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- アーネストが入室しました
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- ティアエレスが入室しました
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- ──、"修羅の魔域"
- いくつもの小さな人族国家を内包し、人々が営みを続ける異世界とも言うべきこの魔域には
- ラクセイという都がある
- イルスファールから見ても、修羅の魔域を代表する都市であり、
- 異国情緒に溢れた、知るものが見れば東方風の様相を呈する町並みが広がっている
- その町並みの中、大通りの隅で1人の少女が佇んでいる 白い髪青い瞳、白いワンピース姿で胸元を開けていて、その上からはショールを纏っている
- ティアエレス
- 「──、」 先程から、ずっと眺めている ただ彼らは魔域に現れるという人の影のようなものではなく、実体を持った人のようだ
- アーネスト
- 大通りに佇む少女の方へと、フードの付いた外套を纏う人影が歩いていく。
その背丈は少女よりも僅かに低い程度で、普段より小さな足音は雑踏に紛れて完全に消えている。
- 手には小皿が二つ。それぞれ三色の団子が串に刺さっており、それなりに名の知れた甘味なのか 道行く子供の視線をいくつか集めている。
- 「――……」 声を掛けられる、という距離までやってきて。視界に入るよりも先に、はたと思いついたように足を止める。
- 「ティアエレスさん。……ここに居らしたんですね」 先に声をかけて 振り向かれるのを待った。
- ティアエレス
- 「──、」 思考を止めて 視線を向けると 「ああ‥‥、アーネストさん」 背を預けていた壁から離れて 白い髪を触った
- 「街を見ていました……信じがたいですが、やはり本物の様ですね」
- アーネスト
- 「はい、アーネストです」 フードの下で微笑むと、小さく頷いた。
- 「僕も、そう思いますよ。……はじめて話を聞いた時は、信じ難いなあと思いましたけど」
- 「こうして、ちゃんと生きていますからね。……“奈落の魔域”の中で見る人達と違って、違和感を覚えたりもしないですし」
- ティアエレス
- 「──、ええ」
- アーネスト
- 「やっぱり、……納得というか」
- 「腑に落ちない、ですか?」
- ティアエレス
- 「──、それは私の事情であって、貴方の事情ではありませんから」
- アーネスト
- 「聞きたいんです、ティアエレスさんの事」 手元の皿を持ち上げて
- 「お話、してくれませんか?」
- あっちに休める場所も見つけてきました、と得意気に続けて
- ティアエレス
- 「──、」
- 一瞥を向けると 小さく息をついて 「少しだけですよ」
- アーネスト
- フードの下から覗く表情が確りと明るくなって
- 「はい!」 頷くと、速度を遅めて先導していく。
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- 大通りから一つ外れたそこは、まだ喧噪は響くものの 設置されている椅子の傍は静かなもので
- 遠巻きに大通りを歩く人たちを眺める事も出来るその場所は、休憩を取るには丁度良い場所だった。
- アーネスト
- 「こっちです。……さ、どうぞ」 赤い布がかけられた椅子を手で示し、頷いた。
- ティアエレス
- 長椅子だよね>あーねすと
- アーネスト
- うん。三人掛けくらいの。
- ティアエレス
- 「──、」 ひとり分距離を開けて 端に座って
- アーネスト
- その正面に立つと、少し屈んで 団子の乗った皿を差し出した。
- 「おだんご、って食べ物らしいです。甘いって聞きましたよ」
- ティアエレス
- 「態々ありがとうございます」 いくらでした?と続けて聞いて
- アーネスト
- 「一緒に食べようと思って」 結構ですよ、と緩く手を振りながら、半人分の距離で長椅子に腰掛ける。
- 「凄い話ですよね。“奈落の魔域”にある国、なんて」
- ティアエレス
- 「ええ…ですが、ない話出はないということを思い出しました」
- ではない
- アーネスト
