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幕間:くもりのちはれ

20220505_1

!SYSTEM
アデルフィアが入室しました
アデルフィア
場所はどこにしよう
【✔:標】 [×:その他,街中,神殿]
 
 
〈星の標〉:昼過ぎ
アデルフィア
思ったより暗い…
〈星の標〉:昼過ぎ
アデルフィア
リテイク!ヨシ!
この店の困った名物ともいえる朝方の依頼争奪戦とその名残がすっかり過ぎ去った閑散とした頃合い。
店内には数えるほどしか人が居ない。外は快晴、日差しは強過ぎず、爽やかな風が吹く、そんな非常に過ごしやすい天気だった。
普段なら仕事を取り逃がしたり、出遅れて来た者達が自棄になって昼間から酒を飲んでいたりもするものだが、今日はそれすらも少ない。
天候の良さに、アステリア神殿のある緑豊かな公園や、運河沿いの涼しい場所にでも向かったのかもしれない。
そんな店内を訪れた者が一人。
胸にライフォスの聖印が描かれた灰色の修道服を身に包んだほっそりとした少女だ。
透けるような白い肌と、銀灰色の髪と相まって、色彩をどこかに置いてきたような浮世離れした雰囲気をしている。
しかし、今日は色彩のみならず、精彩を欠いていた。
元々、人形のように感情の動きが乏しい少女だったが、様々な経験を経て、少しずつ情動を取り戻してきていた。
だが、今日の様子はと言えば――
 
 
アデルフィア
「……」 機械を組み合わせたような奇妙な杖を突くのではなく、胸に抱え込むようにしてやや俯きがちに店を訪れた。
外の天気とは対照的にその表情は曇っていた。カウンター内に店主の姿を見つけると顔を上げ、一歩踏み出しては立ち止まり、杖を握る手に力を込める。
ガルバ
らしくない様子に面倒事か相談事だろうと察した店主が嘆息し
「そんなところをウロウロしていると他の客の邪魔になる。用があるならこっちに来て座ったらどうだ」
アデルフィア
「……はい」呼び掛けに応えるとカウンターへと向かい席に着いた。杖は隣に立てかけたりせずに両手と体でしっかりと保持したままだった。
ガルバ
「……」帳簿の記帳を中断し、着席した灰色の少女に目を向けた。
アデルフィア
「……」
ガルバ
「……」
アデルフィア
「……私は、」しばしの沈黙を経て、口を開く。
――……信仰を、失うかもしれません」
ガルバ
「…………何?」
少女の出自は知らされている。“庭”の構成員であり被害者でもある。廃人同然の状態だったところを神の奇蹟によって目覚め、ライフォス神殿の預かりとなったという。
イルスファールの神殿に籍を移してからの評判も悪くはない。教えに忠実で、神殿での務めにも熱心すぎる程だという。そこを除けば模範的な神官というのが概ねの評価だ。
「奇蹟を降ろせなくなったということか?」 もし本当にそうなのだとすれば冒険者としての活動は困難になるだろう。確認しないわけにはいかなかった
アデルフィア
「……いいえ。今は、まだ」ふるふると首を横に振る。表情は晴れない
ガルバ
「では、なんだ? 教えに疑念でも抱いたか」
アデルフィア
「いいえ」
ガルバ
「……なら、どうしてそう思ったんだ」
アデルフィア
「…………」肩を落として俯き、杖を縋りつくように抱き込んだ
ガルバ
叱られた子供を前にしているような気持ちになり、居た堪れなさに顎を指の腹で擦る。意識して渋面にならないよう気を付ける為だ。
「俺は神でも司祭でもない、お前の信仰とやらをどうにかしてやれるわけじゃないが」
「話くらいは聞いてやることが出来る」
アデルフィア
「……」
ガルバ
「……」
アデルフィア
「……ある方が10年振りに再会した女性と結婚しました」
「私はその結婚を祝福出来ませんでした」
ガルバ
「……」およそ色恋沙汰とは縁も所縁も無さそうな少女からの何とも生々しい(?)話に石を呑んだような表情になってしまった。
アデルフィア
「途絶していた縁が再び繋がり、お二人にとって最良で幸福な結末を迎えたことになります」
ガルバ
「お前は、その」 その男に横恋慕でもしたのか、なんて余りにも聞き出しにくいことだ。これがもし娘だったらどうしていたことか
アデルフィア
「……ライフォスの教えを守るものとして、祝福すべきでした」
ガルバ
「教えを守るものとして、か……なら、お前個人はどこに納得が行かなかったんだ?」
アデルフィア
「私、個人……」聞き返されて瞬きをして
ガルバ
「神官としてどう接すべきだったかは分かっていたのだろう?」
アデルフィア
「はい」
ガルバ
「なら、頭で理解している事と、お前の心が着いて行けていないということじゃないのか」
頭で理解している事に、だな
「それと信仰を失くすという話にどう繋がるのか……いや、待て」
アデルフィア
「……なんでしょうか?」理性と感情の隔たりがあるのではという指摘に深く考え込んでいたが、待てと言われて顔を上げ
ガルバ
「まさかと思うが、教えに反することを思ったから神に見放されるなんて考えているんじゃないだろうな」
アデルフィア
「!」弾かれたように顔を上げ、店主の顔をまじまじと見つめた。図星、と顔に書いてある。
ガルバ
「……お前のところの神は寛容を謳っているだろうが。そんな事で信仰を失くすようなら、この店に出入りしている連中はとっくに居なくなっているだろう」
アデルフィア
「ですが、寛容と言ってもその線引きは人が計れるものでは」
ガルバ
「奇蹟を取り上げられているわけでは無いんだろう? なら、今は線の内ということなんじゃないか」
アデルフィア
「……」
アデルフィア
今日は此処で中断!
