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結末について

20210308_0

!SYSTEM
フレデリクが入室しました
!SYSTEM
レナが入室しました
レナ
ところでノープランですが
フレデリク
俺だってノープランだよ
素直に静かなタイミングの酒場でばったりくらいがいいんじゃないかとは
レナ
はあい
 
 
 
 
 
 
 
 
 
――王都イルスファール、〈星の標〉。
この日の夜は客も多くはなく、夕食時からやや遅れてはいるとはいえ、店内は静かなものだった。
カウンター席やテーブル席にも空きは多く、店内はがらんとしている。
 
フレデリク
くらいでおいといて後入りしよう
レナ
はぁい
レナ
―――
 客入りが少ない。店としてはどうかというところだろうが、個人的には悪くない様相だ。
 とりあえず、いつものように適当な肉料理を頼みつつ、隅の席に腰掛ける。
ごとっ(大斧が立て掛けられる音)
カウンター越しにヴィーネが頷くと、静かに準備を始めていく。静かな店内にはよく物音が通るのだ。
レナ
 別に四六時中この大斧を持ち歩いていることもないのだが、持っていないと舐め腐って絡んでくる者が出てくるので、そういうのが面倒な気分>斧を持ち歩くのが面倒な気分 の時は持ち歩いている。
暫くして、君のカウンターに肉料理が届けられる頃。扉のベルが鳴り、冷たい風が店内へと入り込んで来る。
レナ
 ぱたん、と料理待ちの間に読んでいた本を閉じる。
 同時に、冷えた風が入り込んできた方へと自然に視線が向く。
フレデリク
「さっみ……」 成人したての男性にしては小柄な体躯に、雑に伸ばされた髪の隙間から覗く瞳が店内を見回せば、あまりに巨大な斧が嫌でも目に入る。
一瞥して、その持ち主である少女を見ると 小さく肩を竦めつつ、店内へと歩を進める。
レナ
 誰かと思えばお前か、という感じの目線を投げかけつつ、肉料理に視線を戻す。いただきます。
 もぐもぐ。
フレデリク
「何見てんだよ。見世物じゃねーぞ……ってもう見てねえ!」 この野郎。
レナ
「セリフが完全にそのへんのチンピラね」 はーおにくおいしい。
フレデリク
溜息を吐きながら、レナの座る椅子から二つほど間を置いた椅子を足で引いて腰掛ける。
「俺も肉」 ヴィーネに注文すると、視線を横に向けて
「お前の見てくれはそのへんの蛮族だけどな」 物騒なもん持ち歩きやがって。
レナ
「失礼ね、そこまで穢れてないわ」
フレデリク
「見てくれの話だっつの」 食事を待ちながら、閉じられた本に視線を落としてみよう。
レナ
「蛮族も人族とはそう変わらない見た目のもいるのだから、違いの決め手は穢れくらいしかないわ」
 本は何やら情緒的な雰囲気のあるタイトルだ。少なくとも学問的な内容ではあるまい。
フレデリク
「……」 会話を切って、じっと本を眺めてから
レナ
「なに?」
フレデリク
「何読んでたのか気になっただけだ。……前、本屋でも会ったろ」 あん時も確か話が出たような気がするな。
レナ
「そう。……ああ、そうだったわね」 もぐもぐ。
フレデリク
「……」 俺のはまだかよヴィーネ。 「これも同じような感じか? ハッピーエンドにはならない、みたいな」
レナ
「……」 そういえばそんなことまで話したか。 「さあ。まだ最後まで読んでないし」
「まあ、好みの分かっている本屋から勧められたから、たぶんそうだと思うけれど」
フレデリク
「……楽しいか? それって」 先に運ばれていた、冷水の入ったグラスを手で弄びつつ
レナ
「それって一般的な話かしら。それともわたしの好みの話」
フレデリク
「今はお前の話をしてんだろ」 カウンターに突っ伏し、ぐえー、と小さく声を漏らす。
レナ
「楽しいかというと、微妙ね」
フレデリク
「……あん?」 
「じゃあ何でそんなの読んでんだ……?」
レナ
「面白くはあるけれど」
「楽しいとは違うけれど、面白いから読んでいる、というところね」
フレデリク
「……」
レナ
「ヴィーネ、追加お願い」 今のが空になる頃を見越して追加注文入れつつ。
フレデリク
――じゃあ、何が面白いんだよ」 レナの注文と入れ違いで運ばれてきた料理を受け取って
レナ
「あなた、物語の面白さは何だと思う?」
フレデリク
「面白さぁ? ……」 振られた話題に、頬杖を付きながら料理にフォークを刺す。
「あー……スカっとする感じとか? 謎が解けたーとか、物語(はなし)がハッピーエンドになりましたー、とか、そういうとこだと思うけど」
レナ
「そうね。まあ一般的にはそんなところでしょうけど」
フレデリク
「……」 もぐ。
レナ
