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神が死んだ世界ー幕間Ⅰ

20211226_0

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エリカが入室しました
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ダニエルが入室しました
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ヘーレムが入室しました
ヘーレム
導入は昨日なまさんにやってもらったのをそのまま持ってきて……ええか!
ダニエル
ええで
ヘーレム
ええわよ
エリカ
ええで
ヘーレム
ヨシ!
ヘーレム



 魔域攻略の要である北の街、ボルテクスにおいて大量の魔神を退け、甲虫型の強力な魔神も撃破に成功した一行。
しかし、突如として新たな敵が襲来。魔域にいた人々は蟲に操られ…最期は少女、ミシェルの自らをも巻き込んだ爆発により、蟲も退けることができた、が、その代償は小さくはなかった。
加えて、力を貸してくれていたデモニカが魔神召喚プログラムの要であるマザーシステムとつながっていることも判明。
彼は魔域の核となってしまったクラールが魔神の寄生を受ける前に自らを切り離したと語り、この繰り返しの魔域の解決の糸口を伝える。
ただその糸口は…冒険者に一行にとって、各々、すぐに答えがさせる糸口ではなく…しばし考えを整理するため、また、しばし身体を休めるため各々休息をとるのであった。


ダニエル
しばししばし
ヘーレム
二人がいるであろう部屋に忍びこもうと思うんですが
しばしばし
エリカ
しばしばしろ
ヘーレム
監視してる手前隙が全然なさそうなんですわ
エリカ
人の部屋に忍び込むだなんてへーレムいつの間にそんなにえっちに……
まあ気づかれるとおもいます
ヘーレム
夜這いをかけるのもレディの嗜みなのよ…
ダニエル
まあそれはそうだな
話してるところというか
ヘーレム
じゃあひょっこり部屋覗き込んできます
エリカ
ひょっこりひょうたん島
ダニエル
なんか監視してるところからスタートでいいのか?
エリカ
良さそうな気がします
ダニエル
OKだ
ヘーレム
あ、じゃあ覗き込んだら気付かれそうだし……どうぞどうぞお話して!
 
一番廃墟の入口側の部屋 全員が集まる場所、そこでじ、っと二人の人影が各々が楽な姿勢を取りながら、時間を過ごしている
長椅子上になっている席の一つで、行儀悪く寝転がってる少年は、気配を探りながら それでも肩の力を抜くべく、同じ部屋の女性に声をかける
ダニエル
「いつ頃交代するか、くらいは決めときゃ良かったな」 そのまま解散しちまったし、と
エリカ
「決めていなくとも、休息が済んだらそのうち来るでしょう」
「決めていないからだらだらといつまでも休んでいる、という面々でもありませんし」
ダニエル
「それはそうだな」 頷いて 「悪いな、付き合わせて」
エリカ
「いえ」 座ったまま、首を小さく横に振った。
「逃げる理由として、丁度いいものでしたから」
ダニエル
「………、そっか」 不器用だなぁって思いながら それ以上は言及せずに 「なら、逃げ場として上手く活用してくれ」
ヘーレム
ultu
うっ
エリカ
「そうさせてもらうつもりです」 やや間を置いてから、ため息を挟む。 「本当は、上手く言葉で納得させられれば一番良いのですが」
ダニエル
「その辺りは、さ」
「お前、相手が悪いよ」 苦笑を挟んで
エリカ
「相手もそうですが、それだけの理由を用意出来ない私も私です」
ダニエル
「間違ってる、って信じてるやつに、納得させるのは難しいし、」
「かと言ってエリカは嘘や言いくるめで躱せるタイプでもないじゃんか」
「だから今回は相性が悪い。撤退して正解だ」
