冬国のリテラチュア 幕間 クレハ
20211023_4
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- クレハが入室しました
- クレハ
- 孤独のCCのはじまりだ
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Place└〈妃国アングルシ〉:隠され里:結界外
- 隠れです
- 冒険者達は魔女の誘いを受け、この雪と氷に覆われた閉ざされたこの神秘の国へとやってきた。
アスミの師である"銀の魔女"の召喚を受け、一行は"魔女の隠れ里"にある彼女の家へと身を寄せていた。
里の中では比較的大きな家とはいえ、ごく普通の二階建ての木造家屋。一見すると魔女の館というには普通過ぎる……
ように見えて、室内は動く箒がひとりでに掃除をする光景が待っていた。
"銀の魔女"、そしてこの国の中枢たる"巫女"との邂逅を経て、冒険者達は改めて自分達の役割を知るところとなった。
仕事の前に旅の疲れを癒すべく、魔女の館への滞在を許された冒険者達は思い思いの時を過ごしていた……。
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- さて、今回の依頼に誘われた冒険者の中に、自由人であり風変わりすぎる青年がいる。
- 名をクレハ。
- 本名をタツタノガワのクレハといい、イルスファール周辺の人命法則にはかなっていないが──それはまた別の話。
- ─冬ごもり 思ひかけぬを木の間より花とみるまで雪ぞふりける
- アスミや、銀の魔女に忠告はされた。そのうえで、この青年は、少しばかり、結界の外に出て
- 自ら極寒の厳しさを肌身に感じている様子であった。
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- クレハ
- 「──うむ」と、納得したように銀世界を見る。そして、ちょうど良い石をみつけ。そこに座した。
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- 失っていない記憶100%
- クレハ
- 「なるほど、この感覚。確かに拙者の知る冬国を思い出す」と、感慨深そうに述べ、そして白い息を吐く。
- 「……」そして、宿り木の杖を手に持ち
- 「森羅万象、理を」と、森羅の術の翼を広げようとするが、その展開はやや遅い
- まるで、冬の寒さに凍えている鳥のように
- 「……ふむ、違うか……」
- 白い息を再び吐き、周囲の音、温度、地脈。魔の気配。全てに神経をとがらせる。
- 「──なるほど、飛べぬ鳥。故に、その翼は行く宛がある時にしか伸ばさぬ、か」
- 「であれば」
- と、再び杖をもち
- 「千山鳥飛ぶこと絶え──」と、自然に願いをかける。先ほどよりもスムーズに術が展開できる。その様子にうむと、頷き
- 「万径人蹤滅す」と、この隠れ里あたりにはやはり人気はないのだろう。自分以外の足跡が殆どない、銀世界を再び見て……
- 「海などがあればよかったが──いや、であるからこそか」
- と、水の気配は周囲にない。だからこそ、自らが船頭になったかの如く、そこに水辺があるかのように言の葉を紡ぐ
- 「故に、拙者は蟹を釣り上げるとする、か」
- 「孤舟蓑笠の翁──」と、マナを集中させ
- 「独り釣る寒江の雪」と、紡げば。クレハの周りにジャイアントクラブの精霊体が出現し
- 「これでよし……それに、こちらは問題なくくるだろう」
- と、最後の締めに、ディノスの精霊体を呼び出す。
- 寒い気候に属する彼らだが。前者二つとは違い、問題なくクレハの要請に応じた。
- その様子にこくりと頷き──
- 「では、後は、拙者が理と同化するだけ、か」
- と、岩の上で、座禅の姿勢を取り。そこからはただひたすらに、沈黙する。
- そして、瞑想の中で──この度の思い出を振り返る
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- 華散る縁100%
- 冬終はらぬ人目枯れし銀国に
- 訪れし春の日を思ふ
- 乙女達の願いに、守られしその楔は
- 今の尚、神と共に銀の雨を降らす
- 不変なり氷の妃
- されどもたらすは──神の及ばぬ雪解け
- 解放の思火はいずれより来るか
- 護りたる意思は堅氷なるか
- 外より来り風は知らず
- 故にこの雪風とならん
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- 「うむ、思いついた」
- 「冬ごもり 思ひかけぬを 木の間より 花とみるまで 雪ぞふりける」
- クレハ
- と、詠むと、立ち上がり
- 「されど、やはりこの世界に咲く、美しい華がみたいものよ」
- 「華──とは、救いし乙女の笑顔かもしれぬが。何にすれど、雪と見間違えてはならぬな。肝に銘じるとしよう」
- といって、立ち上がる。服についた雪を払い──
- 結界の中へ戻っていくのだった。
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