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幕間:これまでのこと

20220314_0

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アージュが入室しました
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レイラが入室しました
レイラ
うむ。
アージュは星の標の女だったか……?
だな。
アージュ
はい
レイラ
時間の指定があればなんとなく合わせるけどどうだろう
アージュ
うーん特にないかな?
レイラ
じゃあ無難に昼にしよう。ざっくりと描写するよ
アージュ
はぁい
 




 
――ユディス軍から、〈星の標〉へと発された依頼を請けた冒険者一行がその役目を終えて、帰還してから数日後。
この日も、〈星の標〉では多くの冒険者達が依頼を請けて宿を発ち
早朝の争奪戦も落ち着き、依頼にあぶれた者達がだらりと居残る昼食時を過ぎてしまえば、店内にいる人数も数えるほどになる。
レイラ
「……、はむ」 
そんな店内の片隅、広く空いているテーブル席の1つを陣取って
他に客がいない事を良い事に、机一杯に食事を並べた少女が、それを黙々と食べている。
レイラ
テーブルの上に置かれているには幾多のスイーツが置かれていて、無表情を無表情なりに緩めながら、
「…………んぐ」 スイーツの軍勢を、ひとり切り崩している。
レイラ
ざっくりもぐもぐしているので……来い!
アージュ
さて、そんなところへ2階から降りてくるわけだが
レイラ
うむ。やはり生クリームはあればあるだけいい。
アージュ
――?」 うわなんだあれスイーツ山盛り……って 「……え、レイラ……?」
レイラ
「……もぐ」 聞こえた声に、短い牛の尾がふらっと持ち上がる。視線が、名前を呼んだ主を探してふらりと彷徨った。
アージュ
被っていたフードを下ろして、「……えっと」
視線が少し泳ぎつつ。「ひさしぶり……でもないか」
レイラ
かたん、とフォークを寝かせて、フードを降ろしたアージュに頷いてみせた。
アージュ
「すごいね、これ……全部レイラの?」
レイラ
「先日ぶり、だな。……会えてよかった」 薄く微笑んで、テーブルの向かいを示して。
「座る、か……あぁ……」 座れないな……? と小さく肩が落ちるつつ、そうだ、と頷いて問いに応える。 
「少し、待っていてくれ。すぐに空いた分を片付けるから」
アージュ
あはは、と苦笑い。席には座りつつ。
レイラ
かたかたと皿を重ねて、危なっかしくいくらかの束にすると
席を立って、カウンターへと戻しに行く。
アージュ
「……店員さん呼べばいいのに」 律儀だなあ。
レイラ
春の陽気もあって今日は暖かいからと、アイスの紅茶と珈琲をそれぞれ1つずつ注文して やはり固い動きで、テーブルへと戻っていく。
「待たせた。珈琲と紅茶は、どちらがいい」 カップを二つトレイに乗せたまま、こてんと首が垂れれば、長く量の多い髪がもさりと揺れた。
アージュ
「あ……えっと、じゃあ珈琲で……」
レイラ
頷いて、トレイからアージュの前にカップが置かれた。氷が揺れる音がいくらか響きつつ、自分の分も置いて。
「……配膳から時間はそう経っていないから、」 すす、とスイーツの軍勢をいくつか広げて
アージュ
「……」 そっと珈琲に砂糖投入しつつ。
レイラ
「好みのものがあれば、ええと」 こんな時、義兄や皆はどう言っていたかを引っ張り出して、言葉を紡ぐ。
「……一緒に食べよう、アージュ」
アージュ
「! ……う、うんっ。ありがとう、レイラ」
レイラ
その様子に、ふふ、と柔らかい息が漏れて、促す様にフォークを差し出した。
アージュ
「レイラのおすすめは、どれ? あ、でもレイラが好きなやつとるのもあれだよね……」
