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- アストレアが入室しました
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- カーティスが入室しました
- アストレア
- よろしくお願いします
- カーティス
- よろしくおねがいします
- ――“奈落の魔域”が破壊され、アストレアを連れた一行が王都へと帰還してから、数日が経った。
- 冒険者ギルドやガルバへの報告を終えた一行は、それに加えて彼女へ対応を行いつつも、それぞれの日常へと戻って行った。
- それぞれの手助けもあり、〈星の標〉の客室のひとつを拠点とし
- 自由に動ける時間を確保出来たその日、アストレアは案内を申し出たカーティスに連れられ
- 王都内を暫く散策し、一通り見回った後 休息を取るべくひとつのカフェを訪れていた。
- 通りに面したテラステーブルのひとつに座り、注文した品々が並べられ
- 人通りも多い通りの傍、賑やかな空気の中で少し遅い昼食を摂っている。
- カーティス
- 「――じゃ、頂きます」 ぱち、と両手を合わせて呟いた。
- アストレア
- 「──、」 手を顔の前で組み、小声で祈りの言葉を捧げて
- カーティス
- 「これで一通りの確認は終わったな。後は何か、気になった所は?」
- アストレア
- 「──、頂きます」 カーティスに倣って 一言添えると顔を上げる
- 「随分と慌ただしい国だな、と思ったかな」
- カーティス
- 注文された料理に手を付けながら、小首を傾げる。 「慌ただしい、か?」
- アストレア
- 「慌てているというよりは、賑やかといったほうが良いだろうか」
- カーティス
- 続いた言葉に笑ってみせてながら、頷きを返す。
- アストレア
- 「目的意識を持って行動するものが多く、日々、刷新されていく、そういう都市だと思ったよ」
- カーティス
- 「そうだな、そっちの方が合ってる。……良いとこだろ、気に入ってんだ」
- アストレア
- 「良いところというのは、そうだと思うよ」 頷いて
- 手元にあるコーヒーカップを持ち上げると、手を暖めるように両手で保持する
- カーティス
- 「これから少なからず過ごすんだ、気に入って貰えればいいんだが」 ん、と肉を口にして うめえ、と少しだけ頬が綻ぶ
- アストレア
- 「今日はありがとう」 カーティスの顔を見て 少し目を伏せてからそう告げる
- カーティス
- 「どう致しまして。……何だよアストレア。改まって」
- アストレア
- 「感謝は告げられる時に告げないと、いけないと意識を改めたんだ」
- カーティス
- 「ちょーっと違うな」 ふい、とフォークを左右に揺らして。
- アストレア
- 「違う?」
- カーティス
- 「それだけじゃあねえんだなぁ。……全部だよ、全部」
- アストレア
- 「全部…?」
- カーティス
- 「おう。感謝すんのも、謝んのもそう」
- アストレア
- 「済まない、修飾が多すぎると、主題が見えなくなる」 と困ったように言って 「違うというのは、意識を改める箇所、のことを言っているのだろうか?」
- カーティス
- 「怒ったりも、全部そうなんだよ。生きてる時に、傍にいる時に、伝わる時にしなきゃなんねえ……って」
- 「悪い、すっ飛ばしてた。……箇所の話だな、うん」 苦笑しつつ、詫びる様に手を挙げて。
- アストレア
- 「一先ず、聞こうと思う、話してほしい」
- カーティス
- 「あー、告げられる時に告げないといけないもんは、感謝だけじゃないんだぜってだけさ」
- 「死なれちまったら、怒ったりも謝ったりも出来なくなっちまうからな」 少しだけ寂しそうな笑みを浮かべて。
- アストレア
- 「……それは分かっているよ。ただ今回は感謝する場面だったから、そう言わせて貰ったんだ」
- 「指摘してくれてありがとう」
- カーティス
- 「小姑みたいになっちまった」 改めて悪いな、と続けて。
- アストレア
- 「いや、いいんだ」
- 小さく首を振って
- カーティス
- 「んじゃ良し」 ぱ、と切り替える様に笑って見せて。
- アストレア
- 「………」 小さく笑い返して
