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- ウィスタリアが入室しました
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- エリカが入室しました
- エリカ
- 呼ばれた気がしました。
- ウィスタリア
- お呼び立てして、申し訳ありません
- エリカ
- いえ。
- ウィスタリア
- 導入は此方で受け持とうと思いますが、希望はございますか
- エリカ
- 特にないのでおまかせします。
- ウィスタリア
- 因みにエリカさんはアステリア神殿のある自然公園に行ったりはしますか?
- エリカ
- ちょっとまってくださいね(位置を見る
- まあ工房街を訪れることはそれなりにあるでしょうし、そのついでに買い物等でそちらに足を伸ばすことはなくはないかなと
- ウィスタリア
- では、そういった場所でも宜しいでしょうか
- エリカ
- 大丈夫ですよ
- ウィスタリア
- ありがとうございます では
- 宜しくお願いします
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- エリカ
- よろしくお願いします。
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- リアン地方 イルスファール王国 王都イルスファール
- 他の国家の王都と遜色のない規模を誇るこの街は、大小様々な神殿を備えている
- 王城からも程近いライフォス神殿、図書館を兼ねるキルヒア神殿、
- そして、自然公園を兼ねるアステリア神殿が、その代表例だ
- 君は、知ってか知らずか。気分が乗ったのか、何か別の目的があったのか、この自然公園に足を踏み入れる
- エリカ
- 大丈夫そうならいきますね
- ウィスタリア
- はい。大丈夫です 時折ナレーションは入れますね
- エリカ
- 「――……」 買い物から帰る途中、ふと視界の端に映った公園に足が向いた。
- ウィスタリア
- (花の開花時期を確認してました
- エリカ
- 妖精神の神殿の傍に併設されたものだけあって、この公園は自然豊かで、この時期は特に見る者の心を華やがせると噂に聞いたことがある。
- 別に今更そんなものを見た所で、心は動かないし、二度と筆を取ることもないのだから、まったくの無意味だ。
-
- 開花時期を計算されて植えられているのか、花が絶えるということはなく、薄く香りが鼻孔をくすぐる
- エリカ
- しかし、先日の少女との会話や、それから連日のように見る昔の夢のせいか、無意識に帰路をそちらに取ってしまう。
- 微かに鼻を動かして香りを感じながらも、公園の敷地内へと踏み込んでいく。
-
- 敷地内は広場と散策路になっており、散策路の脇には花壇が、広場には芝生があるが、暗くなり始めた時間帯というのもあって 人は疎らだ
- エリカ
- 故郷の方の水晶のように煌めく湖も、雄大さと歴史を感じさせる樹海も、交易の要衝として活気づく海も、目の前のこの公園も、知るのが遅すぎた。せめてあと数年早ければ、何か変わっていたのだろうか。
- そんなことを考えた自分に思わず嘲笑を漏らしながら、静かな公園に足音を響かせながら歩く。
-
- 散策路の方に入っていけば、花壇が続き、そして休憩のために屋根付きのスペースが見つかる そのスペースには、まだつぼみが開きかけの藤の花が幾房も吊るされていた
- 蔦による壁が視界をゆるく遮る様になっている場所で そこから漏れるように 淡い光が幾つか浮かんでいることに、君は気がつく
- エリカ
- 「……」 脚に微かな痛みを感じて、少し屈み、片手でそこを擦る。激しい動きをしなければ、痛むことはしばらくなかったのだが――。ひとつため息をつくと、休憩のためにその東屋へと足を伸ばすことにした。
- 「……?」 藤に、蔦の壁。その奥から漏れる光に首を傾げて
-
- 東屋の中にはテーブルと固定された長椅子 4人程の滞在を想定された広さの場所で
- ウィスタリア
- その内部には 金色の髪に青い瞳の少女が 白いブラウスに黄緑色のスカート姿で 藤を見上げるようにしながら、妖精を浮かばせていた
- エリカ
- 「……あ」 先客が居て、しかもそれが顔見知りで、バツの悪そうな顔をした。せめて知らない人間だったら、立ち去ればそれで済んだのに。
- ウィスタリア
- 「……、エリカさん」 数秒遅れて 新たな来訪者に気がつく 「こんばんは」
- エリカ
- 「……どうも」 一応といった程度の挨拶を返して。 「休憩中に、邪魔をしてしまいましたね」
- ウィスタリア
- 浮かんでいた妖精の数体がパッと消えて 彼女が呼び出していたであろう一体だけが残る
- 「いえ、邪魔ではありません」首を横に振って 対面の席を示して 「空いています。よろしければ、どうぞ」
