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神が死んだ世界ー幕間Ⅰ

20211117_0

!SYSTEM
クリスティナが入室しました
!SYSTEM
ダニエルが入室しました
!SYSTEM
ヘーレムが入室しました
ヘーレム
ヌン
クリスティナ
オン
ダニエル
ヘア
クリスティナ
引き出しはない!
ダニエル
どういう状況でやろっか
潔さよ
クリスティナ
あのあとなんぼかCCあったっぽいしよくわかんにゃい
ダニエル
へーレムはどうする
クリスティナ
なんかこう……お任せで
ダニエル
あいよ
ヘーレム
んーー
そうだなぁ
クリスティナ
呼ばれたらほいほいいく
ヘーレム
なにか持って行くっていっちゃったし
何か持って行きます!(?
クリスティナ
なにか。
ダニエル
じゃあ状況はこっちで描写するでいいな
ヘーレム
わーいおねがいします
 
 
ダニエル
よろしくお願いします
 
 
 
 
 
 
 
 
クリスティナ
よろしくおねがいします
 
微妙な空気の中、散会した会議の後、休息や次の行動の準備に当てるための時間
少年は、休息スペースには戻らず、一通り歩いて、そして自動販売機が並ぶエリアに戻ってきていた
ヴーン、と筐体が音を発していて 完全な静寂とは言い難いのが、かえって落ち着くのかもしれない
ダニエルは、ベンチに腰を落ち着けると 一息つく
ダニエル
首元には風切り布はなく 何処か落ち着いた様子で そろそろ転がる準備でもするか、と考えていた
ヘーレム
そんな折、遠くの廊下から軽い足音が聞こえてきた。足音からして、相手は10そこそこの小さく軽い人間。
遠くの廊下の角から幼い少女が駆け出てきて、そしてそのまま真っ直ぐ進んで角に消えていく。
ヘーレム
十字路の南の方角にダニエルがいるとして、西から東に駆けていく感じ!!
ダニエル
「──、ん」 へーレムの足音が聞こえた気がして そちらを向いて 「…‥」 わずかに腰を上げると 角まで歩いていく
クリスティナ
ビューン
ヘーレム
消えていった角から 「あれー……」 と声が聞こえて
ダニエル
「あいつ1人で何やってんだ・・・?」 ちら、と見て
ヘーレム
少女はダニエルの居室の扉の前で「いないの?」と誰もいない部屋の中へと声をかけて、返事が返ってこない事に首を傾げた。
ダニエル
「……どうした」
背中に声をかけて 近づいていく
ヘーレム
「ひゃっ」
びくりと体を震わせて振り返る。腕の中には小さな裁縫セットが抱えられていた 「あっ、ダニエル!」
クリスティナ
適当に部屋に帰ってきた感あれば良い気がしてきた。まだ同室だった気がする
ダニエル
「俺になにか用かい?」 とへーレムに 「とりあえず立ち話もあれだし、ジュース奢ってやるから来いよ」
ダニエル
おっと
そうだな
ヘーレム
「ほんと?」 ぱっと嬉しそうに笑顔になると、ダニエルの横にとたたっと駆け寄った。
クリスティナ
「……ん?」 そこにふらりと戻ってくる、甲冑のままのクリスティナ
ダニエル
「おう、クリス。おかえり」
クリスティナ
「ああ。ただいま――しかし、部屋の前で二人してどうした?」
ヘーレム
なんだかんだ最初は警戒していたものの、美味しい飲み物がボタン一つで出てくるあの魔動機の事は気に入っていた。次は何を飲もうかなと考えていると 「……あ、おかえりなさい!」
ダニエル
「いや、なにか用事があるみたいだから、立ち話もあれだし飲み物でも、と思ってな」
>クリス
ヘーレム
「ダニエルに、レディとのシンボクの深め方を教えてあげるのよ」 どやっと胸を張って見せた。
クリスティナ
「なるほど。なら、部屋に入ってはどうか? 私が先ほど、適当に飲み物を持ち込んでおいた。部屋に冷えた箱があってな」
ヘーレム
ホテルの個室によくある小さい冷蔵庫だ!!!!