エリカ
「……そうですね」 どれを肯定したのか、やや曖昧な様子で頷きを返して。
ダニエル
「……それだけ、真剣に相手の事を考えてるから、嘘が付けないんだろ」
「そういう奴は信用できるよ」
エリカ
「…………、そうですね」 数秒の間を置いてから、同じ言葉を繰り返した。
ダニエル
でも、相手に信じて欲しい、わかってほしいけどお前は言わないんだよな と旅の中で分かった気がする
エリカ
「私だって、自分の提案に全面的に納得しているわけではありません」
「最後には別れることは決まっていたとはいえ、一時でも協力した相手です。自分の都合だけで命を奪うなど、……私の嫌いな連中と同じですから」
ダニエル
「……そうか、」 身体を起こして 「態々損な役まわりしなくて良いんだぜ?」
「いてぇもつれぇも、結局言われなきゃ分からない。お前は全部自分で消化しようとするよな」
エリカ
「しなくてもいいならしませんよ。でも――
ダニエル
「だったらそこは、」
「投げれるやつに投げときゃ良い。それとも、俺は投げる相手にゃ不足か?」
エリカ
「あなた以外はああいう提案を言えるようなタイプではありませんし、」
「それに……過不足の問題ではないんです」
ダニエル
「……お前は自分との相性も悪いなぁ」 少しからかうように笑って
エリカ
「……単純に、あなたたちの口からはああいうことを言わせたくない。そういう私の我侭です」
ヘーレム
二人の会話に、やがて軽い足音が混ざる。本人は慎重に歩いているつもりだったが、碌に気配を殺せていなければ、足音も消せていない。斥候の技能がない相手でも簡単に捉えられてしまいそうな気配と足音は、少女の冒険者としての未熟さを体現しているかのようだった。
エリカ
「……自分と相性がよかったら、こんなに捻くれた性格にはなっていませんよ」
――……」 ぴくりと、音と気配に身体が反応した。殺気も何もないそれには、武器に手を掛けることもなく、顔を気配の方へと向けて。
ダニエル
「……、」 肩を竦めて 足音に目の色を一瞬変える
ヘーレム
両手にホットミルクの入ったカップを持って、出来る限りの足音を消して、ゆっくりゆっくり部屋に近づいてくる。気付かれてない、気付かれてない…そう自分に言い聞かせながら
ダニエル
「……、何やってんだろうな」 あてのある相手だけに、少し気が抜けて
エリカ
「私たちを驚かせようとでもしているのかと」
ヘーレム
「………」 相手からは自分の事が分かっても、こちらからは二人の事が分からない。話し声が聞こえない……もしかしていないのでは?と部屋を覗き込んだ。
エリカ
「気付いて欲しいのか気付かれたくないのか、どちらかわかりませんよ、へーレム」
ダニエル
「………、」 水音が聞こえた となると脅かすのはやめとくか 「……どうした」
ヘーレム
「……!」 びくんと肩を震わせて、手の中にあったカップを揺らした。危うく零すところだった。あぶないあぶない。
瓦礫の端から顔半分だけ晒した状態で、うぅ……とバツが悪そうに唸って見せる。
エリカ
「交代には、まだ少し早いのではありませんか。……誰かが付いてきている様子もありませんし」
ダニエル
「何か用か?」
ヘーレム
「………交代?」 はっとなって 「そ、そう交代……交代なのだわ」
「ホ、ホットミルク……アンフィスから二人に持って行ってって……そ、それで」
言いながら、両手に持ったカップを見せる。
ダニエル
「差し入れか」 表情を和らげて 「ありがとうな」
エリカ
「……」 立ち上がり、へーレム用の椅子を用意した。 「どうぞ」
ヘーレム
困惑した表情で、エリカを見つめた 「の、飲んでる間は……えっと、わ、私が見てるから……二人はあっちで」 とあらぬ方向をカップで示しつつ 「休んでてもいいのよ!」
ダニエル
「飲むだけなら此処で良いだろ」
ヘーレム
「……ぐぬ、」
エリカ
