間

20220526_0

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ディスノミアが入室しました
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フェリシアが入室しました
ディスノミア
いらっしゃいませ
フェリシア
お邪魔します
標で、というよりはお宿で、でしょうか
ディスノミア
大丈夫ですよ
フェリシア
では今回は標で、にしましょうか
ディスノミア
わかりました。
フェリシア
時間帯に希望はありますか?
ディスノミア
何時でも大丈夫ですよ。
フェリシア
わかりました、では夕方前、お茶の時間程度の時間に
よろしくお願いします
 
 
 
ディスノミア
と……すみません。描写をしてもらっている間に少し離席を
 
 
 
 
ディスノミア
よろしくお願いします
 
 
 
フェリシア
はい、大丈夫ですよ
 
リアン地方イルスファール王国 星の標
此処は国内でも有数の冒険者ギルド支店としてその名を輝かしいものとしている
数多くの冒険者を取り揃え、高い依頼達成率を誇り、国の内外。個人・組織を問わず依頼が舞い込んでくる
それはただし、朝の時間帯である場合だ
争奪戦と呼ばれる朝の時間帯が過ぎると、駆け込み待ちのものや探し屋の地図を当てにするものが増えて
そして昼ごろまでには一般客が入り混じり、仕事の話は小さくなる
そして一番人が少ない時間帯
お茶の時間。軽食を取りに来た一般人に混じりながら、
二人の少女が向かい合って座っている。
初夏の装い 薄手のワンピースに薄いジャケット 帽子をかぶった赤髪の少女は アイスティーとショートケーキを前に小さく息をついた
フェリシア
「………、」 結局、仕事は取れなかった。まあ、取りに行けなかったと言ってもいいかも知れない。少しの気落ちが、仕事を遠のかせた事実が少女には憂鬱だった
それは先日の依頼の折、ジョナスによく似た場所で、魔物と交戦した際に、原因不明の感染症に罹患した可能性があったからだ。
幸い、同行した神官の技量もあり、経過も良好。特段問題なく過ごせてはいるのだが、その時に焼き付いた気持ちが、わだかまっていた
ディスノミア
ごめんなさい、戻りました。
フェリシア
おかえりなさい
ディスノミア
――……」 対面に座るもう一方の少女――というには、醸し出す雰囲気が艶やかに過ぎる娘――は、目の前の少女の様子とは対照的に楽しげな様子でコーヒーゼリーを頬張っている。
フェリシア
「…お好きなんですか?」
つい、そう声をかけてしまう 気の入ってない声音で対面の楽しげな人物に目を向ける
ディスノミア
「好物かと問われると、そうではありません。ただ少し、昔を懐かしんでいたのです」 口元に笑みを浮かべたまま返すと、小さく首を傾げて。 「あなたの方は、折角美味しい菓子を目の前にしているというのに、浮かない様子ですね」
フェリシア
「……、まあ、楽しい気分とは、言い難いところです」
言い訳を考えて数秒 渋々と認めると頷いて
ディスノミア
「何か気がかりでも?」
フェリシア
「……先日の仕事が尾を引いていまして、それで今日依頼を取りに行けなかった事を気にしているんです」
ディスノミア
「先日の仕事というと」 思い出すように頬に片手を当て。 「ああ、奇妙な病に罹ってしまったかもしれない、というものですね」
フェリシア
ショートケーキのいちごを皿の端に避けると 先の方からゆっくりとフォークを入れて
「ええ」 頷いて
ディスノミア
「ふふ、あの時のあなたの落ち込みようは、見ていて大変豊かな気持ちになれました」
フェリシア
「……そうですか」 一口運んで咀嚼した後 甘いはずなのに苦い顔をした
ディスノミア
「尤も……その絶望を与えたのが私ではない、という点で面白くは無かったのですけれど」
「しかし――」 コーヒーゼリーを食べ終えると、両肘をテーブルに立てるようにして手を組み、その上に顎を乗せて。
フェリシア
「……、」 浮かない顔で二口目を運んで
ディスノミア
「病はもうすっかり治って、身体への影響も残っていないのでしょう? 何処に気掛かりがあるというのです」
フェリシア
「……、記憶に焼き付いてしまって」
「……あの時思ったこととか」
ディスノミア
