このログにはBGMが含まれています。
音量設定をONにしますか?
(後からでもメニューから設定変更できます)

もう一度

20220417_0

!SYSTEM
オーレリアが入室しました
!SYSTEM
シルメリアが入室しました
シルメリア
おまたせしました。
オーレリア
いや、大丈夫だ
此方こそ待たせてすまないな
では星の標でいいだろうか
シルメリア
いえ
大丈夫です。
オーレリア
では始めて行こう
よろしくお願いします
 
 
 
 
シルメリア
よろしくお願いします。
 
 
 
 
 
 
 
リアン地方イルスファール王国 "星の標"
此処は国内でも有数の冒険者ギルド支店としてその名を輝かしいものとしている
数多くの冒険者を取り揃え、高い依頼達成率を誇り、
国の内外、個人、組織を問わず依頼が舞い込んでくる
時間帯は昼過ぎ、人によってはお茶の時間で
駆け込み待ちに待機している者達と、一般客を除くと、
静かな時間が流れている
テーブル席の1つ
そこで灰皿を置いて、コーヒーを前にしながら紫煙を燻らせる女性が1人
傍らには布にくるまれた槍が立てかけられていて
表情は普段どおり…と言うには少し沈んでいた
オーレリア
「──、」 灰皿にはもう、何本も吸い殻が有り、かなりの時間を此処で過ごしているのは想像に難くない
依頼を受けるでもなく、誰かを待つように 静かに時間を過ごしている
シルメリア
ゆっくりと、ドアベルの音をなるべく立てないように、静かに店の扉が開かれる。
やってきたのは、仕立ての良いワンピース型の平服に身を包んだ年頃の少女。
長いブロンドの髪を後ろに流し、頭部からは後方へ向けてねじれた2本の角が伸びる。
「…………」 きょろきょろと、不安そうな様子で店内を見回し、
――……」 見知った姿を見つけると、それを避けるように距離を取りながら、カウンターの方へと向かっていった。
オーレリア
「………、」 空気の抜ける気配を感じると 顔を上げて
少し腰を上げかけたところで、避けるような動きに固まったように止まる
シルメリア
「…………あの――」 カウンターまでやってくると、席に着くでもなく、ガルバに声を掛けようとして、声を引っ込める。
オーレリア
「……、」 これは確実に嫌われてしまったな……と思いながら、対面の席、隠れるように置かれていた小さな包みを見て
せめて、これだけは渡そう、と思いながら、様子を見守って
シルメリア
「…………」 何度かそれを繰り返して、息を吐くと、もう一度顔をあげて。 「……すみません、しばらく、冒険者としての活動は、おやすみさせてもらおうと思います」
ガルバ
それを聞いて片眉をあげると、すぐに下ろして。 「まあ、冒険者などいつ始めるのもいつ辞めるのも自由だ」
「お前さんが納得しているのなら、好きにすればいい」
シルメリア
「…………」 納得しているのならという言葉に少し俯く。 「……はい、今までご迷惑をお掛けしました」
オーレリア
「──、」 包みを手にして 立ち上がると カウンターに向かって
ガルバ
「完全に辞めるつもりでなければ、籍は残しておく」
シルメリア
「……ありがとうございます」 深く頭を下げると、居た堪れなさから逃げるように踵を返して。
――…………」 そこで近付いて来る人物に気付くと、困ったような表情で顔を背けた。
オーレリア
「──、やぁ」
シルメリア
「……こんにちは」
オーレリア
「……、休みに入ると言うのは、すまない、聞くつもりはなかったが聞こえてしまった」
心の底から申し訳ないと言った様子で先ず頭を下げて
シルメリア
「……この間は、ご迷惑をお掛けしてしまって、申し訳ありませんでした」
オーレリア
「……、」 首を横に振って
「謝る必要はないよ」
「主張のぶつかり合いだっただけだ……君に非があるわけではないさ」
シルメリア
「……いいえ、勝手なことを言って、仲間を蔑ろにしたのは私の方ですから」
オーレリア
「……、受け取ってもらえるかは分からないけれど、」
「戻ったら仲直りがしたかった。だからこれを見てもらえないか」 と長方形の形をした小箱を差し出して
シルメリア
「仲直り……」 困ったように何度か視線を泳がせてから、ちらりとオーレリアの手元を見る。 「……私が、子供だっただけなんです。それを受け取る資格は、私にはありません」
オーレリア
