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御家騒動編幕間 アカカタバミ

20210505_0

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アウラが入室しました
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ルトヴィークが入室しました
アウラ
では描写しますわね
丁度ジル様とベアトリス様が描写をしてくださっているので
そちらをお借りしてやりましょう
 
 
 
 
 
 
 
 
ルトヴィーク
よろしくお願いします……
 
──ヴェイルーン王国領、ホーマの街から程近い場所にある、湖沿いの洞窟。
アウラ誘拐の犯人である、子爵家嫡男デミアンとの戦いの後、アウラを助け出した一行は、休憩ともうひとつの目的の為、アウラとクラーラ姉妹の案内で、彼女たちが幼い頃に遊んだというここに来ていた。
洞窟は広く、地面は柔らかな砂地で、休憩にはもってこいの場所であった。
奥にある部屋には、今、先の戦いで亡くなったジルベルトと、蘇生を試みるベアトリスが入っており
デミアンの解呪や、アウラ自身の解呪も含めて、静かながら慌ただしい時間が過ぎているところでもあったのだが
アウラ
ルトヴィークは何処にいらっしゃるかしら
ルトヴィーク
アウラの指示通りにいるよ。自分の意志で一人になる事は今はないかな
ずっとおどおどしながら付いて来る容。
 
解呪が一通り済んでから、休息を取るために、アウラが護衛を兼ねていたルトヴィークに声をかける
ルトヴィーク
――、あ、」 びく、と肩を震わせながら、かけられた声に視線を向ける。
鉄色の瞳は酷く狼狽えていて、辛うじて漏れ出た声は乾ききっており、アウラも――そして彼自身も――聞いた事のないような、そんな声だった。
アウラ
「……、ルトヴィーク。一旦外の空気を吸いに行きましょう」
そんな彼の手を優しく取ると、握って 「さ、此方へ」 とアウラは外に連れ出すように誘導する
ルトヴィーク
「……護衛、しなきゃ」 取られた手にゆっくりと引かれながら、僅かに抵抗を示して 奥の――その扉の先の、ジルベルトを見る様に視線を流した。
アウラ
「……、では此処でも構いませんが、彼と一緒でも構わないのですか?」
ルトヴィーク
「……一緒?」
アウラ
「当分は目を覚ませないはずですから…」 とデミアンを示して
ルトヴィーク
「……、……」 肩を落としたまま、アウラを見つめる。
そこには、かつてあった空虚さもなければ アウラが攫われる直前に見せた、意思の光もなく
ただ、怯えてばかりの幼子の様な瞳が アウラを見る。
アウラ
「……、来なさい」 今度は有無を言わさない口調で 左手で彼の手を引いて 
ルトヴィーク
――、」 声色に、小さく肩を震わせながら
いつか聞いた音色を思い浮かべながら、見えなくなるまで奥の扉を見つめていた。
アウラ
外に出ると、クラーラにデミアンの看病を依頼して そのまま手を引いて洞窟から出てすぐの場所に座り込む 小波の穏やかな音が聞こえてくる湖沿いは空気が澄んでいた
左手で右手を握り込みながら 「──、少し、深呼吸をしてみると良いですわ」 と彼に提案する 
ルトヴィーク
「……」 いつか見た海と同じ音――いや、少し違う。けれどよく似たその音に、意識を少しばかり奪われて。
「深、呼吸?」 縋る様に右手を握って 小さく問いかける。
アウラ
「こうして…‥」 すぅ、と息を吸う 胸が膨らみ、それから吐き出す 「……こうすると、少し落ち着きます。やってみて下さい」
ルトヴィーク
す、と短く吸って、は、と短く震えた息を吐き出し、これでいいか、とアウラを見る。
アウラ
「それでは浅いです。もう少し」
すー・・・と長く息を吸って はー・・・と長く吐く
ルトヴィーク
「ん、……」 何度か短いそれを繰り返してから、ゆっくりと時間が伸びて
「……はぁ、……」 やがて、深呼吸をして 隣に座ったアウラに、僅かばかり寄りかかる。
アウラ
「……、よく、出来ました」 小さく微笑んで 彼の頭を左手で撫でる
右腕には、地面を貫通するように、大きな剣がくっついたままだ
ルトヴィーク
目を伏せて、その手に縋る様に頭が落ちて 
「……うん」 小さく呟かれた声は、波の音に隠れてしまった。