ダニエル
「っと、そうか。ありがとうな」
クリスティナ
ご自由にお取りください(有料
ダニエル
「じゃあ戻るか」
クリスティナ
「そういう話なら、部屋の中がよかろうしな」 言って、先だって入って行こう
ヘーレム
隊列はクリスティナの後ろ!
(入ります
ダニエル
最後に入って 扉が閉まる
ベッドが2つ。その間に色々な物が置かれている部屋で 部屋割りとしては大差ないだろう
後二人程増えると手狭さを感じそうだ
適当に飲み物をとると クリスとへーレムに手渡していく
クリスティナ
「流石に借り物の部屋で、あれこれ飾りも置く訳に行かんから味気は無いが……こういうものは用意しておいた」 といって、箱からミルクとコーヒーを取り出して二人に渡そう。
ダニエル
「おっと、ありがとうな」
クリスティナ
ミルクは牛乳パックだ―― >ヘーレム
ヘーレム
「ありがとう!」 飲み物を受け取って 「あっ、ミルク」
クリスティナ
「妙に気に入っておったようだからな」 と、苦笑つつ。軽くだけ甲冑を外して、自分のベッドに腰を下ろした
ヘーレム
開け方はもう完璧なのだ。何処かどや顔でミルクの缶を開けて、一口飲む 「うん、あんな箱からミルクが出るなんて不思議で……」 えへへと笑って。それから腕の中に抱えていた裁縫セットを真ん中のテーブルに置いた。
クリスティナ
「私は私で、ダニエルに話しておこうと思ったが……そちらは大した話ではない。ヘーレム……親睦の深め方だったか?」 そっちを聞こうか。と水を向ける
ダニエル
「……、」 クリスに頷いて へーレムに顔を向ける
ヘーレム
「…うん!だってダニエルったら、レディに無骨な装備を渡そうとしちゃうんだから。便利だけど……レディに渡すものとしてはフテキセツなのだわ!」 言いつつ、裁縫セットから色々と取り出した。
クリスティナ
「……装備の話? いや、別に装備を渡す分には何であれ良いのではないか?」 どういうことだ、とむしろダニエルに視線を向けて問いかけた
ダニエル
「ああ、エリカに風切り布を渡そうとしたことか……」 ちょっとバツが悪そうに苦笑して
ヘーレム
旅の鞄に入れるものの為、どれも小さいものばかりだが、少女の小さな手にはそのサイズはピッタリなように見えた。ハサミに、色とりどりの紐を取り出して。
クリスティナ
「それはそれでいいとは思うが……ヘーレム。それは一体何をする気だ?」
ヘーレム
「レディと仲良くなるために渡すなら、もっとお洒落なものがいいのよ」 人差し指をたてて、ふりふりと振って見せる。クリスティナの質問には 「これでね、アクセサリーを作って渡したら、きっとエリカも喜んで素直に受け取ってくれると思うの!」 と刺繍糸を手に載せて見せた
ダニエル
「………あのなへーレム」 悪い、とは思ったけれど一応言ったほうが良いと思って口を開く 少年の首元には、件の風切り布は今はない
ヘーレム
「ほら、ダニエル。これを持ってて!」 ずずい、と色とりどりの刺繍糸4本を束ねて、少年に差し出した。
ダニエル
「お、おう」
続く言葉は勢いにのまれて 少女から糸を受け取ると頷いた
クリスティナ
「妙な押しの強さがあるな……」 苦笑し、自分も珈琲を取り出して口にしよう
ヘーレム
「いい?よく見ててね。……まずこの色の糸をこうやって……で次はこっちの色の糸をこの糸の間にこうやって置いて――
ダニエル
「……組紐か?」
ヘーレム
「そう!知ってたの…?」
ダニエル
「まあな。お守りとしては上等な方だし」 笑ってから頷いて
クリスティナ
「ミサンガみたいなものか?」
ヘーレム
うん、とクリスティナにも頷いて
ダニエル
「ああ」
ヘーレム
「こっちの方が、レディへのプレゼントにはぴったりでしょ?」
クリスティナ
「いや、そうかもしれないしそうでないかもしれないが……趣旨が違わぬか?」
ヘーレム
