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- アウラが入室しました
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- ルトヴィークが入室しました
- アウラ
- では描写しますわね
- 丁度ジル様とベアトリス様が描写をしてくださっているので
- そちらをお借りしてやりましょう
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- ルトヴィーク
- よろしくお願いします……
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- ──ヴェイルーン王国領、ホーマの街から程近い場所にある、湖沿いの洞窟。
アウラ誘拐の犯人である、子爵家嫡男デミアンとの戦いの後、アウラを助け出した一行は、休憩ともうひとつの目的の為、アウラとクラーラ姉妹の案内で、彼女たちが幼い頃に遊んだというここに来ていた。
洞窟は広く、地面は柔らかな砂地で、休憩にはもってこいの場所であった。
- 奥にある部屋には、今、先の戦いで亡くなったジルベルトと、蘇生を試みるベアトリスが入っており
- デミアンの解呪や、アウラ自身の解呪も含めて、静かながら慌ただしい時間が過ぎているところでもあったのだが
- アウラ
- ルトヴィークは何処にいらっしゃるかしら
- ルトヴィーク
- アウラの指示通りにいるよ。自分の意志で一人になる事は今はないかな
- ずっとおどおどしながら付いて来る容。
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- 解呪が一通り済んでから、休息を取るために、アウラが護衛を兼ねていたルトヴィークに声をかける
- ルトヴィーク
- 「――、あ、」 びく、と肩を震わせながら、かけられた声に視線を向ける。
- 鉄色の瞳は酷く狼狽えていて、辛うじて漏れ出た声は乾ききっており、アウラも――そして彼自身も――聞いた事のないような、そんな声だった。
- アウラ
- 「……、ルトヴィーク。一旦外の空気を吸いに行きましょう」
- そんな彼の手を優しく取ると、握って 「さ、此方へ」 とアウラは外に連れ出すように誘導する
- ルトヴィーク
- 「……護衛、しなきゃ」 取られた手にゆっくりと引かれながら、僅かに抵抗を示して 奥の――その扉の先の、ジルベルトを見る様に視線を流した。
- アウラ
- 「……、では此処でも構いませんが、彼と一緒でも構わないのですか?」
- ルトヴィーク
- 「……一緒?」
- アウラ
- 「当分は目を覚ませないはずですから…」 とデミアンを示して
- ルトヴィーク
- 「……、……」 肩を落としたまま、アウラを見つめる。
- そこには、かつてあった空虚さもなければ アウラが攫われる直前に見せた、意思の光もなく
- ただ、怯えてばかりの幼子の様な瞳が アウラを見る。
- アウラ
- 「……、来なさい」 今度は有無を言わさない口調で 左手で彼の手を引いて
- ルトヴィーク
- 「――、」 声色に、小さく肩を震わせながら
- いつか聞いた音色を思い浮かべながら、見えなくなるまで奥の扉を見つめていた。
- アウラ
- 外に出ると、クラーラにデミアンの看病を依頼して そのまま手を引いて洞窟から出てすぐの場所に座り込む 小波の穏やかな音が聞こえてくる湖沿いは空気が澄んでいた
- 左手で右手を握り込みながら 「──、少し、深呼吸をしてみると良いですわ」 と彼に提案する
- ルトヴィーク
- 「……」 いつか見た海と同じ音――いや、少し違う。けれどよく似たその音に、意識を少しばかり奪われて。
- 「深、呼吸?」 縋る様に右手を握って 小さく問いかける。
- アウラ
- 「こうして…‥」 すぅ、と息を吸う 胸が膨らみ、それから吐き出す 「……こうすると、少し落ち着きます。やってみて下さい」
- ルトヴィーク
- す、と短く吸って、は、と短く震えた息を吐き出し、これでいいか、とアウラを見る。
- アウラ
- 「それでは浅いです。もう少し」
- すー・・・と長く息を吸って はー・・・と長く吐く
- ルトヴィーク
- 「ん、……」 何度か短いそれを繰り返してから、ゆっくりと時間が伸びて
- 「……はぁ、……」 やがて、深呼吸をして 隣に座ったアウラに、僅かばかり寄りかかる。
- アウラ
- 「……、よく、出来ました」 小さく微笑んで 彼の頭を左手で撫でる
- 右腕には、地面を貫通するように、大きな剣がくっついたままだ
- ルトヴィーク
- 目を伏せて、その手に縋る様に頭が落ちて