アウラ
「……少しは落ち着かれましたか?ルトヴィーク」
優しい声音で、そう尋ねて 「……改めて、助けに来てくださって、ありがとうございます」
ルトヴィーク
「……」 ぐ、と手を握り込む事で返しながら、顔は上げない。
「うん。……待たせて、ごめん」
アウラ
「……、はい」 小さく頷くと ルトヴィークの手を握り込んで
「……貴方が気に病まれることはないのです」
ルトヴィーク
「……なんで」
「一緒に戦ってたんだ。……助けられなかった、けど」
アウラ
「……悪いのは、私ですから」
抑えられてはいるが、沈んだ声でそう言って 「‥‥今少し、落ち着いて救助を待っていればもしかしたら…と、思うのですわ」
ルトヴィーク
「……そんなの、解んないよ」
「今だから、思うだけだよ」 アウラのせいではない、という様に頭を振って 腫れた瞳を挙げた。
アウラ
「…ええ、そうかもしれません」 小さく首を振って
ルトヴィーク
「……」 腕をアウラの首に回して、縋る様に彼女の身体を抱き竦める。
「アウローラのせいじゃ、ないよ」 
アウラ
「ただ、責任を考えた時、ジルベルト様の──…」 抱き竦められて 言葉を止めて
「……‥ジルベルト様、そしてベアトリス様には、私はなんと声をおかけしたら良いか、……」
ルトヴィーク
「……」 その言葉への返答を持たずに、代わりに腕を込める力を強めた。
アウラ
震える声をルトヴィークの腕の中で発して 小さく肩を震わせる これまで誰にも、ルトヴィークにすら見せてことのない、聞かせたことのない、死から遠い、年相応の少女の声音で
ルトヴィーク
もう一度、その身体を抱き締めて 腕の中で震えるアウラを守る様に身体を寄せる。
「……」 きっと、彼女に応えるべき言葉を知っている。言うべき言葉を、知っている。
「……あいつは、ジルベルトは、多分」
「……、……その、謝られるのは、怒ると思う」
「それか、困る……」
アウラ
「…‥、感謝を伝えられるでしょうか」
ルトヴィーク
「……何で、そう思うの」
アウラ
「蘇生を受け入れて下さる方というのは、稀とは聞きます……まして、あのお顔は、何処か満足していらっしゃいましたから…」
ルトヴィーク
「帰って来る」
短く呟いた言葉は、どこか意地になっている様な どこか、帰って来ない、という言葉を塗潰す為に吐き出した様なもので
アウラ
「……、はい…」
ルトヴィーク
「だって約束したんだ。アウローラを連れて帰ったら、また聞かせてくれるって。……聞いて、くれるって」 
僅かに震える声で続ける内、小さく嗚咽が混ざり始めて
アウラの肩を掴む力が、きつく強められる。
アウラ
「………、痛…‥っ」 小さく呻くと 「……、約束」
ルトヴィーク
「……ピアノを」
「ピアノを聞いてくれるって、聞かせてくれる、って……」
「それに、……あいつ、騎士なんだって」
「だから、帰って来る。……帰って来るよ」 自分に言い聞かせる様に繰り返しながら、ゆっくりとアウラの頭を撫でる。
アウラ
「………、」 言っていることは纏まっていない、ただ、余裕が無い中でも此方を慰めようとしてくれる意図は伝わって
「……、」 ゆっくりと彼の肩に頭を預けた
ルトヴィーク
「……ねえ、アウローラ」 小さな身体を受け止めながら、問いかける。
「ジルベルトが、死――、倒れてからずっと、ここが、“いたい”、のは……何で」 左胸に手を当てて、アウラに見せて。
アウラ
「……それは、」 「それは…"悲しい"、です」
ルトヴィーク
「……“かなしい”?」
アウラ
「はい。居なくなってしまって、寂しい、もう戻ってこないと思うと辛い…、思うことしか出来ないのは、悲しいというのですわ」
ルトヴィーク
――、かなしい」 確かめる様にアウラに頷いて、それを口にしてしまえば――ぐ、と堪えて それでも涙が溢れて止まらずに、嗚咽を漏らし続けてしまうような、そんな泣き顔を見せた。
アウラ
「……ルトヴィーク」
ルトヴィーク
――、」 鉄色の瞳が潤み、目尻から涙を溢れさせて 肩を上下させながら、呼ばれた名前に反応してアウラに視線を戻す。
アウラ
「‥‥、ええ、それが悲しいです」 此方も目端に涙を貯めながら そう呟いて 彼の頭を撫でる
ルトヴィーク
「……アウローラが居なくなった時と、同じだ」
「俺、アウローラがいないのも、あいつがいないのも、……かなし、かった」 撫でられながら訥々と続ける。