なお乱入はおおいに結構!
( ˘ω˘)スヤァ
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が入室しました
すやあ
ガルバ
「たまには服でも着替えて出掛けてきたらどうだ」
アデルフィア
「ありません」
ガルバ
「なんだと?」
アデルフィア
「私が所有している衣服はすべてこれと同じものです」
ガルバ
「……なら、まずそこからだ、そら、さっさと行け」
表情に乏しいながらも困惑した様子の少女を店から追い出す。外は快晴、ただ歩くだけでも幾分か気分転換にはなろうというものだ。
 
 
王都イルスファール 市街地:昼過ぎ
アデルフィア
「……」 空は快晴で風の心地良い、そんな昼下がり。灰色の少女は市街をあてどなく歩いている。服を替えろと言われたので衣料品店へと向かってはいるが、足取りは軽くない。
ライフォスの神官である自分の立場をこれ以上なく示すこの修道服。何が行けないのか
「……あぁ」 しかし、もし信仰を失ったなとしたら、自分にこれを着続ける資格はあるのか
ちょっと焼きそば取ってきてから入る
アデルフィア
「……」 なんとはなしに頭巾を脱いでみる。銀灰色の長い髪が陽の光に下にさらされ、風に吹かれてサラリと揺れた
「……」 頼りなさのようなものを感じて再び頭巾を被り直そうとする
ホークアイ
「ふぁーあ……」 そんな少女の向かう方角から、退屈そうにあくびをしながら歩いて来る娘の姿がひとつ。
アデルフィア
見るからに神官という出で立ちで道の真ん中で立ち止まり、緩慢な動作で頭巾を脱いでは被る少女はそれなりに人目を引くだろう。
ホークアイ
普段の旅装とは違い、薄手のシャツに同じく淡い桃色のカーディガンを羽織ったその娘は、手にした串焼きを齧りつつ、のんびりと歩いて来て。 「ん?」
気にしなくても目立ってしまうその姿を見つけると、面白いものを見つけたとでも言わんばかりにアデルフィアに寄っていった。 「何してるの?」
アデルフィア
「……」 しかし、これもまた修道服の一部で、やはり資格が、と堂々巡りの思考に陥りかけていたところ、
「……服を、着替えろと言われました」 事実ではあるが不十分な回答だ。それに挨拶も抜けている。
ホークアイ
「えぇ……誰に?」
アデルフィア
「店主様にです」
ホークアイ
串に刺さったイカ焼きを一口かじると、むぐむぐと咀嚼してから飲み込んで。 「……何で?」 一瞬キモ、とかいう言葉がでかかったが、あれに限ってそれは流石にないだろうと理由を問うた。
アデルフィア
「私が、今後の事について相談をいたしました」
「店主様は“たまには服でも着替えて出掛けてきたらどうだ” そう、仰られました」
ホークアイ
「んー……?」 それがどう服を着替えることに繋がるのだろうと考えてから、あ、と顔をあげた。 「好きな相手が出来たとか」
アデルフィア
「好きな相手、」顔を上げ、反応を見せた
ホークアイ
「いやまあ、多分違うだろうなとは思うけど。気分転換でもしろ、ってつもりで言ったんじゃないの」
アデルフィア
「好きな相手、愛する人、恋人、伴侶……そう思える相手が居ると、人はそれ以外のことを疎かにしてしまうものなのでしょうか」
ホークアイ
「恋は盲目、なんていうからね。全員が全員そうとは限らないけど、視界が狭まる部分があるのは否めないかな」
答えつつ、邪魔になるからこっちに、とアデルフィアの腕を取ると、近くの店先にあったベンチに座らせた。
アデルフィア
「あまりにも不確かな未来の為に、目の前にいる隣人を蔑ろにする……それが最終的に結果に繋がったとしても、過程は……」
誘導には素直に従ってベンチに腰を下ろす
ホークアイ
「なんか難しい話してるな……」
「人間なんて万能じゃないんだから、仕方ないんじゃない。そりゃ、好きな相手とそうでもない相手どっちを優先するかって言われたら、前者を優先するのは当たり前だし」
アデルフィア
「長い別離の時を経て、最良の結果を得たお二人を私は祝福すべきでしたが、出来なかったのです」