「……そうか」 小箱を懐にしまって
「……最後に1つだけ、聞いてもらえるかな」
シルメリア
「……なんでしょうか」
オーレリア
「自罰的にならないで欲しい……、君の盾としての技量を疑ったことは私にはない」
「人格的にも、私より感性は余程瑞々しい」
「……それは君の個性だと思う」
「……私は、そんな君を、人として好いているよ」 と小さく笑うと
「以上だ。引き止めて悪かった」
シルメリア
「…………私は」
「多分……向いていないんだと思います。……誰かを守る剣になることにも、誰かを守る盾になることにも」
「……やっぱり私は、蛮族との間に生まれた子なのかもしれません。だから……祖父も軍に入れさせてくれようとはしなかったし、この前だって、皆さんにあんな風に迷惑を掛けてしまったんでしょう」
「……みんなと違って、それで誰かに迷惑を掛けたり、悪く言われたりするなら、……そんな個性、欲しくありません」
オーレリア
「……、私はね、シルメリア」
「優しいという特性は誰しもが持っているものではないと思うんだ」
「迷惑がかかると言うが、私だってかけている」
「……蛮族との間に生まれた子なのなら、きっともっと、好戦的だし利己的な性格をしていると思うよ」
シルメリア
「…………」 首を横に振って。 「……あんなの、優しさなんかじゃなかったんです」
オーレリア
「己を高めて行く過程で、誰かに負担がかかるのは当たり前のことだ」
「君は、まだ子供だということなのは間違いはないけれど、」
「それで君のことをすべて否定する要素にはならないよ」
シルメリア
「……あなたに言われて、気付きました。私は……あの子たちだけじゃなくて、私が救われた気分になりたかっただけなんです」
あの子たち、です。だけはいりません。
オーレリア
「……、それで、」
「結果的に誰かが救われるなら、それは大したことじゃないかな?」
シルメリア
「……でも、そう出来ていない。あの子たちを救うことは出来なかったし、あの子たちを助けようとすることは、仲間を蔑ろにする行為だった」
「……それも、あなたが言ったことじゃないですか」
オーレリア
「……そうだな」
シルメリア
「……人には出来ないことをすれば、人の役に立つようなことを続ければ、」
「……いつかは、蛮族の子じゃないかなんて言われなくなると思っていました」
オーレリア
「……」
シルメリア
「私と似た……どうしようもない境遇に落ちたあの子たちを助けられれば、その自信が持てるんじゃないかって」
「……私は、自分のことを考えていただけだったんです」
「祖父にも、咎められました。お前には軍だけじゃなく、冒険者もまだ早かった、と」
オーレリア
「……、そうかもしれないな。ただそれは、」
「単に心構えの問題だ、きっと」
「君がなぜ咎められたのか、分かるだろうか」
シルメリア
「…………」 首を横に振った。
オーレリア
「相手を傷つける覚悟もなく、ただ包むように救おうとしたからではないか、と、思ったよ」
「誰かに嫌われるリスクも犯さず、誰かを傷つける覚悟も示さず、ただ救う、救われるという意識だけが先行して、もっとも痛くない道を通ろうとした」
「…結果的に、そうなってしまった」
「その事を…指摘されたのではないかな」
シルメリア
「……あの場で、あの子たちを力尽くで止める覚悟は、ちゃんとあったつもりです」
オーレリア
「……、なら良い。シルメリアのお祖父様のお考えには、私には及ばなかっただけだろう」
シルメリア
「……私は、どうすれば、どう言えばいいんですか。これから、同じような場に直面した時に、」
「……あなたたちと同じように、助けるのを諦めて、殺すのが、人として正しいことなんですか?」
「ああいう悪い子は切り捨てるのが、社会の在り方なんですか?」
「……だったら……私だって、どこにも要らないじゃないですか」
オーレリア
「……、それが違うと言うなら、君のやり方を貫くしかない」
「君が要らないと本当に思っているなら、君が彼女たちに自分を重ねているのなら、それは違うとは言わせてもらうけれど、」
「君のやり方が間違っているとは私には決められない」
「私はただ、その道が殺す道よりも困難であるということを伝えただけだよ」
「生かした後、」
「校正させるのは君がやったのか?」
「生かした後、国にどう説明を付けられた?」
