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- アーネストが入室しました
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- ティアエレスが入室しました
- アーネスト
- ティアエレスが歩いて行った所に追い付いた所、がいいかな?
- ティアエレス
- はい。それでいいと思います
- 情景描写出来そうですか
-
- ティアエレス
- あ、よろしくお願いします
- アーネスト
- 今ログを開いていたところで
- ちょっと待ってくださいね!
- ティアエレス
- はーい
- 学会の問題児。そう呼ばれてきた男、ソマリの――まさに夢物語の様な――依頼を請けた一行は、
- 道中、幾つかの出会いを果たしながら ニデア山の西山頂部まで歩を進めてきていた。
- やがて辿り着いた場所――そこに一つ存在していた盆地には、小さな村と 今回の依頼の目的に大きくかかわる祠があった。
- 友好的な村ではあったものの、祠に入る事にはやんわりと、けれど確かな拒否感を示された一行は、
- 出現した妖魔の処理をした晩に、ある事件に見舞われる。
-
- ソマリの元友人であった魔術師、ロージァは、ソマリの装飾品に細工を施し 彼の同行を伺っていた。
- 今回の旅路も当然その内で――ロージァは、ソマリと冒険者一行を追跡し、夜を待って行動を開始した。
- 祠へと入って行ったロージァを追い、それを下し
- ソマリの血が継いできた、三代にも及ぶ悲願――それに通ずる存在 祠の奥にあった竜の卵を一行は手の内に収める。
けれども、ソマリが下した決断は、発見の際に取ると聞かされていた行動とは真逆のものだった。
- 祖父と父の願いを追っていた彼が固めた決意は、祖父や父の願いとは異なるものであり
- しかし、だからこそそれが他の誰でもない、自身の覚悟で、決意で、夢なのだ。そう言った彼は、どこか憑き物が落ちた様子だった。
それを聞いた一行は、依頼人がそう望むのなら――そう受け入れていたが、ただひとり
- 幾代もの覚悟と決意を継ぐティアエレスは、彼の見せた“受け継ぐ”、というものを認める事は出来ず、一人歩を進め 遺跡の道を歩いていた。
-
- アーネスト
- あとは歩いている具合で置いてくれたら入って行きます
-
-
- 少女は歩く 俯きがちに 胸からこみ上げてくる気持ち 普段なら思い出さずに済む記憶 其れ等が今は込み上がってくる
- ───幾度、無垢なる幸せを願う両親から娘を奪ってきたのだろう
- ───幾度、この身を散らしたのだろう
- ───幾度、産まされ、そして紡ぎ、繋がされたのだろう
- ───幾度、与えられた名前を、忘れていったのだろう
- ───もはや数え切れない。もはや、赦されない。生み出したものの責任が、私の肩にかかっている
- ───、誰かの記憶である私。今ある私。
- 気がつけば。満点の星空の夜空の下 彼女は遺跡の外に出てきていた
- ティアエレス
- こんな所ですね
- アーネスト
- はーい
- ティアエレス
- 「‥‥‥」 澄んだ空気に、空を見上げる
- 星空だけは、場所の違いで見える星の違いはあれど、変わらない
- 私自身と同じ様に
-
- 静かに流れる風が彼女の美しい髪を揺らし、その頬を撫でる。ひゅう、と拭いた風の音がその耳に届いて――
- アーネスト
- 「――ティアエレスさん!」 息を切らした少年の声が、風を裂いて、夜の闇を裂いて、星の光を裂いて、少女に届く。
- ティアエレス
- 「………、」 少年の声に気が付き、振り向けば、彼女も意識していない雫が、目の端から溢れる
- アーネスト
- 「――、」 緩みかけた脚が、それを見ればすぐに加速して 少女の目の前まで駆けて来ると、その手を取った。
- ティアエレス
- 「………っ、」 びく、と震えて 「さ、触らないで…」
- アーネスト
