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亡国のアナスタシス 幕間

20210426_0

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エスメラルダが入室しました
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ウィスタリアが入室しました
エスメラルダ
うむ。
ウィスタリア
はい
エスメラルダ
カグラと話をしてから戻ってきて、というくらいだな
ウィスタリア
はい
エスメラルダ
差し込んでおきたい描写はあるかな なければこちらでさっくり書こう
ウィスタリア
特には無いと思います。大丈夫です
エスメラルダ
了解だ。ではちょっと待ってくれ
 
 
 
 
 
――件の魔動機を撃破し、ポルダまで向かう前に休憩を取り始めた一行。
テントを用意して野営の準備を整えた彼らは、手分けをしてそれぞれの仕事を行いながらも身体を休めている。
エスメラルダ
――……」 焚き火の前で、ぼんやりとその日を眺めているこの青年もその一人であり
先の戦闘において、望む様に動けなかった事に不満を抱き 準備を終えた後に鍛錬を終えてきていた。
先程まで会話をしていた二人の少女と別れてからは、ぼんやりと火を眺めながら、
それでも警戒は怠らずに 他の者が休息する時間を確保している。
エスメラルダ
いつでも大丈夫だ。
 
ざっざっざ、と 足音をさせながら、焚き火の近くにやってくる人影が一つ
ウィスタリア
人形めいた顔の少女は、先程会話を交わしていた少女とは別れたのか、1人で焚き火の場所まで戻ってきた
「ただいま戻りました」
エスメラルダ
「……」 足音に視線を向けて、少女を見ると小さく首を傾げた。
「おかえり。カグラは戻ったか?」
ウィスタリア
「はい。ただ、此方ではなくテントの方に行かれるとのことでしたので、そこで別れました」
エスメラルダ
「そうか。ウィスタリアも休まなくて平気か?」 
ウィスタリア
「はい」 頷いて
エスメラルダ
頷くと、焚き火の近くに腰を下ろせる場所を示した。
ウィスタリア
促されると腰を下ろして
「……、」 じ、とエスメラルダの方を見て
エスメラルダ
「?」 首を傾げながら、先程と同じように焚き火に木を放る。
「どうしたんだ、ウィスタリア。何かあったか……、不調か?」 
案じる様に、声のトーンは下がっていく。
ウィスタリア
「……、」 視線を下げて 「カグラさんが仰った様に」
「話すべきことが、あるのではないかと思って、言葉を探していました」
エスメラルダ
「……」 小さく頷き、微笑みながらウィスタリアを見る。少女の言葉を聞けば、その視線からは不安の色は拭われていた。
「ああ。見つかった時は、教えてくれるか」
ウィスタリア
「……エスメラルダさんは、私に何か、ありますか?」
エスメラルダ
「伝えたい言葉は、もう伝えたと思うよ。……ああ、だが」
「言葉が強くなってしまった事は、すまなかったな。……戦闘中だからというのは、言い訳にもならないし」
ウィスタリア
「………、」 「疑問に、思われないのですか?」
エスメラルダ
「何を……、いや。どれを、だ?」
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BGMを変更 by エスメラルダ
Unspoken Words100%
ウィスタリア
「私の存在、取り巻く状況、それこそ、様々あります」
エスメラルダ
静かに頷いて、促すように少女の瞳を覗いた。
ウィスタリア
「そのどれも、誰からも聞かれません」
エスメラルダ
「……だが、聞かれた所で、ウィスタリアが答えられる訳でもないだろう?」
ウィスタリア
「……全容がわかっているわけではありません」 首肯して
エスメラルダ
「ああ。それをウィスタリアが知ろうとしている事は、皆解っているんだよ」
「だから、聞かないんじゃないか。困らせてしまうんじゃないか、とね」
ウィスタリア
「……、」
エスメラルダ
最も、自分にはその真相を知りたくない側面が無い、と言えば嘘になる。
知ってしまう事で、決定的に何かが掛け違えてしまう様な危惧は確かに抱いているのだから。
ウィスタリア
「……、分かりました」 頷いて
「お気遣いに感謝して、私からも分かるまでは、口にしないようにします」
エスメラルダ
だが、自分は彼女を信じると、彼女はそれに応えると言った。であるならば、その返事さえあればいい。
背を押すには、十二分だろう――押す手が震えてしまいそうなのは、情けなくもあるけれど。
ウィスタリア
「……それとは別に、お話したいことがあります」視線を向け直して 「質問に繋がるとも思いますが、話してもよろしいでしょうか」
エスメラルダ
「うん? ……ああ、構わない、というか」
「話したいのなら、許可を取る必要はないよ。少なくとも俺には必要ない」
ウィスタリア
「はい」
頷くと 口を開いて
「シュナさんが倒れられた後の事です」
「ご叱責を頂いて、デモン・ギアの破壊が済み、その後の事です」 重ねるように状況を説明して
エスメラルダ
「……ああ」 頷きを返し、脳裏に状況を再現する。
