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冬国のリテラチュア 幕間 アーネストとティアエレス

20211023_3

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ティアエレスが入室しました
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アーネストが入室しました
アーネスト
今回は弟じゃないです
ティアエレス
それでは時間も時間なので
さくさくといきます
よろしくお願いします
えらい>弟じゃない
アーネスト
よろしくお願いします。
 
 
 
 
 
 
 
 
知己の"魔女"、アスミの頼みを受けてシンダリア地方のアングルシ妃国へとやってきた冒険者達
そこで待っていたのはアングルシの妃、オリヴィアと、アスミの師匠"銀の魔女"
彼女たちから依頼を改めて受けて、冒険者たちは対処に移る……はずだったのだが
ちょっとした行き違いが起きて、小休止の時間を、削ってしまっているものが居た
"銀の魔女"の家の外、雪が薄く積もった中で魔女の里に目を向けていたのは 白い髪に青い瞳の少女だった
その実、中身は少女ではないのかもしれないが……少女らしい理由で、気分を害していた
ティアエレス
「──、」 吐く息が白い
解けていく雪。冬になれば此処でなくても降るそれは、自分とよく似ていると、偶に感傷にふけることがある
毎年、毎年 降っては溶ける雪 毎度、毎度、死んでは生まれるを繰り返す自分
いっそ消えて無くなってしまえば、──煩わしさを感じずに済むのだろうか
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BGMを変更 by アーネスト
夜に駆ける/オルゴールアレンジ100%
アーネスト
「ティア」 そんな思考を裂くように、今の身体では聞き慣れた声が少女の耳を打つ。
ティアエレス
「──、」 思考を止めて振り向いて
身体を少年の方を見る
アーネスト
声と共に歩いて来ると、傍らまでやってくる。
フードを降ろせば、翡翠の瞳が少女を見つめた。
「……寒くない?」 息抜きに来ている事は知っている。穏やかな笑みを浮かべながら問うと、髪がふわりと揺れた。
ティアエレス
「──、少し」 その視線から目を逸らすと 里の方に目を向けて 「寒いです」
アーネスト
頷くと、手を取って。 「少し、歩こっか」
ティアエレス
「……」 頷いて
アーネスト
頷いた少女を見れば、その手を握って歩き始める。
ティアエレス
「……、」 小さく指を絡めながら 少年と肩を並べて歩く
アーネスト
気ままに歩いていき、少女の抱えているものを吐き出させようとするよりも、
「……ね、見てみて」 「あ、あれも」 
見えるものに目を輝かせて、ティアエレスへと声をかけていく。
ティアエレス
「……、」 少年の興味の赴くままに一緒に見ていれば、次第に表情は綻んで行く
アーネスト
普段と違い、降りているフードのお陰でその様子は幾分も幼く見える。
そんな時間を過ごしながら、ふと口を開いた。
「雪ってさ」 
ティアエレス
「………、?」
アーネスト
「ティアみたいだなって、思っただけ」
口にした様子はそれまでと変わらない。微笑ましそうに降り積もる雪を眺めている。
ティアエレス
「……そうですか」
アーネスト
「うん。すごく綺麗で、」
「強く触ると固まっちゃうし」
「見てると、嬉しくなるんだ。……晴れとか曇りとか雨とか、見慣れてる他の天気より特別な気がしてさ」
ティアエレス
「………、特別」
アーネスト
「うん。……僕があんまり、雪に慣れてないからかもしれないんだけどね」 苦笑して、頭を掻いて。
ティアエレス
「………、私は」
「……いえ」
「…‥、ありがとう。アーニー」
アーネスト
「……、」 緩く見上げて 
「ううん。……ティアは、どう?」
ティアエレス
「気遣ってくれて」
「………どう、というのは」
「雪のこと、ですか?」
アーネスト
「雪、好き?」
こくりと頷いて。
ティアエレス
「……あまり、好きではありませんね」
「自分みたいで」
アーネスト
「……、ティアみたい、って?」
ティアエレス
「毎年毎年、降っては溶けていく」
「毎度毎度、生まれては死んでいく」
アーネスト
先程の自分が言っていたものとは、違うのだろう。促して、続いた言葉に頷く。
ティアエレス
「終わりがあるようでない。消え去ることは出来ない」
「私みたいで……少し、煩わしい」
