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彼と彼女の事情

20210425_3

!SYSTEM
 が入室しました
!SYSTEM
フィオリが入室しました
フィオリ
うまだっち
 
うーーーー
うまだっち
どんなシチュエーションがよいでしょう
フィオリ
うーんそうだな
トゥエルヴは買い出しに付き合ってくれたりするのだろうか……
 
依頼前のすぅぱぁ準備タイム的なあれで?
日常の一コマ的な買い出しお付き合いなら、多分偶然出会ったらのこのこついていくかも
フィオリ
なるほど
いやほししべの外でやるにはどうすればいいかなーっていう
 
なるほど
面と向かって誘われたらきっと渋るので、偶然外で出会うとか神殿近くのお店でばったりとかなら
気になってついていきます
フィオリ
じゃあそうしましょう
 
わあい
フィオリ
フィオリは知り合いの魔術師に頼まれて、資料やら実験道具やらを買いまわっていることにしよう
 
らじゃっす
フィオリ
じゃあ簡単に描写しますね
 
あっ、わかりましたおねしゃす!
フィオリ
あっ、やってくれるならお任せします
あっあっ
 
あっあっ
いえいえいえ
どうぞどうぞ
フィオリ
なんか考えてたんじゃないの!?
 
いえ……
フィオリ
隠さなくていいのよ…… さあ……
 
どうしよっかなーって悩んでたとこだから大丈夫!!
えってぃも悩んでる感じなら、適当にこっちで描写します!
フィオリ
ワカタ
おねがいします
 
わあい
フィオリ
なやみんごです
 
じゃあ適当にかいちゃいます
んご^~
フィオリ
😃
 
あ、時間はー
1D24 → 5
15時ですね(?
フィオリ
早朝はないわな
トゥエルヴ
 昼下がりの王都イルスファール。今日の天気は晴れ時々曇り。厚い雲の合間から、太陽の光がちらちらと地上へ降り注ぐ。遠目から見ればなんとも心現れるような風景が見られるだろう、そんな一日。
王城から真っ直ぐと伸びる大通りには、昼食を終えた住民が仕事へと戻ったり、程よいタイミングを見つけてティータイムにしゃれこもうとする人々がいた。
その大通りの左右には、様々な出店や小さな露店、カフェテリアや――冒険者が扱うような武器や防具、魔法具などを売っている店も並んでいる。
そんな賑やかな大通りを眺める人影が一つ、ぽつんと立っていた。
その人影は、普段は見ない青いフード付きの外套を羽織り、普段よく見る黒い眼帯を身に付けていた。
 
おわり!
フィオリ
ほい
フィオリ
―――重ねて積まれた箱や本が、危ういバランスを保って動いている。
そのてっぺんから、かろうじて見えるのは、二つ結び(ツーサイドアップ)にされた銀髪だ。
どこかの制服らしきシャツとスカートに、文様の施された黒いケープ。魔術師フィオリエナ・ウル・シールの姿であった。曲がり角をまがり、大通りに現れた彼女は、往来にぶつかりそうになって慌てて方向修正する。
「……っと、と」
すみません、と律儀に謝るも、当の通行人は彼女など気にもせずに通り過ぎてしまう。
――はあ」 ため息一つ。よいしょ、と両手で荷物を持ち直して、何ともおぼつかない足取りでそろそろと歩いていく。
トゥエルヴ
「……」 いつからそこに立っていたのか曖昧になるほど、気付けば時間が経っていた。大通りの人の声にはっと我に返り、王城を背にするように歩き出した。
視界が得られない為、なるべく通りの隅を歩く。人にぶつかるという事は、この視界に慣れた生活を送るようになってから、大分減った。大体、匂いと音で分かる。
前方から、なにやら大きな荷物を運ぶ人間が迫っているような気がして、邪魔にならないように半歩横にずれる。
フィオリ
――……」 やはり、一旦戻るべきだろうか。手間ではあるが、それもしかたない―― などと考えごとをしているからよくない。
「あっ」
ぐらり、と、てっぺんに積まれた本がずれて、今まさにすれ違おうとした人の方へ落ちてしまう。
トゥエルヴ
ぽこん、と何かが頭に落ちてきた。さすがにこういった突発的な物事への対応は、まだまだ慣れていない。
「……いたっ」
頭を擦って、今しがたすれ違った人間へ、不満の表情を見せる 「痛いんだけど……」
フィオリ
「! す、すみません」 涼やかな声が、申し訳なさそうに聞こえてくる。
トゥエルヴ
「……!」 聞き覚えのある声に、びくりと小さく肩が揺れる。
フィオリ
荷物を抱えているせいで、動きづらそうに声の方へ向き直り――
トゥエルヴ
「……何してんの、こんなとこで」
フィオリ
「って…… トゥエルヴ?」
驚いた声を上げ、見開かれる金の瞳。
トゥエルヴ
ああ、やっぱりだ。人違いではなかった。
どうしよう、と心が捻くれる。オフで出会うのは二度目だが、その時に前科がついた。
フィオリ
見知った顔にばったり出会った驚きは、何とも居づらいような、ばつの悪さへと姿を変えた。
彼、トゥエルヴとの関係は微妙なバランスを保っており―― なんというか、格好悪いところを見せたくない相手なのだ。
トゥエルヴ
「……うん」 とりあえず、僕は僕だと伝えるべく頷いた。足が半歩下がった拍子に、先程頭に落ちてきた何某かを踏んでしまう。
フィオリ
「その……お使いです。知り合いに頼みごとをする代わりに、買い出しをしてくる約束で……」
トゥエルヴ
慌てて足を戻して、踏んでしまったそれを拾い上げる。手触りからして……本だろうか。
「ふぅん……」
「はい」 拾ったそれを、フィオリへ差し出す。
フィオリ
なんだか難しいタイトルの本だ。『ダルタニアンの禁じられた恋慕』とある。
 
