追憶のリテラチュア 幕間:イスカ、フィアールカ
20220428_0
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- フィアールカが入室しました
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- イスカが入室しました
- イスカ
- どんなシチュがイメージですかのう
- フィアールカ
- 前回の終わり方から、お部屋で雑談になるかあるいはお外で井戸端会議かそんなイメージですね。
- 滞在中のみんなのお料理作りとか家事手伝いとかでもありかもしれないです。
- ルーベルリアさんのお屋敷は、外見は森にあるただの小屋で内部がなんかすごいって感じらしいです。
- イスカ
- イスカはあんまりそういう事しなそうだな……>家事手伝い お外でばったりが良いかな?
- フィアールカ
- では井戸端会議のような感じで参りましょう
- もしくは森をちょっと歩く感じでも。
- イスカ
- よいですよ
- フィアールカ
- ありがとうございます。よろしくお願いいたします
- 描写簡単に出しますね。
- イスカ
- よろしくお願いします
-
-
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- 極北の地アングルシ妃国をめぐる争乱に巻き込まれた冒険者達。
- 銀の魔女の転移魔法により敵陣が操るイグニスの焔による攻撃から辛くも逃れることに成功した。
- 転移先である紅の魔女ルーベルリアの館にて現在の状況を整理し…イルスファールにて一旦態勢の立て直しと、デミ・カルディアなるものの力を借りることとなった。
- ただ、イグニスの焔による傷は深く、しばし心と体に負った傷を癒す為の時を必要としていた。
- イスカ
- フィアールカが森の中を歩いているとばったり出くわす感じでどうでしょ
- フィアールカ
- OKです!
-
-
-
- フィアールカ
- 森の中を一人の少女が歩いていた。手にはバスケットを持ち、背中には念のためではあるが護身用の武器も背負っている。
- 先の戦いにおいて、肉体的な傷は癒えているものの…敵が操るイグニスの焔の爪痕は深く、身体の内部に鈍い痛みが残っている。
- 時間経過とともに回復はしてきているものの…武器を満足にふるえるほどではなく、とはいえ、寝そべってばかりでは体力も落ちるため
- こうして、身体に負担にならない程度に、ここにいる間は森を歩き、散歩していた。
- 元々が農村で生活をしていた身である。雪国にしばらくいたものの、森の清涼な空気が心地いい。
- #
- ルーベルリアの拠点から歩くことしばらく。緑深い森の奥から、かすかに水の流れる音がする。
- ちかくに、小川でも流れているのだろうか。
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- BGMを変更 by フィアールカ
- 落ち着く森の音70%
- イスカ
- あ、どうぞお進みになって!
- フィアールカ
- 川の音がすればその音の方向へとてくてくと歩く。帰りの道筋は頭の中に入っており、迷うことはない。
- フィアールカ
- ありがとうございます!
