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ラクセイにて

20210220_0

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アーネストが入室しました
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ティアエレスが入室しました
 
 
 
 
 
──、"修羅の魔域"
いくつもの小さな人族国家を内包し、人々が営みを続ける異世界とも言うべきこの魔域には
ラクセイという都がある
イルスファールから見ても、修羅の魔域を代表する都市であり、
異国情緒に溢れた、知るものが見れば東方風の様相を呈する町並みが広がっている
その町並みの中、大通りの隅で1人の少女が佇んでいる 白い髪青い瞳、白いワンピース姿で胸元を開けていて、その上からはショールを纏っている
ティアエレス
「──、」 先程から、ずっと眺めている ただ彼らは魔域に現れるという人の影のようなものではなく、実体を持った人のようだ
アーネスト
大通りに佇む少女の方へと、フードの付いた外套を纏う人影が歩いていく。
その背丈は少女よりも僅かに低い程度で、普段より小さな足音は雑踏に紛れて完全に消えている。
手には小皿が二つ。それぞれ三色の団子が串に刺さっており、それなりに名の知れた甘味なのか 道行く子供の視線をいくつか集めている。
――……」 声を掛けられる、という距離までやってきて。視界に入るよりも先に、はたと思いついたように足を止める。
「ティアエレスさん。……ここに居らしたんですね」 先に声をかけて 振り向かれるのを待った。
ティアエレス
「──、」 思考を止めて 視線を向けると 「ああ‥‥、アーネストさん」 背を預けていた壁から離れて 白い髪を触った
「街を見ていました……信じがたいですが、やはり本物の様ですね」
アーネスト
「はい、アーネストです」 フードの下で微笑むと、小さく頷いた。
「僕も、そう思いますよ。……はじめて話を聞いた時は、信じ難いなあと思いましたけど」
「こうして、ちゃんと生きていますからね。……“奈落の魔域”の中で見る人達と違って、違和感を覚えたりもしないですし」
ティアエレス
「──、ええ」
アーネスト
「やっぱり、……納得というか」
「腑に落ちない、ですか?」
ティアエレス
「──、それは私の事情であって、貴方の事情ではありませんから」
アーネスト
「聞きたいんです、ティアエレスさんの事」 手元の皿を持ち上げて
「お話、してくれませんか?」 
あっちに休める場所も見つけてきました、と得意気に続けて
ティアエレス
「──、」
一瞥を向けると 小さく息をついて 「少しだけですよ」
アーネスト
フードの下から覗く表情が確りと明るくなって 
「はい!」 頷くと、速度を遅めて先導していく。
 