「じゃあ、どうしてそういうのを面白いと思うのかしら」
フレデリク
「そりゃ、……その方が気分が良いから、じゃねえ? 読んでる奴……この場合は俺か。俺が、その方が気分が良いから」
「悲しい顔でおしまい、なんて言われても気分は良くねえやな」
レナ
「間違ってないけどさっきの答えとあんまり変わらないわね」
フレデリク
「んだよ。こういう話は得意じゃねーんだよ」 いーっ
レナ
「あなた、謎が解けたけど、あるいはハッピーエンドだったけど面白くなかったって経験はある」
 問いかけつつ肉を口に放り込み。もぐもぐ。
フレデリク
「あー……」 「まあ、無くはねえな。退屈だなーってのは」
レナ
「要するに」 こつ、と目の前の肉の最後の一切れにフォークを刺し。 「“納得”よ」
 あむ。もぐもぐ。
 入れ違いに次の肉料理がやってくる。
フレデリク
同じように、小さな肉を口に運んで。
「……どういう意味だよ、ってまだ食うのかお前」 太るぞ
レナ
「登場人物に共感できる、提示された謎と答えがフェアである、過程に対して起きた結果が妥当である」
フレデリク
「……」 
「まあ、大事だよな。それがねえと薄いわ退屈だわ、納得出来ねえわで」
「確かに面白くはねえ……な?」 んぐ。
レナ
「だから、そういうことよ」
 次の料理に手を付けつつ。
フレデリク
「どんな暗い話でも、納得できて面白いから読んでる、訳だな」 「……訳だな?」 あってる?
レナ
「まあ、おおよそその認識で間違ってはいないわ」
フレデリク
「でも楽しくはねえ訳だろ?」
レナ
「心が落ち着きはするわ」
フレデリク
「……納得するから?」
レナ
「そうね」
フレデリク
「だけどよ、別にその納得ってのはバッドエンド(そういうの)じゃなきゃ感じられない、って訳じゃないだろ?」
レナ
「さっき言ったでしょう?」
フレデリク
「……」 「頭が痛くなってきたぞ」 楽しいと面白い、納得と……
レナ
「“共感”できるかどうか。―――わたし、ハッピーエンドにはあまり共感できないの」
フレデリク
「へえ。そりゃ何で?」 ヴィーネ、水くれ
レナ
 もぐ。 「………」
「ハッピーエンドなんて、たいがい無理があるからよ」
フレデリク
「……ま、そうだな」 視線を外して、フォークを手の平で弄ぶ。
「ハナシの中だけじゃねーかな、そんなもん。少なくとも見た事はねえよ、俺も」
レナ
「最後に神様が現れて何もひっくり返してハッピーエンドにしていく、なんて言うのは論外にしても」
何も⇒何もかも
「仮に過程をそれらしく描いていたとしても、誰も彼もが幸せになる結末なんて、その時点で現実味がなくなってしまうわ」
フレデリク
「言いたい事は解る、けどよ」
「勿論大なり小なりはあるとしてもよ、現実味っていうのはある程度薄くても面白くないか? 作り物の話なら特に」
レナ
「そうね。ええ、物語(フィクション)だもの。どうせ空想のもの。脚色されたもの。でも――
幸せな結末に終わった(ハッピーエンド)というわけで、それまでの面白さを吹き飛ばすに値する現実感のなさだわ」
「わたしにとってはね」
フレデリク
「偏屈な奴……」
レナ
「何とでも言えばいいわ」
フレデリク
「けどよ」 空にした皿を隅にやって、カウンターに組んだ腕の上に顎を載せる。
「ハッピーエンドってのは大体、ある場所までを区切ってるじゃんな。この後も幸せに暮らしましたー、とか」
レナ
「そうね」 もぐもぐ。
フレデリク
「その後もまあ、多分色々ある訳じゃんか。良い事も、悪い事も」
「んで結局死ぬだろ、生きてる以上」
レナ
「まあいつかは、ね」
フレデリク
「つまりこう、何だ。ハッピーエンド、っていうのはつまり、ハッピーになった瞬間で止まるから結末に(そう)見えてる、訳だな?」
「そのいつかが描かれねえから、俺達に……っていうか、読者にはわかんねー訳じゃん」
レナ
「ふぅん」
フレデリク
「辛かろうが幸せにもなれるし、幸せだろうが辛い事もあるわな」
「まあすげえヘンっていうかアレな話してっけど、そういう風に区切って見んなら……お前にもあったんじゃねえの、そういう瞬間(とき)
レナ
―――」 こつ、と皿にフォークの当たる音。
フレデリク
「……おーい?」
レナ
 視線の先は、皿のようでいてどこか遠く―――が、直ぐに、
「ふん」
 鼻を鳴らして、肉を口に放り込む。
フレデリク
「んだよ……」
ぐう、と腹を鳴らしながら、レナが肉を喰う様子を眺めやる。
レナ
 もぐもぐごくん。
「なかなか悪くない見方をするものね。いえ、世間的には悪い見方かもしれないけれど」
「ハッピーエンドになった連中も、どうせこの後破滅すると思えば溜飲が下るというものね」
 ちらっと鳴った腹に視線を向けつつ。