- #
- 草を踏み、木々のあいだを潜るようにして―― せせらぎに誘われるように、歩みを進めていくフィアールカ。
- フィアールカ
- まだ散歩中に誰かに出会ったことはないが…自分と同じように、外を歩いている者もいるやもしれない。
- #
- 草むらを抜け、小川に出たところで―― 鋭敏な感覚の持ち主であれば、風に混じる、ある臭いに気づくことができるだろう。
- 風にのって運ばれてくるのは、ある種の鉄臭さ―― 血の匂いだ。
- フィアールカ
- 「ん…?」
- 獣同士のいさかいであろうか?であればよいのであるが。
- 慣れたように気配を殺し、匂いの元をたどる。
- どのような対応をするにしろ、確認はしておかねばなるまい。
- イスカ
- 「シルヴァ、まだ駄目」
- そんな声が聞こえた。
- フィアールカ
- ぴた、と動きを止めた。
- 必要があれば抜かなければならなかった、研ぎ澄まされた刃のような気配をおさめる。シルヴァがいるのならばなおさらである。
- イスカ
- 「――ふぅ……」 赤く濡れた手で汚さぬように、腕のあたりで額をぬぐい、しなやかに背を伸ばす少女の姿。その足元には、解体途中の鹿が身をよこたえている。そして鹿よりもずっと大きな銀狼が、それを見守るようにして、川べりに身を伏せている。
- フィアールカが見たのは、そのような光景であった。
- フィアールカ
- 「…おや」
- なるほど。あの血の匂いは…シルヴァの食事であったか。ならば問題はない。
- 気配を隠す必要もなくなった。てくてくと普通に歩き近づく。
- 鹿の解体については顔色一つ変えず。むしろ…狩りの後の光景については見慣れたものである。
- イスカ
- ちかくの岩場には、脱ぎ捨てた衣服や防具がかけてあった。汚してしまうのを嫌ったのだろう。肌着だけのラフな姿で、伸びやかな肢体を日に晒している。恥ずかしがるそぶりもなく、森の緑の中で、そのさまは妙に自然に見えた。
- シルヴァ
- さきに気づいたのはシルヴァだった。耳をぴくりと立て、わずかに身を起こす。
- イスカ
- 「―――ん」
- フィアールカ
- イスカとシルヴァが視線を向ければ…イルスファールから共にここまで来た冒険者のうちの一人、フィアールカと呼ばれる少女の姿が目に入る。
- イスカ
- 「フィアールカ」
- フィアールカ
- 「おはようございます」と、特に気にした様子もなく、自然にそう少女は話しかけた。
- イスカ
- 「おはよう」 「呼びに来たの? なにか、あった?」
- ナイフで筋を切ってやり、肉のかたまりを切り出す。その作業を手際よく行いながら、世間話でもするような気軽さで問う
- フィアールカ
- 「いえ…森の散歩をしておりましたら、たまたまお姿を見かけまして」異変はございませぬので、ご安心を、と続けた。
- 小屋の中には自分達以外にも仲間がいる。異変があれば何かしらの手段で報せてくれるだろう。
- イスカ
- 「そう」 短く答え、もくもくと作業を進める。ともすれば不愛想にも思えるが、もともと、イスカはこういう少女であった。
- フィアールカ
- フィアールカから見てもイスカのソレは酷く手際がいい。
- イスカの生い立ちについては詳しく耳にしたことはないが…もともとは自分と同じく森で生きていたのだろうか、そう思わせるほどの手際である。
- あるいはシルヴァの食事の用意をするために、必然的に身に着けたか。
- イスカ
- 「―――……」
- フィアールカ
- それはひどく懐かしさも感じさせる。農村ではあったものの、狩りも行われており…フィアールカも参加したことはある。
- イスカ
- 「……シルヴァに、ご褒美をあげたいと思って。戦いのあいだは、簡単なものしか食べさせてあげられなかったから」 フィアールカの心を読んだわけでもないのだろうが、ふとした感じで、イスカはそんな事を口にした。
- フィアールカ
- 獲物がとれれば今のイスカのように、森の生命を余すところなくいただいていた。
