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亡国のアナスタシス:プレリュードⅣ 幕間

20210423_0

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ヴィクトールが入室しました
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ヘーレムが入室しました
ヘーレム
じょばばば
ヴィクトール
じゃあさくっと
テントの中にするか外にするか
それだけ決めてください
ヘーレム
外はきっとシオンとエスメラルダが喋り場なうなので
ヴィクトール
OK
ヘーレム
どうでしょう
ヴィクトール
――……」
雨音が、続いている。
ヴィクトール
テントの入り口の布ってなんていうんだろう…
まあいいか
ヘーレム
とぬの
ヴィクトール
ヴィクトールは、天幕の天幕の入り口を布を退け、そっと外を見る。
ヘーレム
というワードは造語だったらしい危なかった
ヴィクトール
この時間、見張り番はシオン、そしてエスメラルダだ。
二人が何か話している。はっきりとした会話の内容までは聞こえてこないが、雨音の向こうに聞こえる声音からは、どこかこれまでになく距離を詰めたような雰囲気を感じもする。
「………」 ヴィクトールは何も言わずに、そっと布を下ろし、天幕の中へと戻った。
子供たちもすっかり寝入っているようだ。自分も、少しは休んでおくべきだろう。そんなことを考えながら、天幕の隅に腰を下ろした。
ヴィクトール
そんな感じでドウゾ
ヘーレム
すーすー小さく規則正しい寝息を立てながら、少女は熟睡していた。ヴィクトールの動く音や気配、布の隙間から流れ込んできた冷気も、少女の眠りを妨げることはなかった。
ウィスタリアの手によってよく梳かされた藤色の髪が額にかかって、「……んー…」 と声を漏らしながら手が額のあたりを彷徨った。
ヴィクトール
ちらり、と傍らの毛布の塊を見やる。ヴィクトールの位置からは、ヘーレムの髪が、ランプの光を受けて輝いているように見えた。
黙って手を伸ばし、額にかかった髪の毛を、そっとのけてやる。
ヘーレム
額に僅かに触れた指先に、何処か安堵したような表情になって 「――……お、かあ……さま」 と小さく漏らす。
ヴィクトール
触れるか触れないかの位置にあった指が、一瞬、ぴくりと動いて。
「……全く」
ヘーレム
一度強く瞼が閉じられたかと思うと、うっすらとそれが持ち上がる。ぼんやりとした視界の中に人影を見つけ 「………あれ?」
ヴィクトール
何事かを――あるいは、つい先刻、自分の吐いた言葉を思い出したのか――なんとも困ったような、少し苦いような笑みを浮かべて。
ヘーレム
寝ぼけ眼にまだ夢見心地の声だ 「…ヴィクトール、寝ないの?」
ヴィクトール
「……と。……すまん。起こしたか?」
ヘーレム
「ううん、平気」 ぼんやりとした瞳は、うっかりすればそのまま閉じられてしまいそうな程
ヴィクトール
「そうか」 と、短く答えてから、少しの間があり、
「これから、少し眠ろうと思っていた所だ。――まだ夜は長い。お前は、寝ていていいんだぞ」
ヘーレム
「……うん…あ、でも……おやつ――」 脈絡のない単語を零して、近くにあったヴィクトールの指先を探す
ヴィクトール
「……十分食べただろう……」 呆れたように苦笑して―― ふと、少女の仕草に気づく。
そのまま、年の離れた妹を寝かしつけるように、手のひらを開き、ヘーレムの額を撫でた。
ヘーレム
大きな手の温もりと、力強さに安堵し切った表情になる 「……ヴィクトール」
ヴィクトール
「……ああ」 ここに居ると示すかのように答えて、 「どうした?」
ヘーレム
「…大丈夫だよね」
ヴィクトール
――……」
まどろみの中から発せられた言葉だ。何に対してなのか、それすらも曖昧な言葉。
だが、それゆえに、鎧うものが何もなく、それはひどく無防備に響いた。
「大丈夫だ」 言い含めるように、はっきりと声に出す。
ヘーレム
恐らくまだ半分意識は夢の中だ。けれども隣にいる大きな男を、不安気に見上げ……降ってきた返答に、うっすらと微笑む。
ヴィクトール
――そう言ってやるしかない)
ヘーレム
「…うん。私も、ちゃんと――……」 瞼が閉じては開くを繰り返す。
ヴィクトール
この様を見れば、そう言ってやるしかないではないか。
――(いや)……)
そうではない。そうではないぞ、ヴィクトール。
その言葉を現実にできるかどうかも、その言葉に根拠を与えられるかどうかも、自分次第だ。
「………」 ヘーレムの額をゆっくりと撫でてやる。
ヘーレム
心地よさそうに、今度こそ瞼を閉じた 「……ちゃんと、皆をまも、るから……」
ヴィクトール
「…………!」
ヘーレム
数分と立たずに、再び寝息が雨音の間に聞こえだす。男の指先を探していた手で、傍にあった膝に代わりに触れた。
ヴィクトール
だが、この身は神あらず、英雄でもなく、王であることすら捨てた自分に、いったい何ができるのか――
ヘーレム
ウッ
ヴィクトール
心の裡に沈みかけていた男を引き戻したのは、少女の言葉とぬくもり。
――皆を、守る……か」
少女もまた、守られるだけの存在から脱却しようと、精一杯に背伸びをして、必死に手を伸ばそうとしている。
「……ヘーレム」
聞こえていなくとも関係ない。独りごちるように、その名を呼んで。
ヘーレム
返答の代わりに、閉じられた瞼の上を飾る睫毛が揺れた。布の隙間から吹き込んだ風によるものか、僅かに意識が残っていたのかは定かではない。
ヴィクトール
――……………」
長い、沈黙があった。
手を伸ばし、毛布をヘーレムに掛けなおしてやりながら、
「……おれは、お前を守る」
半ば、自分に向けるような言葉。
――だから、おれを助けてくれ」
ヘーレム
アアアアアアアアアア
オッオグエッ
119、119!!
ヴィクトール
夢の中で、みんなを守ると言った少女に、そう告げて。
ヘーレムには、届いていないだろう。覚えてもいないだろう。だが、それでいい。それだから、いい。
そうでなければ、こんなこと、口にはできない。
ヘーレム
威力5億で薙ぎ払いしてきた
ヴィクトール
ヴィクトール
傷跡の残る顔をひと撫でして、口元を覆う手の隙間から、長く息をつく。
鍛えた身体の、底のほうにへばりつくような疲労を自覚する。少し、眠ったほうがいいだろう。
ヴィクトール
お、おわってええのんか
ヘーレム
はあはあ
はい
だい
だいじょうぶです
ヴィクトール
最後にヘーレム軽く描写しておくれ
ヘーレム
しょうちした
ヘーレム
 