「生かした後、何処まで面倒を見ればそれは終わりになるのか……、何処まで考えていたんだ?」
シルメリア
「……あの時も言った通り、私に出来る限りのことはするつもりでした。……重要参考人、情報提供者としてなら、彼女たちを生かしたまま国に引き渡すことだって出来たかもしれません」
オーレリア
「助けて引き渡しただけでは結局、国によって殺される形になるだけだったかもしれないのに」
シルメリア
「……だから!」
オーレリア
「……、だから」
シルメリア
「…………」 食い下がり、語気を荒らげそうになったのをどうにか堪えて。 「……先のことなんて、誰にだって全部分かるわけじゃないじゃないですか。……私だって、何も考えずに言ったわけじゃないのに」
「全部未来が分からなければ……彼女たちのような子を生かそうとするのは駄目なんですか」
オーレリア
「………、そうだ。誰にも分からない。確保しようとして君が害される可能性もあった」
「ダメとは言っていない。ただ、」
「君が思っている以上の覚悟と、力、そして名声が必要というだけだよ。君のやり方と言葉に力を持たせるためには、ね」
シルメリア
「その機会も作ろうともしないで……殺してしまったら、……そこで、終わっちゃうじゃないですか」
オーレリア
「──、……、済まないな。君を納得させられるだけの言葉を、私は持っていない」
シルメリア
「……勝手ですね」
「……あなたも、お祖父様も……みんな、勝手」
「……自分の考えだけで期待を押し付けて、思い通りにいかなかったら……みんな、失望したような顔をして、声を向けるの」
オーレリア
「──、それは違う」
「立っている場所、見ているものが違うだけだ」
「私は……私のようになれとは、一度だって君に期待したことはない、望んだことはない」
シルメリア
「……だったら、あの日、私に失望しなかったと、自身を持って言えるんですか」
オーレリア
「君には、君のままで居て欲しい、…そう思うよ」
シルメリア
「だったらなんで……あんな顔……」
オーレリア
「……、」 目を伏せて
「公人としての私は、確かにそうだった。仕事をしている間は、私情はすべて捨てるのが私のやり方だ」
「だが、私人としての私は……一度だって君に失望したことはないよ」
「…信じて、貰えないかもしれないけれど」
「……、私は、そういう生き方しか、出来ないから」
「……君が少し、」
「羨ましい……」
絞り出すように呟くと
悲しげに笑って 「改めて、引き留めて、すまなかった」
シルメリア
「………………」
オーレリア
「私も顔を出す頻度を落とそう。私が気になるなら、私が出ていこう。他でも、仕事はできるから」
シルメリア
「……違います」
「……別にあなたがいるから、休止するんじゃありません」
オーレリア
「……そうか」
シルメリア
「……自分の言葉が嘘じゃないと、証明できますか」
オーレリア
「……、?」
「それは、勿論」
「だが、何を持って証明とすれば良い?」
シルメリア
「……それも考えずに、好いているとか、失望してなんていないなんて言ったんですか」 
意趣返し――というには意地が悪いとは思うが、つい、そんな言葉を口にして。
オーレリア
「……、君が納得するかは、別だろう?」
かつ、と距離を詰めて
手を取ると 跪いて
シルメリア
「……それじゃあ、私があの子たちを助けようとしたのと、何も変わりません」
オーレリア
「人として、友人として、君を好いているよ。それを此処に私の心臓に誓おう」
手の甲に口付ける動きをして
「仕事の上ではぶつかることがあるかもしれない。ただ、こうして仕事から離れている間は、君と接していたいな」
立ち上がると微笑んで、頭を撫でた
シルメリア
「…………」 その様子を静かに見下ろして。
「……私は……公私を分けられるほど、大人じゃないから」
オーレリア
「……、」 静かに頷いて
シルメリア
「…………」 ぎゅっと胸元を握りしめて。 「……今でも、少しあなたのことが怖いし、嫌いになってしまうかわかりません」
オーレリア
「……、それは嫌だな。止める権利は私にはないけれど、」
「今日避けられた時、とても残念な気持ちになった」
「とても悲しい気持ちになったよ」
「…それに店主殿は知っているかもしれないけれど、何日も君を待つために顔を出してた…それは証明して貰えそうだけれど、ね」