フォークは受け取りつつ。
レイラ
「そうだな、レモンタルトが好きだよ。……半分にしよう、一緒にと言ったのは私だからね」 
アージュ
「うん! じゃあ、それにする。……ふふ、なんか、こういうの久しぶりだなぁ……」
レイラ
登録する折、書類を書く為にと羽ペンを逆手に全力で握り込んでいた過去を持つが、こと食器の扱いは繊細だった。
切り分けたり、それぞれでつまめるものを一緒に食べながら、久しぶりと聞けば興味深そうにして。
「ひさしぶり? ……前は、こうしていたのか?」
アージュ
「あ……えっと、その……前に、ともだちが居たときに……」
 少し目を落とす。
レイラ
視線が落ちれば、一度、二度と瞬きをして、小さく頷いた。
「アージュが、……うん、したい話をしよう。……また会えたんだ、楽しい時間、にしたい」 不器用ながらに言葉を選んで、下がった分だけこちらから詰めて行く。
アージュ
「あ……え、えっと、ごめんね、別になんか、いやな話とかじゃ、ないつもりなんだけど」
「楽しかった……んだよ、そのときは、ほんとうに」 もぐ……。
レイラ
「……」 こくこくと頷いて、自分も一口食べ。表情が乏しいせいで、真剣に聞いているだけなのだがどこか詰める様にじっと見つめている。
「私も、そういう時間があった。……大切な時間だ」
「アージュにとっても、きっとそうなんだろう?」
アージュ
「そう、かな……そうだったのかも」
レイラ
違うのか、と問う様に、フォークを咥えたまま首がこてんと倒れた。
アージュ
「……あの、ね」
レイラ
「うん」 
アージュ
 視線を少し、周りに向けて。近くに誰も居ないのを確認して。
「……人族じゃ、なかったんだ。バルバロスだったの」
レイラ
きょとんとしながら、アージュの言葉を受け止めた。瞳はしっかり彼女を見据えているし、集中も注がれているのだけれど、けれどその言葉には、特別驚く事はなかった。
アージュ
「それも、その。レイラみたいな……その首輪つけてるような感じじゃなくて」
「あ、でも、悪いやつらじゃなく……いや……悪いコトしてたなあ……」 もごもご。
レイラ
「ふふ、……良い友人だったんだな」 「アージュは、蛮族(かれら)と一緒にいたのか?」
アージュ
「……三人組で。バジリスクと、レッサーオーガと……あと、珍しい種族なんだけど、ラミアっていう……下半身が蛇になってて。その子だけ女の子で……」
レイラ
こくこくと頷いた。――蛮族は好まないが、友人(アージュ)の友人ならば、それはまた別、だ。
アージュ
「なんて言ったらいいのかなあ……最初は無理矢理連れてかれたんだけど、一緒に居るのが気楽になっちゃって」
レイラ
「む、」 少しだけ警戒の色が灯る。 「無理矢理、だったのか……」
アージュ
「あ」 やば。 「え、えーと、まあ……その……」 もごもご。
レイラ
「……」 じっ。
アージュ
「で、でもさ、バカなんだよー、あいつ。ルーンフォークなら従順だろ、って思ってたみたいだけどわたしが結構言うこときかないもんだから面食らったりして」
レイラ
「イメージというのは、まああるかもしれないな」 じ、と見ていた視線はどうやら批難するつもりではなかったようで、
アージュに語られる話を聞けば、――或いは、人族と相対している時とは全く違うその様子を見れば、興味深そうに話を聞いている。
アージュ
「まあ、住んでるトコが荒れ放題散らかし放題だったから、結局わたしが掃除だのなんだのすることになったんだけど」
レイラ
「ふむ。……どこに居たんだ?」
アージュ
「んー……なんて言ったらいいんだろ……遺跡……ってほどでもないんだけど、使われなくなって放置されてた建物に勝手に住んでたの」
レイラ
「村や町では生きられないものな。……、それで片づけを一手にとなると、大変そうだな」
