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“理解”らせ部屋

20220327_0

!SYSTEM
アデルフィアが入室しました
!SYSTEM
ロゼットが入室しました
ロゼット
“理解”らせるために緑です
アデルフィア
理解できません
ロゼット
理解らせてあげます
ほししべでいいですか
アデルフィア
いいですよ
ロゼット
時刻はなんと……
1D24 → 12
すごい
じゃあ最初は受け持ちます。よろしくお願いします。
アデルフィア
奉仕活動のお礼で貰ったクッキーでも持って来ましょう
 
アデルフィア
対戦お願いします
 
昼時の〈星の標〉は、依頼を求める冒険者ではなく、昼食を求める冒険者で溢れ返っている。
飯処や酒場としての側面も持つここには、一般客が訪れることも決して少なくない。
ロゼット
そんな盛況な店内の様子とは無縁な様子で、隅の方のテーブル席にちょこんと座る薄着の少女の姿があった。
食事をしているわけでも、読書をしているわけでもないが、その腕の中には1匹の小さな猫が抱えられている。
ロゼット
あとはおすきにどうぞ
アデルフィア
はい
アデルフィア
ライフォス神官、アデルフィアの朝は早い。誰よりも早く起床し、神殿の清掃を始め、歌を練習し、朝の祈祷を行う。それらが終わると地域への奉仕活動に勤しむ。冒険者としての活動が無い時はこれが日常だ。今日は冒険者としての仕事を受けるつもりはなかったのだが、こうして訪れたのは……
ロゼット
「…………」 猫を腕に抱いた少女は、人形のように微動だにしない。時折瞬きをすることだけが、彼女が人間であることを証明している。
腕の中の猫は、変な体勢のまますやすやと無防備に眠ってしまっている。
アデルフィア
「……」灰色の修道服に身を包んだ少女が昼食に賑わう店内を訪れる。その手には何かがぎっしりと詰まったパンパンの小袋
店内を見回す。大半の客は何かしら食べている。満たされているのだろう。条件に見合わない。
「……」条件に該当する人物(ロゼット)を発見した。そちらへスタスタと近付いていく。
ロゼット
――……」 身体を一切動かさないように、首から上だけがゆっくりと近付いてくる人影に向けられた。
アデルフィア
――」挨拶の言葉を口にしようとして、異物(ねこ)の存在に気付いた。
「依頼ですか、ロゼット」人形めいた変化に乏しい顔を猫に向け、訊ねた。
ロゼット
「依頼を待っています」 普段よりも小さく、抑揚のない声で返事を返す。
アデルフィア
「その、猫は。違うのですか?」 彼女とは以前、依頼人不明の猫探しを請け負ったことがある。その延長にあるように思える。
ロゼット
「今回は、依頼が来ることを想定し、予め迷い猫を捕獲しておいたのです」
アデルフィア
「では……」依頼板の方に目を向ける。 「無いのですね」
ロゼット
「はい。3日程経ちますが、猫の捜索依頼が貼り出されることはありませんでした」
腕の中の猫が小さく身じろぎし、目覚めると腕の中で小さく暴れ始めた。
アデルフィア
「その猫は幼いように見えます。発見場所付近に母猫などはいなかったのですか」 もがく子猫をジッと目で追いつつ
ロゼット
「周囲には母猫および飼い主の姿は確認できませんでした。発見場所の近隣の家々にも確認済みです」
猫をテーブルの上に下ろすと、猫はまだ覚束ない足取りでテーブルの上を徘徊し始める。
アデルフィア
「食餌は」
ロゼット
「まだミルクで構わないとのことでしたので、それを与えています」
アデルフィア
「……牛のものより、山羊のものが良いと聞きます」
ロゼット
「そうなのですか?」 子猫を眺めていた視線を上にあげて、小首を傾げた。
アデルフィア
「腹を下すものがいるとか」テーブルの上を転がる子猫に手を伸ばし、指先で腹をつついた
「人の赤子でもそういうことがあるそうです」
ロゼット
猫は自分の腹をつついてくる指を捉えようと、不器用な動きで懸命に手足を動かす。
「原材料は考慮していませんでした。今の所問題は起こっていませんが、参考にしておきます」
アデルフィア
「これをくださったご婦人が、そのように」手にしていたパンパンの小袋をテーブルの上へ