一体どういうお友達なんです???
フィオリ
「……! そ。それは、それも、頼まれたもので、決してわたしが読む本ではなく……!」
トゥエルヴ
「……?うん」 急に慌てだしたフィオリに首を傾げた。なんの本かは分からないが、何か見られたら恥ずかしいものなのだろうか。
フィオリ
……よかった、意味が分かっていない。平静を装い、澄ました顔で、「上に。上にのせてください」
トゥエルヴ
「上……?」
フィオリ
「見れば分かるでしょう。両手が塞がっているので!」
トゥエルヴ
そういえばさっきも上から降ってきたような…… 「分からないよ、見れないもの」
片手で本を持ったまま、もう片方の手で前方の人物へ手を伸ばす。
フィオリ
「う……」 そうでした。 「ぐぐぐ……」
トゥエルヴ
少女の細い腕を見つけて、そこから辿るように本の山を撫でていく。随分と量がある事に、眼帯の奥で目を丸くした。
「…重たそうだね」 子供の感想文のような事を述べる。この上に更に本を積むというのは、男として…人としてやって良い事なのかどうか……。
フィオリ
トゥエルヴの指に伝わる、箱や紙袋、本の背表紙や重なった頁の感触。 「――今更ですけど、よくそれで人込みの中を歩けますね」
感心したように言って 「……ええ、まあ……」
トゥエルヴ
「………」 口を閉ざして、考え込む。
フィオリ
「〈塔〉にこもり切りの友人なので。ちょうど良かったんでしょうね。あれもこれもと注文をつけられてしまって」
よ、と荷物を持ち直す。
トゥエルヴ
知人ではあるが、相手は穢れを持ったナイトメアだ。……という事を言えば目の前の少女は怒るので言わないでおく 「これを、魔術師ギルドまで持っていくの?」
フィオリ
「……トゥエルヴ?」 いいからそのはしたない本を返してください
トゥエルヴ
「……」 バツが悪そうに、顔を顰める。
フィオリ
「ええと、はい。……まだ全部終わってないんですが、さすがにこれ以上は限界なので。一旦は〈塔〉に戻ろうと思います」
フィオリ
前面装甲が比較的平たいので荷物は抱えやすいです
 
絶壁でよかったね!!!!
フィオリ
そこまではいってません
トゥエルヴ
「……お願い、とか聞いてあげなくもないけど」
フィオリ
――……」 一瞬、何を言われたのか分からなかった。ぱちくり、と瞬きをして
トゥエルヴ
「今、仕事ないし……これで他の人にぶつかったら、まずいし」
フィオリ
お願いしないと、その本を返してくれないのだろうか。勘弁してほしい、買うのも恥ずかしかったのに。
一応弁解のために述べておくと、その本以外はまっとうな魔術書の類である。
 