「ああ、なるほど」 納得したようにぽんと手を打った。 「初めて明確に死を意識した時の記憶や思考は、色濃く残るものですからね」
フェリシア
「……、戦場に出た経験がないわけじゃないんです。でも、」
「……、明確に、自分がああなるという事をイメージした時、すごく嫌で…怖かったんです」
ディスノミア
「ただ死ぬばかりでなく、醜悪な魔物と化して理性を失い暴れ回った果てに死ぬ。確かに、まともな思考の持ち主からすれば、とても受け入れられる最期ではないでしょう」
フェリシア
「……あの人も……人間なのに、と」 息をついてフォークを置くと アイスティーのグラスを手に取る
ディスノミア
「人を手に掛けるのは嫌だ、と?」
フェリシア
「いいえ。そうではないんです」
「……あの人も人間だったのに、私は……ああはなりたくないと思ってしまったんです。線を引いてしまった」
「それが…‥少し辛いんです」
ディスノミア
「何だ、そんなことですか」 背もたれに背を預けると、ふうと息を吐いた。
「一度変異してしまえば、人間でないのは明らかでしょう。その人だって、自分がそうなる前は同じように思っていたに違いありません」
フェリシア
「…‥」 なんだとはなんだ と言いたげな目を向けて
ディスノミア
「自分とは異なるものだと認め、それを排除することの何処が悪いのですか?」
フェリシア
「……」
「異なることを認めるのは良いことです。違いがあるからそこに差があり、そして……差を埋めたりその差を利用して、新しいものが生まれることもある」
「……でも排除してしまえばそれきりです」
ディスノミア
す、と目を細めて。 「――あのように、もはやそれ以上何を生み出すこともなく、ただ滅んでいくだけの存在と化した相手にも、それを期待するのですか?」 あたかもその眼で見てきたかのように、確信めいた様子で問うた。
フェリシア
「私は……そうしてしまえと思ってしまった。そういう・・・自己嫌悪です」
「……、まるで」
「見たことがあるような口ぶりですね」
ディスノミア
「まったく同一の状況であるのかは知りませんが、私たちの故郷は似た状況に陥り、滅びへの道を辿り始めました」
「まあ、私はその最後を見届けられたわけではありませんが」
フェリシア
「……アトランティスという国がですか?」
ディスノミア
「空と大地から黄昏を告げる星が降り、己が住み、愛していた街は無惨な瓦礫の山と化して。昨日まで話していた友、家族は一夜の内に狂気に堕ち、あるいは醜悪な魔物へと姿を変える」
フェリシア
「大地から……?」
ディスノミア
「その現実を受け止められず、遺された人々もまた悲しみに暮れ、絶望を喰らう剣はそれを喰らい、己の腹を満たし、より大きく膨らんでいく」
フェリシア
「………、」
ディスノミア
――ええ。空からも、地の底、海の底からもまるで魂が空へと昇るように、星の欠片のようなものが現れました」
「そんな状況に置かれた国の出ですから。私も少なからず、人間だったものの相手はしてきました」
フェリシア
「そうですか…」
ディスノミア
「大半の人間は、あなたのように考えていたことでしょうね」
フェリシア
「……でも」
ディスノミア
「古くから共に過ごしてきた友を、永遠の契りを交わした最愛の伴侶を、どうにかして生かすことは出来ないか、治すことは出来ないか」
「そう考えながら、皆己が生き残るためにその相手を殺したのです」
「でも?」
フェリシア
「………、そう考えてしまえば、それこそ終わりだと思うんです」
「行き着いてしまった先を、たどり着いてしまった場所を……受け止めて進むのも強さなら」
「諦めないのも強さだと……私は思うから」
ディスノミア
「その場において、それは諦めない強さではなく、ただの迷いでしかありませんでした」
「覚悟なく剣を取った者は、必ず躊躇する時が来る。そして、最愛の相手を殺すよりも凄惨な結果を引き起こすのです」
「私は幾度となく、そうした迷いを持った者を殺しました」
フェリシア
「……、躊躇はありませんでした。あるのは‥手元にあるのは後悔だけです」
「味方を…討ったのですか?」
ディスノミア
「その後悔が、やがて判断を鈍らせるのです」
「……」 目を伏せ、口元に笑みを浮かべた。 「ええ。必要な時はそうせよと命令を受けていましたので」
フェリシア
「………その点に関して言えば、」
「貴方は立派だと思います」
「私ではきっと……徹底は出来ないと思うのです。それが至上命令であっても」