「……シュシ?」
クリスティナ
「そうだ。別にダニエルは贈り物がしたくてそうしたわけでは……いや……」 途中で小さく手を挙げて
「おもしろそうだからそのままやるといい」 GO。
ダニエル
「……おい」
ヘーレム
頭上に疑問符を浮かべて、首を傾げた。
「……もしかして、クリスティナも欲しいの?じゃあ、私が作ってあげるね!」
クリスティナ
「いやいや、私は構わんよ。それより、ダニエルを手伝ってやるといい」
ダニエル
「……、ったく」
ヘーレム
嬉しそうに裁縫セットを広げたテーブルに駆け寄って、新たに刺繍糸を4本取り出した 「うん、一緒に作るの!」
クリスティナ
「ダニエルも。あれは良くなかったなとは思っておるのではないか?」
ダニエル
「………、わかったわかった」
ヘーレム
そうしてダニエルの横にぽすんと座ると、束ねた刺繍糸の片端を結んで、慣れた所作で編み出した
ダニエル
謝罪も全部終わっている事を告げることを少年は諦めて へーレムとクリスの要望に応えるべく 紐を握った
クリスティナ
「カッカ……物分かりが良くて結構。まったく、酒でも吞めればなおよかったのだがな」 コーヒーを、酒でも飲むときのようにぐるぐると回している
ヘーレム
手元に集中しているのか、真剣な目で刺繍糸を編んで……時折ダニエルは大丈夫かとちらちら視線を横に向けた。
「……そういえば、あの魔動機ってお酒はなかったの?」 そんな質問を放ってから、また手元の作業に集中する。
クリスティナ
「おや、こんな情勢で私が酒を煽っても良いと?」 どこぞのシュラでは見張り中に飲んだりもしたが、それはそれだ。
ダニエル
「……」 優しい目をへーレムに向けながら ちらっと見てくると 「手が止まってんぞ」 とからかう
「ドワーフは樽行くまでは飲んだ内に入らねえって聞いたけどな」
クリスティナ
「それはそうとも。それで私の手元が狂ったりはせぬが……気にする者もおろう」
ヘーレム
「……ダニエルも止まってるのだわ!」 慌てて、また集中する 「クリスティナなら、皆大丈夫って言ってくれそうだけど…」
クリスティナ
「まあなあ……」 苦いコーヒーで唇を湿らせて
ダニエル
「まあ帰ってからの楽しみだ。潰れるまで付き合ってやるさ」
クリスティナ
「おっと。言質が取れてしまったな」
ヘーレム
お酒を飲んで仲良くなる、は大人のトッケンだな…なんて考えて、床に届かない足をぷらぷらと揺らした。
クリスティナ
「よかろう。我が友も呼んで、魔剣で囲って歓迎してやるぞ」
ヘーレム
「……やっぱりクリスティナのお友達も魔剣なの?」
ダニエル
「圧迫面接は御免こうむるぞ」
クリスティナ
「やっぱりというのが分からんが……ミカサやライカは特に仲の良い友だよ」
ダニエル
手元を動かしながら ジトッとした目でクリスを見て
ヘーレム
途端、目をきらきらと輝かせた。ミカサは名前だけは知っている有名人だ。ライカには何度もお世話になっている。
クリスティナ
「友がそんな圧迫的なわけが――ないこともないかもしれないが、気のいい奴らだよ」 ミカサを思い、チラっとそういうこともあるかもと濁した
「それにしても、ヘーレムはどうして親睦の深め方をダニエルに勧めに来たんだ?」 組み上がっていく紐を眺めながら呟く
ヘーレム
「ご一緒したらいいのに!そんな機会、きっとメッタにないのだわ!」 純粋な気持ちでダニエルに勧めてみる
ダニエル
「そりゃ良かった。美人どころも多いって聞くし、悪い話じゃないな」 そう思わないと怖さが勝りそうだ
ヘーレム
「えっ」
うーん、と唸りつつ既に半分出来上がった組紐を見て
「エリカと仲良くなりたいのに装備を渡しちゃうダニエルを見たから……だけど――
「……エリカが、家族の人以外に何かを貰うのに慣れてないっていうから……」
ダニエル
「…‥」 がくっと 頭がおちそうになった