そうなのか……
フィオリ
「………」
「……もしかして」
じ、と、トゥエルヴを見上げる眼差し。
トゥエルヴ
見つめられている気がする。す、っと本を壁にする位置に移動する。
フィオリ
「……」 身体を回転させるようにして、トゥエルヴを再び視界に入れる。
トゥエルヴ
「……なに」 遊ばれてるのだろうか
フィオリ
「もしかして、手伝ってくれるんですか?」
トゥエルヴ
「…お願いなら、仕方ないじゃん」
フィオリ
――くす、と笑った。「……何に対しての言い訳なんですか?」
トゥエルヴ
「……言い訳じゃない」 つっけんどんに応えて 「余計なお世話っていうなら……いいけど」
そこまで口にしてから、フィオリから聞こえてきた小さな笑い声に気付く。
フィオリ
「……」 ふ、と大きくなった笑みを、澄まし顔に変えた。トゥエルヴの言い訳に乗るように、かしこまった声を出して、 「じゃあ、お願いします。トゥエルヴ、運ぶのを手伝ってください」
トゥエルヴ
「……」 また笑った。どうしてか、心がふわふわした気がする。
「…ん」 短く答えて、本の下敷きになっていた箱から上を、すっと持ち上げて自分へ寄せた。
フィオリ
中に何が入っているのか、なかなかの重さを感じる。トゥエルヴにとっては、さほどのものではないかもしれないが。
一気に身軽になって、ほっ、と息をつく。
「ありがとう、助かります」
トゥエルヴ
一度運びやすいように持ち直す。小柄なフィオリより体格はよく、身長もある。視界――ではなく鼻や耳で周囲を感知するのを妨げられる量ではなかった。
「どういたしまして」
フィオリ
「それじゃ、行きましょう」 話しているうちに、気持ち人通りが落ち着いてきたようだ。幸い、二人並んで歩くのに問題はなさそうだった。
トゥエルヴ
「ん」 こくりと頷き、少女の横を歩く。
フィオリ
行き交うたくさんの人々。ありふれた日常の光景。南方では戦火が上がり、各地では今も不穏な事件は起こっているというが、ここから見える限りは、とても平和な一日だ。
言葉もなく、ふたり並んで歩く。
トゥエルヴ
普段通りに歩こうとすると、少女を追い越してしまいそうだった。向かう方向が分からない以上、フィオリを置いていくことはできない。時折歩調を緩めて、時折止まって、次はどっち?と聞いてみる。
フィオリ
そのたびに、こっちです、と、行くべき道を示していたが――
何度めかの、そんなやり取りの後に、ふいにフィオリエナが、
――やっぱり、男の人ですね」
何気なく、という感じで、そんなことを言った。
トゥエルヴ
「……?当たり前でしょ」
そこでふと、以前のヴィクセンとのやり取りを思い出した 「……フィオリ、まだ疑ってるの?」
フィオリ
確かに当たり前だ、と、苦笑しかけた所で、トゥエルヴの言葉が思わぬ方向からやってきて
「……? 何の話ですか?」
トゥエルヴ
「…初めてフィオリと出会った時、ヴィクセンが僕の事を女の子だと間違えてたから」
フィオリ
「……」 ――そういえば、そんな事もあったか。そう遠い話ではないはずなのに、随分、昔のことのように思える。
「……よく覚えてますね。もしかして、ずっと気にしてたんですか?」
トゥエルヴ
「……。………別に」
フィオリ
まあ、ヴィクセン(あの人)はいろいろ大雑把ですから、などと、居ないのをいいことにくすくす笑って、
「トゥエルヴは男の子ですよ。力も強いし、細く見えてよく鍛えてますし」
トゥエルヴ
「そりゃね」 褒められた気がして、気分は悪くなかった。
フィオリ
「私がいくら鍛えても、君のようにはなれませんから」
トゥエルヴ
「いいんじゃないの。それで」
フィオリ
ちらり、とトゥエルヴを見て、「そうですね。ひとには、得意と不得意がありますから」
なぜだろう。ほんの他愛のない会話が、妙にうれしい。
トゥエルヴ
「……あのさ」
得手不得手、というワードに、引っ掛かりを感じた。
フィオリ
そんなことを思っていると、ふいに以前の記憶がよみがえる。そういえば、ひどい喧嘩別れをしたことがあったな――と。いや、今はいいじゃないかと、吹きゆく風を思い切り吸い込んで、心の中にしまいこむ。
――なんですか?」
トゥエルヴ
「……フィオリは魔法、上手だと思う」
フィオリ