フレデリク
――……偏屈」 改めて口にして、小さく肩を竦めた。
レナ
「ヴィーネ、そこの貧相な餓鬼におかわりでも与えてやって」
フレデリク
「あー? んだよ、要らねえよ」
レナ
「腹を鳴らして言っても説得力がないわね」
注文を受けたヴィーネは、少しだけ困ったように目を細めつつ、レナへと頷いて作業に移った。
フレデリク
「うっせえわ……、大体、どういう風の吹き回しだよ」
レナ
「悪い知見を与えてくれた感謝を表したつもりよ」
フレデリク
「……」 「あのなあ」
「感謝するってんならせめてもうちょっとマシな感謝の仕方にしろよ。敬うとかどうだ?」
レナ
「あら、敬うよりよほど誠実な感謝の意だと思うけれど」
フレデリク
「施しは要らねえ」 ぐう。
レナ
「さっきの発言をもう一度繰り返すべきかしら」 <腹を鳴らしてry
フレデリク
「…………」 眉根をぐっと顰めて睨みつけつつ
「はー……まあいいわ。貰っとくか……」
レナ
「稼ぎはあるでしょうに、清貧ぶるなんてなかなか愚かね」
「聖戦士にでも憧れているのかしら」
フレデリク
「馬鹿言え、そういうカッコイーのにはなれねえってもう解ってんだよ」
レナ
「でしょうね」
フレデリク
「店出てちょっとしたとこで暮らしてるガキの為に色々突っ込んでるだけだ。こっちに流れてきた時、世話んなったからな」
「あんだと」 >でしょうね
レナ
 肩を竦め。「前も言った気がするけれど――
「腹を鳴らしてる者に贈り物をされるのってどういう気分でしょうね」
「わたしにはわからないけれど、きっと善良なほど申し訳ない気持ちになったりするのでしょうね」
フレデリク
「別に、向こうじゃ鳴らしてねえよ。渡すもん渡したらさっさと抜けてる」
「気が抜けんだよ、ここにいたりお前と話してると」 届いた皿に顔を上げて、喜び勇んで手を伸ばす。
レナ
「生理現象をひとのせいにしないでほしいものね」
 フレデリクの様子を若干鼻で笑いつつ。
フレデリク
「うっせーぞ」 自分の前まで皿を引いて 両手を合わせると、レナへと向いて。 「イタダキマス」 
レナ
 しっしっ、と片手を振りつつ。
「せいぜい仕事中に倒れないように食っておくことね」
「冒険者なんて、そこらの人間よりよほどエネルギーを使うのだから」
 なお、こちらはいつのまにか3皿目である。
フレデリク
「ああ、斧女の馬鹿力に巻き込まれない元気は付けとくよ」 うめえ。
「……太るぞお前」 肉ばっかりそんな量食べて……
レナ
「あなたは少しふとった方がいいわ」
フレデリク
「これくらいがスマートなんだよ」 
「にしても目立つな。仕舞えよこれ……」 斧を見上げて、げんなりした様子で。
レナ
「目立つから意味があるのよ」
「食べても体格が変わらないせいで、いつまで経っても嘗められる身になってほしいものね」
フレデリク
「ま、見た目はガキだしな」 こんなもんだし、と親指と人差し指で作って見せる。
レナ
「あなたもね」
「まあ、せいぜい清貧ごっこをしていることね。それならきっと一生そのままでしょうから」
フレデリク
「そりゃどーも。お前は似合わねえんだし、そんな斧その内放ってけよな」
レナ
「ひとのことを言えたクチではないわね」
フレデリク
「っとに減らず口ばっかだな……」
レナ
「あなたがね」
フレデリク
「…………」 「性格悪いって言われねえか?」
レナ
「別にいいつもりもないわ」
フレデリク
「そういうとこだぞ、ったく――」 皿を開けると、それをカウンターの内側に寄せつつ席を立つ。
――寝るか」 背中をぐっと伸ばし
レナ
「食べてすぐ寝ると牛になるという迷信があったわね」
フレデリク
「いいじゃねえか、お前も実践すりゃそんな貧相じゃ無くなるんじゃねえ?」
レナ
「まずはあなたで経過を見てみましょうか」
フレデリク
「遠慮すんなよ。きっと人気者だぜ」 会計をぱっと済ませて
「じゃーな。飯、美味かったぜ」 ぽんと背を叩きつつ階段を上っていく。
レナ
「……」 背を叩かれてじろっと視線を返し。
「セクハラクソガキ」
フレデリク
「せっ」 絶句して、階段の途中で止まり
「誰がセクハラだ馬鹿野郎、せめてもうちょっとマシになってから言え!」
レナ
 聞こえないわね、とばかりに肉に齧り付く。
フレデリク
「……」 の野郎。
はー、と大きなため息をつきながら、階段を上って行った。
レナ
おつ?
フレデリク
此方は以上かなあ
レナ
こっちもいいわよ
フレデリク
唐突にお誘いしたのに途中ダウンして申し訳ない……
おつかれさまでした!
レナ
おつかれさまでした
まあフィジカルの問題は……しゃーない……
フレデリク
(死)
ではログ格納しよう。後程連絡します
レナ
撤収!
背景
BGM