「ですから、信仰を失うことになるかもしれないと、そう思い、店主様に相談を」
ホークアイ
「ふぅん……? 離れ離れになった恋人が再会して結ばれたんなら、いい話だと思うけど」
アデルフィア
「店主様は教えに反することを思ったからといって神に見放されることはない、と仰ってくださいましたが、それを決めるのは私ではありませんので」
ホークアイ
「何で祝福出来なかったの?」 すとん、と自分も隣に腰を下ろした。
アデルフィア
「それは……」 名前や場所といった特定に繋がる内容を省いて事情を説明する。
いったいなにがあったんだ
アデルフィア
蛮族に村を襲撃され、門番だった男は腕を失い、川に落ちたが一命を取り留めた。村に戻ると恋人だった女の弟に、彼女が自分が死んだと思って後を追ったようなことを言われ、非難された。男は失意の中、村を去って冒険者になり、大成した。
女は死んではいなかった。それに男が死んだとも思っていなかった。予言と言えるほど未来を言い当てる占い師に男の運命を聞き、凶兆を避けて彼と結ばれる最良の方法は、一時身を隠して眠りにつくというものだった。
女は家族にも男にもその方法を告げずに身を隠し、時を待った。10年後、アデルフィアらと共に男は女の眠りを解き、二人は結ばれた。
もう一人の当事者である女の弟には謝罪をして受け入れられ、当事者の間では和解を得られ、二人は幸せな結婚をした。
そんな話をしたわけだが、説明の様子からその女の行動に対しての不満を抱いているのは伝わってくるだろう。
ホークアイ
「うーん、別に素直に祝ってあげてもいい気がするけど。何がそんなに不満だったの?」
アデルフィア
「……大切な方を失くしたと思わせたままにしたことです」
ホークアイ
「ま、確かに男が生きてるって分かってたなら、死物狂いで探す方が燃えるね」
「早く安心させてあげるべきだった、っていうアンタの主張、わからないではないよ」
アデルフィア
「……その事件を経たからこそ、その方は冒険者になり、強くなれたのだそうです」
「ですが、そうなることが幸福になる為に必要だったのか、私にはわかりません」
ホークアイ
「普通、そこで冒険者になって大成してやろうだなんて思わないだろうしね。立派かどうかはともかく、大した奴だとは思うよ」
「別に冒険者になっててもなってなくても、最終的に二人がまた出会えたなら幸せだったろうし、そこは関係ないんじゃない?」
アデルフィア
「あのお二人は……一緒に居られる方法があったのに、私は」 膝の間に立てた杖をギュッと握り締める。表情の乏しい顔にある感情が浮き出していた。 嫉妬だ。
「傍に居られる方法があったなら、そうすべきだったのです」
ホークアイ
「どうかな。言いたいことは分かるとはいったけど、それが正しいかどうかは、他人に決められることじゃないよ」
「話を又聞きした私は勿論、直に見たアンタたちだって、所詮は他人。当人たちの考えや感情を完全に理解することなんて出来ないんだ」
「本人たちには、本人たちにしかわからない思いがある。それでも二人が間違っていたと思う、思いたいのは――妬みから?」 琥珀色の瞳が細められ、感情が滲み出た表情を横から見やる。
アデルフィア
「……思いたい、私が……妬みを……?」
ホークアイ
「何を羨ましく思ってるのかは知らないけど、そういう顔に見えたな」
「その男に横恋慕してたっていう感じじゃないだろうし……んー」
アデルフィア
「私があのお二人を祝福出来なかったのは……二人が一緒に居られる、から……私は、そうではなかったのに」
ホークアイ
「やっぱりそれか。自分は一緒に居たい相手と居られなかったのに、って」
「割と乙女だね」
アデルフィア
「あぁ……あぁ……やはり、私はライフォスの教えに、反して」
ホークアイ
「……?」 色恋沙汰の話になるかと思って楽しそうにし始めたが、続いた言葉に怪訝そうな表情に変わった。 「えぇ、ライフォスってそんなくらいでキレるの……?」
アデルフィア