突然なんだろう、という顔で、「……ええ。どうも……?」
トゥエルヴ
「……うん」 言葉尻の疑問符に、上手く伝わっていないと分かる。
「いや、そうじゃなくて…」
フィオリ
「………」 少年の様子に、ふと足を止めて、彼を見た。
トゥエルヴ
フィオリが止まれば、こちらも止まる。
フィオリ
彼の意図を汲めていない事は何となく分かる。「ごめんなさい、何ですか?」
トゥエルヴ
「……」 言葉を探してみる。結局は、上手い言葉が見つからなかった。ぱっと思い付いた事を口にする 「ミアに負けてないよ、フィオリは」
フィオリ
―――……」 それは思わぬ言葉で、少女は目を丸くした。
トゥエルヴ
「…変な事言ったかも」 返答がない。いつもはハキハキ応えるのに。弁明するように、そう言って。
フィオリ
聡い少女は、トゥエルヴの言いたいことを何となく察しながらも、「……なんですか、それ」 歯切れの悪い少年の様子に、くすりと笑う。
それから、荷物を抱えたまま、細い肩をすくめて、「まあ、単純な魔術の腕では、いまはミアの方が上でしょうね」 と、少年の内心をよそに、身も蓋もないことを言う。 「家柄は比べるべくもないですし、父親も、あちらはオルトラントに名だたる大魔術師、かたやこちらは大罪人ですから」
だが、その口調には、不思議と卑屈な所がない。
トゥエルヴ
「……」 大罪人。思わぬワードに、口を閉ざした。
フィオリ
「でも、負けてるだなんて思った事はないです。……ていうか、別にあの子と勝負してるわけじゃないですし」
トゥエルヴ
「…じゃあなんで、変な雰囲気だったの?あの時」 以前の依頼の最中、フィオリがずっと、何かを抱えているような雰囲気だったのを思い出す。
フィオリ
――……」 フィオリは、少し困った顔をした。彷徨う視線が、通りに出ていた喫茶店の野外席(テラス)に止まって。
――トゥエルヴ、喉が渇きました」
トゥエルヴ
「……え?うん」
フィオリ
「少し休憩、いいですか?」
トゥエルヴ
首を傾げて見せる。少女の表情から感情を汲み取る事は、今は難しい。いや眼帯がなくても、人間の機微を汲み取るのは自身には難しいのだが。
「別にいいけど」
故に、彼女の行動や言葉を受け止める事でしか、真意が図れなかった。時間もあるし、と自分に言い聞かせて。
フィオリ
「それじゃ、決まりです」 そう言って、通りを横断する。トゥエルヴが歩きやすいよう、前に立って、すみませんすみませんと道を切り開いていく。
トゥエルヴ
「………」 フィオリが作った道を、後ろから歩いていく。
フィオリ
――ほどなくして、二人は、通りに面した席に腰を落ち着けた。荷物をあいた椅子に乗せ、トゥエルヴと向かいあうように座ったフィオリは、慣れた感じで二人分の飲み物を注文し……
トゥエルヴ
ちょこんと対面に座って、好きなようにさせる。初めてくる店では、メニューも分からなかった為、逆に有難かった。
フィオリ
――少し、込み入った事情があるんです」 〈永久氷片〉でしっかり冷やされた状態で出てきた珈琲で喉を潤してから、フィオリは切り出した。
トゥエルヴ
くんくん、と運ばれてきた珈琲の匂いを嗅ぐ。紅茶とは違う、芳ばしい香り。
フィオリ
「ミアの家―― シンフィルド家とは、以前、別の依頼で関わることになりました」
トゥエルヴ
一口珈琲を含んで、広がる苦味。そっとカップをソーサーに置いて、すすすっと横に避けた 「そうなの?」
フィオリ
くんくんと匂いをかぐトゥエルヴの姿に、これからする話の深刻さから救われるように少し笑った。
「シロップをどうぞ?」 糖蜜が入った小さな瓶を、少年の方に押しやって
トゥエルヴ
「ん」 短く答えて、素直に言われた通りシロップを珈琲に入れてみる。指先で探って、位置を確認し、目標物に液体を投入する。この動作は、手慣れたものだ。
もう一度口に含む。先ほどとは違った味わいに、眼帯の奥で目を瞬かせた。もう一口続く。
フィオリ
「……はい。トゥエルヴと居た時にも話した通り、ミアの家―― シンフィルドは、スフェン国を代表する魔術師の家柄です」
「そのシンフィルドの屋敷内に現れた魔域への対処―― それが、その時の依頼の中身でした」
トゥエルヴ
「屋敷内?厄介だったね、それは」
フィオリ