 
次に目が覚めた時には、既に空は白み始めていて、テントの隙間からは朝露の匂いが立ち始める頃だった。
ぶるり、と朝の冷気に小さく震えてから瞼を開ければ、目の前にはあの心強くて体も心も大きな男がいた。
座ったまま目を閉じており、ぱっと見では死んだようにさえ見えた。視線を少し下に下げれば胸がしっかりと呼吸を刻んでいることを確認できる。当たり前のことに安堵して、次いで横になって眠ればいいのにと少し不満げにもなる。
「……いつ、寝ちゃったんだっけ」 微かに記憶に残るのは、誰かが頭を優しく撫でてくれた事。それと、眠っている間に感じた強い安心感。
「………」 そして、誰かが心細そうにしていた事だ。
何となく、目の前の男を見上げる。
ヴィクトール
ヴィクトールは、静かに寝息を立てている。眠りの浅い彼の事だ、声をかければ、きっとすぐに目を覚ますだろう。
ヘーレム
いつの間にか膝から外れていた手を、もう一度伸ばす。
「……大丈夫だよ」 そう小さく呟いて、瞼を閉じた。
きっと自分が先に起きていては、ヴィクトールは心配してしまうだろう。
ヴィクトール
こっちはだいじょうぶです
ヘーレム
そう思い、次に聞こえてくる力強くて安心できる声を、夢の中で待つことにした。
ヘーレム
おわ
り!
ヴィクトール
ありがとうございました
ヘーレム
こちらこそありがとうございました!!!!!!1
今日は
つらくてねむれそうにありません
ヴィクトール
結局ちょっとおそめになってしまった。ゆっくりねてください
ヘーレム
??
ヴィクトール
次は卓でまたよろ~~~
ヘーレム
また明日ね!!!!!!!!11
ヴィクトール
はあい
ではでは
ヘーレム
じょばばばばば
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ヘーレムが退室しました
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ヴィクトールが退室しました
背景
BGM