アージュ
「もうほーんと最初の片付けが大変だったんだよ。せめて普段使ってる空間くらいなんとかしろっていう……」
レイラ
「そもそも、彼らはどうしてアージュを……?」 もぐもぐ。
アージュ
「え? えっと……まあ……それはその……」 目が泳ぐ。
レイラ
じっ。
アージュ
「ご、強盗に遭った……みたいな……」
レイラ
「強盗に……、まあ、連れて行かれているのだからそう、か」
アージュ
「わたし、元々ちゃんとマスターがいたんだけど……その……その三人組に襲われて……」
レイラ
「……亡くなられたか?」
アージュ
「まあ……」 はい。
「それで、わたしは……戦利品みたいな感じだったのかなあ……」
レイラ
「……そうか」 マスターを失った時の事が話に出て来ず、三人組に連れられて行った後の話が出て来る事に疑問符を浮かべつつ、ゆっくり頷いた。
アージュ
「最初は逃げ出そうとは思ったんだよ? そのうち隙を見て……って」
「でもなんか……マスターが居たときより、全然過ごしやすいな、って気づいちゃって……」
レイラ
「……」 すす。ベリーのタルトを切り分けて差し出しつつ、
「マスター、とは、上手くやれていなかったのか?」
アージュ
「……正直、あんまり好きじゃなかったかな」 あむ……と貰ったタルトを口に入れつつ。
レイラ
「……」 んぐんぐ。 「どんな人だったのか、聞いても良いかな」
アージュ
「……いい人じゃなかったと思う。別に、だからって極悪人ってわけでもなかったと思うけど」
「はじめはマシだったと思うけど……だんだん雑に扱われるようになってってさ」
レイラ
「それは、……いやだな。雑にされるのは」
アージュ
「……でも、ほら、わたしってこんなんだから。人族に言われたら、何でも断れなくって」
レイラ
自分を拾ってくれた義父や義兄の人の良さを考えると、自分は運が良過ぎただけなのだろう、と改めて思う。
「ああ、」 「アージュは確かに、人族と私では対応が違うものな」
アージュ
「なんか、そんなんだったから、余計にだったのかなあ……こいつは何しても嫌がらないんだ、って思われてたのかも」
レイラ
「……ふふ、」 中隊長への悪態を思い出して、自然と笑みが零れた。 「何も思わない訳ではないものな」
「勘違いをされてしまったのかな……」
アージュ
「そう、だったのかも……でも、人族にはそれも言えないから、わたし」
レイラ
「あれは、何故……?」
アージュ
「……あ、ご、ごめんね、レイラ。その、レイラだって人族……っていうか、その……」
レイラ
追加の注文をしようとした所で動きを止めて。
「謝らなくていい。……言いたい事は、ちゃんと伝わっているから」 な、と首を傾げて。
アージュ
「うん……。それで、そのね……わたし、自分でもよくわかんないんだけど……」
「人族の前だと、勝手にそういうふうになっちゃうっていうか……“人族の命令は最優先”だって、自分でも逆らえない原則みたいなのがあって……」
レイラ
「……ふむ」 指を唇に当てて、小さく唸った。
アージュ
「マスターがそういうふうにわたしを造ったのか、ジェネレーターがそういう風なルーンフォークを造るようになってたのか……それも今さらわかんないし」
レイラ
「いずれにしても、」
「その原則が縛らない、友人が友人のままでいられる相手になれるなら、この身体も悪くない、と」
「思ったよ」 穏やかに笑んで、カップを傾けた。
アージュ
―――、うん。ありがとう、レイラ」 はにかんで。
レイラ
「と、話を戻すけれど、その三人組は……?」
アージュ
「あ、その……」
「……わかんないんだ。どうなったのか」
レイラ
「わからない……? 気付けば、一人で置いて行かれたのか?」
アージュ
「……」 ふるふる、とかぶりを振り。「……わたしが、逃げたの」