「人の和を尊び、隣人を愛する。奪わず、騙さず、与え、信じる……私は、私心からそれを見失っていた事になります」
「今日や明日ではなくとも、きっと、いつか見放されてしまいます……」
ホークアイ
「じゃあダルクレム信仰(こっち)に来る? 嫉妬しまくっても別に何にも言われないよ」
アデルフィア
親に叱られるのを畏れる子供の様な表情で小さく震え
「……私に寄り添ってくださったのはライフォスです。それを裏切るような事は」
ホークアイ
「そ。残念」 まったくそうは思ってない口調で言って。 「ライフォスに声を掛けられる前は、どんな子だったの、アデルフィアって」
アデルフィア
「人ではありませんでした」
ホークアイ
「じゃ、今より他人のことを気にしてなかったわけだ」
「そんな子にも声を掛けるようなライフォス(やつ)が、簡単にアンタを見限ると思う?」
アデルフィア
「……」
ホークアイ
「大体、アンタよりもっと腹黒くて汚いライフォス神官なんていくらでも居るよ。むしろそういう奴の方が多いんじゃないかってくらい」
「そんな奴でも簡単には神聖魔法を扱う力を奪われないんだから、そういう心配をしてる間は、奇蹟を下ろせなくなることなんてないって」
アデルフィア
「店主様も、そう仰っていました……神は寛容だ、と」
ホークアイ
「寛容なのか、細かい所まで見てる余裕なんてないのか、どっちなのかは知らないけどね」
アデルフィア
「考え過ぎ、なのでしょうか」
「これも、私が神の寛容を信じられずにいるという事なのではないでしょうか」
ホークアイ
「真面目だなぁ……」
「ま、似非神官たちよりはよっぽど好感が持てるけど」
「自分の信仰と真面目に向き合って、それが正しいのかどうか問答するのは良いことなんじゃない? 考え過ぎとは言わないよ」
アデルフィア
「信仰を失ってしまえば、アークが与えてくれた気付きを無為にしてしまいます……」杖をぎゅっと抱き込んで
ホークアイ
「そういうことを考えてる間は大丈夫だ、って言ってるの」
アデルフィア
「そう、なのでしょうか」
ホークアイ
「そうだよ。私の住んでた場所になんて、子供を食い物にしてるライフォスの司祭が居たよ。しかも神聖魔法もちゃんと扱える奴がね」
「それに比べたらアデルフィアなんて聖人も聖人。真面目過ぎて直視出来ないレベル」
アデルフィア
「……そんなことをする者に、何故、奇蹟を……神があれから応えてくださらないのは、見て、聞いていらっしゃらない、から……?」
「それとも……人が変われのだと、待っていらっしゃるのでしょうか……」
ホークアイ
ため息をついて。 「どっちかっていうと、アデルフィア自身の心の持ち様の問題じゃないかな」
「ライフォスっていうより、自分が一番自分を疑ってるんじゃない?」
アデルフィア
「私が、私を……?」
ホークアイ
「そ。神の力を借りるって言っても、魔法は魔法。それを行使する本人の身体、精神の状態は大事だよ」
「だから、アンタが自分は神の力を借りるに相応しくない人間だ、自分には奇蹟を下ろすことなんて出来ないんだなんて考えてたら、実際にライフォスがどう思ってようが魔法の行使なんて出来ないし、声だって聞こえなくなるの」
アデルフィア
「……」自分は欠陥品として廃棄されたもので、それをライフォスが拾いあげてくれた、それが事実で、根底だと思っている
「私に足りないものは……」
「隣人や神を信じるように、自分を信じること……ということ、ですか?」
ホークアイ
「多分ね」
アデルフィア
「……とても、難しいことです」
ホークアイ
「自分に自信を持つのって、案外難しいことだからね」
「ただ、まあ」
「ライフォスがアデルフィアを拾い上げたのも、そのアーク?って奴から何かを託されたのも、アンタを信じてのことなんでしょ」
アデルフィア
「……私が私を蔑ろにするということは、」
「彼らを蔑ろにすることと、同じ……」
ホークアイ
「そーいうこと」
アデルフィア
「そうであるならば、私は変わらなければなりません」
顔を上げ、背筋を伸ばした
ホークアイ
