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来店①

20210810_0

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リゼットが入室しました
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ドミニクが入室しました
リゼット
じゃ、始めて行くわね
 
 
 
 
 
 
 
 
リアン地方 イルスファール王国 王都イルスファール
遺跡ギルドの本部があると言われている花街は、王国最大の歓楽街があると言われるダイアンにはやや劣るが、広い面積を誇る
王国南東部に位置していて、冒険者が活発な国らしく、様々な種族が活動していて
そして各種族に合わせた相手というのも、用意されているものだ
花街のやや中央寄り北側に位置する一つの店 その店名を"穏やかな囁き"亭と言った
店の規模こそ小さいながら、知る人ぞ知る店であり、割高な料金に見合ったサービスを受けられると定評がある
所属している娼婦、男娼は全員で20名程度ながらも、粒ぞろいだと言われている
その店の扉を、開くものが1人
茶髪に長身で緑色の瞳と青い瞳を持つ、穏やかな印象の青年は、1人の娼婦を指名して 部屋で待たされることになる
前もって時間を確保していてくれたのだろう。前回とは違って、彼女が準備するまでの僅かな時間を、彼女の仕事部屋で待つことになる
香を炊くためのアロマポット。いくつもの薄い布で飾られた大きなベッド 少し間の空いたカーテンで閉じられた窓 向かい合う一組の椅子と間に挟まる小テーブルには、酒瓶とグラスが既に準備されていた
衣装箪笥も備え付けており 姿見の鏡も準備されている
部屋の色合いは全体的に落ち着いたものながらも薄い紫色に統一されており、高級感を感じさせていた
ドミニク
「気にしてたようかな、リゼも」 以前の仕事の帰路にしていた会話を思い返しつつ小さく呟くと、
部屋に漂う甘い香りに浸りながら、青年は静かに椅子の一つに腰を落ち着かせた。
部屋に備えられたそれぞれに一瞥を向けながら、慣れた様子で青年は静かに時間を待った。
 
