- !SYSTEM
- フィオリが入室しました
- !SYSTEM
- ジュディッタが入室しました
- フィオリ
- きたわね
- 2D6 → 8[4,4] +6 = 14
- ジュディッタ
- きたわ
- フィオリ
- じゃあ星の標でやりますか
- ジュディッタ
- やりましょう
- #
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-
-
- その日は雨で、夏はまだ遠く、ひんやりとした風の吹く日だった。
- 時刻は、夕刻を過ぎた頃。王都でよく知られる冒険者の店、〈星の標〉はきょうも盛況のようだった。
- いや、きょうばかりは少し盛況すぎるだろうか? 冒険者とは基本的には根なし草が多く、店の性質上、〈星の標〉の上階を仮の住処としている者も多い。
- あいにくの雨となれば、外に繰り出す者もいつもより少なく、自然、店の一階の酒場へと集まりがちである。
- 多くのテーブルにはすでに冒険者たちの姿がある。あちらではかつての冒険譚が語られ、そちらでは明日のもうけ話の算段が始まり―― その間を、看板娘たるキャロラインとコボルドのイーライが忙しく動き回っているのだった。
- フィオリ
- と、そんなところからどうぞ
- ジュディッタ
- ほい
- ジュディッタ
- 雑に扉が開かれれば、さっと素早く中に誰かが入ってくる。既に人も多いこの酒場の中で、それを気にする者はそう居ない。他にも同様に入ってきた冒険者もいるだろう。
- 入ってくるなり扉の近くからは退いて、なるべく壁側、端の方へと移動する。
- キャロライン
- お盆を手に、くるくるとテーブルの間を忙しくしていたキャロラインが、そんなジュディッタの事を目敏く見つけて、やってくる。「いらっしゃいませ、ジュディッタさん。今日は騒がしくてごめんなさい。何にします?」
- ジュディッタ
- 栗色の髪と細長い耳の先から水滴が落ちて、酒場の床に移動した痕跡が残る。
- 軽く髪を、その次に耳から水滴を逃すように絞っているところでキャロラインに声をかけられた。
- 仮面ごしに紫の眼がキャロラインを見て、口角を上げた。 「やあ、キャロライン。いや、また一段と大変そうだね……とりあえずタオルを貸して頂こうかな」
- キャロライン
- 「はーい。……イーライくん、イーライくん、奥から乾いたタオルをもらってきて!」
- #
- はあい、わかりました、とたどたどしく聞こえる共通語でコボルドは答えると、てちてちと奥へ向かうのが見えた。ほどなくして戻ってくるだろう。
- ジュディッタ
- 絞れるところは出来るだけ絞る。ぽたぽたぽた……
- フィオリ
- 一方、ぱたぱたと二階から降りてきた者がいる。黒いケープを羽織った小柄な銀髪の少女で、人形のような整った顔立ちをしている。瞼を擦ると、金色の瞳が眠たげに瞬いた。
- ジュディッタ
- そうして戻ってきたイーライくんからタオルを受け取り、それと引き換えにガメルを手渡し、彼の頭を軽く叩いて一撫で。 「ありがとう」
- タオルで適当に身体、頭と拭きつつ、 「ま、とりあえずこれで座れるかな……適当におすすめの食事でも頼もうか」 と、キャロラインへと。
- フィオリ
- 休日なのをいい事に、昨夜から、夜を明かしてみっちりと分厚い本を読破した。そのおかげで、昼頃になって襲ってきた睡魔に誘われてみればこの時刻。さすがに何かお腹に入れようと思って降りてきたのだが――
- 「――う……」 混んでいる……。
- キャロライン
- 「んー。そうですね。それじゃあ、魚のハーブ蒸しなんてどうですか? スープとしても食べられますし、身体があったまりますよ」
- ジュディッタ
- 少女の姿が視界に入るが、特に顔は向けない。服装が違えば、どこかの令嬢のようにも見えるかもな、と思いつつ。
- フィオリ
- 空いている席を探しているのだろう、きょろきょろと辺りを見回している。
- ジュディッタ
- 「いいね、それをお願いしよう。最近は暖かくなったと言っても、今日みたいに雨が降ればまだ肌寒いからね……」
- 「ええと、空いている席は、と」 キャロラインに伺いながら、見渡しにくい酒場の中へ視線を巡らす。
- フィオリ
- 「すみません。あの、空いている席は……」 と、ちょうどキャロラインに近づき話しかけてきたところで――