- エリカ
- 「……」 そういえば前回前々回と彼女と同行(?)したが、戦い方をしっかりと見たことはなかったなと、妖精を見てぼんやりと考える。 「……あ。いえ、別に私は、休憩のためにやってきたのではなくて」
- ウィスタリア
- 「──、そうでしたか」 頷きを返して 「では、会話に付き合って頂けませんか」
- エリカ
- 「……は?」 思わずそんな声が出た。彼女は、こんな風に会話に誘ってくるようなタイプではないと思っていたのだけど。 「…………まあ、少しだけなら」 この前の一件の怪我などが残っていないかも、気にならないわけではない。
- やれやれといった様子で、対面に腰を下ろした。
- ウィスタリア
- 「習慣なのです」 疑問に対する返答とばかりに少女は口にして 「語彙を増やす、対面で話す。母語が違うので、しっかりと話すという行為を1日に1度はすることが」
- エリカ
- 「母語……」 この前見聞きした事に照らし合わせるのなら、彼女の母語は魔動機文明語ということになるが。 「私と話しても、語彙やコミュニケーション能力の向上は見込めませんよ」
- ウィスタリア
- 「数日控えると、イントネーションが母語よりになりますので、重要です」 エリカをじ、と見つめながら そう結んで
- 「しかし、私はエリカさんとお話することで学んだ事があります」
- エリカ
- 「それは、まあ……理解できなくはありません」 自分も今は慣れて来たが、最初はオルトラントの言葉が出てしまいそうになることはあった。
- 「私は何かを教えた覚えはありませんが」
- ウィスタリア
- 「死者に手向ける唯一の方法」 口に出して 「それは、ただ無念を晴らすこと。と」
- エリカ
- 「……確かに言いましたが、それはあくまで私の考えです」
- ウィスタリア
- 「言葉も手紙も、──、届かない場所にその人が行ってしまったら、そうする他ない、と」
- 「現状得られている回答の中では、暫定的にそれが正答だと思います」
- エリカ
- 「実際、死者に言葉や手紙など、届くはずがありませんから」
- ウィスタリア
- 「とても遠い所に行ってしまうのだと、伺いました」
- エリカ
- 「眠っている神々の御許へ向かうのだと聞いたことはあります。実際どうなのかは知りませんが」
- ウィスタリア
- 「神官の方でも、そうなのですか?」
- エリカ
- 「……さあ? 多分、同じなんじゃないですか」
- ウィスタリア
- 妖精がエリカの方にもふわふわと浮かんで 肩に乗る
- エリカ
- 「……」 肩に乗ったそれに、少し眉根を寄せて。
- ウィスタリア
- 「──、落ち着くんです。シュナさんと一緒に居る以外だと、これは、先日以来の発見です」 ぽつりと呟いて
- 「この花を見上げて彼らの光を見つめていることが、とても落ち着くんです」
- エリカ
- 言われて、周囲に結ばれた蕾を見上げた。 「少し違うかもしれませんが、郷愁に近いものなのかもしれませんね」
- ウィスタリア
- 「郷愁」
- 「異郷のさびしさから故郷に寄せる思い、ですね」
- エリカ
- 「ええ。あなたの故郷には、同じ花が沢山咲いていたのかも知れません」
- 「妖精魔法も、修練ではなく生まれ持っての才能に拠るところが大きいと言いますから」
- 「恐らくは、眠りにつく前からあなたにはその才があったのでしょう」
- ウィスタリア
- 「──、なるほど」 小さく頷いて 「妖精魔法は感性を頼るものであると伺いました。エリカさんのご指摘は正しいと思います」
- 「質問をしてもいいですか」
- エリカ
- 「何か?」
- ウィスタリア
- 「エリカさんの故郷には、どういった花が咲いていましたか」
- エリカ
- 「花……ですか」
- ウィスタリア
- 「先程、私の習慣に理解を示していらっしゃいました。ご出身はリアン地方、ではないと思ったのです」
- エリカ
- 「お察しの通り、私の出身はこの辺りではありません。故郷は丘陵を越えて東、オルトラントにあります」
- ウィスタリア
- 「ケルディオン大陸における冒険者ギルド本部がある、ヴェイルーン王国を中心にした地方ですね」
- エリカ
- 「ええ。その中のマルフォードという国が私の出身です」
- 「咲いている花は、きっとこちらと大差はありませんよ。少しばかり、向こうの方が寒くはあるのでその違いはあるでしょうけど」
- ウィスタリア
- 「なるほど」 妖精を手招きすると 指先に座らせて
- エリカ
- 「ただ――故郷を発つ時に、白詰草が咲き乱れていたのは覚えています。」
- ウィスタリア
- 「白詰草、記憶が正しければ、四葉と三葉で花言葉が変わるものですね」
- エリカ
- 「詳しいんですね。私は花言葉なんて、殆ど気にしたことがありません」
- ウィスタリア
- 「私もそれ程詳しい訳ではありません」小さく首を振って 「知識の収集は急務でしたから、その時に図鑑なども読みました」