- 「……うん」 小さく呟かれた声は、波の音に隠れてしまった。
- アウラ
- 「……少しは落ち着かれましたか?ルトヴィーク」
- 優しい声音で、そう尋ねて 「……改めて、助けに来てくださって、ありがとうございます」
- ルトヴィーク
- 「……」 ぐ、と手を握り込む事で返しながら、顔は上げない。
- 「うん。……待たせて、ごめん」
- アウラ
- 「……、はい」 小さく頷くと ルトヴィークの手を握り込んで
- 「……貴方が気に病まれることはないのです」
- ルトヴィーク
- 「……なんで」
- 「一緒に戦ってたんだ。……助けられなかった、けど」
- アウラ
- 「……悪いのは、私ですから」
- 抑えられてはいるが、沈んだ声でそう言って 「‥‥今少し、落ち着いて救助を待っていればもしかしたら…と、思うのですわ」
- ルトヴィーク
- 「……そんなの、解んないよ」
- 「今だから、思うだけだよ」 アウラのせいではない、という様に頭を振って 腫れた瞳を挙げた。
- アウラ
- 「…ええ、そうかもしれません」 小さく首を振って
- ルトヴィーク
- 「……」 腕をアウラの首に回して、縋る様に彼女の身体を抱き竦める。
- 「アウローラのせいじゃ、ないよ」
- アウラ
- 「ただ、責任を考えた時、ジルベルト様の──…」 抱き竦められて 言葉を止めて
- 「……‥ジルベルト様、そしてベアトリス様には、私はなんと声をおかけしたら良いか、……」
- ルトヴィーク
- 「……」 その言葉への返答を持たずに、代わりに腕を込める力を強めた。
- アウラ
- 震える声をルトヴィークの腕の中で発して 小さく肩を震わせる これまで誰にも、ルトヴィークにすら見せてことのない、聞かせたことのない、死から遠い、年相応の少女の声音で
- ルトヴィーク
- もう一度、その身体を抱き締めて 腕の中で震えるアウラを守る様に身体を寄せる。
- 「……」 きっと、彼女に応えるべき言葉を知っている。言うべき言葉を、知っている。
- 「……あいつは、ジルベルトは、多分」
- 「……、……その、謝られるのは、怒ると思う」
- 「それか、困る……」
- アウラ
- 「…‥、感謝を伝えられるでしょうか」
- ルトヴィーク
- 「……何で、そう思うの」
- アウラ
- 「蘇生を受け入れて下さる方というのは、稀とは聞きます……まして、あのお顔は、何処か満足していらっしゃいましたから…」
- ルトヴィーク
- 「帰って来る」
- 短く呟いた言葉は、どこか意地になっている様な どこか、帰って来ない、という言葉を塗潰す為に吐き出した様なもので
- アウラ
- 「……、はい…」
- ルトヴィーク
- 「だって約束したんだ。アウローラを連れて帰ったら、また聞かせてくれるって。……聞いて、くれるって」
- 僅かに震える声で続ける内、小さく嗚咽が混ざり始めて
- アウラの肩を掴む力が、きつく強められる。
- アウラ
- 「………、痛…‥っ」 小さく呻くと 「……、約束」
- ルトヴィーク
- 「……ピアノを」
- 「ピアノを聞いてくれるって、聞かせてくれる、って……」
- 「それに、……あいつ、騎士なんだって」
- 「だから、帰って来る。……帰って来るよ」 自分に言い聞かせる様に繰り返しながら、ゆっくりとアウラの頭を撫でる。
- アウラ
- 「………、」 言っていることは纏まっていない、ただ、余裕が無い中でも此方を慰めようとしてくれる意図は伝わって
- 「……、」 ゆっくりと彼の肩に頭を預けた
- ルトヴィーク
- 「……ねえ、アウローラ」 小さな身体を受け止めながら、問いかける。
- 「ジルベルトが、死――、倒れてからずっと、ここが、“いたい”、のは……何で」 左胸に手を当てて、アウラに見せて。
- アウラ
- 「……それは、」 「それは…"悲しい"、です」
- ルトヴィーク
- 「……“かなしい”?」
- アウラ
- 「はい。居なくなってしまって、寂しい、もう戻ってこないと思うと辛い…、思うことしか出来ないのは、悲しいというのですわ」
- ルトヴィーク
- 「――、かなしい」 確かめる様にアウラに頷いて、それを口にしてしまえば――ぐ、と堪えて それでも涙が溢れて止まらずに、嗚咽を漏らし続けてしまうような、そんな泣き顔を見せた。
- アウラ
- 「……ルトヴィーク」
- ルトヴィーク
- 「――、」 鉄色の瞳が潤み、目尻から涙を溢れさせて 肩を上下させながら、呼ばれた名前に反応してアウラに視線を戻す。
- アウラ
- 「‥‥、ええ、それが悲しいです」 此方も目端に涙を貯めながら そう呟いて 彼の頭を撫でる
- ルトヴィーク
- 「……アウローラが居なくなった時と、同じだ」