「別に何かを飲む姿を見られて困ることもありませんが……」
ヘーレム
「うぅぅ………」
何かとてつもなく苦いものをかみ潰したような顔をして、小さく唸る。
エリカ
「おかしな子ですね……」
ダニエル
「……、話があるなら聞いてやるよ」 座んな、と席を勧めて
ヘーレム
「………」 片頬を膨らませながら、勧められた席に座り、二人にカップを差し出した。
ダニエル
カップを受け取って 飲み物は傍らに置く
エリカ
「ありがとうございます」 カップを受け取ると、礼を口にして両手でそれを保持し、口元に運び、小さく息を吹きかけて冷ましてから口をつける。
ヘーレム
ちらっちらっと二人を盗み見るように視線を送る 「……ダニエルは、飲まないの?」
ヘーレム
なんかこれだと一服盛ってるような言い方ですが何も盛ってません
ダニエル
「話をする時の飲み物って言うのはな、」
「言葉まで飲み込んじまうことがある」
「だから終わった後に貰うさ」
ヘーレム
「……」 あんぐりと口を開いて、閉じて
エリカ
「……飲んだ人間の横でそれを言います?」
ダニエル
「……」 肩を震わせて笑って 「悪い悪い」
ヘーレム
「……」 微かな笑い声に、何処か肩の力が抜けて。指遊びを始める。どう切り出そうかと悩んで
エリカ
「何か話があって来たのではないですか」
ヘーレム
あ、とかう、とか、意味のない声が口から漏れ続ける 「……」 ちらりとダニエルの鞄にできた丸みを見つめた。
ダニエル
「………、」 苦笑して 「休ませておいてやってくれ」
ヘーレム
「……ちゃんと、確認しておいでって……言われて……」 アンフィスに。
エリカ
もう一度ミルクを口にして、ほうと息を吐いてから。 「確認?」
ヘーレム
「……二人はほんとは、どう考えてるのか、とか……。どう思ってるのか、とか」
エリカ
「本当はどう思っている、とは?」
ヘーレム
もう一度、鞄に出来た丸みを見つめて 「……デュナの事」 とエリカに視線を送った。
エリカ
「考えについては、既に伝えました。どう思っているのかは、あなたの考えている通りだと思いますよ」
ダニエル
「………、」 苦笑して
ヘーレム
「本当に、デュナを殺さないといけないの? ……悲しく、ないの?」
エリカ
「現状では、私の頭ではそれを越える確実性を持った案は出てきません」
ヘーレム
「……エリカは、私達を守ろうとして、そう言ってるのよね? "私達"の中に、デュナは入れちゃ、駄目なの……?」
エリカ
「……私にとって、最も優先すべきは現実に生きるあなたたちの安全です。彼女はこの魔域に取り込まれた存在として生まれ、この魔域と共に消える運命にある」
「遠からず消えることが決まっている存在のために、あなたたちを不必要な危険に晒すことは出来ません」
ヘーレム
「消えちゃうのは、分かってる……分かってるけど――
ぐっと歯を食いしばって 「"助けてあげたかった"って、そう思うのは……もう嫌」
「一緒に外に出られる道を、皆と一緒ならきっと探し出せる。だから……」
「……今結論を出す前に、もっと調べたいのだわ。何かきっとあるはずだわ……そうでしょ?」
ダニエル
「……、調べる、か」
ヘーレム
「た、例えば…この廃墟にこの前見つけたみたいなすっごい魔動機が放棄されてたり、パズルが作ってくれた剣みたいなのが置いてあったり……!」 両手をわたわたと振り回して
エリカ
「此処へ来て、それだけの時間があれば、あなたの言っていることが道徳的には正しいのでしょう」
「ですが、」
「私も同じなんです、へーレム」
ヘーレム
わたわた振り回す腕をぴたりと止めて、ゆっくり降ろす 「……同じ?」
エリカ
「“助けてあげたかった”と思うのは、嫌です」
「切り捨てるべきものを切り捨てずに、あなたたちまで失う結果になったら、……私は、妹に顔向けが出来ません」
ヘーレム