レイラ
「……そうか」 何故かは聞かずに頷くと、
「尊敬する。……私は、ひとりで蛮族達から逃げたりは出来なかったから」
アージュ
「……っ、ち、ちがうの」
「わたしは……、わたしは、こんなんだったから、逃げるしかなくて……」
レイラ
じっと見つめながらこくりと頷くと、続きを促すように、小首を傾げた。。
アージュ
「ほんとは……、バルバロスでも、みんなと居たかったのに……」
「………………。人族にね、みつかったの。住んでるところが」
レイラ
――、“原則”のせいで、逃げて来たのか」
アージュ
「みんな、悪いコトはしてたから、言い逃れなんてできないし」
「だから、逃げるか戦うしかなくって」
「わたしも一緒に……、みんなが戦うなら戦うって、言ったんだけど」
「“戦うって、誰とだよ、俺達とか? バカ言うな”……って、怒られちゃって」
「……当然だよね。人族とバルバロスが戦うことになったら、わたし、自分がどうしたくっても、人族についちゃうもん」
レイラ
「自分達と争わせずに、アージュを無事に逃がす為には他にない。……ああ、原則がある限り、人族が意図しなくとも従うのだものな」
自分の行動は、意志が、心が決めるものだ。……だというのに、それよりも強い原則(もの)があるというのは、どれだけ息苦しいものなのだろう。
無自覚の内にアージュを悼む様に見つめると、小さく息を吐いた。
アージュ
「……結局それで、わたしだけ、一人で逃げ出して」
「できるだけ、離れて……人族の悲鳴でも聞こえたりしたら、勝手に助けにいっちゃうかもしれないから、遠く、遠くにって……」
「それで……どれくらい経ったのかな……一人で彷徨ってふらふらになってるところを、冒険者の人に保護されたの」
レイラ
「……そうか。その冒険者は、王都に?」
アージュ
かぶりを振り。「……わかんない。その人達に星の標(ここ)に預けられたけど、わたし、こわくて何も聞けなかった」
「その人達がみんなと戦ったひとたちだったらどうしよう。……そうだったら、みんながどうなったのかも知ってるだろうけど……でも、……それを知るのがこわくて」
レイラ
「……」 申し訳なさそうに表情が陰って、頭を下げる。 「すまない。……聞ける訳もないな」
アージュ
「……半端だよね、わたし」
「人族とは友達になれないくせに、バルバロスの仲間にもなれないんだ」
レイラ
「だとしたら、私はアージュのその半端さに救われている」
「人族として人族達に育てられて、その常識に身を置いておきながら、それでも私の身体は蛮族だ。……私も同じ、半端者」
「アージュをその原則が縛る様に、私に流れるミノタウロスの血が私を縛っている。どう思おうとも、それは動かない」
「勿論良くしてくれる人は沢山いた。先日のグレイもその一人だ、けれど」
「どれだけ否定したとしても、私に流れるこの血が、この身体が穢れている事は変わらない。それでも、アージュの役にもし立てているのなら、」
「それは、本当に嬉しい。……救われた気持ちに、勝手になっているよ」 照れる様に言って、すっと視線を合わせた。
アージュ
「レイラ……、……ごめ……ううん、なんていうか……ありがとう」
レイラ
「……、ああ、でも」
アージュ
「レイラって、すごくいい子だね。そのへんの人族よりずっとだよ」
「……うん?」
レイラ
「早とちりしてしまうとよく義兄に言われていたから、もし違ったら、その、ぅ」 視線を戻して、彼女にしては珍しく声が細々と小さく鳴る。
「すまない。……役に立っているのではと、少し舞い上がっ、た」
アージュ
ふるふる。「ううん、わたし、ぜんぜん嬉しい。わたし、レイラがレイラで、すごく助かってる」
レイラ
「!」 改めて言葉にされると、ぱっと表情が(彼女としては)明るんで、次第に頬が緩んで行く。 
アージュ