- 「俺、アウローラがいないのも、あいつがいないのも、……かなし、かった」 撫でられながら訥々と続ける。
- 「……変に、なったのかな」
- アウラ
- 「いいえ……変に、ではありませんわ」
- ルトヴィーク
- 「知らない、事ばっかりだ。……闘ってる時も、何も、解んなくなって……」
- アウラ
- 「ええ、でも知ることが出来た。それは……とても素晴らしいことです」 いろんな感情がないまぜになった涙を、少女も溢して
- ルトヴィーク
- 「……?」 アウラに視線を落として 未だに大粒の涙を流しながら、首を傾げる。
- アウラ
- 「良いのです、ルトヴィーク……それで良いのです……」
- ルトヴィーク
- 「俺、もう……いやだよ。悲しいのは、もういやだ。……知りたく、なかった」
- 「痛いのも、悲しいのも……もう、嫌なんだ」
- アウラ
- 「……痛いから、悲しいから…それを知っているから、相手もそう感じるかもしれないと、優しくなれるのですわ」
- 「それが分からないのなら、機械と一緒なのです」
- ルトヴィーク
- 「……やさしく?」 機械、と聞けば脳裏に浮かぶのは、ジルベルトを貫いた――
- 「……」 白い顔で、頭を振る。
- アウラ
- 「……、」
- ルトヴィーク
- 「……、」 ふと。
- ジルベルトを失い、死んだ事がこれだけ苦しいのなら。――もし、そうなら
- 「――、……」 俺は、今まで何人を、殺してきたのか。
- 「……、……っ」 どれだけの人を、悲しい、に突き落としたのか。
- アウラ
- 「……ルトヴィーク」
- ルトヴィーク
- 「う、」 あの日斬り殺したメイド達にも、死ねば悲しい人が居たんじゃ――、思考が回れば回るだけ、アウラを抱く腕が震え 呼吸が粗く、拙く
- 「――あう、ろーら」 真っ黒な手をアウラから放して 頭を振った
- アウラ
- 青年の様子を見て、膝を立て、そして胸に迎え入れるように抱きしめた
- ルトヴィーク
- 「やめ、やめて」 頭を振りながら、押し返そうとして――触れる事を拒む様に、その手を下ろす。
- アウラ
- 「やめません……、」
- ルトヴィーク
- 「俺は、……だめ」
- アウラ
- 「……、それでも私は」
- 「……、私は、あなたと生きる事を選びます」
- ルトヴィーク
- 「俺は、生きてちゃだめだよ、アウローラ」 震えた声で、その言葉を拒む様に目をぎゅっと塞ぎ 頭を振る。
- アウラ
- 「私が赦します、私が、受け入れます……」
- ルトヴィーク
- 「……何人殺したか、解んない」
- アウラ
- 「貴方は、……‥」 「貴方は、私のものです、ルトヴィーク」
- ルトヴィーク
- 「何人悲しいにしたのか、……、」 続けられた言葉に、もう一度頭を振る。
- アウラ
- 「私が赦すまで…勝手に死ぬことは許しません」
- 「生きていては駄目なんて、言わせません」
- 「もし……もし、そんなにも辛いなら」
- 「殺した分だけ、救ってお見せなさい、ルトヴィーク」
- ルトヴィーク
- 「……すく、う?」 未だに拙い呼吸を繰り返しながら、じっとりと脂汗を滲ませて 今にも死んでしまいそうな、小突けば割れてしまいそうな様子で、アウラを見る。
- アウラ
- 真剣に、青年を見つめて そして胸に抱きながらその頭を撫でる
- 「はい。救うのです。様々な人を、様々なものを。失わせた分だけ……壊した分だけ‥救ってお見せなさい」
- 「それが出来るなら……この世の誰もが貴方を責めようとも、私が赦します。アウローラ・フォン・デーニッツが……赦します」
- ルトヴィーク
- 「……すくう、って、なに?」
- アウラ
- 「助けるのです。私にしたみたいに」
- 「命を助け、何かを護るのです……それが救うです」
- ルトヴィーク
- 「……、でも」
- 「おれは、フェクターみたいな英雄にはなれないし、……ジルベルトみたいな騎士にも、なれないよ」
- アウラ
- 「人によっては、また違った意味を持ちます……、だからそれも聞いてご覧なさい」
- 「いいえ……少なくとも私にとっては」
- ルトヴィーク
- 「それは、だって――そういう奴等の、」
- 「……?」
- アウラ
- 「貴方は英雄ですわ」
- ルトヴィーク
- 「……、リカルド達とか、フェクターの事を言うんだ、それって」 瞬いて、確かに心を震わせながら それでも、食い下がる。
- アウラ
- 「私を助けただけでは、不足ですか?」
- ルトヴィーク
- 「……ジルベルトの、お陰だ。俺は手伝って貰った、だけで……」
- 「おれは、ただのヒトなんだよ。アウローラ。……あいつらみたいには、なれない」
- アウラ