「……、そうかい」
クリスティナ
「あれは仲良くなりたいのとも少し違うような気がするが……ほれ、弁明の時間だぞ」 笑いながら、ダニエルを見た
ダニエル
「弁明ってほどのことじゃねえだろ」 困ったように笑って 「楽しみやがって」
「あれはな、俺よりもエリカの方がうまく使えそうだった。全員で生きて帰るには、エリカに使ってもらうのが良いと思ったから、渡そうと……渡したんだ」
ヘーレム
「……」 目を丸くして 「渡せたの?」
ダニエル
過去形に訂正して 手元は止めずに言い切った 「ああ」
「心配かけて、悪かったな」
クリスティナ
「なるほど」 最初からなくなっていたことには気が付いていて、敢えて投げかけてやっていた。それが分かるような悪だくみをした笑みを浮嗅げている
ヘーレム
ほああ、と気の抜けたような声を出して 「ううん」 と首を横に振った。
クリスティナ
噛み申した。
ヘーレム
かみまみた
クリスティナ
「むしろよく渡せたものだ。話し方によってはもっとひどく隔たれかねないと思っていたが」
ヘーレム
大人は対処が早い。うかうかしていたら既に丸く収まっていた事を知って、足をぷらぷら揺らした。
ダニエル
「リカの方もな、悪いと思ってくれてたみたいでさ。心配だと思って渡すなら、受け取ってくれるって言ったから、渡してきた」
「アーニャにも謝ったし、お前達にも謝ろうとは思ってたから、丁度良かったよ」
クリスティナ
「何だその……そんなことは全くないと分かってはいたが、物凄く色気もなにもないやり取りだな」
「というか、たち、とは? 私は謝られるようなことは無いと思うぞ」
ダニエル
「何を期待してたんだよ」 じと、っとして 「空気悪くした自覚はあったんだ。だからだよ」
クリスティナ
「それを言うなら、私も多くはフォローしなかったからな。お相子だろう」
ヘーレム
「……わ、わたしも、おあいこ」
クリスティナ
「デュナメイスを使うのだって、あまり重用するような物言いをするとまた揉めるかと思ってさっさと行かせるのを見送っていたしな」 ひらひら、と手を振って返す
ダニエル
「……ありがとうな」
「やってみて分かったけど、やっぱり集団を引っ張るってのは、本腰入れると大変だな」
クリスティナ
「いやいや。今回が癖が強すぎただけだと思うが」
ヘーレム
「………」 むにゃむにゃと口元を数秒歪めて
クリスティナ
「それを差し引いても、良くまとめているとおもうよ、私は」
ダニエル
「クリスにそう言ってもらえるなら良かったぜ……だが当分はもういいな」 く、とへーレムの作業分に行き着くと縛るようにして
「やっぱり誰かの剣先である方が楽だわ」
クリスティナ
「そう言うな。そんなの、私だって得意じゃない」
ダニエル
「そうなのか?」
クリスティナ
「そりゃそうだ。というか、疑問に思うような事だったか?」
ヘーレム
「クリスティナは、なんでも出来ちゃいそうだから……」
ダニエル
「お前のことだからな、陣頭指揮がよく似合いそうだった」
だよな、とへーレムに頷いて
ヘーレム
うんうん、とダニエルに何度も頷いて見せた。
クリスティナ
「買いかぶりだよ。そも、私はあまり頭が良くない」
ヘーレム
「ええーっ!」 反感の声
ダニエル
くっく、と人の悪い笑い声をあげて
「不満があるってよ」
クリスティナ
「そう言われてもな……私はここで戦っているのであって、こちらではないんだ」 と、胸を拳で叩いた後、頭を指し示してからぱっと手を開いた
ヘーレム
「…そっ、そうかもしれないけどぉ……」 まだ納得できない、とそんな表情
「ケンソンって奴なのかしら……クリスティナはブンブクドードーなのに……」
ダニエル
「いいや、それもちょっと違うな」
クリスティナ
「あまり過大評価されても困るな……」 くりくりとツインテールに触れながら苦笑している