「こんなふうに話せる相手、なかなかいないもん。……ねえ、今度はレイラの話聞かせてよ」
「なんか、わたしの話ばっかりしちゃったから、さ」
レイラ
「……、そうか。そうだったか」 嬉しそうに微笑むと、頷きを返した。
「私の話か。……わかった。多くは覚えていないのだけれど」
アージュ
ちょっとおといれいってくるる
レイラ
てらら
レイラ
「南の――無足の荒野と呼ばれる地域のどこかに、私はいた、らしい」 聞いた話を語る様に口を開くと、ひとつひとつ続けて行く。
「私が私になったころ、私はミノタウロスの巣の中にいて、悪臭と耳障りな音ばかりが感じられた事は、何となく覚えている」
「私を産んだ母は、既に壊れていたらしい。言葉を交わした記憶も殆どなくて、……けれど、母が好んで歌っていたメロディだけは、記憶に残っている」
アージュ
もどど
レイラ
視線がふらりと落ちて、またすぐに戻って来る。
アージュ
「歌……それって、どんな?」
レイラ
「……静かな歌だった。子守歌のようだと、真似て歌った時に言われていたよ」
「歌詞は、わからなくて。……鼻歌の方が、合っているかもしれないな」 苦笑すると、頬を掻いた。
アージュ
「そっか……お母さんの故郷の歌とかだったのかな」
レイラ
「いつか、探しに行けたらとは思う。……自由に動けるようになるためにも、これと、冒険者という肩書が必要だったんだ」 こつ、と首輪を示して。
「その頃は、まだ身体を使われる事はなかったんだけれど。髪と声を気に入られたのか、侍らされる事は多かった」
「そうやって何年か過ごす内に、巣が襲撃を受けたんだ」
アージュ
「襲撃……それって人族の?」
レイラ
「当時は全く分からなかったけれど、イルスファール軍と、近隣の傭兵団の合同でね。……私は、そう年の離れていない男に助けられた」
ああ、と頷いて。
アージュ
「へえー……あれ、そういえばレイラっていくつなの?」
レイラ
「14前後では……と聞いているから、14という事にしてある」 こくりと頷いた。
アージュ
「えっ 14!?」
「ルーンフォークのわたしが言うことじゃないかもだけど……もっと上だと思ってた」
レイラ
「周囲に居たのが、大人びた人ばかりだったからかもしれないな。……私達は、皆に憧れたから」
「そうなれるように、近付ける様にと思って、真似ている節があるんだ」
アージュ
「助けられた時は……いくつだったの?」
レイラ
「……」 表情こそ動かなかったが、えっと、えっと、と考える様に指が伸びて、或いは畳められていく。
「きゅう……?」 
アージュ
「わかんなかったらいいけど」 苦笑浮かべ。こういうところは年相応かも、なんて。
レイラ
「計算は得意じゃないんだ……」 足し引きもちょっとあやうい。
アージュ
「……それで歳の離れてない男……って、そのひともすごいね。人間だと15が成人なんでしょ?」
 レイラよりいくらか年上としてもずいぶん若い時から戦場に出たんだな、と。
レイラ
「義兄が私の2つ上だから、当時は11、かな
「王国軍の人間では当然なくて、傭兵団の一員だったんだ」
アージュ
「それってまだぜんぜん子供だよね……? 実は短命種とかだったり……?」
レイラ
「私と、同じだったそうだ。傭兵団のトップ、……“少佐”に拾われた子供」
レイラ
おかか(遅延)
お墓参り行った時に少佐の文字を見ているかどうかは
おまかせしちゃうぜ
たぶんついて来るのは止めない故……
アージュ
「それって……そっか、じゃあ、助けてくれた傭兵団に、そのままお世話になったんだ」
レイラ
「ああ。……その時は力の使い方もわからなかったから、私は何もしていなかったのだけれど」
「甘やかしてくれる人、辛く当たる人、……沢山の人がいて、その中に“少佐”……義父(とう)さんもいた」
アージュ
「……いいひとだったんだね。レイラみてるとわかる」