- 「………」 仮面の小柄な人物とばっちり目があった。
- キャロライン
- 「あら。あらら。すみません。気が付かなくて」 と、話しかけてきた少女にキャロラインは返し、ふたりをよそに店内を見回す。 「ええと……」
- ジュディッタ
- 「……おや」 正面向かえばばっちり目があうのは当然だ。口元を笑ませる。
- 「これだけ混雑していればね」 しょうがないよと言いつつ、 「難しいようなら、僕は相席でも構わないよ」
- フィオリ
- 小柄な自分よりもさらに小さな人物の、落ち着いた物腰に、軽く会釈する。耳の形を見れば、彼あるいは彼女がレプラカーンであることはすぐに分かった。
- キャロライン
- 「そうですか? ……あの、こう言って下さっていますけど、フィオリエナさんはどうですか?」
- フィオリ
- 少女は少し考え、「……いえ、お邪魔してしまいそうですし、わたしは――」
- ジュディッタ
- 髪を拭きつつ、耳をタオルで挟んでぽんぽんと軽く叩いて水気をとばしている。
- #
- 少女が言いかけたあたりで、室内にいても分かるくらい、どーっ……、と雨音が強くなった。
- ジュディッタ
- 「雨脚が強くなったね。間一髪だったかな」
- フィオリ
- 「………」 激しい雨音と、目の前のレプラカーンの濡れ具合と合わせれば、少女に、外へ食事に行くことを諦めさせるは容易であった。
- はあ、とため息をつき、かぶりを振る。「……ご一緒させてもらっても?」
- キャロライン
- 「すっごい降ってきましたね……」
- ジュディッタ
- 「どうぞどうぞ。さ、キャロライン」 案内してくれ、と。
- キャロライン
- 「はあい。二名様ご案内しまーす」
- キャロラインは店の中を横切るようにして、奥まったテーブルに二人を案内する。
- カウンター横の、店の隅にあるテーブルで、にぎわう店内の中でも比較的、落ち着いて食事ができそうな場所であった。
- フィオリ
- 自分の分も注文を済ませると、席についてようやく落ち着いたように、ほう、と息をつく。
- ジュディッタ
- 「お、ちょうどいいね」 少女の控えめな様子を見ればと。
- どちらかと言えば他の席と間隔の狭い方に座った。
- 雨に濡れた全身をタオルで拭く続きを始める。
- 恐らくじろじろ見られても良い気はしないだろう。あくまでも拭いてる間に視界に入った姿を思い返すに留める。
- フィオリ
- 額にかかる髪をよけながら、店内を見る横顔。荒くれ者も多い冒険者の中では、少々浮いている。文様がすそにあしらわれた黒いケープに、きちんとした身なりからして、魔術師ギルドや大学――ジュディッタが訪れた経験があるかないかは別として――に居そうな雰囲気をまとっていた。
- ジュディッタ
- どうもどことなく学生のような制服に思えるのだが、イルスファールやシラーで見たような覚えがあまりない。
- フィオリ
- 「……また人が増えましたね。見た事のない顔が随分います」
- 自分と同じくらいの年の、若い新顔が集まったパーティが、むこうのテーブルで楽しそうに語り合っているのを眺めながら。
- ジュディッタ
- ではこの大陸ではない、例えばアルフレイム大陸からの――と考えようとしたところで少女の声を聞いて意識が引き戻される。
- 「ここに在籍する、という意味でかな。確かにここ最近の、みたいな顔ぶれだね」
- フィオリと同じ方向へと顔を向ける。そのパーティからは初々しさが感じ取れた。
- フィオリ
- 「私も、ここでは、どちらかというと新参のつもりでしたけど」
- 季節が変わるほど、いつの間にか年月が経っていたということか。
- ジュディッタ
- 「そうだね。僕も同じような口だ」
- 「同じ新参であったとしても、あちらのように眩しくも危うくもないがね」 粗方拭き終わり、ふるふると軽く頭を振った。
- 適当に畳んで、椅子の背にタオルをかけた。
- フィオリ
- 「それは同感です」 くすり、と少しだけ笑った。
- 「私はフィオリ―― フィオリエナ・ウル・シールと言います。冒険者である前に、ひとりの魔術師です」
- ジュディッタ
- 柔和な笑みで応えつつ、 「なるほど。僕はジュディッタ・ダヴィア。別大陸の元傭兵だ」
- フィオリ
- 「別大陸の……? それじゃ、アルフレイム……それとも、テラスティラから?」
- ジュディッタ