ディスノミア
フェリシアの言葉を受けると、笑みを意地悪く深める。 「――とても、とても良い時間でした。そのような命令が下されていることは、私以外、誰にも、皇子殿下や姫様にさえ、知らされていませんでしたから」
フェリシア
「……、そうですか」
ディスノミア
「自分は堕ちた仲間を救うのだという大義に燃えている者を裏切り、背後からその身体を貫く。……あの時私が感じた快感は、それはもう筆舌にし尽くし難いものでした」
フェリシア
「……、」 表情を暗いものにしながら ディスノミアの顔を伺って
ディスノミア
「ふふ。直前に私のことを立派だと言った人間の表情ではありませんね」
フェリシア
「……分からなくて」
「辛くはなかったのですか?」
「貴方1人で……その役目を背負わされているのに」
ディスノミア
一瞬、優しげに目を細めた後、にこりといつものような笑みに戻って。 「どうだったと思いますか?」
フェリシア
「辛かったと……思います。でも貴方は絶対、そうは言わないとも思います」
「楽しかった。出来るならまたあの気持ちを味わいたいと言うと思います」
「……でも、」 「…そう振る舞う必要は、今はあるのですか?」
ディスノミア
「まるで私が、本心からこう振る舞っているのではないとでも言いたげですね」
フェリシア
「……私は」
ディスノミアの瞳を緑色の瞳が写して
映して
「……貴方の所作や、立ち振舞の中に、……貴方が秘める怖さとは違うものを感じていて」
「だから、そうじゃないと……私は思っています」
ディスノミア
ふ、と嘲るような声が唇の間から漏れた。 「子供ですね。そこが好ましくもあるのですけれど」
「残念ながら、私は本心から他者を蹂躙し、破壊する行為を至上の幸福だと考えています」
「ただ、そうですね。ひとつ、あなたの純真な誠意に応えてあげるとするのならば、」
フェリシア
「……、」 なんとか伏せそうになりかける目をディスノミアに向けて
ディスノミア
「私のこれは、ある種の病のようなものだとは言っておきましょう」
「補足しておきますが、それが治ることがあるとは期待しないでくださいね」
フェリシア
「…以前も伺いましたね」
ディスノミア
「あら……もう話していましたか?」
フェリシア
「ただ、だからこそ……そこでそういうものだと線を私は引きたくないのです」
「‥…はい、部屋で、危険なものを危険なものとして受け止めきれる人は少ないと言った時に」
「私は……貴方のようになりたくはなくても、貴方をそういうものだからと排除はやはりしたくないのです」
ディスノミア
「私とあの魔物たちを同列のように語られるのは、些か納得がいかないものがありますね」
フェリシア
「同列…ではないですが、危ないとは思います」
「だから、口うるさいかとは思いますが注意しますし、止めもします」
ディスノミア
「ええ。それは構いませんよ。あなたのような可愛らしい子の抵抗を見るのは、とても心が躍りますから」
フェリシア
「ただ、……私の役目とは別に、貴方を出来る限り、尊重できるようにしたいんです。刃物を軽率に向ければ確かに危険です、ただ」
「向けるべき方向を誤らなければ、それは人と自分を守る力になります」
「……そういう形で共存できれば、良いなと思うんです」
ディスノミア
「姿はさておくとして、私とあの魔物たちの大きな違いは、理性が残されているかどうかです」
「私には、自分を最低限律するだけの理性は残されています。それが機能している間は、表立って罪を犯すことはないでしょう」
「その間は、あなたのいう共存も不可能ではないでしょうね」
フェリシア
「……、ええ、難しくないと私は思います」
ようやくそこで笑顔を作って
ディスノミア
「ですが、私の病は理性を軽々と踏み躙り、私は欲望のままに破壊と蹂躙を繰り返す獣と化す」
――私はそれを不幸だとは思いませんし、それが最も私にとって素敵な道だと思っています」
フェリシア
「差し上げます」 端に寄せておいたイチゴをフォークに指すと差し出して
ディスノミア
「それが私に刻まれ、受け入れた性なのです」
フェリシア
「きっと、獣になっても、……この味はきっと美味しいと思いますし、」
「その時は…必ず私が止めて差し上げます」
ディスノミア