「……変に、なったのかな」
アウラ
「いいえ……変に、ではありませんわ」
ルトヴィーク
「知らない、事ばっかりだ。……闘ってる時も、何も、解んなくなって……」
アウラ
「ええ、でも知ることが出来た。それは……とても素晴らしいことです」 いろんな感情がないまぜになった涙を、少女も溢して
ルトヴィーク
「……?」 アウラに視線を落として 未だに大粒の涙を流しながら、首を傾げる。
アウラ
「良いのです、ルトヴィーク……それで良いのです……」
ルトヴィーク
「俺、もう……いやだよ。悲しいのは、もういやだ。……知りたく、なかった」
「痛いのも、悲しいのも……もう、嫌なんだ」
アウラ
「……痛いから、悲しいから…それを知っているから、相手もそう感じるかもしれないと、優しくなれるのですわ」
「それが分からないのなら、機械と一緒なのです」
ルトヴィーク
「……やさしく?」 機械、と聞けば脳裏に浮かぶのは、ジルベルトを貫いた――
「……」 白い顔で、頭を振る。
アウラ
「……、」
ルトヴィーク
「……、」 ふと。
ジルベルトを失い、死んだ事がこれだけ苦しいのなら。――もし、そうなら
――、……」 俺は、今まで何人を、殺してきたのか。
「……、……っ」 どれだけの人を、悲しい、に突き落としたのか。
アウラ
「……ルトヴィーク」
ルトヴィーク
「う、」 あの日斬り殺したメイド達にも、死ねば悲しい人が居たんじゃ――、思考が回れば回るだけ、アウラを抱く腕が震え 呼吸が粗く、拙く
――あう、ろーら」 真っ黒な手をアウラから放して 頭を振った
アウラ
青年の様子を見て、膝を立て、そして胸に迎え入れるように抱きしめた
ルトヴィーク
「やめ、やめて」 頭を振りながら、押し返そうとして――触れる事を拒む様に、その手を下ろす。
アウラ
「やめません……、」
ルトヴィーク
「俺は、……だめ」
アウラ
「……、それでも私は」
「……、私は、あなたと生きる事を選びます」
ルトヴィーク
「俺は、生きてちゃだめだよ、アウローラ」 震えた声で、その言葉を拒む様に目をぎゅっと塞ぎ 頭を振る。
アウラ
「私が赦します、私が、受け入れます……」
ルトヴィーク
「……何人殺したか、解んない」
アウラ
「貴方は、……‥」 「貴方は、私のものです、ルトヴィーク」
ルトヴィーク
「何人悲しいにしたのか、……、」 続けられた言葉に、もう一度頭を振る。
アウラ
「私が赦すまで…勝手に死ぬことは許しません」
「生きていては駄目なんて、言わせません」
「もし……もし、そんなにも辛いなら」
「殺した分だけ、救ってお見せなさい、ルトヴィーク」
ルトヴィーク
「……すく、う?」 未だに拙い呼吸を繰り返しながら、じっとりと脂汗を滲ませて 今にも死んでしまいそうな、小突けば割れてしまいそうな様子で、アウラを見る。
アウラ
真剣に、青年を見つめて そして胸に抱きながらその頭を撫でる
「はい。救うのです。様々な人を、様々なものを。失わせた分だけ……壊した分だけ‥救ってお見せなさい」
「それが出来るなら……この世の誰もが貴方を責めようとも、私が赦します。アウローラ・フォン・デーニッツが……赦します」
ルトヴィーク
「……すくう、って、なに?」
アウラ
「助けるのです。私にしたみたいに」
「命を助け、何かを護るのです……それが救うです」
ルトヴィーク
「……、でも」
「おれは、フェクターみたいな英雄にはなれないし、……ジルベルトみたいな騎士にも、なれないよ」
アウラ
「人によっては、また違った意味を持ちます……、だからそれも聞いてご覧なさい」
「いいえ……少なくとも私にとっては」
ルトヴィーク
「それは、だって――そういう奴等の、」
「……?」
アウラ
「貴方は英雄(ヒーロー)ですわ」
ルトヴィーク
「……、リカルド達とか、フェクターの事を言うんだ、それって」 瞬いて、確かに心を震わせながら それでも、食い下がる。
アウラ
「私を助けただけでは、不足ですか?」
ルトヴィーク
「……ジルベルトの、お陰だ。俺は手伝って貰った、だけで……」
「おれは、ただのヒトなんだよ。アウローラ。……あいつらみたいには、なれない」 
アウラ
「ジルベルト様もフェクター様も、リックも、フレッドも、ただの人だったではありませんか?」
フレッド様も
「……変わりません。あなたと何も」