ダニエル
「クリスが謙遜しているように見えるのは、」
「それだけへーレムがクリスに期待と信頼を寄せてるからだよ」
クリスティナ
「そう言われると奮い立たぬわけにはいかないが――またやり様に困るな、それは」
ヘーレム
「当たり前なのだわ!だって、いつも守ってくれるもの!怖い時は一緒にいてくれて、困ったときは手を引いてくれて!」 少し興奮気味にクリスティナカッコイイポイントを列挙していく
クリスティナ
「おいおい、誰だそれは……」 困ったな、と頭をかく
ダニエル
「兵士に対して、こいつについていけば負けないって思わせる。信仰させるのが名将らしい」 受け売りだが、と
クリスティナ
「何でも守ってやると言ってはいるが、つい先ほどエリカにちくりと大口を叩くなと言われているところだぞ、私は」
ダニエル
「冒険者の場合は、それを"英雄"っていうんじゃねえのかな」
ヘーレム
「エリカが意地悪なのは、いつもの事だもの!」
クリスティナ
「やれやれ……なんだ、親睦の深め方を教えに来たのではないか? 私の持ち上げ方を試行錯誤する必要はないんだぞ」
ヘーレム
「英雄……」 なるほどぉ、とクリスティナを見た
「クリスティナは装備が重くて、持ちあがらないのだわ……」
ダニエル
「別に持ち上げてるわけじゃねえけど」
クリスティナ
「それはそうだが、そうじゃないだろう」 おいおい >ヘーレム
ダニエル
「そう思われてるのも難儀だなって、思っただけさ」
ヘーレム
「……ナンギ?」
クリスティナ
「そうかな? 誰にも期待されず、ただ我が道を行く――というのは、孤高で強いモノかもしれぬが、それは暗く深い道だと思う」
ダニエル
「期待ってのは、するのは勝手だが、応える側はそうじゃないってことさ」
「それでも潰れねえから魔剣なんてやってられんだよ、ってな」
クリスティナ
「まあ――その点はそうかもしれぬな。誰かが私を、と求めるならば、そう在れと応えるのみだ」
ヘーレム
――……」 ふと、此処には居ない虎皮の男の背中を思い出して手が止まった。
「……期待されると、辛いの?」 クリスティナへ首を傾げた。
クリスティナ
「馬鹿を言うな。私がそのようなか細い心臓の持ち主と思うか?」
ヘーレム
「か、か細い心臓……」 さすがに内蔵は見えない……
クリスティナ
「たくさんの期待や夢を背負ってきたし、奪ってきた。それはこれからも背負っていく」 空になったコーヒーをサイドテーブルに置き
ヘーレム
色々背負ってるんだな、と考えてから 「重くないの?」
クリスティナ
「それだけ荷は重く、歩みは苦しくなるかもしれない。が、それだけじゃない。その分だけ、その一歩は重く力強いものになる。――なあ?」 首元が涼しくなった分、色々と重くなったであろうダニエルを見た
ヘーレム
ちらっとダニエルを見上げた。
ダニエル
「誰のせいで重くなってると思ってんだ……」 はぁ、と息をついて
「容量ってのは決まってんだ。誰でもお前みたいに全部背負って引きずっていくなんて出来ねえ。そんな事ができたら全員魔剣だろうが」
「腕の長さと熱意の差だ。俺の腕は、そこまで長くねえ。手元で手一杯だ」
クリスティナ
「なら、その手元を増やしていけるようにならねばな」 と、言ってからニヤリと笑い、
「そうそう――私の要件を言っていなかったな、ダニエル」
ダニエル
なんだ、とクリスティナを見て
ヘーレム
腕?腕の長さ……?両腕をのびーっと伸ばして、視界に映った組紐に慌てて作業を再開した。
クリスティナ
「この仕事の前にガルバに頼んでいた格上げの件、戻ったら取り下げておけ」
ヘーレム
「……えっ」
ダニエル
「理由は聞いとくか」 息をついて
クリスティナ
「一筆認めておく。――お前を推薦するのが店主では、少しつまらないだろう?」 と、悪だくみをする笑みで答えた