自分も少し糖蜜を入れて、味を変えた珈琲を楽しむ。疲れた頭がはっきりと覚醒するようだ。
トゥエルヴ
意識の半分以上は、まだ珈琲に向かっている。込み入った事情とは言っていたが、フィオリの語る話を、世間話の一つとして受け取っているようだ。
フィオリ
魔域(それ)自体は、どうということは」 フィオリはかぶりを振る。 「厄介だったのは、その魔域の中心となった――
――ラファエル・シンフィルドのもうひとりの娘。ミアの姉をめぐる、シンフィルドの家の事情です」
トゥエルヴ
「……?」 娘が二人いて、うち一人が家の事情に直結する。どういうことだろう、と意識が少しだけ珈琲から離れる。
フィオリ
「先祖返り、という言葉を知ってますか」
トゥエルヴ
言葉くらいなら、一応、と小さく頷いた 「ん」
フィオリ
その反応に、こくり、と頷き、「両親の組み合わせから、本来ありえない種族の特徴を持った子供が生まれる現象の事ですね」 
「ミアの姉―― ソフィアは、そういった女の子でした」
トゥエルヴ
「………」 そういった現象には、よくよく心当たりがある。少年が目の敵にしているナイトメアとも、また良く似ている。ナイトメアでないにしても、あまりいい感情は持たれないのだろうと予測できる。
フィオリ
「どう生まれるか、ひとは選べません。あの子には、なんの罪もない。……ううん、魔術師の家に生まれさえしなければ……」
だんだんと、自分の中へ籠るように、話は続く。
「何より魔術を重んじる家に生まれて、ソフィアは、期待される才を持っていなかった。――妹のミアとは違って」
トゥエルヴ
似た境遇だからか?だからフィオリはその先祖返りの娘に同情しているのか?眼帯越しに、静かにフィオリを見つめた。
フィオリ
――私たちが屋敷に訪れた時、屋敷内の誰もが、ソフィアの事を、いないものとして扱っていました」
そこまで言って、トゥエルヴの、見えない視線がこちらをじっと見つめているのに気が付いて、はっと顔を上げた。
トゥエルヴ
カップを両手で持ったまま、フィオリの視線を受け止める。
フィオリ
「……そんな事情を知っていたら、あのミアの態度に、いい顔をしなくて当然でしょう」
トゥエルヴが、この話を通して、フィオリ自身のことを考えているとは思い至らず、話を続ける。
「ある意味あの子は、父親の教えを忠実に守る、父親よりももっと純粋な魔術至上主義ですから」
トゥエルヴ
「ミアは、何かしたの?」 ソフィアに、あるいはフィオリに。
フィオリ
「何か、というか……」
トゥエルヴ
「そのソフィアっていう子をいないもの扱いしろって、ミアが指示したこと?」
フィオリ
彼女は、自身の才能に絶対の自信を持っていた。そして、他者に対しても、人間の価値はそれなのだと言わんばかりの振る舞いをしていた。――そのことを、あの時の旅のことを思い出させるようにトゥエルヴに語る。
指示(それ)に関しては、おそらくラファエルさん――いえ」
「頭のいい彼らのことです、はっきりと言葉に出さずとも、……なんていうか、暗黙のうちに、屋敷中にそのルールを敷いていたんじゃないかな」
トゥエルヴ
「……そう」 ふぅん、と。然程心が揺れ動いた様子は、ぱっとみではないように見える。
フィオリ
「あのミアが、それに全く気付いていなかったとは思えないし…… わたしは、言うなれば、共犯だと思っています」
――……」 あまりピンと来ないか、と、トゥエルヴに対して、少しだけがっかりした顔をする。
トゥエルヴ
「……フィオリは」 顔の向きを、そっと少女から外した
「そのソフィアっていう子に同情してるんだ」
フィオリ
「同情……」 ううん、と少し考え込む。一言で言ってしまえば、確かにこの感情は同情なのだろうか――と。
トゥエルヴ
「それって、自分と似てるから?」
フィオリ
――似てる…… そうなのかな」
「似てますか?」
トゥエルヴ
「……どう生まれるかは、人は選べない。フィオリも好きで、ナイトメアに生まれたわけじゃないし、望んで大罪人の父親のところに生まれたわけじゃない」
フィオリ
「……………」
フィオリの考えを類推しての言葉だろうとはいえ―― トゥエルヴからその言葉が出てくるのは、やはり驚きではあった。
そして―― 「――確かに、そう言われてみれば、そうなのかも」
トゥエルヴ