- 「大丈夫ですか、怪我とか――、何も、なかったですか!」 既に往路で進んだとはいえ、復路に何も起きないとは限らない。
- 「あっ、と……、すみません。心配だったから、つい」 ゆっくりと手を放しかけて、彼女の表情を見上げる。
- ティアエレス
- 「…‥…、」 なんで泣いているんだろう 目を元を拭って
- 「……怪我はありません。何も、ありません」
- アーネスト
- 「良かった。……」 寄せ付けない様に続けた彼女に、手を取り直して 澄んだエメラルドの瞳を瞬かせた。
- ティアエレス
- 「だ、だから……触らないでよ……」
- 「………、」
- アーネスト
- 「何も無い人が、そんな風に泣いたりしません。……ソマリさんとの事、ですよね」
- ティアエレス
- 「……、」
- アーネスト
- 振り払える様、手の力は強め過ぎずに けれども、取った手を放すつもりはないと示す様に、彼女の手に触れる。
- ティアエレス
- 「……‥やめてよ」 今度こそ、つ、と涙が一つ二つと明確に伝っていって
- アーネスト
- 「……」 その様子に、迷う様に一瞬だけ口元を動かして 頭を振る。
- 「やめません。放したら、どこかに行っちゃう、……気がするから」 見上げながら、自分の感情が何に起因するものなのかもわからないまま、言葉を続ける。
- ティアエレス
- 「…………、」 嗚咽を漏らしながら、涙を溢して
- アーネスト
- 「ティアエレスさん。……教えてください、今の貴女の事」 見上げながら、その場に腰を下ろす様に手を引く。
- ティアエレス
- 「………、」 首を横に振る 「…言えない。言いたくない‥‥放って置いて」
- アーネスト
- 「嫌です。そんな事、何があっても出来ませんよ。……知ってるでしょう?」
- ティアエレス
- 「……私に入ってこないで……」
- アーネスト
- 「……どうして?」
- ティアエレス
- 「………そんな資格ないの」
- アーネスト
- 続いた言葉に、引く手を一度震わせた。
- 「資格って、なんですか」
- ティアエレス
- 「………貴方みたいな優しい人に、」
- 「優しくされる資格はないの……私は、罪人だから」
- アーネスト
- 「罪人、って……どんな、罪を」
- ティアエレス
- 「………私達なの、この種族を、生み出したのは」
- アーネスト
- 「――、……ハイマン、でしたよ、ね」
- ティアエレス
- 「同じ人間を使って、より高次の人を生み出すために、魔法的な実験をして、」
- 「でも、限界だった、人の技術では限界だった‥‥だから、頼った」
- 「外の力を……、」
- アーネスト
- 「そと、……?」 両手を取りながら、促す様に問う。
- ティアエレス
- 「……魔神由来なの……だから、高い魔法適性を持ちながらも、寿命が短いの。私は、その呪いを、転生した後に知った」
- ティアエレス
- ちなみに公式設定ではありません
- アーネスト
- OK
- ティアエレス
- ただ
- アーネスト
- 「――、……」 魔神を憎みながら、狩りながら、その身に宿す。
- ティアエレス
- ハイマンの誕生と魔神出現時期(魔法文明中期)は
- 被っているから考察ではあります
- アーネスト
- ほほー
- 呼び寄せちゃったか……
- ティアエレス
- 「………、私達は出来る限り…、被験者達を増やして、保存して、未来に治癒の可能性をかけた」
- アーネスト
- 彼女達が踏み越えてきたものなど、想像も――否、想像するのも烏滸がましい。
- ティアエレス
- 「私も……実験動物になって……何人も産んだ……産まされた……、望む望まないと関わらず」
- アーネスト
- 「……、動物、って」
- ティアエレス
- 「だってしょうがないじゃない……こうなるとは思わないじゃない」
- 「………だから、転生する度に、記憶を強く残せるように施した‥‥でもそれって、」
- アーネスト
- 「……」 無意識に、両手の力が強められる。
- ティアエレス