- 「ジルベルト様もフェクター様も、リックも、フレッドも、ただの人だったではありませんか?」
- フレッド様も
- 「……変わりません。あなたと何も」
- 「特別扱いしては行けません……全員、貴方と肩を並べて戦った人達なのですから」
- ルトヴィーク
- 「それは、……、……だって」 視線を逸らして、ぼそぼそと漏らす。――言い訳を考えている時によく見せる、悪い癖だ。
- アウラ
- 「……ルトヴィーク」
- 顔を上げさせて
- ルトヴィーク
- びくりと肩を震わせて、ゆっくりと顔を上げられる。瞳は泣き腫らして、どこか迷っている様子だ。
- 「な、に……」
- アウラ
- 「あの時の質問……一緒に生きるという意味は、分かりましたか?」
- 両頬を挟むようにして持ち上げて 青年を見つめる
- ルトヴィーク
- 小さく頷いて、口を開こうとして――それを閉じる。
- 羞恥から来るものではなく、自分の真黒い手を思い出してしまい、続く言葉を吐き出せなかった。
- 「――っ、……!」 解っている。解っている。彼女が言う言葉の意味が、今ならば全てわかるのに。
- 今だからこそ、――知ってしまったからこそ、伝えられない。顔を歪めながら歯噛みして、嗚咽を漏らす。
- アウラ
- 「……、……では私も、お伝えしましょう」
- 小さく頷いたのを見て取ると 視線をそらさず… いや 一度だけ羞恥の表情を浮かべてから はっきりと青年を見つめて
- 「……愛していますルトヴィーク」
- ルトヴィーク
- 「――、」 ――駄目だ。聞くな。今、やっとわかったばかりだろうが。
- 「アウ、ローラ、」 ――否定しろ。だって、俺の手はもう、真っ黒なんだから。握る手なんて、どこにもないんだ。
- アウラ
- 「………、」 そんな青年の想いを、気持ちを それこそ打ち消すように 目が閉じられると 少女の顔がゆっくりと青年に近づく
- ルトヴィーク
- 「っ、……」 ――だから。だから、
- 「――っ、ぉ、れも、」
- 続けようとした言葉は、少女によって塞がれる。
- アウラ
- 「………」 しっかりと、自分から青年に口づけて 暫く時が止まったように身動きせずに
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- BGMを変更 by ルトヴィーク
- Icaro100%
- ルトヴィーク
- 「――、」 開いていた唇が、迷いなく塞がれる。その感触に、僅かばかり身体を反らして
- ゆっくりと、震える手がアウラの背に回される。縋る様に、或いは剥がそうとする様に。
- アウラ
- 「………、」 青年の背に腕が回されて ゆっくりと撫でる 受け入れるように赦すように。──、或いは励ますように
- ルトヴィーク
- やがてゆっくりと唇を放して、アウラを見る。
- アウラ
- 「……、あ、あの…」
- ルトヴィーク
- 「……な、に」
- アウラ
- おどおどっと照れた様子は彼女にしては新鮮だ
- 「……あまり、見ないで下さいますか」
- ルトヴィーク
- 「……見る」
- 「だって、……アウローラは、俺がはじめて、“すくった”人、なんでしょ」
- アウラ
- 「……ルトヴィークっ」 顔を赤くしながら 抗議口調で
- 「…‥、」 続く言葉に、言葉を失って
- 「……はい、そうですわ」
- ルトヴィーク
- 「……アウローラ。俺、……俺の事、やっぱり生きてちゃだめだと、思う。……でも、」
- 「だから、色んなひとの事、“すくって”みる。……殺した、分だけ」
- 「そうしたら、いつか、それが出来たら――俺、……アウローラの“英雄”のままで、いられるかな」
- アウラ
- 「……支えます。ずっと傍で」
- 「だから…一緒に生きて…ルトヴィーク」
- ルトヴィーク
- 「――、……」 言葉の代わりに、既に力なく、よれてしまっている――けれども、今も懸命に華を示すアカカタバミを、そっと差し出した。
- アウラ
- 「……、」 その花を受け取って 泣き笑いの表情を浮かべて 青年を見つめた
- ルトヴィーク
- 「うん。……一緒に生きよう、アウローラ」
- アウラ
- では、この辺りで
- ルトヴィーク
- うん。
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- BGMを削除 by アウラ
- ルトヴィーク
- お疲れ様でした。
- アウラ
- お疲れ様でした。今後とも宜しくお願いしますわ
- ルトヴィーク
- うん。よろしく それじゃあ
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- ルトヴィークが退室しました