「……わ、私はそんなに弱くな――い……」 弱くない、と胸を張って言い切る事が出来ず、徐々に声が落ち込んでいく。今まで散々守られてきたのは自分がよく知っている。
エリカ
「……あなたが強いとか、弱いとか、そういう話ではありません」
「私は妥協点として、自分を納得させるために、デュナメイスを捨てる選択を取ることに決めたのです」
「あなたがそれに納得する必要はないし、あなたの抗議は尤もなものです」
ヘーレム
「だ、妥協点って……」
何かを得る為に、何かを諦めている。妥協と言ったエリカの表情が――かつて助けてあげられなかった一人と重なって、目を小さく見開いた。
――なら、やっぱり……私は反対するのだわ!」
「エリカが私に納得する必要がないっていうなら……私もエリカが納得しなくても、いい!」
「我儘だけど……なんにも考えが浮かばないけど……、絶対絶対、他の道を探してやるんだから!」
ダニエル
「………、」 どうする、って顔をエリカに向けて
エリカ
「……分かりました」
「私の提案も、あくまで現時点での情報を元に危険性を考えたものに過ぎません」
「私たちの手元にすべての情報がない以上、今すぐにデュナメイスを殺すというのはまだ早計であるのは確かです」
ヘーレム
「………」 こくん、と慎重に頷く
エリカ
「もう少しだけ待ちます――……いえ」
「もう少しだけ、情報を探し、皆で考えてみましょう」
ヘーレム
「………」 再度大きな瞳を丸くして
エリカ
「ですが、限界だと判断した時には、私は迷わずデュナメイスを斬ります」
「それにも、納得しろとは言いませんが」
「…………」 顔を俯向けて、目を伏せて。 「……そうしたとしても、嫌わないでいてくれると、助かります」
ダニエル
「だーから」
ヘーレム
「………。……?」 最後の一言には、怪訝そうな表情をした
ダニエル
「本当に不器用だな」 苦笑して
「まず1つ訂正だ」
「デュナを斬るのは俺だ」
「それはお前に譲るつもりはない」
ヘーレム
エリカの言葉にふと自身の胸元に手を置いて、今度ははっとした表情になる。次いで、ダニエルを見やって。
ダニエル
「へーレム、それがエリカの本音だ」
エリカ
「……なんですかそのこだわりは。子供ですか」
ダニエル
「お前に嫌われるのはいてえんだとさ」
「違うね」 >エリカ
「俺が使うと決めたから俺が終わらせるってだけだ。殺したやつは、忘れないから」
「きっちり過去にして、一緒に連れて行く。そのために斬る時は斬る。それは俺の役目だ」
「だからお前に背負わせるつもりはない」
「で、」
「一緒に出ていく事ができたとして、だ」
「その後はどうするつもりだ、へーレム」
エリカ
「格好つけているつもりかもしれませんが、それ、一番格好悪い言い訳ですからね」
ヘーレム
「……」 じっとダニエルを見つめる 「……一緒に、ご飯を食べるの。街を案内して、たくさんお話をする」 ぽつりと零れる言葉は、なんともふんわりとしたものだ
エリカ
「そもそも、あんなことを提案した時点で、私も同罪なんです。斬るのがあなたであろうと私であろうと、責任の重さは変わりませんよ」
ダニエル
「……あのな、エリカ」
「お前にその時、自分を新しい主人に言ってくれたよな」
「でもそうじゃなくて、俺は俺でいいって言った。だから、そこは違うんだよ」
「そいつは、素敵だな」 へーレムに返して 「ただな、デュナにはどう考えても、俺達の思い至らない以上の力がある」
「ただの客人として迎え入れるには、難しいだろう。それは分かるか?」
エリカ
「……あなたが私に言った色々な言葉を、そのままそっくりあなたに返してやりたい気分です」
ヘーレム
まるで咎を引き受け合うような二人の会話に、スカートを握る手に力が籠る。どちらにも、そんな責任を負わせたくない。
こくん、と頷く 「デュナを外に連れ出したら危険って……アンフィスも言ってた」
ダニエル