- 「そのどちらとも違うね。興味本位で、僕の居た大陸について記述があるかと図書館を見て回ったこともあったが……載ってないような場所さ」
- フィオリ
- 「知られざる大陸―― それは、興味深いですね」 ジュディッタさんには悪いですが、と
- ジュディッタ
- 「ま、流された者には違いないよ」 肩を竦める。
- フィオリ
- 「この地が様々なものを引き寄せる理由には、諸説ありますが」 涼やかな少女らしい声で、堅苦しい物言いをする。
- ――曰く、この大陸は巨大な剣の迷宮であり、障害や担い手として魔剣に呼び集められている。曰く、この大陸は巨大な奈落の魔域であり、入っても出られないのはそのためである。曰く、この大陸にはやがて大いなる災厄が起きる為、それに対抗できるものを神々が呼び集めている。
- ジュディッタ
- 「改めて聞くと、何ともはた迷惑なことだ。“混沌の坩堝”とやらは」 わかりやすくため息一つ。
- フィオリ
- 「――まったくですね」
- キャロライン
- フィオリが細い肩をすくめた所で、キャロラインがふたりの食事を持ってきた。「お待たせしました、きょうのおすすめ、魚のハーブ蒸し二人前でーす」
- ふわり、と、湯気があがり、香草の匂いが鼻をくすぐる。
- フィオリ
- ごくり、「……“混沌の坩堝”には興味がつきないですが、いまは同じくらい、お皿の上にも興味津々です」
- ジュディッタ
- 「結果はまあ、しょうがないと受け止め適当に適応するとしてだ」
- 「ふふ、じゃあ食べるとしようか。きっと沁み入るように美味しいよ」
- フィオリ
- 「………」 はしたない顔をしていただろうか。きりりと背筋を伸ばし、居住まいを正す。
- 「そうですね。では―― 頂きます」
- ジュディッタ
- 「僕のこと、気にしないでいいのに」 そうして適当に切り分けた後、口へと運んだ。
- フィオリ
- 「………」 こほん、と咳払い。きこきことナイフとフォークで魚を切り分けて、一口。
- ジュディッタ
- 「んん、魚も安定して美味しいね……」 次々へと吸い込まれるように食べ進めた。
- フィオリ
- 「む。……これは……」
- さらに一口、「……おいひぃですね……」
- ジュディッタ
- 「ああ。値段以上だな」 どことなく弾んだ口調で。
- 「勉強か、研究が捗った後の食事かな? よく噛んで食べなよ」
- ふと、階上からやってきたことを思い返して。
- フィオリ
- 「煮込まれた魚が、ほろほろと口の中でほどけます」 口元を抑えながらもぐもぐ。
- ジュディッタ
- フィオリの言う通りの食感だと肯定するように頷く。
- フィオリ
- 「新しい魔術本が届いたので、それを少々。……おいしいですね、ほんとにうまい。この街に来てよかったと思う事のひとつです」
- 「そういえば、ちゃんと食事をとるのは昨夜以来でした」 もぐもぐ。
- ジュディッタ
- 垣間、たった一言から本当の人となりを見たような気がして、微妙に笑んで流す。
- 「というと、君はイルスファールの魔術師ギルド出身なわけでないか。道理で見ない背格好と思った」
- 「それはまた大きく空いてるね……」 余計によく噛んだ方がいいだろうな。食べやすいとはいえ……
- フィオリ
- 「私は、ロージアンという魔法学校の出身です。そうですね、概ね、この街の魔術師ギルドと同じようなものと良いかと」
- ジュディッタ
- 「ふむ」 いち学校の名を逐一覚えているわけでもないけど、聞いたことはない。
- フィオリ
- 「集中してしまうと、飲食がおろそかになりがちで。部屋にいると、口出しする人もいませんから、つい……」
- ジュディッタ
- 「携帯食ぐらいは手元に置いたほうが……いや、返ってよくないか?」
- フィオリ
- そう言うフィオリの身体は、欠食とまではいかないが、決して肉付きが良いほうではなく、ほっそりしている。
- ジュディッタ
- 「まあ、わからなくはないが……頭脳労働もそれなりにエネルギーを消費してるようだから、意識して食べた方がいいのは違いないよ」
- 「……ああ、いや、すまないね。聞き流してくれていい」 余計なお世話だな、と続く言葉を切って、魚を食べる。
- フィオリ
- ははは、と苦笑して、「一応、学校に居た頃よりは随分気を付けるようにはなりました。……何というか―― この街のすごいところは、『だいたいどこで何を食べても美味しい』という事です」