- エリカ
- 「そうですか。……ただ、四葉のものは幸運の象徴などと言われるようですが、」
- 「あれは、踏まれて傷つけられて、本来から歪んだ形で生長してああなってしまうと聞いたことがあります」
- 「そんなものを幸運の象徴として扱うなんて、身勝手ですね」 人間らしいと、小さく鼻で笑った。
- ウィスタリア
- 「それでも、幸運の象徴、というのは間違って居ないのではないでしょうか」
- エリカ
- 「むしろ私は、不運の象徴ではないかと思いますが」
- ウィスタリア
- 「踏みつけられ、傷ついても、葉をつけ花をつけることが出来るというのは、回り道かもしれませんが、生物としての目的を達成しています」
- 「植物は動けない以上、様々な方法で種を運び、自らを育みます」
- エリカ
- 「傷つけられていなければ、もっと順風満帆に、本来在るべき形でそれを果たせているんですよ」
- ウィスタリア
- 「──その姿を見て、幸運であると考えるのは、意図として理解が出来ます」
- エリカ
- 「……私には、そうは思えません」
- ウィスタリア
- 「花言葉というものは、人が決めたものですから」
- エリカ
- 「植物は言葉を持ちません。……そんなのは、周囲の人間の押し付けです」
- ウィスタリア
- 「肯定します」 頷いて
- エリカ
- 「言葉を持たぬ者に、勝手を押し付けることが許されてしまうなんて……私は認めませんよ」
- ウィスタリア
- 「──、不思議です」
- エリカ
- 「……何がですか?」
- ウィスタリア
- 「白詰草の話であったのに、エリカさんの仰っしゃりようは、何処か当事者の様な気がして」
- エリカ
- 「……否定はしません。私は、踏みつけ、傷つけ、花を咲かせる前に殺した張本人ですから」
- ウィスタリア
- 「──、」
- エリカ
- 「……花の話であったはずが、下らない話をしてしまいましたね」
- ウィスタリア
- 「失礼しました」 小さく頭を下げて 「私は、貴女の傷口を踏みつけてしまいましたでしょうか」
- エリカ
- 「勝手に話したのは私です。いくらでも適当な事は言えたのですから」
- ウィスタリア
- 「了解です」 ぱっと、妖精が消える
- 「貴女の言葉の理由が、少し分かった気がします」
- エリカ
- 「忘れてください。あなたが生きていく上で、必要のないことです」
- ウィスタリア
- 「忘れる、はどうしたらいいのでしょうか」
- エリカ
- 「意識しなければ、そのうち頭の中から消えるでしょう」
- ウィスタリア
- 「了解しました」
- 「エリカさん」
- エリカ
- 「……ヘーレムさんといい、あなたといい、連日話さなくてもいいことを話しすぎ――……どうしました?」
- ウィスタリア
- 「また、お話して下さいますか」
- エリカ
- 「……忘れてください、と言ったはずですが」
- ウィスタリア
- 「今日のことは、忘れられるよう努力します」
- 「ですから、違う話を、いつかまた」
- エリカ
- 「私より、あなたに必要な話をしてくれる人は他に沢山いますよ」
- ウィスタリア
- 「貴女もその1人です」
- エリカ
- 「私は人のための話など出来ません。その権利もないのですから」
- ウィスタリア
- 「ためにならない話でも構いません」
- 「貴女にとってそうでも、私にとっては違うかもしれません」 「会話というものは、そういうものだと伺いました」
- エリカ
- 「……そうですね」 あの子が持ち帰ってくる話を、あの子は自分でなんてことのないことだと言っていたけれど、私にとってはそうではなかった。
- ウィスタリア
- 「引き止めて申し訳ありませんでした」 小さく頭を下げて 立ち上がる 「お話、ありがとうございました」
- エリカ
- 「……そろそろ帰ります。少し、長居してしまいました」 テーブルに手をついてゆっくりと立ち上がって。
- 「いえ」 紙袋を片手に取ると、小さく頭を下げ返して背を向けて
- 「それでは」 見えない位置で、まだ引かない足の痛みに微かに顔を顰めながらゆっくりと歩き去っていった。
- ウィスタリア
- 「──はい」
- エリカが立ち去ると 再び妖精を呼び出して 藤の花を見上げる
- 席に座り直して 当分の間、少女はそうしていた
- ウィスタリア
- 私はこれでOKです
- エリカ
- こちらも大丈夫です。
- ウィスタリア
- お付き合いありがとうございました
- エリカ
- ええ、こちらこそありがとうございました。
- ウィスタリア
- 20210328_0 ログ番号です
- エリカ
- はい。
- ウィスタリア
- では退室どうぞ お疲れ様でした
- エリカ
- それでは
- お疲れ様でした。
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- エリカが退室しました