- カーティス
- 「王都内の話は終わったろー、後は列車が通ってる辺りの話はしておくべきかね……」
- アストレア
- 「帰り道に利用させてもらったな。その時に路線図というものも見た」
- カーティス
- 笑みが返ってくれば、それにまた笑みを深めて、少年のように笑って見せる。
- アストレア
- 「国を縦断するように線路が走っていて、その上を列車が往く、というものだったな」
- カーティス
- 「ああ。あれこそ文明の利器って奴だよな……」
- 「地道に歩くのがあほらしくなるくらい速かっただろ?」
- アストレア
- 「初めて見るが、大量輸送を行えるという点でも素晴らしいものだと思う」
- 「飢饉の村にも、人数分の食料などを馬車を使わずに送ることが出来るし、」
- 「鮮度を保ったまま送る事も受け取ることも出来る。食料だけではなく、兵員などもそうだな」
- 「攻撃されている箇所にすぐに派遣することが出来るし、あの重量ならきっと、砲台なども載せることが出来る気がする」
- カーティス
- 「だな。蛮族と競り合ってる南なんかは、」
- 「列車が無けりゃ確実に今の状態は維持できてねえだろうな。防衛線ももっと北にあったろうさ」
- アストレア
- 「その辺りも含めて、取りまとめている王が賢明なのだと思う」
- カーティス
- 「北の方を見りゃ、それも今アストレアが言った通りでな。どの面で見ても重要なもんだよ」
- アストレア
- 小さく頷いて そして笑みが寂しいものへと変わる
- カーティス
- 王、という単語 それと表情の変化を見れば、少し困った様に笑ってみせて。
- 「アストレア」
- 口にしてから、あー、と小さく息を吐いたと思えば、人差し指を持ち上げた。
- アストレア
- 「………」 顔を上げて カーティスを見る
- カーティス
- 「アスト、って呼んでもいいか?」
- アストレア
- 「………、それは呼びづらいからだろうか?」
- カーティス
- 「いんや。お近付きの印にね」
- アストレア
- 少しだけ探るような気配が滲んで
- カーティス
- その気配を指して気にするでもなく続けて
- アストレア
- 「であれば、まだ数日の付き合いだ」 苦笑して 「呼びづらいのでなければ、そのまま呼んでくれる方がありがたいよ」
- カーティス
- 「ん。そうしよう」 苦笑しつつ、頷いて。
- アストレア
- 「提案してくれてありがとう」
- カーティス
- 「また改めるさ」 「……で、何言おうとしてたんだっけな」
- 一通り料理を食べ終えて、食器を置いて。 「その内思い出すかね」
- アストレア
- 「……、」 コーヒーを啜って 内心で息を整える
- 「思い出せないことは、優先順位がそこまで高いことじゃないということではないかな」
- 「ただ、」
- カーティス
- 「そうかもな。……うん?」
- アストレア
- 赤い目をカーティスに向けて 「私に向けた言葉を告げようとしてくれていたのなら、やはり感謝するべきだと思う」
- カーティス
- 「それを抜かしてるんじゃあ格好が付かないだろうよ」 苦笑して。
- アストレア
- 「気を遣われている事は分かるし、伝わっている。だから言葉を選んでくれているんだろう?」
- カーティス
- 「遣ってるとすりゃあ、そりゃアストレアに、じゃあないかもなあ」
- アストレア
- 「……自意識過剰だったか」 苦笑して 「知ったかぶったような事を言ってすまない」
- カーティス
- 「かも、だぜ」 こちらも苦笑して 「それに、アストレアが無関係だってんじゃない。……俺が気を遣ってるとすんなら、そりゃマリアベルにだよ」
- アストレア
- 「………そうか」
- 目を伏せて
- 「ありがとう」
- カーティス
- 「他の奴らはさておき、」
- 「俺はな、お前を助けようとして、それを利用されたマリアベルを殺したと思ってる」
- アストレア
- 「……、」
- カーティス
- ちょっと離席
- アストレア
- 「だとしたら、殺したのは私だな」
- アストレア
- いってらっしゃい
- カーティス
- もどり
- アストレア
- おかえりなさい
- カーティス
- 「……何でそう思う?」
- アストレア
- 「言わなければいけないことだろうか」