ダニエル
「お前なぁ」
ヘーレム
「……それって、クリスティナが推薦してくれるってこと?」
クリスティナ
「なんだ、不満か? さんざん持ち上げてくれた魔剣殿の直筆だぞ」
ヘーレム
キラキラした瞳でダニエルを見上げた 「すごいすごい!」
ダニエル
「っとに・・・」 はぁ、ともう一度息をついて 「光栄だよ」
クリスティナ
「うむ、うむ。私に、やっぱりやめておこう、なんて思わせることが無いようにな?」
ヘーレム
「良かったね、ダニエル!これでダニエルはどの等級になるの…?」
ダニエル
「とりあえず名剣だろ。ガルバの代わりにって言ってくれてるんだからな」
クリスティナ
「さて。少なくとも、名剣には押し上げてやれるだけの名声はあると思っているよ」
ヘーレム
ぱっと笑顔になって、指折り数える 「小剣、長剣……大剣で次が名剣……」
「5個目だよ!ダニエル!」 パーにした手の平をダニエルに見せた
ダニエル
「そうだな」 苦笑して 「クリスは2つ上だ」
クリスティナ
「クックック……そうだな」
「私も気が付いたらなっていたんだ。そのうち追い付くさ」
ヘーレム
「じゃあ、ダニエルもきっとそのうち魔剣になれちゃうね!」
ダニエル
「やめやめ」
ヘーレム
「えー、やなの?」
ダニエル
「俺はクリスと違うって言ったばっかりだろうが……」 バツが悪そうに頬をかいて
「──、行けるところまでは、行くさ」
クリスティナ
「私のようになんでもかんでも拾い食いはしないだろうがね」
ダニエル
「それが、俺の剣に誓ったことだから」
ヘーレム
「拾い食いは駄目なのだわ。お腹壊しちゃう……」
ダニエル
「……」 いや、しねえよ?
クリスティナ
「そうとも。私はそなたを評価したからこそ推薦する気になった」
ヘーレム
「……剣に誓う?」
クリスティナ
「高みへ往くといい。私のように手広くなくともよい。大切な物は間違えず、落とさぬように」
ダニエル
「そうだ……、自分自身に、そう誓ったんだ」 >へーレム
「大切なもの、ね……その定義も中々難しいぜ」 苦笑して
クリスティナ
「私が盾を持つのも、そんな誰かを護りたいからなのだから。折角だ、私の"期待"も勝手に乗せてやろう」
ヘーレム
「……」 ダニエルとクリスティナを交互に見やって
ダニエル
「とんでもないもの載せやがって…」
ヘーレム
剣を持つ人間同士にしか分からない事なのだろうか……載せたり載せなかったり、腕が伸びたり伸びなかったり…なんとも難しい。
そうこうしているうちに組紐が完成して、端をきゅっと結った 「……できた!」
「ダニエルも出来た?」 どれどれ、と少年の手元を覗き込む。
クリスティナ
「悪くない出来だな」 横から覗き込み、その出来栄えを見る
ダニエル
「終わってるよ」
と、手放して
ヘーレム
端を綺麗に揃えて、ほどけないように結って、余りを鋏で切って整える 「ね、綺麗でしょ?」 とクリスティナに笑った
クリスティナ
「ああ、悪くない。……そうだな、ヘーレムはそんなところが強いのだろう」
ヘーレム
「こっちはクリスティナに上げるね!こっちはちゃんとエリカに渡すのよ!」 完成した2本をそれぞれに手渡してから
「……組紐作っただけなのに?」 クリスティナに首を傾げる
クリスティナ
「いや。誰かの為に心を痛めたり、誰かを思ってこんなものを作れるところがな」
ダニエル
「分かった分かった……」 白と紫が鮮やかな組紐を見て
ヘーレム
「……そうかな。私はもっと、クリスティナやダニエルみたいに、ちゃんと強くなりたいけど……」
クリスティナ
「私は組みひもを作ろうなんて発想はないよ。ダニエルだって、自身の在り様のままに直接会って解決してきたではないか」
ヘーレム
「……」 ダニエルを見上げて、それからクリスティナを見て
クリスティナ