レイラ
「その時だ。私が、人族としての知識や、常識を教えて貰ったのは」
「ああ、」 少し食い気味に頷いた。 「とても。……本当に尊敬できる人だった」
アージュ
「いいなあ。わたしもせめてそういうひとがマスターだったら良かったのに」
レイラ
「……あげないぞ、私の義父さんだ」 そこばかりは譲らないと微笑んで。 
アージュ
「あっ、そういうのって、あれでしょ、ファザコンだ」
レイラ
「そうとも。……ファザコン、それからブラコン? というのは、よく言われる」
アージュ
「わ、否定されなかった。ブラコン……お義兄さん……も好きなんだね」
レイラ
「うん。……私を助け出してくれて、それからはずっと面倒を見て貰っていた」
「勿論、疎ましく思われる事は多くあったと思うけれど……それでも、感謝し切れないし、尊敬は尽きないよ」
アージュ
「そんなにしっかり面倒みてくれたなら、疎ましかったなんてことないと思うけど……。
 そのひとって、今は……?」
レイラ
「だと、いいな。……ああ、〈星の標(ここ)〉で冒険者をしている筈だ」
アージュ
「えっ、ここ!?」
「それって……その、一緒に活動したりしないの?」
レイラ
こくり。 「ここにきたのも、それが理由だったんだ」
「折が合わなくて、まだ会えてはいないけれど。……“名剣”の冒険者と肩を並べるには、まだ私には荷が勝ってしまう」
アージュ
「うわ、“名剣”って結構上の……ほんとにすごいひとなんだ」
レイラ
「だからまずは、自分を磨く。……それから、やりたい事もひとつあるんだ」
アージュ
「やりたいこと?」
レイラ
「うん。誰かを愛して、その人の子を産みたい
アージュ
―――」 一瞬、きょとん、とした顔になって。 「……そっかあ、叶うといいね」
レイラ
「ああ、叶えるよ。……、どうしたんだ、その表情は」
アージュ
「いやそのー、なんていうか、ちょっと意外だったから」
アージュ
ZUNZUNZUNZUN
レイラ
ZUNZUNZUNZUN
レイラ
「……そんなに女気がない、かな」 それはそれでちょっと凹む
アージュ
「そ、そういうわけじゃないんだけど!
 ほら、お義父さんとかお義兄さんに憧れてるみたいだったから、“立派な戦士になる!”みたいな、そんな感じなのかなーって勝手にイメージしてたっていうか」
レイラ
「ふふ、……ああ、勿論それも目標だ。義父や義兄に並べる様な戦士にはなりたい」
アージュ
「そっか……でも、夢はお嫁さん、かあ……そっかあ」
レイラ
「けれど、ミノタウロス共に奪われる所だった未来を、折角広げて貰えたんだ」
「そうして幸せになる事が、孝行だと思うんだ」
アージュ
「うん、いいと思う。すっごく。……ふふ、じゃあいいひと見つけないとだね」
レイラ
「そうだな。……焦る訳ではないから、ゆっくり探すとするよ」
レイラ
誘っておいてすまない、ちょっと眠気が……襲ってきている!
アージュ
話も区切りは悪くない気がするしこのへんにしとこうか!
あとはたのしくおはなししてスイーツたべましたで
レイラ
おっけいぽよ
アージュ
何か挿入するかい
レイラ
大丈夫 かな!
アージュ
「うん、レイラはなんていってもまだ14だもんね。……あ、そっちのケーキ、わたしも食べてみていい?」
 などとスイーツつっつきつつ……
レイラ
「そういうアージュはいくつなんだ、……ああ、もちろん」
もぐもぐ……
アージュ
「わたし? わたしはえーとね―――……」
アージュ
という感じで〆かな!
レイラ
いくつなんだ!??!?!?!?!
アージュ
う~~~ん5歳前後くらい??
レイラ
私の方がお姉さんだな(どん)
よしじゃあお付き合いありがとうございました!ログはあとでラウンジにはっておくわね!
アージュ
はいおつかれさまでした!
ありがとー
背景
BGM