- 「他に、何か知っているんですか?」 ひとつ、団子を口に含んで 甘さに表情を綻ばせる。
- ティアエレス
- 「"奈落の魔域"に、街や国、ひいては地方まるごと取り込まれた話があるのです」
- アーネスト
- 「……ち、地方ごと。そんなに大規模な話があったんですか?」
- ティアエレス
- 「アルフレイムに居た頃、そういう話を聞いたことがあります」
- アーネスト
- 「そうですか。……ここも、取り込まれたのか、そもそも“奈落の魔域”に出来た国、なのか」
- ティアエレス
- 「そうしたケースである場合なら、人々が暮らしているというのはない話ではないと思うのです」
- 「取り込まれ、独自文化を作るに至った国々と考えれば」
- 「こうした状況に、納得もできます」
- アーネスト
- 「……」 笑みを深めて 「目で見て、耳で聞いて、肌で感じたんですから」
- 「呑み込まざるを得ない、ですよね。……」 もう一つ口に含み また頬が緩む。
- ティアエレス
- 「──、」 視線を下に落とすと 団子を一つ取り上げる
- アーネスト
- 「おいしいですよ。食べてみてください」
- ティアエレス
- 「──、いただきます」
- アーネスト
- じ、っとティアエレスを見つめ その様子を伺う
- ティアエレス
- 冷たい印象の目が 一瞬開かれて 僅かに輝く
- アーネスト
- 「……」 その様子に、嬉しそうに微笑んで
- 「どう、どうです?」
- ティアエレス
- 「──、」 う、見られてた 「…まあまあです」
- アーネスト
- 「……おいしいですか?」 わくわく
- ティアエレス
- 「まあまあです」
- アーネスト
- 苦笑しつつ、最後の一つを口にして
- 「お口に合ったなら良かったです」
- ティアエレス
- 「………」
- 「…ありがとうございます」
- アーネスト
- 「何がですか?」
- ティアエレス
- 「気を遣ってくださったんでしょう?」
- 「だから、ありがとうとお伝えしました」 ふい
- アーネスト
- 「気を遣った、っていうよりは……そうですね」
- 「喜んで貰いたかったんですよ、ティアエレスさんに」
- ティアエレス
- 「……不可解です」
- アーネスト
- 「ふかかい」
- ティアエレス
- 「私達は、自分の事情に対して戦っていく同志ではありますが……それと、私に喜んでもらうことに何の相関があるのですか?」
- アーネスト
- 「喜んで貰いたいなって思う事に、……何か理由って、必要ですか?」
- ティアエレス
- 「誰かに何かを渡すということに、目的が生じないということはほぼほぼありません」
- アーネスト
- 「あの日、言った通りですよ。ずっと見る夢の中に、貴女に似た人がいて」
- ティアエレス
- 「──私は貴方を疑っているんです、アーネストさん」
- アーネスト
- 「その人と重ねてしまっていて、申し訳ないとは――、」 「疑って、いる?」
- ティアエレス
- 「──強いてあげるとしたら、下心でもあるんじゃないかと思って」
- アーネスト
- 「下心」 鸚鵡返しにしながら、ティアエレスをじっと見つめる。
「綺麗な人だと思います。……でも、そんなもので近付いて、僕がどうすると思うんです?」
- ティアエレス
- 「──、さぁ」 視線から逃れるように顔をそむけて
- アーネスト
- 「……そう思われる様な事を、してしまっているなら」
- 「ごめんなさい。……そんなつもりは、ないんです」
- ティアエレス
- 「──、慣れていないんです。誰かから、物をもらうというのは」
- アーネスト
- 「嫌、……でしたか?」
- ティアエレス
- 「──嫌なら食べていません」
- 「……」
- アーネスト
- その返答に、僅かばかり表情を明るくしつつ
- 続いた沈黙に、恐る恐るという様子で じっと待つ
- ティアエレス
- 「──、」 こと、と残りの団子が載せられた皿を置いて
- アーネスト
- 「……ティアエレス、さん?」
- ティアエレス
- 「──、なんですか」
- アーネスト
- 「お口に合わなかった、よりは」 置かれた皿に目を向けて、困ったように微笑んだ。
- 「僕のせい、でしょうか」
- ティアエレス
- 「──、一本で十分というだけです」
- 「それから……変に此方を伺わなくても良いですよ」