アーネスト
「それは、」 んー、と唸って。
「少し、ううん。すごく、寂しいかな」
ティアエレス
「寂しい?」
アーネスト
「うん。だって、ティアがそうだったから、……雪が降ったから、僕はずっと夢に見てたティアに逢えたんだ」
「だから、僕は……本当は、こんな事思っちゃいけないって、分かってるけど」
「雪が降ってくれて、良かったこともある。って、思ってる」
「……ごめん。ティアからしたら、嬉しくないよね」
ティアエレス
「……、」
アーネスト
明るかった表情に、少しだけ影が落ちる。
ティアエレス
「………そんな事は、ありません」
小さな声でそう答えると
アーネスト
「本当?」 小さく俯いた首が持ち上がり、ティアエレスの言葉にそれぞれ過剰な程に反応してみせた。
ティアエレス
「………、」 自分でも、何をしているんだろうと思う事がある。幾ら年を重ねても、変えられない部分 
いくら怖い思いをして、(せいしん)が悲鳴を上げても
それでも、何をしているんだろう、と 思うこと そういう事を、してしまう
少年の肩に触れると縋るように肩に載せた手に額を寄せて
身体が震える 寒さでなく、怖さで いつも一緒に居てくれる彼でさえ、心の何処かで拒絶している
そんな事はでも、塗りつぶすくらい。今は彼の体温が欲しくて
「………溶けていってしまう、触れれば消えてしまうけれど」
「それでも良かったって、言えるの?」
アーネスト
触れてくる少女の身体を、小柄な体で、けれどしっかりと受け止める。
身体も、そして心もまだまだ頼りない筈の少年は、少女の問いに確りと 力強く、頷いた。
「消えないよ、ティア」
「もし会えなくなっても、眼の前からいなくなっても、消えたんじゃない」
(ゆき)に触れた事は、消えない。ずっと覚えてる」
「だから、僕は良かったって言えるよ」
ティアエレス
「……、……そう」 顔を上げて
「なら……雪で良かったと思う」 目元には光るものがあったけど、それでも笑って
アーネスト
「……、」 不慣れな手つきで、慎重に手を伸ばしてその雫を掬って
ティアエレス
「‥‥…魔性って言葉を、アスミさんに使われるのが、嫌で」 ぽつり、ぽつり、と
アーネスト
「うん」 吐き出される言葉に、ひとつひとつ頷いて応える。
ティアエレス
「……それで、少し気分を害して居たの……、私の、拒絶反応みたいなもので」
「………慣れないの。色々、思い出してしまうから」
アーネスト
「嫌な思い出は、どうしても残っちゃうからね。……まだ、辛い?」
ティアエレス
「……ううん」
「……大丈夫」
アーネスト
大丈夫、と聞けば安堵した様に頷いて。
「思い出しちゃいそうな時は、何か対策できたらいいんだけどな……」
ティアエレス
「対策は……、ううん」
「……いいの」
「……、今はいいの」
アーネスト
「……ん」 
もう一度手を取って、くい、と引く。 
「じゃあ、空気を入れ替えに行こう」
ティアエレス
「……うん」
頷いて
引かれるままに
アーネスト
「元気、戻った?」 歩きながら問い掛け、また気になるものがあればそちらへと歩いて行く。
ティアエレス
「……少しは」
「ううん……、」少し照れた様子でごまかそうとして 「もう大丈夫」 言い直す
アーネスト
よかった、と少女を見上げて微笑んで こっちこっち、と手を引いて歩いて行く。
ティアエレス
少年に手をひかれるままに
アーネスト
「……、今、照れてた?」
ティアエレス
雪で良かったのかもしれないと 頭の隅に言葉が反響する
「……違います」
アーネスト
「そっか」 じゃあ違うんだ、と頷いた。
ティアエレス
「…‥‥」 ぎゅ、と手を強く握って
アーネスト
二人で見聞きする事を増やす様に、探す様にふらふらと街中を歩いて回って
強く握り合った手は、その寒気にも離されることはなかった。
ティアエレス
「意地悪ですね……」 と小さく呟いた
ティアエレス
こんな感じで大丈夫
アーネスト
「えっ?」 どうして
アーネスト
こちらも大丈夫。
ティアエレス
ではお付き合いありがとうございました
撤退しましょう
アーネスト
お誘いありがとう、お疲れ様でした!
撤退!
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アーネストが退室しました
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ティアエレスが退室しました

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