- イスカ
- モモ肉や背中の肉、それに腰回りの肉など、人間が食しやすい部分を選んで切り出して
- 「……お待たせ。シルヴァ、いいよ」
- フィアールカ
- 「確かにアングルシ…あの雪国では、落ち着いて調達もできませんでしたからね…」イスカの言葉も納得がいくものである。
- シルヴァ
- イスカが一言告げれば、銀狼が待ってましたとばかりに起き上がり、鹿の肉にありつきはじめた。
- フィアールカ
- あの天候である…狩りをするには、適さない気候であっただろう。
- イスカ
- 「……うん」
- フィアールカ
- 少なくともふぶいてるなかでは難しいんじゃないかなあというイメージが。
- 雪がやんでたらまだしも…。
- イスカ
- どちらかというと暇がなかったのが大きそう
- フィアールカ
- それもあります。
- イスカ
- 「わたしの都合で、ずいぶん苦労をかけちゃったから」 せめて、これくらいは―― というのだろうか。がつがつと肉を喰らう銀狼の様は、常人にとっては近づきがたい迫力がある光景だが、それをどこかいつくしむような視線で見ている。
- 小川の水で血を洗い流し、ぴっぴっと水を切る。
- フィアールカ
- 「これまでの戦いは苛烈なものでございました。今は皆様休息をとり、英気を養う必要がございましょう」
- 皆…自分も、イスカも含めて。
- これからの戦いにも、備えねばならない。
- イスカ
- 「………」 フィアールカの方を見やり、少しの間。 「そうだね」 と答えて、川辺に転がる大きな岩の上に跳びあがり、そこに腰かけた。
- フィアールカ
- イスカのいつくしむような視線に…彼と彼女の絆の深さを感じ取れる。
- イスカの戦いを直接見た機会は少ないが…彼と彼女は一心同体のように、勇猛果敢に、敵に立ち向かったであろう姿は目に浮かぶ。
- イスカ
- 白い素足の片膝を抱え、もう片方のつま先を、ちゃぷちゃぷと流れる水で遊ぶようにさせて。
- 「……そういえば」
- 「フィアールカとこうして二人で話すのって、はじめてな気がする」
- フィアールカ
- 「はい。なかなか、このような機会もまた、おとりできませんでしたから…」
- なんだかんだ雪国でもバタバタしており、こうして落ち着いて話すのは…初めての事である。
- イスカ
- 旅を共にしてきて、しかし今回は特に大所帯の旅で。戦いがはじまってからも、なりゆき上、お互い別の持ち場を担当することが多かった。
- フィアールカ
- 「戦いのさなかはどうしても、そちらに集中もしますゆえ」
- イスカ
- 「短い旅でもなかったのに、不思議」 あらためて考えると、と、ほんの少しだけ口元を緩めた。あまり思いを顔に出さない少女だが、こうやって見ると、きちんと感情があることが感じられる。
- フィアールカ
- つられたように、微笑んだ。
- イスカ
- がふがふと久々のご馳走に夢中のシルヴァ。しばらくそっとしておいてやるのがいいだろう。
- 「……座ったら?」 控えめに、フィアールカに勧める
- フィアールカ
- 戦いのさなかとは全く異なる、年相応さがお互いに見えるソレであろう。
- 「ありがとうございます」ではお言葉に甘えて、と同じく腰かける。
- 手をそっと川に少しひたせば…冷たさが心地いい。
- イスカ
- しばしの間、心地よい水の音だけが流れる。
- ――と。
- 「……いまさら聞くのも変、だけど」
- 「フィアールカはどうして、降りようとしないの?」
- フィアールカ
- 森の葉がゆれる音、水の音を聞くその表情には懐かしさが感じ取れる。
- 「コレ、という言葉で言い表せない色々な理由がありまして…しいていえば、終わってはいないから、でございましょうか」
- イスカ
- 「――終わってはいない?」
- フィアールカ
- アスミから投げかけられた最初はこうであった。
- 『――命の危険がまじであるかもしれない冒険に付き合ってくれる方を、沢山募集します!』