- 「何人もの両親から、娘を奪う結果になるの……幸あれと願った娘の名前を、ティアエレスで塗りつぶすの」
- アーネスト
- 「そんな事を、もう、……何度も」
- ティアエレス
- 「この子もそう………」
- 「ちゃんとした名前があった」
- 「……でも私が思い出してしまったから……、」
- 「使命なの、彼らの呪いを解いて、」
- 「ハイマンを正しい意味で絶滅させて、正しい人生を歩ませる……ハイマン達に気づいて貰うために、魔法陣は隠さないでいるの」
- 「魔神討滅とは別の……これが、本当の使命…」
- アーネスト
- ゆっくりと、両手に込められた力が緩められ、ティアエレスの両手から、するりと暖かな手が抜けていく。
- フードの下からは、少年の表情こそ伺えなかったが その唇は、ぴったりと閉ざされている。
- ティアエレス
- 「……もう、放って置いて」
- アーネスト
- 「――、ティアエレスさん」 名を呼ぶより早く一歩踏み出し、放した両手を彼女の背に回して身体を寄せる。
- ティアエレス
- 「………っ」 息をつまらせて
- アーネスト
- 風に揺られたフードが捲れて下り、長い黒髪が星の光に照らされながら夜闇に広がり――
- 「……放ってなんかおきません。だって、やっと貴女の事を教えてくれた」
- 「辛かったでしょう、とか、そんな事は言いません。だって眼を見たら、聞くまでもないですから」 顔を上げて、ティアエレスにしっかりと視線を向ける。
- 「でも、――」
- 「ティアエレスさんがどんな罪人だったとしても、赦されない行いをしていても、どれだけ奪っていようと」
- ティアエレス
- 「………、」 青い瞳が弱々しく少年の視線を受け止める
- アーネスト
- 「それがどうして、貴女が泣いちゃいけない理由になるんです」
- ティアエレス
- 「アーネストさん……」 少年の名前を呼んで
- アーネスト
- 「……貴女は、ヒトなんですよ」
- 「造られた機械でもない、外から来た魔神でもない。……嬉しかったら笑って、嫌だったら怒って、悲しかったら泣く、ただのヒトです」
- ティアエレス
- 「………、受け継いで行くって……自分のしてきたことを受け止める事で、背負っていくことで、それを変えるなんて……」
- 再び涙が溢れてきて
- 「私には出来ない。私には、しちゃいけないの」
- アーネスト
- 「……資格がないから、ですか?」
- 「ソマリさんみたいに、自分の覚悟を、決意を、夢を持つ資格がないから、って」
- ティアエレス
- 「………何人潰してきたか、何人歪めてきたか、もうわからないの……」
- 「………だから、資格はないの」
- アーネスト
- 「資格がないっていうなら、そんなの要りません」 ぐ、と腕に込める力を強めて
- 「他の何が、……ティアエレスさん自身が認めなくても、僕だけは、そんなの知りません」
- ティアエレス
- 「……、」
- アーネスト
- 「ねえ、ティアエレスさん」
- ティアエレス
- 「……、はい」
- アーネスト
- 「……貴女が救った人だって、確かにいるんですよ」
- 「忘れて、いませんよね。僕のこと」 抱き着いたまま、下から見上げて。
- ティアエレス
- 「……、」 目を瞬かせて 涙が止まる
- 「……、」 「レスター…?」
- アーネスト
- 「僕は、貴女の夢を見て、貴女に出逢って、……今こうして、ちょっとだけでも貴女を護っている事で、救われて――、」
- ティアエレス
- 「……、………」
- アーネスト
- ティアエレスの口から出た言葉に、小さく眉を顰めて
- ティアエレス
- 「……、ごめんなさい」
- アーネスト
- 「レス、ター……?」 小首を傾げながら、顎に手をやって 中指で二度、顎を撫でる。
- ティアエレス
- 「……でもきっと、うん」
- アーネスト
- 「……思い出した! 夢の――」
- ティアエレス
- 「……忘れてないんだと思う。アーネストも、レスターも」
- 「……、」 漸く、と言っていいのだろうか 彼女の方からも少年の背に腕を回して