「私やダニエルのような強さを、ヘーレムが手に入れることは多分難しい。けどそれは、私がヘーレムを弱い者だと言っているわけではない。……分かるか?」
ヘーレム
悩んで、考え込んで、けれども視線はクリスティナから外さずに、ずっと透き通るガラス玉のような瞳で見つめた 「……んん」
「クリスティナにはクリスティナの、ダニエルにはダニエルの……私には私なりの強さがあるってこと……?」
クリスティナ
「私の言葉が全てではないがな」 頷き、手にある組みひもを見る
ダニエル
「……まあ正解」
「……、お前はきっと、いい女になるよ」 頭を撫でて 「男からみて、というだけじゃなくて、誰から見てもな…それがお前の言う、レディなのかもしれねえけど」
クリスティナ
「私たちの強さというのは、なんというかな。ヘーレムは私の"こたえ"も、ダニエルの"こたえ"も、聞いているだろう?」
ヘーレム
「……!ほんと!?」 立派なレディになれる、その言葉を他人から聞いたのは初めてだった。嬉しそうな笑顔でダニエルを見た。
「……うん」 クリスティナに、力強く頷く
クリスティナ
「それをヘーレムはすごい、と憧れたかもしれない。けれど、では私もそうしよう、とは思わなかったはずだ。勿論、その物言いが格好良くて真似しようとはしていたけれどな」
ダニエル
「俺はそう思うぜ」 と頷いて 手を離す
クリスティナ
「私やダニエルの強さというのは、自身の信念を曲げず、貫き、必要とあらばそうではないものを捨てる覚悟だ」 そうだろう、と目をダニエルに向け
ダニエル
「……」 クリスティナに頷きを返して へーレムを見る
クリスティナ
「けど、ヘーレムはそうではない。……なんというかな。あるがままに、誰かを想う。その、揺るぐのに揺るがないなんて、矛盾するそなたの在り方が、私にはとても強く思えるよ」
ヘーレム
……クリスティナが、強いって思ってくれてるの?」 目を丸くした
ダニエル
「俺もクリスとは少し違うけど」
「お前が強いって思ってるよ」
ヘーレム
唇を一文字に引き締めてダニエルを見上げた 「……!」
ダニエル
「エリカもアーニャも、フィスもクリスも、お前の事を心配するし、護るけどな」 少し身をかがめて目線を合わせて
「俺はお前に守ってもらってると思ってる」
「だから戦いの時、後ろは振り向かねえ。……お前がそこに居る。それだけで、俺達は前だけを向いていられる」
ヘーレム
大きな瞳をパチパチと瞬かせて、ダニエルの真っ直ぐな瞳をこちらも真っ直ぐすぎるほど見つめ返した
ダニエル
「戦う場所が違うだけで、俺達は対等だ」
クリスティナ
「戦う舞台が違うんだ。隣の芝は青いというだろう?」
ダニエル
クリスに頷いて
クリスティナ
「分かっているじゃないか」 ニヤリと笑って拳を突き出し
ヘーレム
途端に大きな瞳がゆらりと揺れると、目の端に大粒の涙が滲んだ 「……ほ、ほんと?足手まといって、思ってない?」
ダニエル
「馬鹿だな……、俺は気遣いでこんな事は言わねえよ」
目元を拭ってやって 笑う
「この仕事で一緒だったのが、お前で良かった」
「俺はずっと、そう思ってる」
クリスティナ
「おいおい、告白でもするなら私は席を外すが?」
ヘーレム
「……わたしも!」 ぼろっと一粒だけ涙をこぼして、笑った
ダニエル
「茶々入れるなよほんとに」
ヘーレム
「………」 コ、コクハク……ついつい顔を赤くした
ダニエル
コノヤロウって顔をクリスに向けて
「…お前は弱くない。足手まといでもない」
「だからきっちり終わらせて、帰ろうぜ」
再びへーレムに言うと腰をあげる
ヘーレム
ぐしぐし涙を拭って 「うんっ」
クリスティナ
「うむ。言葉にしないことで不安になるなら、幾らでも、みなに聞いて回ると良い」
ダニエル
こつんと、クリスの拳に拳をぶつけると
ヘーレム