「特別扱いしては行けません……全員、貴方と肩を並べて戦った人達なのですから」
ルトヴィーク
「それは、……、……だって」 視線を逸らして、ぼそぼそと漏らす。――言い訳を考えている時によく見せる、悪い癖だ。
アウラ
「……ルトヴィーク」
顔を上げさせて
ルトヴィーク
びくりと肩を震わせて、ゆっくりと顔を上げられる。瞳は泣き腫らして、どこか迷っている様子だ。
「な、に……」 
アウラ
「あの時の質問……一緒に生きるという意味は、分かりましたか?」
両頬を挟むようにして持ち上げて 青年を見つめる
ルトヴィーク
小さく頷いて、口を開こうとして――それを閉じる。
羞恥から来るものではなく、自分の真黒い手を思い出してしまい、続く言葉を吐き出せなかった。
――っ、……!」 解っている。解っている。彼女が言う言葉の意味が、今ならば全てわかるのに。
今だからこそ、――知ってしまったからこそ、伝えられない。顔を歪めながら歯噛みして、嗚咽を漏らす。
アウラ
「……、……では私も、お伝えしましょう」
小さく頷いたのを見て取ると 視線をそらさず… いや 一度だけ羞恥の表情を浮かべてから はっきりと青年を見つめて
「……愛していますルトヴィーク」
ルトヴィーク
――、」 ――駄目だ。聞くな。今、やっとわかったばかりだろうが。
「アウ、ローラ、」 ――否定しろ。だって、俺の手はもう、真っ黒なんだから。握る手なんて、どこにもないんだ。
アウラ
「………、」 そんな青年の想いを、気持ちを それこそ打ち消すように 目が閉じられると 少女の顔がゆっくりと青年に近づく
ルトヴィーク
「っ、……」 ――だから。だから、
――っ、ぉ、れも、」 
続けようとした言葉は、少女によって塞がれる。
アウラ
「………」 しっかりと、自分から青年に口づけて 暫く時が止まったように身動きせずに
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BGMを変更 by ルトヴィーク
Icaro100%
ルトヴィーク
――、」 開いていた唇が、迷いなく塞がれる。その感触に、僅かばかり身体を反らして 
ゆっくりと、震える手がアウラの背に回される。縋る様に、或いは剥がそうとする様に。
アウラ
「………、」 青年の背に腕が回されて ゆっくりと撫でる 受け入れるように赦すように。──、或いは励ますように
ルトヴィーク
やがてゆっくりと唇を放して、アウラを見る。
アウラ
「……、あ、あの…」
ルトヴィーク
「……な、に」
アウラ
おどおどっと照れた様子は彼女にしては新鮮だ
「……あまり、見ないで下さいますか」
ルトヴィーク
「……見る」
「だって、……アウローラは、俺がはじめて、“すくった”人、なんでしょ」
アウラ
「……ルトヴィークっ」 顔を赤くしながら 抗議口調で
「…‥、」 続く言葉に、言葉を失って
「……はい、そうですわ」
ルトヴィーク
「……アウローラ。俺、……俺の事、やっぱり生きてちゃだめだと、思う。……でも、」
「だから、色んなひとの事、“すくって”みる。……殺した、分だけ」
「そうしたら、いつか、それが出来たら――俺、……アウローラの“英雄(ヒーロー)”のままで、いられるかな」
アウラ
「……支えます。ずっと傍で」
「だから…一緒に生きて…ルトヴィーク」
ルトヴィーク
――、……」 言葉の代わりに、既に力なく、よれてしまっている――けれども、今も懸命に華を示すアカカタバミを、そっと差し出した。
アウラ
「……、」 その花を受け取って 泣き笑いの表情を浮かべて 青年を見つめた
ルトヴィーク
「うん。……一緒に生きよう、アウローラ」
アウラ
では、この辺りで
ルトヴィーク
うん。
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BGMを削除 by アウラ
ルトヴィーク
お疲れ様でした。
アウラ
お疲れ様でした。今後とも宜しくお願いしますわ
ルトヴィーク
うん。よろしく それじゃあ
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ルトヴィークが退室しました

BGMリスト

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