「……勘違いしないでね」 フィオリが自身の発言に、意表を突かれているというのは、気配で分かった。だからあえて
フィオリ
自分とソフィアは、まるで違う人間だ。そして、魔術師の中で育ってきた以上、能力至上主義な考え方が染みついていないとは言えない。どちらかというと、ラファエルたちの思考が理解できてしまう側の人間なのだ。
自分がソフィアに感じた拘りが、思わぬ相手から言語化されて、少女は様々なことが腑に落ちる思いだった。
だから、あえての言葉に、 「分かってますよ」 む、と少し攻撃的になったのもむべなるかな。
トゥエルヴ
「僕は、別にソフィアって子の事どうとも思ってないし。その子に同情するフィオリの事も、なんとも思ってない」 補足するように付け加えて
「……それに、望んでないからってナイトメアである事を許容したわけじゃない」
フィオリ
「べーつーにー、私だって、トゥエルヴが聞いてきたから話しただけですしー」
拒絶する言葉を突き付けられても、あの時のように激昂したりはしない。
トゥエルヴ
怒ってこない。いつもなら怒るか傷つくのに 「………」
フィオリ
「……何ですか?」
だまってしまった少年に、少し首を傾げた。
トゥエルヴ
「…今のは、怒らないんだ」
フィオリ
「んー」
「……ま、嫌な気持ちにはなりますね」 澄ました声。肩をすくめ
トゥエルヴ
「……よく、分かんない」 嫌な気持ちになってるのに、それだけで済ませてしまったり、急に違う事で怒ったり。女の子は難しい。
フィオリ
「でも、それがトゥエルヴなんでしょう。私がナイトメアである事がひっくり返らないのと同じように。その教えひっくるめて」
トゥエルヴ
「………」 口を開いて、閉じる。
フィオリ
「トゥエルヴは、ナイトメアである私が嫌い。……でも、頼めば荷物運びもしてくれるし、こうやって一緒にお茶も飲める」
「それでいいんじゃないかと、最近はそうも思うんです」
あなたとの付き合いも、もう短いとは言えませんからね、と
トゥエルヴ
客観的に自身がやっている事を表現されて、そのちぐはぐさに口を閉ざした。
「……僕、」
フィオリ
「」
「……はい?」
トゥエルヴ
「僕、本当は――」 そこまで口にしてから、次に発するべき言葉がない事に気付いた。
眼帯の奥で視線を泳がせているとふと……
フィオリ
―――?」 待っても、言葉の続きが出て来ずに、きょとんとした顔をして
トゥエルヴ
よく知った気配と匂いを感じ取って、かたりと立ち上がった。
フィオリ
「え」 
トゥエルヴ
少年が顔を向けている先にいるのは、彼が今日着ているのと同じ青い外套を着こんだ数名の人間。恐らくは同僚。本職の方の。
フィオリ
急に立ち上がった少年を見上げ、 「――……」 彼がじっと見ている方向を、自然と追う。
「………」 青い外套――
トゥエルヴ
乱雑にお金を置いて、フィオリの手首を掴み、椅子に置いておいた荷物を一気に持ち上げる。
フィオリ
「と」 声がかすれた、 「トゥエルヴの友達?」 そんなわけあるか。
「わっ――えっ、何、何ですか」
トゥエルヴ
「買い物、終わらせよ」 いつもと変わらない平坦な声でそれだけ告げて、次の行先も分からないまま、あっちへいったりこっちへいったり。
フィオリ
――……」 少年の思わぬ力強さに何だか胸の奥を粟立てつつ、 「う、うん……」
トゥエルヴに手をひかれるままに、街の往来へと引っ張られてゆく。
フィオリ
きゃっ
 
きゃっ
フィオリ
時間も時間だし〆ておきますか
 
うむ
フィオリ
ありがとうまんぞくです
 
こちらもとても満足です
ゆっくり話せた!!
あとで同僚に、お前さっきの女の子誰だよ~彼女か~?ってからかわれる
フィオリ
ちなみに、フィオリは、例のカードの事を調べているのでした。『函』から持ち出された可能性すら考えている――とかなんとか
 
ほう…
フィオリ
ないとめあだなんていえない
 
いえない。。。
今度は
ぱぱの事も教えてもらおうね……
フィオリ
ぜひぜひ
関連卓もやりたいな
 
ひゅーーーー
フィオリ
またよろしくおねがいします!
 
ぜったいおうぼします
またやりましょう!!!
フィオリ
おやすみ~~~~
 
おつすみーーーーー
!SYSTEM
フィオリが退室しました
背景
BGM