- 「実際…冷静に考えれば、此度の件、ただの冒険者であるわたくし達が抱えるにはいささか大きすぎる案件」
- 「始まりの剣、イグニス、そしてカルディアまで出てきている状況。クレハさんがあの時申していたように、普通ならば、国へ持ち帰り、助力を乞い、それこそ宝剣クラス、魔剣クラスの冒険者が対処した方が、よき案件ではありましょう」
- イスカ
- 「―――……」 イスカは否定しない。
- フィアールカ
- 「ただ…ルーベルリアさんは、こうも申しておりました」
- 『じゃが、どのような形であれ、今回の一件と縁を持ったのは他ならぬおぬしたち』
- 『その縁、意志があって初めて、焔に呑まれた冬国において、かの者たちに対抗することが出来るじゃろう』
- イスカ
- 「縁も、意志も、どちらも大切なものだと思う」
- フィアールカ
- 「何もなく、そう口にするお方ではないとも思うております。おそらくは…ルーベルリアさんも…銀の魔女様も、何かしらの意図をもって、わたくしたちに事に当たるように、とおっしゃったのだと思います」
- 「…ただの実力では対抗できない、ナニカが、わたくしたちにあり、それが好機につながるのならば」
- 「今降りるという選択はありませぬ」
- イスカ
- 自分たちには見えないものが見えている―― いや、見えていたであろう、魔女の言葉。それは真実なのであろう。しかし
- 「でも―― それだけで命を懸けるには足りない、とも思う」
- 「何となく、うまく言えないけれど……」
- フィアールカ
- 「…それに加えて、新しい銀の魔女の冒険は、まだ終わっていないのもございます。最後まで見届けたい、という気持ちも、否定できません」
- イスカ
- 「最後まで見届けたい、――か」
- 「アスミは、大事な友達なんだね?」
- フィアールカ
- 「もともと…アスミさんより、命の危険がまじであるかもしれない冒険に付き合ってくれる方、という内容もございます」
- イスカの問いには、柔らかく、頷いた。
- イスカ
- 「わたしは、アスミ達とは、この旅がはじまってからだから。クシールとアダルベルトは、別だけどね」
- フィアールカ
- 「…イスカさんは、迷うておられるのですか?」
- このまま、共に行くかどうか、ということである。
- イスカ
- 「だから―― 最初のうちは、みんなより少し、外側からものを見ていた気もするかな」
- フィアールカ
- 咎めるような声音ではなく…ただ静かに、少女は問いかけた。
- イスカ
- 「……んーん。わたしも、降りるつもりはないよ」
- 「しろがねに託されたものを、きちんと届けるべきところまで、届けてあげたいし」
- 「もちろん、オリヴィアのコトも――」
- 「……そしていまは、もっと個人的な理由もある」
- フィアールカ
- 「個人的な…?」
- イスカ
- 「観測者―― そう呼ばれる、『竜』のこと」
- 「わたしは、それに会ってみたい」
- フィアールカ
- 「…デミ・カルディア」
- 第三の剣…に関係がある竜。今回の一件を解決するための重大なカギを握る者。
- 『“蒼き観測者”は、人の可能性を観測る者』
- 『――その役割は、人を、人に委ねることではない』
- @人を、剣にでした。
『ただ剣の力に縋ろうとする者に、観測者が応えることはなかろう』
- イスカ
- 「………」 こくり、と頷き
- フィアールカ
- 「今ですと想像もつかないようなお方…でございますね」
- イスカ
- 「まさかこの旅が、そんな存在に通じることになるなんて、思いもしなかったけど……」
- 「それは、わたしの使命にもきっと繋がるんじゃないかって、思うから」
- フィアールカ
- 「使命?」
- イスカ
- こくり、と頷き、
- 「……ひい様から貰った、わたしの役目」
- フィアールカ
- 「始まりの剣に関わる、ものだったのでしょうか」
- イスカ
- 「―――………」
- フィアールカ
- 観測者…デミ・カルディアに会ってみたいというのは、そういうことだろうか…?