照れくさそうに頬をかいて
シルメリア
「…………」 ガルバの方を見れば、彼は無言のままひとつだけ頷いた。
「……自信は、ありませんからね」 同じようなことがあれば、今度こそ本当に拒絶してしまいかねないくらい、あの時の落胆は大きかった。
オーレリア
「……、分かったよ」
「……すまない」 手を離すとそう口にして
シルメリア
「でも……あなたの仕事に対するスタンスは、変えないでください。……同じようなことがあって、私に至らない所があれば……その時は、言ってくれて構いません」
「私も……受け止められるように、努力します」
オーレリア
「……それは変えられないと思う、だから出来る限り、」
「優しく指摘できるようにしてみるよ。それはかまわないだろう?」
シルメリア
「……いくら厳しく叱られても、いいんです」
「……ただ、期待を裏切られたような、失望した顔を見せられるのは……嫌です」
オーレリア
「……分かった」
「君は君として私も受け止められるようにしよう」
「……それで、その」
「未練がましいと思うんだけれど、」
「改めて、受け取って貰えないかな…」
小箱をもう一度取り出して見せて
シルメリア
「…………、なんだか、結果的に催促してしまったようで、申し訳ない気がしますけど……」
「……オーレリアさんが、そう言ってくれるのなら」 そっと両手を差し出した。
オーレリア
そ、と差し出された箱を開ければ
中に入っているのは マリーゴールドの意匠が美しい髪飾りだ
「角を引っ込めるのが難しいとなると、」
「鏡を見る度に、がっかりしているのではないかなと思って」
「こうやって髪飾りを付ける時に綺麗なものが映れば、少しは気分も晴れてくれるのではないかなと、思ったんだ」
「健康、や元気を意味する花言葉があるようだ……、買う時に教えてもらった」
「良かったら、身につけてくれたら嬉しいよ」
シルメリア
「……」 小さく頷く。もう見慣れてしまったとはいえ、ふとした時に鏡を見て――心無い陰口を思い出して――落ち込むことは決して少なくない。
「……ありがとう、ございます」
オーレリア
「角を引っ込める具体的な方法は、まだ見つかっていないけれど」
シルメリア
小箱を受け取ると、大事そうに両手で持って。
オーレリア
「これからも探していくつもりだ」
「…受け取ってくれて、ありがとう」
改めてまた頭を優しく撫でて
シルメリア
「……わがままなこと、たくさん言ってしまって、ごめんなさい」
オーレリア
「良いんだシルメリア」
「わがままを言っても良い相手と、思ってもらえたんだからね」
「それは嬉しいことだよ」
シルメリア
「……はい」
――一度、屋敷に帰ります」
オーレリア
「また笑顔をみせてくれたら嬉しいな…うん」
シルメリア
「……今なら、お祖父様も屋敷にいるでしょうから」
オーレリア
「送っていこうか?」
シルメリア
「……冒険者は、やはり休止したくないと、伝えてきます」
オーレリア
「……そうか」
「ならば、此処は送り出すべきだな」
シルメリア
「……よければ、その後、一緒に何処かで食事しませんか?」
オーレリア
「うん」
「屋敷の外で待たせてもらうよ」
シルメリア
「……はい」
オーレリア
「中にいると、口を出してしまいそうだから」
「君の戦いを、私は見守る」
「行ってきなさい」
槍を取りに戻ってから シルメリアを護衛するように促して
シルメリア
「……ありがとうございます」
――いきましょう」 そう言うと、やや緊張した面持ちで歩き出して。
オーレリア
「ああ」
シルメリア
最後にガルバに深く頭を下げ、ちゃんとした謝罪はまた今度と口にして、店を後にした。
シルメリア
私はこんな感じで大丈夫です
オーレリア
私も大丈夫だ
ありがとう
シルメリア
ありがとうございました
オーレリア
20220417_0 ログはこれだ
シルメリア
助かります
オーレリア
退室はいつでもどうぞ。また会おう
それから
シルメリア
では失礼します。また今度
オーレリア
マリーゴールドの髪飾りは此方で
ガメルを支払っておくから
アイテム枠などに入れておいてくれると嬉しいよ
シルメリア
分かりました。ではお言葉に甘えて……
記入しておきました。ありがとうございます。
それでは……
!SYSTEM
シルメリアが退室しました
オーレリア
ああ
背景
BGM