ロゼット
「それは?」
猫も体勢をくるりと変えて四つん這いになると、小袋に絡みつき始める。
アデルフィア
「保存用のビスケットだそうです。街路の清掃活動を行っていたところ、謝礼だといただきました」
ロゼット
「始祖神の神殿の奉仕活動ですか」
アデルフィア
「はい。しかし、量が多く、私では処理がし切れません」
ロゼット
「保存が利くものならば、店内の人々に配れば良いのでは」
間違っても小袋の中身に手を出したりしないよう、猫を掴んで自分の近くまで持って来る。
アデルフィア
「そのつもりで持ってきましたが……皆さん、食事中のようですので」
「……あなたの食事は?」
ロゼット
「渡しておけば、後で食べる者もいるでしょう」
「この子猫が腕の中で眠っていたので」 まだ取っていないと。 「ですが、問題はありません。水分は摂取していますので、後7日程は活動が可能です」
アデルフィア
「では、私がその猫を保持しましょう。その間にこちらの消費を」袋の口を開け、ロゼットの前へ。中身は何も具らしい具も無いプレーンなビスケットだ
ロゼット
「……」 自分の目の前の猫を見る。 「いえ、もう目覚めましたので、あなたに保持してもらう必要なく、食事を摂ることは可能です」
アデルフィア
「……」猫をじっと見た。 「途中で暴れ出すかもしれません」
ロゼット
「……暴れだしても、捕獲することは十分可能です」
アデルフィア
「起こり得るトラブルを未然に防ぐ。分担すればそれが容易になります。何か問題でも」
ロゼット
「合理的です。が、この子猫があなたの腕の中で暴れ、逃げ出さない保証はありません」
アデルフィア
「……」おとがいに指を添え、黙考する。そして被っていたヴェールを脱ぐ。
「私は運動能力に欠けますが、この中に包む事で保持を容易にすることが出来ると思います。あなたが食事を採る時間を確保する程度には」
ロゼット
「万が一逃げ出した場合、今後あなたにそういった協力を要請はしません」 無表情なのは変わらないが、仕方ないといった様子で猫をアデルフィアの方に寄せた。
アデルフィア
「善処します」テーブルにビスケットの袋を置くと、ヴェールを袋のように構えて猫を受けとめる。ふにゃふにゃしている
「……まるで水袋のようです」
ロゼット
猫はヴェールに掴まれても特に暴れたりはしない。
「……」 そちらから視線を外さず、袋の中のビスケットを一枚手に取ると、それをかじる。
「酷く汚れていたので、毎日身体を洗浄していますから」
アデルフィア
ごく少量の蜂蜜と麦と雑穀を挽いた素朴な味のビスケットだ
ロゼット
「…………」 口の中のものを飲み込むと、すぐに二口目に入る。味の感想は特にない。
アデルフィア
「あなたがですか?」ヴェール越しにぐにゃぐにゃうにゃうにゃとのたくる子猫に目を向けながら小首を傾げた。
ロゼット
ごくん、と噛み砕いたそれを喉に通して。 「はい。賢神の神殿にて、子猫の飼育についての情報をある程度入手し、実践しました」
言い終えると、手の中のビスケットの残りをすべて口の中に含める。
アデルフィア
答え(いたみ)を、探すのは中断したのですか」
ロゼット
「痛みの模索は継続中です。子猫の一時的な保護が、それの妨げとなることはありません」
アデルフィア
「……それとも、その為の布石でしょうか」猫に向けていた視線がスッとロゼットへと向けられる
ロゼット
一枚目を食べ終えると、猫に手を伸ばす。 「猫の保護と痛みの学習に強い関連があるとは思いません」
アデルフィア
「あなたが、この猫に信愛、愛着を持ったとしましょう」 伸ばされた手から遠ざけるようにヴェールでくるんだ猫を抱き込んだ。
ロゼット
「…………」 少しテーブルに身を乗り出してさらに手を伸ばす。微妙に届かない。
「食事は終わりました。猫は私が保持します」
アデルフィア
「それはあなたと共に在り、言葉は無くとも、変化を与えます」猫を保持したまま
「それが失われた時、あなたも痛みを得るのでしょうか」
ロゼット
「痛みとは、痛覚に刺激を受けて生じるものでしょう」
「喪失によってもたらされるものではない、と判断します」
アデルフィア
「その痛みは私達には響きません」
ロゼット
「ええ。故に私は痛みを学べと言われたのだと思います」
