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- リアン地方イルスファール王国 王都イルスファール
- 一国の王都として遜色ない規模を誇るこの都市は、大小様々な神殿がある
- その中でも、代表に上がるとすれば、王城にもほど近いライフォス神殿、大きな規模を持つティダン神殿
- 図書館を兼ねるキルヒア神殿、それから自然公園にもなっているアステリア神殿だ
- 1人の少女──背丈や成熟した体つきからすれば、もう女性と言っても良い──が、ゆっくりと街から神殿に帰り着こうとしていた
- 彼女は尼僧服を身にまとい、楽器ケースを手にしている。冒険者ランクを保有する冒険者であり、名剣のランクを受けていた
- 今日は、といえば、神殿の仕事を午前に終えてから、預かっている犬の散歩をしてから 彼女のための日用品などを補充してきたところだ
- 数日中にまた約束の日が来るわけだし、それに備えておく事は大事で お付きとして我儘を押し付ける侍祭にはいつも苦労をかけている自覚はある
- そろそろお返し、ないしご機嫌取りをしておかないと、と思って歩いているところだった
- 道筋に、馬車が止まる 降りてくるのは1人の男性と2人の女性 身なりは整っていて、怪しい所は急に現れた以外にない
- 少女は、男性を見ると、目を瞠って
- 固まっているうちに少女に近づくと、男性は少女に告げていく
- 様々な事、そして、此処に来た理由を
- 少女はそれを聞いて、──、き、と頭一つ分高い男性を射抜くような目で見ると 問い詰めていく
- 男性はそれに、一つずつ答え、そして、彼女に馬車に乗るように申し付ける
- 少女は、──頭に血が上っているのか──、そのまま通り過ぎようとする
- 女性2人が動くと即座に1人が少女を確保し、もうひとりが少女の姿に成り代わる
- 人通りの少ない時間帯なのもあって、男性と少女、女性の1人を載せた馬車はそのまま走り去る
- 成り代わった、1人をそのまま置き去りにして
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- がたごと、と馬車に揺られて 差し込む日差しに、少女はうとうととしていた目を開く 金色の髪に空色の瞳 成年まで後少しという年の頃の少女は、丘の上から遠目に眺める都市を見つめて声を上げた
- 金髪の少女
- 「ついたわ。此処がリアン地方……ローラ姉さまの居る場所なのね」
- 「待っていて下さい姉さま……必ずお迎えにあがりますわ」
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- 御者の笑い声と、周りの冒険者や商人、旅人などの声を受け止めながら、少女は一路進んでいく
- 王都へ