- 「す、すみませぬ、出過ぎたことを…」
- イスカ
- しばし、沈黙が流れる。何度か口を開こうとして――
- 結局、言葉は紡がれずに。 「……ん。ううん」
- フィアールカ
- 沈黙ということは…あまり、他者には知らせぬ方がよいソレなのであろうと解釈し
- 踏み込みすぎたことを詫びた。
- イスカ
- かぶりを振り、 「フィアールカが謝ることじゃない」
- フィアールカ
- 同時に、何かしらのお役目…使命を帯びており、自らの目的をはっきりとさせているイスカと
- 素性も何も覚えていないあやふやな存在である自分を比べ
- 少し、羨ましさを覚えた。
- イスカ
- 「変なことを言い出して、ごめん。フィアールカだって、ちゃんと考えて残ったのに」
- フィアールカの沈黙を、どうとったのか、イスカは少しだけ早口で言って、
- フィアールカ
- 「いえ!むしろ…こうして、お話ができて、とても、いい機会が得られたと思うております」
- イスカ
- 「ただ―― やっぱり、皆には、死んでほしくないから」
- フィアールカ
- 「…それは、皆様同じお気持ちでありましょう
- 「無論、これからの戦も今まで以上に苛烈で、困難な戦いともなりましょう」相手は始まりの剣の力である。
- イスカ
- 「――……」 生きていれば、いつか死はやってくるものだ。危険な旅をしていれば、当然、それはいつもとなり合わせにある。
- しかし―― 何もさせてもらえない程、力の差のある脅威。
- 戦いになればまだ良い―― それは本来、断固として避けるべき災害のようなモノなのかもしれない。
- それでも――
- フィアールカ
- 「今まで、本当に想像もついていなかった…それこそ、おとぎ話のようなもので、実感も…正直に申し上げますと、まだ、幾分わかぬ部分もございます、が」
- イスカ
- 「……うん」
- フィアールカ
- 「それでも退きたくない…あきらめたくない、のでございます」
- イスカ
- 「――うん」
- 「……フィアールカはさ、」
- 「ちょっと、武人めいたところ。あるよね」
- フィアールカ
- 「…えっ」
- イスカ
- きっぱりと言い切るフィアールカを、抱える膝に頭をのせて、のぞき込むように見て
- フィアールカ
- 自分は農民であると説明しようとし…しかし、覚えていないものではあるが、この身にある技は農民ではないし…と
- 「あまり、自覚はないのです、が…」うーむ…
- いや覚えていないだけで自分はもともとそうであったのだろうか…?
- イスカ
- 「違うの?」
- フィアールカ
- 「実は、いわゆる、簡単に申し上げますと、記憶がない流れ者、の身でございまして…」
- イスカ
- 「クレハやノーラ、ロニ達と気が合いそうだし、わたしはてっきり……」
- 「記憶がない……?」
- フィアールカ
- 「傷を負って川から流れてきたところを、親切な農村の老夫婦に拾われ…この記憶が覚えているのは…今は冒険者でございますが、もとは農民であったことのみでございまして…」
- 「アスミさんからはどこぞの貴族の御令嬢ではあったのではないかと言われたりもしましたが…自分の素性は、まったく」残念ながらと首を横に振り
- イスカ
- 「――……」 じ、っとフィアールカを、緑の瞳が見つめる
- 何度か、ぱちぱちとまばたきをして、
- フィアールカ
- 「ただ…この旅も経て、また、何度か冒険者としても経て…元々は、おっしゃる通り、戦いをしていた者、ではあったのでございましょう」
- イスカ
- 「流れ者の中には、そうやって記憶を落としてきてしまうひとが時々いる、って聞いたことはあるけど――」
- フィアールカ
- 「傭兵か、用心棒か…あるいは、武人か…冒険者か」
- 他にも騎士や軍人…あげればキリはないものの…農民では元々なかったのだと、気づかされた。
- イスカ
- そういった暮らしをいとなむ人々が、もしものとき、ふだん使っている鎌や穀竿を武器に戦うことはあるが――
- 「……うん。あれは、一朝一夕で身に着けた動きじゃなかった」
- フィアールカ
- 「自身では助けていただいた時の真似をしていた…とは思うていたのです、が…真似の域をこえている、とも言われました」