ウィスタリア
「──、言葉が明瞭ではないかもしれません」
エスメラルダ
「構わない。続けてくれ」
ウィスタリア
「ただ、シュナさんのところに行くようにと言われ、エスメラルダさんがリコさん、シオンさんと一緒に離れていく時に、」
「貴方に手を伸ばしたのですが、……、それは、どういう反応なのでしょうか」
エスメラルダ
「……ああ、そういえばしていたな。それを見て、此方から動いたが」
「どういう反応か、……か」 腕を組み、困った様に眉を顰めた。
「……」 手を伸ばすとすれば、対象に触れたい部分があったか、対象の行動を止めたかったか、対象に何かを求めていたか。
触れたい部分はまず無いだろう。休息地点を探索する事を止める理由もないだろうし、となれば。
「……何か、此方に求めたか?」
ウィスタリア
「……、」 エスメラルダを見つめて
「……求めた、というのは、適切だと思います」
エスメラルダ
「何をだろうか。適切という事は、何か自覚が?」
ウィスタリア
「……、何かが不足して、手を伸ばした様に感じます」
エスメラルダ
「不足? ……消耗するとして、俺から補えるものは無いと思うが」 魔香草を用いる事が出来る訳でもなし。
ウィスタリア
「………、」 暫くエスメラルダを見つめて 「……、」 そしてわずかに肩を落として首を振った
「……該当条項がありません」
エスメラルダ
その様子を見れば、困った様に息を吐いた。
「そうだな、……何故そうしたのかは、俺にも解らない」
ウィスタリア
「……。申し訳ありません、意味の通らない話になってしまいました」
エスメラルダ
「……」 頭を掻くと、瞬きを一つして。
「その後、頭に触れたろう。その時に不足していたものが補えた、という事は?」
ウィスタリア
「……、」少し考えるように間を置いて 「いえ、そういう事では無いと思います」 また首を振って
エスメラルダ
「では、不安から来る様なものではなかったか。……うう、む」
解らん、と小さく零し、腕を組む。
ウィスタリア
「不安……、」
「……、いえ、それが、該当しそうです」
エスメラルダ
「うん? ……、そうか」
「間違いないなさそうか?」 木を放り、視線を向ける。
ウィスタリア
「……はい、理由はわからないのですが」
エスメラルダ
頷き、続きを促す。
ウィスタリア
「離れていかれることに、不安を抱いた、という表現が適切だと思います」
エスメラルダ
「それは、つまり――」 目を細めて、小さく唸る。
「負傷もしていなかったものな。シオンもリコもいた、戦力不足ではないと思うのだが」
「……戦力として不安があったか?」
ウィスタリア
「………、」 言われたことを考えて 「…いいえ、適切だったと思います」
エスメラルダ
返答を聞けば、ますますわからない、という様子で小さく唸った。
ウィスタリア
「……、すみません。不明瞭なことをお尋ねしました」
エスメラルダ
「そう、だな。……他に、不安に感じられるものは……ない、よな」 どうだろう、とウィスタリアに視線を向ける。
ウィスタリア
「………、」 小さく頷いて
エスメラルダ
「あの場には他の6人は残っていたから、そちらの戦力についても問題はない。非戦闘員を連れている訳でもないからな。やはりその懸念はないし……」 ぶつぶつ。
ウィスタリア
「……、検討は、もうせずとも良いのではないでしょうか」
「きちんと説明の出来ない、私が悪いと思います」
エスメラルダ
「良し悪しではないだろう。何が起きているのかを探ろうというだけだからな」
ウィスタリア
「……はい」
エスメラルダ
「……触れた時に、不安は薄らいだ覚えは?」
ウィスタリア
「……、」 自分の頭に触れてみる 「……、少しあったと思います」
エスメラルダ
その様子に、小さく笑い 腰を上げると、ウィスタリアに近付いてその頭を撫でた。
ウィスタリア
「………、」 そのままされるがままに撫でられて
エスメラルダ
「では、これからは何かあればこうしよう。不安がまるきりなくては良くないが、不安ばかりがあっても良くない」
「ウィスタリアも、誰かが不安気にしていたら、同じようにしてやってくれ。……和らぐかもしれないからな」
ウィスタリア
「……了解です」 普段は無表情な少女が、少しだけ笑った
エスメラルダ
「ん、……」 表情の変化を見ると、驚いた様にエメラルドの瞳が瞬いて
此方からも、穏やかな笑みを浮かべると もう一つ、少女の頭を撫でた。
ウィスタリア
ではこんな所で如何でしょうか
エスメラルダ
キリもいいな。
ウィスタリア
お付き合いありがとうございました
エスメラルダ
こちらこそありがとう。お疲れ様だ。
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ウィスタリアが退室しました
 
この後、暫く会話を挟み、時に挟まず 静かな時間を過ごした後、
休息を取った青年は、気が抜けた様子で 珍しく目を覚ます予定の時間から遅れて目を覚ましたという。
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エスメラルダが退室しました

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