――ふふ」 差し出されたフォークではなく、フェリシアの腕をぐっと掴んで引き寄せて。 「そういう油断が、あなたを窮地に陥らせるのですよ」 顔を寄せれば、イチゴではなく、フェリシアの手をねっとりと舌で舐めた。
フェリシア
「……っ」 驚いてフォークが揺れて
ただ落とすことはせずに、指先でイチゴを取ると
手に寄せられた口にイチゴを押し込んでみせた
ディスノミア
あむ、と押し込まれたいちごを咥え、顔を引くと手で口元を隠し、ゆっくりと咀嚼して呑み込んだ。
フェリシア
「……、びっくりはしました、けど」
「これを油断だとは思いません」
ディスノミア
「ふむ……」
フェリシア
舐められた箇所を撫でながら
ディスノミア
「ではこれも伝えておきますが、」
「私が好みの異性だけでなく同性を好むのは、病に罹る以前からです。そんなことばかり言っていると、本当に食べてしまいますよ?」
フェリシア
「……、わ、私は異性愛者ですから」
「そのようなことを言われても……それに、ええと」
「私では楽しくないですよ。きっと」 しどろもどろ
ディスノミア
「ふふ、心配しなくとも、きちんと愉しませてあげます。普通に戻れなくなってしまうかも知れませんが、それは私の知ったことではありませんし」
フェリシア
「……、」
顔を赤く染めて 「お、お昼の時間帯ですよ」
ディスノミア
「……あら、イルスファールにはお昼からそのような話をしてはいけないという法があるのですか?」
フェリシア
「それは私は存じ上げませんけれど……普通はそういった話は子供が起きている時間にはしないものです…」
ディスノミア
「別に他の誰が聞き耳を立てているわけでもありませんし、聞かれた所で困るものでもありません」
フェリシア
「道徳的な問題です……常識というか…」
アイスティーに口をつけて言葉を切る
ディスノミア
「ふむ」
「……成程」 悪戯を思いついたように、楽しそうに笑う。 「では、この続きは今夜の愉しみに取っておきましょう」
「人に聞かれる心配がなく、子供が寝静まった時間ならばしても良いのでしょう?」
フェリシア
「……な、何を考えていらっしゃるのですか」
ディスノミア
「親睦を深めるための会話を考えているだけです」
フェリシア
「………、」 むむむ
「…楽しみに…しておきます」
ディスノミア
「ふふ、いい子ですね」
「食べ終わったのなら、そろそろ出ましょうか。折角暇が出来て、天気も良いのです。デート日和を逃す手はありません」
フェリシア
「……お付き合いします。何処に行きますか?」
ディスノミア
「そうですね。キルヒア神殿を冷やかしてから、買い物に付き合っていただけますか?」
フェリシア
「わかりました」
「なにか読みたい本でもあるのですか?」
ディスノミア
「いいえ。偶にはかつての信仰神の神殿を訪れてみようと思っただけですよ」
フェリシア
「なるほど」 頷いて微笑んで
「私の女神の神殿は、この国にはないようですけれど」
「あやかって、一緒にお祈りを捧げようと思います」
ディスノミア
「ええ。ラーリスでもなければキルヒアが拒絶することはないでしょう」
「さ、いきましょう? 色々と買いたいものもあるのです」 立ち上がると、手を差し出す――だけでなく、フェリシアの腕を強引にとって自分の身体に引き寄せて。
フェリシア
「あ、っと……」
引き寄せられると姿勢を整えつつも 困ったようにそのままの距離を保って
「では行きましょう…でも歩きにくくないですか?」
ディスノミア
「そんなことはありません。こうして歩くのには慣れていますから」
フェリシア
視線を泳がせながらそう口にして
ディスノミア
腕を組んでフェリシアの肢体を自らの傍に引き寄せたまま、歩行を阻害しないよう心得た動きで歩き出す。
フェリシア
「……あぅ…」 そのまま保持されたまま歩き出して
ディスノミア
その体勢のまま、上機嫌で街へと繰り出していった。
ディスノミア
というところで私は大丈夫です。
フェリシア
私も大丈夫です。お付き合いありがとうございました
夜が怖いですね…
ディスノミア
こちらこそありがとうございました。
うふふ、愉しみにしていてくださいね
2022/05/26_0 ログ番号はこちらです。
フェリシア
助かります。
それではまた遊びましょう。ありがとうございました
ディスノミア
ええ。また次の機会に
フェリシア
失礼します
!SYSTEM
フェリシアが退室しました
!SYSTEM
ディスノミアが退室しました
背景
BGM