- アーネスト
- 「……、」 夢の中で、そう呼ばれた様な。続いた言葉は、彼女の言葉に呑み込んだ。
- ティアエレス
- 「……ごめんなさい。また会えて、嬉しい……」
- 「それに……、またいてくれて…ありがとう」
- 「此処に居てくれて……ありがとう」
- アーネスト
- 「……、」 少しだけ、むくれた様に息を吐いて
- ティアエレス
- 言葉の度に力が強くなって 「……アーネストさん」
- 「今の言葉は、貴方に向けてです」
- アーネスト
- いや、と小さく頭を振る。多分、僕もきっと、同じ気持ちだったんだろう。
- ティアエレス
- 「……それから、」
- 「……一つ、覚えておいて欲しいフレーズがあります」
- アーネスト
- 「いつだって、どこにでも一緒です」 頷き返しつつ、
- 「覚えて、おくもの?」
- ティアエレス
- 「──シフェナ」
- 「…‥それが、今回与えられた名前でした」
- アーネスト
- 「……、」 ぐ、と身体を抱き締めて
- 「……忘れません。何があっても」
- ティアエレス
- 「…それから」
- 「‥アーニー、と呼んでも良いですか」
- アーネスト
- 「……、」 ぎゅっと強められていた腕の力が、より強まって
- 「じゃあ、僕も、……」
- 「ティア、って呼んでもいいですか?」 顔を上げて、はにかみながら首を傾げた。
- ティアエレス
- 「…‥はい」
- アーネスト
- 「じゃあ、ティア。……僕からもひとつ、覚えておいてください」
- 「これから先、何があっても僕はティアを裏切らないし、一人にもしない。……あの時みたいに迷ったりも、しない」
- 「資格なんか無くったって、ずっと一緒に居て、ずっとティアを守るよ。何が相手でも、何があっても」
- ティアエレス
- 「………ありがとう」 少年に頬を寄せると 最後の涙が流れて
- アーネスト
- 「もう、一人じゃないよ。ここにいるから」
- ティアエレス
- 「……うん」
- アーネスト
- 「……告白、だったんだけどな」 少しだけ照れ臭そうにしながら言うと、彼女を見上げて
- ティアエレス
- 「……あ」
- アーネスト
- 「ティアは、一緒にいてくれますか。これから先、ずっと」
- ティアエレス
- 「………、ご、ごめんなさい。甘えてしまって…、その、普段なら気づくと思ったんですけど」 あわあわと 少女が今まで見せてこなかった一面を見せて
- 「………、ええと、ええと」
- アーネスト
- 「……、ふはっ」 その様子に、堪え切れずに噴き出して ゆっくりと身体を離す。
- ティアエレス
- 「………はい。一緒に、一緒に居ます」
- 「アーニーっ!」
- 顔を赤くしながら 少し睨んで
- アーネスト
- 「綺麗だって、ずっと思ってたのに。……可愛いなあ」 月と星に照らされながら、暫く笑っていたが 彼女の言葉を聞けば、確りと向き直り
- 「うん。……行こう、一緒に」 その先にあるものがなんであれ、彼の言う様に全て斬り払って、彼女を護ろう。
- 心中で決意を強めながら、ティアエレスの手を取り その手を引いて、村への道を進んでいく。
- ティアエレス
- 可愛いと言われれば。もっと赤くなって 「……もう、次やったら知らないんだから」
- それでも指を絡めて、彼に続く
-
- ティアエレスの瞳に映る、先を行く背は小さく 更にその先に広がる闇はどこまでも深い
- それでも、僅かでも確かに灯る輝きを頼りに 少年と少女は進んで行った。
- アーネスト
- よし、ではこんな具合で
- ティアエレス
- はい
- アーネスト
- お疲れ様でした。
- ティアエレス
- お疲れ様でした
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- ティアエレスが退室しました
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- アーネストが退室しました