大通りから一つ外れたそこは、まだ喧噪は響くものの 設置されている椅子の傍は静かなもので
遠巻きに大通りを歩く人たちを眺める事も出来るその場所は、休憩を取るには丁度良い場所だった。
アーネスト
「こっちです。……さ、どうぞ」 赤い布がかけられた椅子を手で示し、頷いた。
ティアエレス
長椅子だよね>あーねすと
アーネスト
うん。三人掛けくらいの。
ティアエレス
「──、」 ひとり分距離を開けて 端に座って
アーネスト
その正面に立つと、少し屈んで 団子の乗った皿を差し出した。
「おだんご、って食べ物らしいです。甘いって聞きましたよ」
ティアエレス
「態々ありがとうございます」 いくらでした?と続けて聞いて
アーネスト
「一緒に食べようと思って」 結構ですよ、と緩く手を振りながら、半人分の距離で長椅子に腰掛ける。
「凄い話ですよね。“奈落の魔域”にある国、なんて」
ティアエレス
「ええ…ですが、ない話出はないということを思い出しました」
ではない
アーネスト
「他に、何か知っているんですか?」 ひとつ、団子を口に含んで 甘さに表情を綻ばせる。
ティアエレス
「"奈落の魔域"に、街や国、ひいては地方まるごと取り込まれた話があるのです」
アーネスト
「……ち、地方ごと。そんなに大規模な話があったんですか?」
ティアエレス
「アルフレイムに居た頃、そういう話を聞いたことがあります」
アーネスト
「そうですか。……ここも、取り込まれたのか、そもそも“奈落の魔域”に出来た国、なのか」
ティアエレス
「そうしたケースである場合なら、人々が暮らしているというのはない話ではないと思うのです」
「取り込まれ、独自文化を作るに至った国々と考えれば」
「こうした状況に、納得もできます」
アーネスト
「……」 笑みを深めて 「目で見て、耳で聞いて、肌で感じたんですから」
「呑み込まざるを得ない、ですよね。……」 もう一つ口に含み また頬が緩む。
ティアエレス
「──、」 視線を下に落とすと 団子を一つ取り上げる
アーネスト
「おいしいですよ。食べてみてください」
ティアエレス
「──、いただきます」
アーネスト
じ、っとティアエレスを見つめ その様子を伺う
ティアエレス
冷たい印象の目が 一瞬開かれて 僅かに輝く
アーネスト
「……」 その様子に、嬉しそうに微笑んで
「どう、どうです?」 
ティアエレス
「──、」 う、見られてた 「…まあまあです」
アーネスト
「……おいしいですか?」 わくわく
ティアエレス
「まあまあです」
アーネスト
苦笑しつつ、最後の一つを口にして
「お口に合ったなら良かったです」
ティアエレス
「………」
「…ありがとうございます」
アーネスト
「何がですか?」
ティアエレス
「気を遣ってくださったんでしょう?」
「だから、ありがとうとお伝えしました」 ふい
アーネスト
「気を遣った、っていうよりは……そうですね」
「喜んで貰いたかったんですよ、ティアエレスさんに」
ティアエレス
「……不可解です」
アーネスト
「ふかかい」 
ティアエレス
「私達は、自分の事情に対して戦っていく同志ではありますが……それと、私に喜んでもらうことに何の相関があるのですか?」
アーネスト
「喜んで貰いたいなって思う事に、……何か理由って、必要ですか?」
ティアエレス
「誰かに何かを渡すということに、目的が生じないということはほぼほぼありません」
アーネスト
「あの日、言った通りですよ。ずっと見る夢の中に、貴女に似た人がいて」
ティアエレス
「──私は貴方を疑っているんです、アーネストさん」
アーネスト
「その人と重ねてしまっていて、申し訳ないとは――、」 「疑って、いる?」
ティアエレス
「──強いてあげるとしたら、下心でもあるんじゃないかと思って」
アーネスト
「下心」 鸚鵡返しにしながら、ティアエレスをじっと見つめる。
「綺麗な人だと思います。……でも、そんなもので近付いて、僕がどうすると思うんです?」
ティアエレス
「──、さぁ」 視線から逃れるように顔をそむけて
アーネスト
「……そう思われる様な事を、してしまっているなら」
「ごめんなさい。……そんなつもりは、ないんです」
ティアエレス
「──、慣れていないんです。誰かから、物をもらうというのは」
アーネスト
「嫌、……でしたか?」
ティアエレス
「──嫌なら食べていません」
「……」
アーネスト
その返答に、僅かばかり表情を明るくしつつ
続いた沈黙に、恐る恐るという様子で じっと待つ
ティアエレス
「──、」 こと、と残りの団子が載せられた皿を置いて
アーネスト
「……ティアエレス、さん?」
ティアエレス
「──、なんですか」
アーネスト
「お口に合わなかった、よりは」 置かれた皿に目を向けて、困ったように微笑んだ。
「僕のせい、でしょうか」 
ティアエレス
「──、一本で十分というだけです」
「それから……変に此方を伺わなくても良いですよ」
アーネスト
「……迷惑でした?」 
ティアエレス
「──、態と聞いていますか?」
アーネスト
「うぐ」 苦笑して固まり、小さく唸った。
「え、あぁ、いやその、そういうつもりじゃなくてですね」
ティアエレス
「──強いてあげるなら」
じ、とアーネストを見て
アーネスト
「……」 ぎこちなく頷いて フードの下から、青竹色の瞳がのぞく。
ティアエレス
「そうやって、此方を変に伺われることの方が、気になります」
アーネスト
「……わかり、ました」
「ティアエレスさん」
ティアエレス
「はい」
アーネスト
じっと視線を合わせて
「……下心で貴女を探していた訳じゃないです」
「そういうもので、貴女と仲良くなれたらと思ってる訳じゃ、ないんです」
ティアエレス
「ではどういう意図で?」
アーネスト
「貴女に、笑って欲しい、というか」
「夢の中でも、今、こうして会っていても、……貴女はいつも張り詰めていて」
言葉を切って、頭を掻き。
「言葉が巧く見つからないん、ですけど……うん。僕は、貴女に喜んで欲しいだけなんですよ」
「泣かないで欲しいし、苦しまないで欲しいし、怒らないで欲しいし」
「喜んで、笑って、……幸せになって欲しい。そういう貴女を、見てみたい」
ティアエレス
「──、それが不可解なんです」
「何故、そう思うのですか?」
アーネスト
「……?」
「そう思う事に、理由っているんでしょうか。……誰かに喜んで欲しいとか、笑って欲しいとか」
「見てみたいから、……そうなって欲しいから。たったそれだけです」
ティアエレス
「理由がなければそういう事は普通考えません」
「意図がなければ行動には出ません」
「──、理由もなくそうされても、嬉しくは思いません」
アーネスト
「うう、ん……」 そう言われてもな、と小さく呟いて 頭を掻きながら、彼女の言うそれを頭の中で探る。
他の誰かにそう思ったろうか。……明確に、そう思った事はない。
死んでいった誰かに、そう思ったろうか。……その時に感じていた者は、きっとそういうものではなかった。
何故彼女には、そう思ったのか。暫く考え耽ると、ああ、と顔を上げた。
「貴女の事を、ただ想っているからかもしれません」
「そうすると下心……だった……かな……」 いやしかし。
ティアエレス
「──、」
「──、まったく」
「………、急にそんな事言われても、困ります。それに、」
「……」 小さく息をついて 「帰ります」
アーネスト
「……ティアエレスさん」 
ティアエレス
「王都まで、送っていってもらえますか、アーネストさん」
アーネスト
ぱっと表情を明るくして頷くと、ゆっくりと立ち上がった。
「はい、僕で良ければ。……ああ、でもその」
「一つだけ、我儘を言ってもいいですか?」
ティアエレス
「──応ずるとは限りませんが、伺いましょう」
アーネスト
頷いて
「ラクセイのあの服、ティアエレスさんに似合うと思うんです」
「帰りに、少しだけ覗いて行きませんか」
ティアエレス
「……それくらいなら」
アーネスト
「……よかった」 笑みながら、胸を撫で下ろし。皿を持ち上げると、先導する様に歩く。
外套を揺らしながら、大通りへと向かって こっちです、と手を振りながら進んで行った。
ティアエレス
それに続いて 歩き出す
ティアエレス
こんな所でいいでしょうか
アーネスト
はーい。お付き合いありがとうございました。
ティアエレス
シュラ風衣服を買って置きますね
アーネスト
あ、お金出しましょうか
駄目って言われそうですけど
ティアエレス
それは結構です
アーネスト
はい――
ではではお疲れ様でした。ログ格納はしておきますね
ティアエレス
お願いします。では失礼します
お付き合いありがとうございました。 お疲れさまでした
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ティアエレスが退室しました
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