- カーティス
- 「俺はそうは思わねえからなあ」 カップを持ち上げて
- 「違うんじゃねえか、って言うには、知らなきゃいけないだろ?」
- アストレア
- 「あまり言いたくはないよ。失言だったから、忘れてほしい」
- カーティス
- 頷いて。 「じゃあ、戻すが」
- 「取る方法が間違ったとしても、そうさせた思いが間違ってるとは、俺は思ってなくてな」
- 「だから、マリアベルを止めたんなら」
- 「あいつが感じてた思いが、ちょっとくらいは報われて欲しいと思ってるんだよ」
- 「お前が生きていて、答えを出して」
- アストレア
- 「………」
- カーティス
- 「前を向ける手伝いをしたいんだよ、つまりは。……止めた奴の、殺した奴の責任としてな」
- どこまでも勝手なもんだけどな、とカップを傾ける。
- アストレア
- 「……そうか」
- カーティス
- 「良いんだぜ、怒って」
- アストレア
- 「怒って何になる」
- カーティス
- 「生きてる、って解るな」
- アストレア
- 「……、カーティスが責任を持つというのは、少し違うとは思う」
- 「ただ、それを否定もしない」
- カーティス
- 「そっちは、聞いたら教えてくれるか?」
- アストレア
- 「私が思うマリアへの気持ちと、君が持つマリアへの気持ちは、違うものだから」
- 「マリアは、自分なりの我を通して逝ったと思う」
- 「だから、誰かに責任を押し付けたり持たれたりするのは、違うと思うんだ」
- カーティス
- 「我を、か」
- アストレア
- 「それを通させる前に、止めるべきだし気がつくべきだった」
- 「先程言わなかったのは、そういった言葉だよ」
- カーティス
- 「そうでもなきゃ、お前は死んでたんじゃないのか」
- 「だからこそ止められない様に、気付かれない様に動いてたんだろう?」
- アストレア
- 「……」 息をついて
- 「それはそうだろうな」
- カーティス
- 「……悪いな」
- アストレア
- 「何故謝る」
- カーティス
- 「踏み込み過ぎ、だな。……思いの中身について、俺がとやかく言うべきじゃなかった」
- アストレア
- 「……、」 苦笑して 「気にしなくていい」
- カーティス
- 「……、さっきの俺の言葉だが、責任、じゃねえなあ。そういうもんじゃあない」
- 「俺がそうしたいと思った。……って、それだけで良かったな」
- アストレア
- 「……それはなぜか、聞いてもいいだろうか」
- アストレア
- よし
- 続きをやろうか
- カーティス
- おうとも
- カーティス
- 「自分にとって大きな奴が死ぬ、ってのはさ」
- 「どんな言葉にしても足りないくらい、大きな事だろ?」
- 「それが老衰だろうが、」
- アストレア
- 「……」
- カーティス
- 「病気だろうが、闘った結果だろうが、騙された結果だろうが、因果応報って奴だろうがさ」
- 「どんな理由の死でも、辛いもんだ。そうだろ?」
- アストレア
- 「………、」 カーティスの目を見てから 伏せて
- 「ありがとう」
- 「それから、すまない」
- 「試すようなことを言った……許して欲しい」
- カーティス
- 「何だよ、いきなり。……どうした?」
- アストレア
- 胸に手を当てて 小さく頭を下げる
- 「──、一人という状況が、実はとても久しぶりでな」
- 「本当に相手を信頼できるかどうか、考えてしまっていた」
- 「カーティスは、きっと私を不安にさせまいと気遣ってくれていたのに、私は真逆のことを思っていた。だから、その事に対する謝罪なんだ」
- カーティス
- ひとつひとつをゆっくりと聞くと、柔らかい笑みを浮かべた。
- 「良い事だよ。ちゃんと大事な事を教わって、それを実践出来てたんだからな」
- 「俺が本当に良い奴だって保証はねえし、」
- 「こっちに来るまでも、来てからも。ひとつだって気ぃ抜けた事はなかったろ?」
- アストレア
- 「……」 小さく頷いて
- 「だから、」
- 「少し、私の話をしてもいいだろうか」
- カーティス
- 「ああ。聞かせてくれよ」 頷くと店員に二人分の飲み物を頼み、アストレアを見つめた。
- アストレア
- 「……」 頷いて