アデルフィア
「喪失は……確かな痛みを伴いました。私達が失くした痛みを」
猫を潰さないように、しかし、しっかりと胸に抱いたまま、微かに眉根を寄せ、唇を硬く結んだ。
ロゼット
「……? 私は、そもそも失くす程の痛みを得たことがありません」
「また、同じ“葉”たちを多数喪失しましたが、それによって痛みを得ることもありませんでした」
アデルフィア
「今まではそうだったかもしれません」
「ですが、これからもそうとは限りません」
ロゼット
「理解し難い意見です。が、猫に抱いているものが愛情、もしくはそれに類するものだという意見は、興味深いものです」
「賢神その他の神の神殿の人々に、何かに愛情を持って接してみなさいと命令されたことがあります」
アデルフィア
「私もそのように習いました」
「しかし、自分に愛情というものが備わっているのか、疑問視していました」
ロゼット
「痛みの学習に応用出来るかは不明ですが、今後もその猫に同様に接していくのは、間違いではないようです」
「していました、ですか」
アデルフィア
「今も確信があるわけではありませんが……失くしたことで得ていたもの、備わっていたものがあった事に気付かされたのです」
ロゼット
「……」 少し考え込み、言葉を咀嚼する。 「では、今その子猫を殺害した場合、それを学べるのでしょうか」
アデルフィア
「……あなたがこの猫から得るものがあることを願います」ヴェールのおくるみから取り出した猫を両手でしっかりと保持して差し出す
ロゼット
「……」 手を伸ばして猫を受け取ると、胸に抱き寄せて。
アデルフィア
「わかりません」
ロゼット
「試してみ……いえ、駄目ですね。依頼が達成出来なくなってしまいます」
アデルフィア
「失う事で被る痛みは、おそらく、触れる時間の長さ、深さ……得たものとの落差によって大きくなるのだと思います」
ロゼット
「あなたは、冒険者になってからの期間はまだそう長いものではないと思いますが」
「その割には、先程の言葉ではかなり大きな喪失感、および痛みを得たように思えました」
アデルフィア
「……はい」
ロゼット
「ならば、時間と痛みの大きさは、必ずしも比例してはいないのでは?」
アデルフィア
が傍らにあったのはほんの数日の事でしたが、私には十分な時間だったようです」
ロゼット
「そうですか」 腕の中にある猫を撫でて。 「あなたがどのような経験をしたのかは分かりませんが」
「以前より、微かに他の人々に近い雰囲気を感じるようになりました」
アデルフィア
「……」僅かに目を瞠り、ほんの少しだけ口元を綻ばせた。
ロゼット
「ただの人形では、無くなって来ているのかも知れませんね」 猫を片手に立ち上がると、一枚だけしか食べていないビスケットの小袋をアデルフィアの方に寄せた。
アデルフィア
「あなたも、枝葉ではなくなる日が来るのかもしれません」 ビスケットを受け取り
ロゼット
「今から、子猫の保護に必要な物品を買い揃えにいきます。同行しますか?」
アデルフィア
「協力しましょう。隣人を補うのは、私の役割でもあります」
「要請ではなくとも、応じましょう」
ロゼット
「先程のように、私にない知識を持っている可能性がありますので」 ここでの協力は実に合理的だ。
「では、いきましょう。まずは――」 猫を抱いたまま先導し、すたすたと店を出ていった。
ロゼット
私はこれで大丈夫です
アデルフィア
「はい」猫の毛だらけになったヴェールを被り直し、後に続く。
店を出ると一度だけ空を見上げた。遠い遠い空の向こうをジッと見つめて唇を開く。
―――♪」小さなハミングを奏でてまた歩き出した。
アデルフィア
理解らせてやりました
ロゼット
理解らせてあげました
昼食はあなたのせいでビスケット1枚でした
2022/03/27_0 ログはなんとこれです
アデルフィア
一枚も食べられたのであと1週間はもつはずです
ロゼット
すごい
では好きなタイミングで撤退してください
アデルフィア
もう大丈夫です
お付き合いありがとうございましたニャン
!SYSTEM
アデルフィアが退室しました
ロゼット
ありがとうございましたにゃん
!SYSTEM
ロゼットが退室しました
背景
BGM