- イスカ
- 「不思議、だね。何も憶えていなくても、身体には刻まれているんだ」
- フィアールカ
- 今思えば…彼が操る剣が…自分の技と一番近かったから、真似をしたのだろう、とも思う。
- 「はは…農村にいたころは、それのおかげで役に立つこともございました」ゴブリン退治とか…。
- イスカ
- 「……そのまま、村に居ても良かったのに、フィアールカはどうして冒険者になったの?」
- フィアールカ
- 「至極単純な童のような理由でございます…実は、農村にいた時に、偶然魔域に巻き込まれまして…冒険者の方に、助けていただいたのです」
- 「彼らの姿を見て…自分も、誰かを助けることができる誰かになりたいと、そう、思いまして…」
- 農村でずっとお世話になり続けるのも申し訳なかったというのもありますが…と続けて
- イスカ
- 「誰かを助ける――か」
- 「……うん。何だか、納得したな。その思いの先にあるのが、いまなんだ」
- フィアールカ
- 実際素性が知れぬ自分を、あの老夫婦たちは本当によくしてくれたし、イルスファールに来てからも、老夫婦に乞われて時折里帰りをして、農作業を手伝っている。
- 「…はい。此度の件も、アスミさんの…オリヴィアさんの、この身が皆々様のお役に立てればと、そう、思うております」
- そのためには、たとえ何であろうと、誰であろうと…と思うと同時に『そんなの間違ってます!』という、自分にとって妹のような純粋な少女の声も思い出された。
- イスカ
- 「――実は言うとね」
- フィアールカ
- イスカの声で、思考が現実へと戻る。
- イスカ
- 「フィアールカのこと、少し怖いと思ってた」
- フィアールカ
- 怖い…という言葉に、思い出されたのは先日侯爵に釘を刺した出来事であった。
- 「…はい。自分でも、厳しき部分もあるという自覚はございます」
- イスカ
- 銀狼が、鹿の死骸を喰らっているさまを眺めながら
- 「……トゥーレのこと。迷わずに、命を絶とうとしたでしょう」
- フィアールカ
- ソレについて言及されたのは初めてであった。ティアエレスは気づいて忠告していたのは覚えている。
- 「…はい」そしてそれを否定はしない。あの時、そうする必要があると思ったから、そうしたのである。
- 結果的にああなって…その選択が正しかったのかどうかはわからずじまいであるが。
- イスカ
- 「あのとき、もう少しでわたしたちはトゥーレを抑えられそうだった。後顧の憂いを断つ―― そういう意味では、あれは正しかったのかもしれないけど、」
- フィアールカ
- 殺したことで贄にならずにすんでいたのかもしれないし、逆に…殺さなかったことで、贄になったのやもしれない。
- @殺したことで、ですね後ろ
- イスカ
- 「もしも、はもう無い。でも―― あのとき、トゥーレは揺れてた」
- 「わたしも、時に命を奪う。誰だって、犠牲の上に生きている。身を守るために、生きるために、命を奪うのは当たり前の行為」
- フィアールカ
- 先ほど、鹿を解体していたイスカの様子が浮かぶ。
- イスカ
- 「だから、それを否定するつもりもない」
- 「でも―― 生殺の線引きを…… その先の可能性を断つことに、迷わないのは……」
- 「わたしは、少し、怖いと思う」
- フィアールカを見つめて、
- 「……怖いと思うし、フィアールカが、いつか痛みを覚えることになるのじゃないかって、少し……心配」
- 何が正しいのかは、イスカにも分からない。誰にも分からないかもしれない。
- けれど、その刃の鋭さに…… 鋭利に研いだ刃が時に脆いように、何かの危うさを覚えたのかもしれない。
- フィアールカ
- 「…自身でも、全てが正しい、と思うわけではございませぬ。間違っている、とも先日言われました」
- イスカ
- 「………」 ふるふる、とイスカはかぶりを振る。自分にも、何が正しいかはわからないのだ。
- 「惑わせるようなことを言って、ごめん」
- 「でも―― 伝えたいことは、伝えられるうちに、しておいたほうがいいな、って思って」