暫く待つと 静かに扉が開いて
リゼット
「お待たせしました」 ベッドの装飾のように薄い布で身を包み、その下に透けて見える扇情的な濃い紫色の下着姿で 彼女は現れた
「来てくれて嬉しいわ。ドミニク」 ふふ、と笑って見せる
ドミニク
扉が開く前、足音が響いてきた時から彼女が訪れる事は承知していた。扉が開かれる前に、彼女に感付かれない様に呼吸と姿勢を整えて
「やあ、リゼ」 姿を見せたリゼットに頷きつつ、彼女の様子に可能な限り照れる表情を殺しながら目を細めた。
最も、あくまで本人なりにであり、リゼットには見慣れた照れ隠しのひとつに映るかもしれない。
「もう疲れは取れたかい?」
リゼット
「先ずは乾杯しましょうか」 それを指摘することはせずに 慣れた様子で向かいの席に着くと グラスに酒を注ぎ始める
「疲れていたら、お仕事なんて出来ないでしょう?」 小首をかしげて見せて グラスに半分程注ぐと ドミニクの前にこと、と置く
「あまり強くないといけないから、これくらい」
自分の方へは確りと満たされるように注いで
ドミニク
「それを見せないのも、プロの仕事だからさ」 苦笑しながら、置かれたグラスを取り。 「ありがとう。お酒は強くなりたいんだけれどね」
リゼット
「そう、じゃあ覚えておくと良いこと教えてあげる」 グラスの縁を指でなぞって
「悪い子はたまに、相手に飲ませるだけ飲ませてそれで時間が来たからって放り出させる子も居るの」
「だからしきりにお酒を勧めてきたら注意したほうが良いわ」
ドミニク
「怖いなあ。リゼが良い子で良かったよ」 ありがとう、と頷きながら、グラスを静かに揺らす。
リゼット
「まあそんな事するのはね」
「嫌がっているのに無理やりやらせる悪いお客にだけだと思うから。ドミニクは心配ないわね」 また笑って
ドミニク
「折角時間を貰ってるんだもの。お互いに好い時間にしなきゃ」 
リゼット
グラスを傾けて 「そう、その通りよ」 頷く
「良かったわ。ドミニクが良いお客さんの素質を持っていて」
ドミニク
「はは、リゼがいると通い詰めてしまいそうだよ」 言いながら、合わせる様にグラスに手を伸ばして。
リゼット
「いいのよ?通い詰めてくれても」
グラスを合わせて  ちん、と音がなる
ドミニク
「他のお客に怒られちゃうよ」 「乾杯」
リゼット
「ただこのお店は中々攻めた値段をしているから」
「3日も来ちゃったら報酬飛んでいっちゃうわね」
「指名すると跳ね上がるから」 目を細めて笑んで
「乾杯」
ドミニク
「仕事と(ここ)を往復する生活になっちゃうね」 穏やかな笑みを浮かべて
「報酬と言えば、リゼはどうして冒険者を?」
リゼット
「上客になってしまうわねえ」 おかしそうに笑って
「あたし?あたしは、好奇心かしら」
ドミニク
「好奇心にしては、」 左右の色の異なる瞳がじっと瞳を見つめて 「危なくないかい? ……止めようって話じゃないけどね」
リゼット
「危ないかもしれないけれど、それは何処に居ても同じことよ」
「イルスファールは安全な国だけれど、私達が常に受け入れられるとは限らないもの」
あたし達が
ドミニク
「それはここにいても、かい?」 くい、とグラスを傾けながら一口
「リゼの話は、前にここへ来た時に幾つか耳に挟んだけれど……」
リゼット
「そうよー、此処はあたし達の城だけれど」
「花街も掟が出来たり変わったりすると、どうしても生きづらくなるもの」
ドミニク
「君はともかく、君自身が受け入れられていない様には思えなかったな」
リゼット
「ふふ、あたし達みたいなのはね」
ドミニク
「なるほど。なら、どう転んだ時にも選べる道をいくつか用意しておかないといけない、って?」
リゼットが口を開けば頷いて。
リゼット
「ちゃんと周りに手回しして、味方を増やして、そうやって生きていくしかないのよ」
「そういう事」
肘を着きながらグラスの縁を撫でて ドミニクを見つめながら笑む
「弱いのを弱いと嘆いているだけじゃ生きていけないの。あたし達」
ドミニク
「そうかい」 大変そうだ、と口に出せばどうにも他人事として流してしまっているようで、少しだけ言葉を選んで。
リゼット
「貴方も味方になってくれる気があるから、わざわざ指名して来てくれたと思っているんだけど、」
「違うかしら?」 ちら、と上目遣いに覗き込む
ドミニク
「心外だな、」 覗き込んだリゼットに笑みを浮かべながら、 
リゼット
「そ、れ、と、も、」
ドミニク
「惹かれていなかったら何度も足を運んでいないのに――、うん?」
リゼット
「口説きに来てくれた?」 今度はいたずらっ子の笑みで
「甘い言葉は好きよ」 にこにこと笑って
ドミニク
「どちらもだよ。味方になるつもりもあるし」 また小さく笑って、手を伸ばして頬に手を伸ばす。
「自分で言っていたじゃないか。口説く(その)つもりがないなら、リゼを指名しないさ」
リゼット
「あら、マナーがなってないわねぇ」 今度は弟を注意する姉のような口調で
「先ずはこっちから触るか、良いって言うまで触っちゃ駄目なのよ。お触り厳禁」
「初回だから許してあげる」 ふふ、と笑ってドミニクの手に触れると そのまま自分の頬に当てて
ドミニク
「ああ、――」 続けようとした言葉は、その笑みと仕草にどこかへふらりと行ってしまった。見れば、僅かに頬が染まっている。
「気を付けるよ。上客になれなくなっちゃう」 やっとの思いでぎこちなく答えて、
リゼット
「上客にならなくてもいいわよ」 苦笑して
ドミニク
向けられた視線から逸らせないまま、じっとそのまま固まって。 「はは」
リゼット
「来てくれたことが嬉しいの」
「だからすぐじゃなくてもいいから、また来て頂戴。待ってるから」
ね、と頬を擦るようにドミニクの手に触れさせて
ドミニク
「勿論。……マナーの勉強はもう少し、して来ようかな」 ふ、とまた穏やかに笑んだ。
掌がぴくりと反応し、親指がつい、と撫でる。
リゼット
「いやらしい指が居るわねぇ」 今度は蠱惑的に笑って見せて
「お酒はもう大丈夫?」と尋ねる
ドミニク
「誘われてるんだよ、リゼに」 もう一度撫でると、視線はグラスに。
「そうだね、もう少しだけ頂くよ」
リゼット
「食べられないように注意して」 小さいが耳に残る甘い声音でそう呟いて
瓶から酒を先程同じ量注いで
ドミニク
「勿論。潰れて忘れるのは嫌だからね」 傾けて注がれていたグラスを戻し、口へ運ぶと喉を鳴らし
「リゼはお酒は好きかい」
リゼット
「好きよ」 手を離してから頷いて
「ただ、味は好きなんだけれど、ほろ酔いにしかならないの」
ドミニク
「強いんだ?」 
リゼット
「ええ」 頷いて
ドミニク
「酔いきれないのもつらいのかな。……丁度良い所まで酔えたらと思うけど」
リゼット
「眠る切っ掛けにはなるかしら」 そうねぇ、と頷いて
「ただ、相手の話を聞く時はある程度お酒を入れておくと」
「普段話さない事も聞けたりするから、それはそれで好きよ」
ドミニク
「普段話さない事、か。……リゼのも聞いてみたいけれど、その調子じゃ難しいかな」 
リゼット
「そうね、」
「通ってくれたら、いつか話すかもね」 
にこっと笑って
ドミニク
「全く」 
リゼット
「秘密が多いほうが、」
ドミニク
「上手なんだから」 釣られた様に笑みを浮かべて
リゼット
「相手する時の期待感が高まるでしょう?」
「知らないことが多いほうが、期待って大きくなるものよ」
ドミニク
「知らないからこそ知ろうと思うからね。それこそ、今の僕みたいに」 ね、とリゼットを見つめて。
リゼット
「……、」 余裕が出てきたから、落ち着いてきた事を確認して 「それじゃあ、お話もいいけれど」
「そろそろ、お相手しましょうか」
ドミニク
「そうしようか」 頷いて、グラスをテーブルの上に置き
リゼット
ドミニクの手を取ると、ベッドに誘う様にして
ドミニク
「……、」 手に誘われるまま席を立って、寝台へと歩を進めて その小さな背を見つめる。
リゼット
「っと」 手を離して カーテンを確り閉じると
「ごめんなさい」 と小さく笑って ドミニクの相手をするのだった
リゼット
あたしはこんなところね
ドミニク
緩く頭を振って、そのまま穏やかに定刻まで時間を過ごし
去り際に、また来る旨を彼女に伝えて ゆっくりと花街を後にした。
ドミニク
これで大丈夫かな
リゼット
お付き合いありがとう
ドミニク
こちらこそありがとう。撤退しまーす
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ドミニクが退室しました
背景
BGM