「へいへい。言ってくれていいよ」 苦笑して 「ただケーキじゃねえんだ。二人でっていうのは、可笑しいだろ」
「デュナ"が"危険なんじゃないんだ」
「デュナに対する周りのリアクションが、どう考えてもな」
「ただでさえ、イルスファールはやばい兵器を運用した実績があるし、」
エリカ
「勝手にひとりで背負ったつもりになっていてください。もう少し大人になったら、自分の格好悪さに気付くでしょうから」
その時に一人で思い出して悶えればいいんです、とその会話を打ち切って。
ダニエル
「そこに更に人型のってなったら、いらん事を招きかねない」
ヘーレム
枕に顔を埋めて足をばたばたさせるダニエル/gif
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ダニエル
「…‥」 呪いみたいだな って苦笑して
「無論、うちの王様はできたやつだ」
「ただちょっかいかけるやつはいくらでもいるだろう。その時、」
「俺達はずっとデュナを守っていくのか?」
ヘーレム
「………」 ぐ、と唇を引き締める
ダニエル
「……、人1人を背負うって言うのは、簡単なことじゃないんだ」
「俺にはまだ、出来そうにない」
「だから、置いていく方が良いって、俺は思う。お前の考えが素敵で、真っ直ぐな事は、俺には眩しいよ」
ダニエル
(じたばた
青春スーツ(©羽海野チカ)着用してるからね、しかたないね
ヘーレム
「だからって……こんな真っ暗で寂しい場所と一緒に消えさせるの……?ミシェルさんやパズルさんみたいに、目の前から消しちゃうなんて……」
ダニエル
「できれば、外に連れ出してから、がいいけどな」 「そうも、言ってられないかもしれない」
エリカ
「……仮に彼女を外に連れ出す手段が見つかったとして、」
「結論を出すのは、今すぐじゃなくてもいいんじゃないですか」
ダニエル
「……まあな」
ヘーレム
――……」 エリカをちらりと見て
エリカ
「今はまだ、その方法、手段すら見つかっていない状態です」
ヘーレム
中身を大分端折ってこの会話を見てみると、ペットを飼いたい子供と責任持てないなら飼いませんって諭す両親
ダニエル
「協力はしてやる、だから探すなら見つけに行こうぜ」
エリカ
「その時までに、外に彼女を連れ出したとして、出来るだけ混乱を招かなくて済む方法も考えておきなさい」
ダニエル
「見つからなかったらその時はその時でいい。ただ俺もエリカも」
「優先するべきはデュナよりはお前達だって言うのは、分かってくれよな」
ヘーレム
「……っ」 こく、こく、とそれぞれに力強く頷く。
「……うん、分かってる」 スカートを握る両手に、更に力を込めて
「エリカもダニエルも、ずっとずっと、そうだった」
「ずっとずっと、守ってくれてた。身体だけじゃない、心も、守ってくれてた」
「だから、今度は私が二人の心を守りたい……絶対、道を探して見せるから」
「……デュナを斬ってその罪を背負おうなんて、そんな悲しい事考えないで済むように……」
エリカ
「……分かりました。では、期待して待っておきます」
ダニエル
「………、」 ああ、……そうか こいつは、悲しい考えだったのか 「…参ったな」
「……、任せたぜ」
ヘーレム
「うんっ、見てるがいいのだわ!なんかすっごい、どんなお願い事も叶えちゃうような、スーパーデラックスめちゃくちゃハイテク魔動機見つけてやるんだから!」
また両手をぱたぱた振り回して、すごさをアピールした。
エリカ
小さく苦笑して、飲み終えたカップをテーブルに置いた。 「ごちそうさまです」
ダニエル
カップを持ち上げると 一息に飲んで
ヘーレム
「うんっ」 カップを受け取るように、二人に両手を差し出して
ダニエル
言葉を一つ飲み込んで 「ごちそうさま」 とカップを返す
ヘーレム
両手がカップで埋まると 「……あっ」 と声を上げて。わたわたと慌てる
エリカ