- 「私の生まれは、察してもらえている前提なのだが、」
- 「まあ、そういう立場で身分で……、そして立てやすい種族として生まれたのもあるんだろう、」
- 「生まれた順番の割に、色々なところで引っ張られてな」
- 「良くしてもらったし、期待に応えようとしていた。だからこそ、マリアなどには心労をかけたと思う」
- カーティス
- 「……頑張ってるのを見守るのは、その方法によっちゃひやひやしたりもするからな」 言って、運ばれてきたカップをアストレアに差し出した。
- アストレア
- 「お飾りなりに努力もしたけれど……時流と状況はそれで動かせるわけじゃない。虚ろには結局、虚ろの力しかなかった」
- 「名前と血の力は、」
- 何処か乾いた笑みで 「溜まりきった不満に対しては、無力だった。でもそれでも、ついてきてくれた者たちが居た」
- 「でも、私は…彼らを巻き込みたくなかった。それが、本心だった」
- カーティス
- 「……巻き込む、ってのは?」
- アストレア
- 「私と共に在ることで、犯罪人扱いになり得たし、」 カップを持ち上げて
- 一口啜るとカップから口を離す 「──、最悪、犯罪人扱いだった」
- じゃない
- 最悪、処刑されるところだった
- だね
- カーティス
- うむ
- アストレア
- 「だから・・・‥そうなる前についてくる理由がなくなれば良かったんだと。思ったんだ」
- カーティス
- 小さく息を吐いて、くしゃりと髪を弄りながら口を開いた。
- 「アストレア、お前はいくつだっけな」
- アストレア
- 「16だ」
- カーティス
- 「っか。……重ぇよなあ」
- アストレア
- 「どうなったかは、分からない。ただ、」
- 「多く、永く、幸あれと、……祈るだけだ」
- 「そんな無責任なことしか出来ないのが、今の私だよ」
- カーティス
- 静かに言葉を聞いていたが、最後の言葉にふと動きを止めた――否。眉根が、眼に見えてぴきりと動いた。
- アストレア
- 「だから……、せめて見届けた一人の」
- 「願いくらいは、握っておかねばね」
- カーティス
- 黒の瞳が不満そうにじっとアストレアを見つめると、口がゆっくりと開いて、咎める様な声を吐き出した。
- 「バァカ」
- アストレア
- 「………」 困ったような表情になって カーティスを見つめた
- カーティス
- 「ついてきてくれた奴らの事を、お前なりに考えて考えて、絞り出したのがそれだったんだろ?」
- アストレア
- 「……、」 頷いて
- カーティス
- 「それがどういう事かも、どう思われるかもわかってて、それでもって決めたんじゃねえのかよ」
- アストレア
- 「………、」 ぎゅ、と手を握り込んで
- カーティス
- 「それを、」 じ、とアストレアを正面に見据え、続ける。
- 「お前が否定するな。無責任だとか、そんな言葉で馬鹿にしちゃいけないだろう」
- アストレア
- 「……そうだな。カーティスの言う通りだと思う」
- 「重ねて、ありがとう」
- 「真剣に、受け取ってくれて」
- カーティス
- 「……、」 再び表情が崩れて、普段通りの雰囲気に戻って
- 「おいおい、俺はいつだって真剣だろ?」 笑うと、カップを煽った。
- アストレア
- 「普段のことを言っているわけではないよ」 苦笑して
- カップを干すと
- 「ごちそうさま」
- 銀貨を載せて 「……、何かに付けて迷惑はかけるかもしれないが、良ければ今後とも宜しく頼むよ」
- カーティス
- 「困った時はなんとやら、だ。何でも相談してくれよ」
- 「んじゃ、そろそろ行くかね」
- アストレア
- 「ああ」
- カーティス
- こんなくらいかな
- アストレア
- うん。お付き合いありがとう
- カーティス
- こちらこそありがとう。ログは格納したら連絡する。
- お疲れ様でした。
- アストレア
- 20211218_1 ログ番号だ
- お疲れさまでした
- ではそのまま抜ける また
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- アストレアが退室しました
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