- 「いえ。ジュディッタさんの言う事はもっともですから」
- ジュディッタ
- 「ふふ、確かにそうだ。はずれを探す方が苦労する」 含み笑いをして頷く。
- フィオリ
- 大人びた感じに肩をすくめ、「学校にいたころの食事と言ったら、豆のスープや日持ちのするパンばかり。……魔術師というのは、研究ができれば良い、なんて人種が一定層いて。それで疑問に思う事もないんです」
- ジュディッタ
- 「ああ、大体そういうイメージが強いかな」 うんうん。
- 「食事をケチると後々碌な事にならないからな……動くつもりがないなら、それでもいいかも知れないが」
- フィオリ
- 「何だか、言葉に実感がこもってます」 傭兵出身といっていたが、そのときの経験から来る重みなのだろうか
- ジュディッタ
- 「力が入りづらくなる、とかだね。なるべくそうはならないほうがいいよ」 ほんとに。
- フィオリ
- うん、と 「研究中の携帯食は、考慮に入れてみましょう」
- ジュディッタ
- 「……もし、前に立って戦うことがあるのなら余計に……たかが食事とは思わない方がいいだろうね」
- 細い体つきだが、全く無いようにはどことなく見えなかった。
- フィオリ
- 少女のいつもは少し眠そうに見える、あるいはちょっときつくも見える目が、見開かれて、
- 「……見ただけで、よく分かりますね?」
- 冒険の間はいつも腰に下げている剣も、いまは部屋に置いたままだ。そのうえで、自分は魔術師としか名乗っていない。
- ジュディッタ
- 「なんとなくさ。君……フィオリと同じ様に、細身だが前線に出て戦う奴が居たからな」
- 同時にその頃を思い出して、時折咀嚼が遅くなったりした。
- フィオリ
- 「経験から来る観察眼―― まるで、検知の魔法を使ったよう」
- 「それが、元傭兵としての勘ですか」
- 「冒険者になる前も、だいぶ長そうですね」
- ジュディッタ
- 「その例えは買い被りだよ」 軽く肩を竦めて苦笑した。
- フィオリ
- 「そうでしょうか」 ちょっと首をかしげるように笑った
- ジュディッタ
- 「そうさ」 魚……あっ、無くなってる。スープとして飲む。じんわりと広がる温かさ……
- 「ま……そうだね。冒険者稼業の方が短いから」 頷く。
- フィオリ
- 「ジュディッタさんの言う通りで、剣も少しは使います。魔術以外でも身を守れた方が、ひとりで動くには効率が良いので」
- 「――……」 ジュディッタの様子を見て、少し笑い、 「追加で頼みますか。雨もまだ、しばらく上がらないでしょうし」
- ジュディッタ
- 「なるほどね」 魔法剣士、と言ったところか。
- 「ははは、どうも思った以上にお腹が空いていたようだよ」 愉快そうに身体を揺らし。
- 「僕はそうするけど……フィオリもまだ食べたりないなら、食べてもいいかもね」
- フィオリ
- 「そうですね。…………」 銀髪をくるりと指に巻くようにして、少し考え――
- 「…………………少しだけお酒も頼んじゃおうかな」
- どのみち、きょうはこのまま外に出る事もないだろう。眠気もあるし。
- ジュディッタ
- 「……おや」 仮面の奥で眉が上がる。
- 酒を嗜むようには見えなかったか、意外そうな声音だった。
- 「ふむ……じゃあ僕も少しは飲むかな」 特には考えていなかったけれど。
- フィオリ
- 「ごくたまにしか飲みませんけどね」 どこかお澄まし顔で。
- 「では、決まりですね。――すみません、キャロラインさん!」 と、看板娘を呼ばわって――
- フィオリ
- うむ。そろそろ〆ますか
- ジュディッタ
- つい、真偽を確かめるようにフィオリの顔を見るが……無粋だなと首を振って、一息ついて笑んだ。
- ジュディッタ
- しめましょう(ちょうどいい
- #
- 降り続く雨音は、少しだけ優しくなったようだ。夜は、まだまだ続きそうだった――
- フィオリ
- というわけで
- おわ
- ジュディッタ
- わ
- り!
- ありがとうございました。雨のお陰で話せました。
- フィオリ
- ありがとうございました。次は卓一緒できるといいね
- おつ~~~~
- ジュディッタ
- 応募をわすれなければ……
- おつかれさま~~~~~
- !SYSTEM
- ジュディッタが退室しました