「ありがとうございます」 カップを手に取り直すと、それをへーレムへと手渡して。
ヘーレム
「そ、袖の中……デュナに渡さなきゃいけないものがあるの……」 取り出して欲しい、と袖をエリカに向ける
エリカ
「袖の中に……?」 小首を傾げ、へーレムの袖の中を覗き込む。
ヘーレム
中には、綺麗な色で編まれた組紐が入っていた。
エリカ
それを取り出し、掌に乗せて。 「これは?」
ヘーレム
「アンフィスと作ったの!デュナに渡しておいてねっ」
ダニエル
「こらこら」
エリカ
「せっかく作ったのなら、自分の手で渡したらどうですか」
ダニエル
「自分で渡せ」 グリグリ頭を撫でて
ヘーレム
「……あわっ」
ダニエル
「此処で勝手に出してもあれだから、全員揃ってる時にな」
エリカ
へーレムの持つカップを取り上げて、代わりに手の上に組紐を返した。
ヘーレム
「……」 カップの代わりに渡された組紐を見下ろして 「うん、じゃあ……そうする!」
エリカ
「これを片付けて来ます。すぐに戻りますから、その間少し見張りの代わりをお願いします、へーレム」
ヘーレム
「……えっ、い、いいの?」 エリカほど、見張りに適しているとは思えないが、と
エリカ
カップを両手に立ち上がり、部屋を出ていく。
ダニエル
「じゃあ付き合ってくれよ、へーレム」
エリカ
去り際、すぐに戻りますからと言い残して。
ヘーレム
「……うん。じゃあ、一緒にいる」 出ていくエリカの背中を見つめて 「……エ、エリカ!」
ヘーレム
エリカごめんねいかせねえよ!
エリカ
あとは若いお二人できゃっきゃうふふするのを窓から眺めてます
こわい
エリカ
「……?」
ダニエル
こわそう
ヘーレム
「……私の事、守ってくれるエリカの事――嫌いになんて、ならないのだわ。嫌いになって欲しいって言われても、もう無理なんだからねっ」
エリカ
いつもの素っ気ない「そうですか」などの声はなく、振り向いて、小さく微笑んでから、部屋を後にした。
ヘーレム
「……」 エリカの笑顔に――それはまだ、微かで小さなものだけど――満足したように笑顔になると、先程座っていた椅子にすとんと腰を下ろした。
エリカが戻ってきたら、まずはこの廃墟を探索して、アンフィスが言っていたようにデモニカを尋問でも何でもして情報を吐き出させて――…と、指折り数えて、この先の指針を決めていく。
エリカ
デモニカかわいそう
ヘーレム
果たして拷問はきくのかどうか
ダニエル
「──、」 息をついて 「手伝えることがあったら言えよ」
ヘーレム
USB差込口に埃近付ければ嫌がるかな…
ダニエル
上書き保存してやるぞって
脅せばだいたいなんとかなりそう
ヘーレム
「……うんっ、やらなきゃいけないこと、いっぱいいっぱいあるのだわ!」
ヘーレム
ファイアーウォールかマカフィー仕込むぞって言ってもよさそう
その辺の怪しげなサイトから謎のexeをダウンロードしてインストールするぞ
これだな…
大丈夫そうなら〆!ます!
エリカ
大丈夫です
ダニエル
大丈夫だ
ヘーレム
その後、ダニエルと暫しの会話を交えて、短いけれど穏やかな時間を過ごす。まだ先の展望はあやふやなままだが、それでも僅かな希望が見えただけ、少し前よりも随分とマシだとそう少女は感じたのだった。
思い出すのは、墓碑に添えられた白い花と、あの時流した涙。
あの時約束した言葉を違えたくない。そんな気持ちでいっぱいだった。
ヘーレム
おわり!
お付き合いありしゃっしたーー!
エリカ
お疲れ様でした
ありがとうございました~~
ダニエル
お疲れ様ー
そんじゃ撤退だ またな
ヘーレム
なんか色々やりたいけど卓は月曜日ですデデドン
またね!
エリカ
ででどん
てったいたい
!SYSTEM
ダニエルが退室しました
!SYSTEM
エリカが退室しました
ヘーレム
お疲れ様でしたんご!
!SYSTEM
ヘーレムが退室しました
背景
BGM