- アーネスト
- 「……迷惑でした?」
- ティアエレス
- 「──、態と聞いていますか?」
- アーネスト
- 「うぐ」 苦笑して固まり、小さく唸った。
- 「え、あぁ、いやその、そういうつもりじゃなくてですね」
- ティアエレス
- 「──強いてあげるなら」
- じ、とアーネストを見て
- アーネスト
- 「……」 ぎこちなく頷いて フードの下から、青竹色の瞳がのぞく。
- ティアエレス
- 「そうやって、此方を変に伺われることの方が、気になります」
- アーネスト
- 「……わかり、ました」
- 「ティアエレスさん」
- ティアエレス
- 「はい」
- アーネスト
- じっと視線を合わせて
「……下心で貴女を探していた訳じゃないです」
- 「そういうもので、貴女と仲良くなれたらと思ってる訳じゃ、ないんです」
- ティアエレス
- 「ではどういう意図で?」
- アーネスト
- 「貴女に、笑って欲しい、というか」
- 「夢の中でも、今、こうして会っていても、……貴女はいつも張り詰めていて」
- 言葉を切って、頭を掻き。
- 「言葉が巧く見つからないん、ですけど……うん。僕は、貴女に喜んで欲しいだけなんですよ」
- 「泣かないで欲しいし、苦しまないで欲しいし、怒らないで欲しいし」
- 「喜んで、笑って、……幸せになって欲しい。そういう貴女を、見てみたい」
- ティアエレス
- 「──、それが不可解なんです」
- 「何故、そう思うのですか?」
- アーネスト
- 「……?」
- 「そう思う事に、理由っているんでしょうか。……誰かに喜んで欲しいとか、笑って欲しいとか」
- 「見てみたいから、……そうなって欲しいから。たったそれだけです」
- ティアエレス
- 「理由がなければそういう事は普通考えません」
- 「意図がなければ行動には出ません」
- 「──、理由もなくそうされても、嬉しくは思いません」
- アーネスト
- 「うう、ん……」 そう言われてもな、と小さく呟いて 頭を掻きながら、彼女の言うそれを頭の中で探る。
- 他の誰かにそう思ったろうか。……明確に、そう思った事はない。
- 死んでいった誰かに、そう思ったろうか。……その時に感じていた者は、きっとそういうものではなかった。
- 何故彼女には、そう思ったのか。暫く考え耽ると、ああ、と顔を上げた。
- 「貴女の事を、ただ想っているからかもしれません」
- 「そうすると下心……だった……かな……」 いやしかし。
- ティアエレス
- 「──、」
- 「──、まったく」
- 「………、急にそんな事言われても、困ります。それに、」
- 「……」 小さく息をついて 「帰ります」
- アーネスト
- 「……ティアエレスさん」
- ティアエレス
- 「王都まで、送っていってもらえますか、アーネストさん」
- アーネスト
- ぱっと表情を明るくして頷くと、ゆっくりと立ち上がった。
「はい、僕で良ければ。……ああ、でもその」
- 「一つだけ、我儘を言ってもいいですか?」
- ティアエレス
- 「──応ずるとは限りませんが、伺いましょう」
- アーネスト
- 頷いて
- 「ラクセイのあの服、ティアエレスさんに似合うと思うんです」
- 「帰りに、少しだけ覗いて行きませんか」
- ティアエレス
- 「……それくらいなら」
- アーネスト
- 「……よかった」 笑みながら、胸を撫で下ろし。皿を持ち上げると、先導する様に歩く。
- 外套を揺らしながら、大通りへと向かって こっちです、と手を振りながら進んで行った。
- ティアエレス
- それに続いて 歩き出す
- ティアエレス
- こんな所でいいでしょうか
- アーネスト
- はーい。お付き合いありがとうございました。
- ティアエレス
- シュラ風衣服を買って置きますね
- アーネスト
- あ、お金出しましょうか
- 駄目って言われそうですけど
- ティアエレス
- それは結構です
- アーネスト
- はい――
- ではではお疲れ様でした。ログ格納はしておきますね
- ティアエレス
- お願いします。では失礼します
- お付き合いありがとうございました。 お疲れさまでした
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- ティアエレスが退室しました