- こんなこと、二人きりでなければ話す気もなかった。この偶然の出会いがなかったら、あるいは口にすることもなかったかもしれない言葉。
- フィアールカ
- 「いいえ、ご心配に思われるのも、わかりますし…実際、迷いなくそう思えてしまうのは、普通ではないのでしょう」
- 「…いつか、痛みになってかえることもありましょう」殺しているのだ、ならば、殺されることもあるだろう、とは言わなかった。
- イスカ
- 「―――………」
- #
- と――
- イスカ
- ZUNZUNZUっころばし
- シルヴァ
- いつの間にか、ご馳走を平らげた銀狼が、二人の前にやってきて、ばう、と一声吠えた。
- フィアールカ
- ごまみそずい
- イスカ
- フィアールカを案じて、じっと彼女を見つめていたイスカが、
- 「わっ」 びくっ、と背筋をはねさせる。珍しい光景である
- フィアールカ
- イスカのその珍しい光景に、緊張がほぐれたように、笑みがこぼれる。
- シルヴァ
- そして、舌を出しながら、利口そうな目で、人間用に切り出した肉のかたまりを見つめている―――………。
- フィアールカ
- 「…おかわりがほしいようでございますね」ふふ
- 怖がる様子もなく、賢き狼でございますね、などと言っている様子からは
- あのときトゥーレの命を躊躇いなく奪った様子とはまるで異なるように思えるだろう。
- イスカ
- 「これはだめ……!」 大岩から降り、つまみ食いされないよう、手早く肉をずた袋でつつみ
- 「これはみんなの夕ご飯になるんだから……」
- フィアールカ
- 「はは…ロニさんはたくさん召し上がりそうでございますな」
- シルヴァ
- くうーん、と鳴き、首をかしげる狼。こうしていると、犬と近い生き物であることがよくわかる―――その体躯は、可愛げなどない段違いの大きさなのであるが
- イスカ
- 「うん。精がつくものを食べて、みんなには元気になってもらわなきゃ」
- 「そろそろ戻ろう、フィアールカ。――これ、運ぶの、手伝ってくれる?」
- フィアールカ
- 「はい。お手伝いいたしす」
- @いたします
- イスカ
- 「ん」 頷き、ありがと、と短く礼をいって
- 大きなずた袋の持ち手の片方を、フィアールカに渡した
- 「シルヴァ、おいで」
- フィアールカ
- ひょいと袋を持つ。農村で鍛えているのか、重い荷物も存外軽々と持つ。
- イスカ
- 農村が概念におもえてきた
- フィアールカ
- 実際記憶にあるのは農民としての記憶
- アイアム農民
- とはでももう言えなさそうなのに気づいてしまった悲しみ
- イスカ
- 「―――……」 ふ、と少しだけ笑って、 「それじゃあ、いこう。フィアールカ」
- フィアールカ
- 「はい」つられたように笑みを浮かべ、共に帰る
- イスカ
- そうして、皆の待つ隠れ家への帰途へつき
- 森の中を、二人と一頭、歩いていくのだった
- イスカ
- こんなかんじかしら
- フィアールカ
- 余談ですが夕食についてごっf…侯爵様がモノ申したい様子でしたらにっこり笑顔を浮かべるふぃあーるかです
- こんなかんじでしょうか
- イスカ
- おつかれさまでした 長くなっちゃった
- 一石を投じれたからヨシ!
- フィアールカ
- いえいえ。少しでも相互理解につながりましたら幸い。ノーラちゃんからもでっかい石が飛んできて、いすかちゃんからも石がとんできた…。
- いすかちゃんの使命とはいったい…。
- イスカ
- それはひみつ
- フィアールカ
- お付き合い感謝です。
- イスカ
- それじゃ続きは本編でかな。お疲れさまでした!
- フィアールカ
- おつかれさまでした!
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- BGMを削除 by フィアールカ
- イスカ
- ではでは~
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- イスカが退室しました
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- フィアールカが退室しました