「少しはいい顔になったね」
アデルフィア
「顔の良し悪しが変わるような時間は経っていないと思いますが」
ホークアイ
「人の表情や機嫌なんてすぐに変わるものだよ」
アデルフィア
空を見上げるといつの間にか曇り空になっていた。風も少し冷たい
「……」そんな空を見上げて、神殿を出て来た時よりも心が軽くなっているのを感じる。
ホークアイ
「そういえば、着替えろってガルバさんに追い出されたんだっけ?」
アデルフィア
「そうかもしれません」僅かに唇を綻ばせ、その口が、あ、の形に小さく開かれた
「そうでした」
ホークアイ
空になった串を咥えたまま立ち上がると、ひょいっとそれを投げて、遠くのダストボックスに入れた。
アデルフィア
「服を着替えることで、“神官ではない私”になるよう暗示を働かせよ、という事だったのかもしれません」
ホークアイ
「そこまで考えてるかは知らないけど、格好を変えるのはいい気分転換になるからね」
「どうする? 着替えるつもりがあるなら、買い物に付き合うけど」
「素材はいいから、コーディネイトのしがいはありそうだし」
アデルフィア
「宜しいのですか? 既に多くの時間を割いていただいています」
ホークアイ
「いいよ。暇だから一人でぶらぶらしてただけだし」
アデルフィア
「素材」小首を傾げ
ホークアイ
「可愛い顔してるってこと。身体はもう少し肉がついててもいいとは思うけど」
アデルフィア
「……では、ご協力をお願いいたします。私では適切な服装を選ぶ事が出来そうにありません」
ホークアイ
「うん。じゃあいこうか」
アデルフィア
「食事の改善は試みています。以前よりは好転しています」
「……ホークアイ、あなたには愛称がありますか?」
ホークアイ
「えらいえらい。――……ん、愛称?」
アデルフィア
「お許しいただけるのであれば、そうお呼びしたいと……思いました」
ホークアイ
「うーん、こっちだと一部の人からはアイちゃんなんて呼ばれてるけど」
「ま、本名でもないし、呼び方に拘りはないから、好きに縮めて呼んでいいよ」
アデルフィア
「アイちゃん」
ホークアイ
「アンタからそう呼ばれるのは違和感すごいな……。まあ、その内慣れるか」
アデルフィア
「アイちゃん……ちゃんをつけては略する意味が薄れるように思います。では、アイ、と」
ホークアイ
「わかった。それでいいよ」
アデルフィア
「相談に乗っていただき感謝いたします。今日という日、この出会いを得られたことを幸運に思います」
アデルフィア
YOUはどんな服を選ぶの
ホークアイ
「ダルクレム信者に相談に乗ってもらったことはライフォスには黙っておいてね。神罰とか言われたらたまんないし」
アデルフィア
「……」パチクリと瞬きをして
あでにゃんには大人しめで清楚なワンピース系の服を選んであげたよ
アデルフィア
「彼の戦神との和解はライフォスにも成し得なかったことです」
「きっと、神はお許しくださると思います」
アデルフィア
長袖の白いワンピースと麦わら帽子!?
ホークアイ
「ライフォスはそうかも知れないけど、神殿の連中はなんて言うかわからないからさ。二人だけの秘密ってことで」
アデルフィア
「はい、わかりました」
アデルフィア
代わりに私にも服を選んでと言われたら
ホークアイ
「うん。じゃあいこう。んー……アンタに似合いそうな服だと――」 やや楽しそうに呟きながら、アデルフィアを店へと先導していった。
アデルフィア
『解放』とか書かれたクソダサTシャツをすすめてしまうかもしれません
部屋着には使うよ
せっかくだし……
アデルフィア
やったぁ
お付き合い感謝
情緒レベルがあがった
迷えるこひつじを導いてしまった
アデルフィア
えらすぎる
これでダルクレム神官レベルを見せびらかしてもだいじょうぶ
アデルフィア
ログはたぶんこう 20220505_1
やったあ
じゃあ撤退しよう
お付き合い感謝なのだ
アデルフィア
ありがとうありがとう
なんか退室出来ない
このまま×するか……
アデルフィア
なんと?
背景
BGM