「…でも、エリカは恥ずかしがってそっぽ向いちゃいそう!」 少し赤くなった目を細めてふふっと笑った
クリスティナ
「もうその時点で、答えなんて分かっているじゃないか」 
ダニエル
「まー、あいつは、な」
ヘーレム
「……ほんとだ。逆に素直ってこと……?」
ダニエル
「逆に、というよりかは」
「元は、だな」
「俺が見た感じそうだと思うよ」
クリスティナ
「元を予想できるほど対話ができていないが……根は良いようだしな」
ヘーレム
「……」 ふと思い返してみて、ダニエルの言葉に頷いた。確かに、そうかもしれないと
クリスティナ
「私が言うとかたくなになりそうだし、そなたが相手してやるとよい」
ヘーレム
「……」 クリスティナの心遣いにふわりと笑って、裁縫セットを片付けた 「……こんな場所で、こんな状況だけど、」
「はやく皆と、お話したい」 それは次の戦いに向かうという意味も含むのだが、もう怖くはなかった。
クリスティナ
「次の戦いに臨む用意は、もう十分のようだな?」
ヘーレム
にっと笑って 「うん!」
「やる気ジューブンなのだわ!今すぐにだって出発してもいいくらい!」 えいえいむん
ダニエル
「そんじゃまあ、折を見て渡すよ……、」 でも俺でいいのかな、いいかぁ…
クリスティナ
「そなたの憧れてくれた私も、そこのダニエルも負けはしない。だから、力いっぱい私たちを支えてくれ、ヘーレム
「困ったら、モノを返してもらうときにでも引き換えで渡してやったらどうだ?」
ヘーレム
――うん、信じてる!」 他にも奮い立たせる言葉を考えたが、全部この一言で分かってくれる気がして、頷いた 「そうよ、ちゃんと渡してね!」
ダニエル
「知恵が回るな、ほんとに」 クリスに苦笑して 「ああ、任せろ」>へーレム
ヘーレム
よし、と部屋を出て行こうとして 「クリスティナも、大事にしてね!」 そう笑って、扉を閉めた。
クリスティナ
「勿論」 戦闘で千切れると口惜しいから、一先ずは懐に納めておこう
ダニエル
「……、場の空気を入れ替えてくれるやつってのは、強いよな」 組紐を見て 笑みをこぼしてからしまう
クリスティナ
「要るだけでいいっていうのは、とても強い」 頷き
「だが、うらやむばかりではない。私もそうらしいし、そなたもそうなれ、折角ならな」 と笑ってやった
ヘーレム
テレテレ
ダニエル
「んじゃ、俺は一眠りするよ」 首を鳴らして 「今ならいつもどおり寝れそうだ」
「へいへい・・・やるだけやってみるさ」
クリスティナ
「私も、すこし時をズラして仮眠しよう。お先にどうぞ、だ」 次のコーヒーを手に、優しく微笑んだ
「よい夢を、ダニエル」
ダニエル
「ああ、ありがとうな、クリス」 毛布にくるまると
割と早い段階で、寝息が聞こえてくる
疲れが溜まっていたのと、うまく眠れてなかった事は事実であるようで、背を向けた後は身じろぎもしなかった
クリスティナ
――」 その様子を少しだけ眺めてから。音もなく立ち上がって、明かりを落とした
ヘーレム
ミサンガ。それは作ってくれた人が窮地に陥った時にぶつっと切れることで、ドラマチック演出ができる便利アイテム
クリスティナ
これが、護ってくれたんだ……
ダニエル
作ったやつが死にそうだから気をつけような
ヘーレム
しなない!!!
クリスティナ
おつかれさまでした!
ヘーレム
おつかれさまです!
ダニエル
お疲れ様でしたー
お付き合いありがとう。楽しかった
ヘーレム
まぶしーーっ(目を瞑る
クリスティナ
はーい。こちらこそ。
ではではー
ヘーレム
こちらこそありがとう!
おゆかれ!
!SYSTEM
クリスティナが退室しました
ダニエル
では撤退!
!SYSTEM
ヘーレムが退室しました
!SYSTEM
ダニエルが退室しました
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