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災厄の獣達~幕間~

20201129_0

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マリーが入室しました
 
 
 
イルスファール王国。星の標。
数多くの冒険者が所属するこの宿では、日夜依頼が舞い込んでくる。
だがそれもいつもというわけではなく、穏やかな隙間時間も確かに存在しているのである。
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Lounge70%
カウンター越し、いつものように眉間に皺を寄せている店主の前にいるのは1人の女性である。
先日とある魔域の攻略に関わり、少なくはない貢献もしていると話に聞いてはいる。
実力も申し分なく、ゆえに様々な依頼に行ってもらってもいた、が。
本人がランク等に一切興味がなく、そこが悩みの種であった…あった。
ガルバ
そのため、この目の前の女性からある相談を受けた時は書類を思わず取り落としそうになった。
マリー
「人のは見てたけど、こんな風になっているのね?」店主に相談を持ち掛け、その結果得ることとなった書類の紙束をめくる
意外に早く通ったわね、と店主の心境を知ってか知らずか。
ガルバ
「自分が関わってきた依頼を振り返ってみろ…」
マリー
「あら?私はできることをしただけよ?」ふふ、といつも通り微笑んでいる。
ガルバ
ため息をついた。
色々と思うところはあるが、ようやくその気になってくれた点についてはいい傾向であろう。
「…それにしても、いったいどういう風の吹き回しだ、興味がないと言っていただろう」
マリー
目線を少し上にあげ、店主に目を向け、微笑んだ。
「私の事が気になるの?…ふふ、あらあら、眉間に皺が寄っているとキャロちゃんに怖がられてしまうわ?」余計なお世話だ、と言われて肩を軽くすくめ
「そうねぇ…私ずっと渡り鳥みたいなものだと思ってたのよね、自分の事」
「1か所にとどまらない、いても短期的…色々なところをめぐるのが好きっていうのもあるけれども」今思えば昔出来なかったことをしていた、ともとれる。
「それはそれで悪くない生き方よ?楽しかったし、楽しいと思うわ?でも」
「…見つけちゃったのよねぇ、渡り鳥にとっての比翼の鳥、止まり木にとっての連理の枝」
貴方が奥様に出会った時もそうだったんじゃないかしら?と微笑んで
「…帰ろうって言ってくれた人がいるのよ。そして私も彼の所に帰りたいと思った、それだけよ」
ガルバ
「…のろけならよそでやれ」キャロの情操教育に悪い、と眉間に皺をよせ
マリー
「あら、いつかキャロちゃんも素敵な男性を連れてくるとおも…もう、怖い顔しないでってば」
ガルバ
キャロにはまだはやいとぶつくさ言いながら
「…言うまでもないが今までとは扱いが異なる部分も出てくる。くれぐれも問題は起こすな」
冒険者として積み上げた実績は問題なし、実力も問題なし、であるが。
マリー
「わかっているわ。貴方に迷惑はかけないわ?」
「ありがとう、店主。色々手配してくれて」
ガルバ
「…かまわん。また何かあれば言え」
マリー
「ふふ…ありがとう」
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城下町(昼) 100%
イルスファール王国。商業街。
日用品、雑貨、飲食店、鍛冶屋、屋台等、王都の中でも活気がある場所である。
そんな商業街を一人の女性が歩いていた。つい先ほどランクについて説明を受けた冒険者である。
この街で冒険者が歩いているのは珍しいことでもなく、また、冒険者向けの店も数多く軒を連ねている。
女性が入ったのは…主に冒険者向け装飾品を取り扱う店である。
店主
「はい、いらっしゃい…ああ」初老の店主は女性の顔を見た途端、彼女がなぜ訪れたのかを悟る。
マリー
「こんにちは」
店主
ちょうど他の客もいない。椅子から腰を上げ、彼女の注文の品を取りに行く。
「例の物なら出来上がっているよ」一応確認しておくれ、と小さな2つの箱のふたをあける。
この手の注文を受けるのは初めてではない。普通ならば普通の店の方をすすめるが、彼女が冒険者であるならば…この店を選ぶのはおかしなことでもない。
マリー
出来上がったソレをながめたり、丁寧にふれたりして、具合を確かめる。
自分の物はともかくとして、人にあげる予定の物である。
心配はしていないが念のための確認は行う。
「…素敵ね、注文通りよ。ありがとう」
店主
「星の標の冒険者には贔屓にしてもらっているからね」
「ついでにどうだい?耳飾りなんかも人気があるよ」
マリー
「そうねぇ…それはまた考えておくわ?」商売上手ね、と微笑んだ
「…喜んでくれるかしら」
あげる物が物である。喜んでくれるとは思う…いや、思いたいと言ったほうが正しい。
店主
「あんたみたいな美人さんからもらいたいという男なら大勢いそうなものだが」
「何、経験談から言わせてもらうと…あんたみたいな職業の人ほど、ソレは喜ぶものさ」
「あんたがどうしてそれを選んだのか、わからない盲目の男じゃないんだろう?」
ああ、でも別の意味で盲目かもしれんね、と笑いつつ
マリー
「ふふ…ありがとう。そうね…とても素敵な人よ」大切な人の事を思い浮かべたのか、表情が柔らかくなる。
「また来るわ。今度は…彼も一緒に、ね?」
店主
「まいどあり。またごひいきに」
 
 
 
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城下町(夜) 100%
マリー
すっかり歩き慣れた家までの道を歩く。
空は少しオレンジ色になってきている。夕焼けの色と空の青と夜の蒼が混ざっている様子が見てとれる。
もう帰ってきているのかしら?もしいなかったら私がお夕飯作るのもいいわねぇ…などと考えてふと思う。
ああ…すっかり彼がいる家に帰るのが当たり前になってしまっているのだな、と。
まさかこうなるなんてねぇ…と一人思う。
「…惚れた方が負け、なんてよく言ったものよね」
などと思いながらも、足取りは軽く、しっかりと。
家に帰り、おかえりという声が聞こえるか、あるいは。
自分がおかえり、という側になるのだろうかと考えつつ、家までの道を歩くのであった。
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マリー
おそまつさまでした

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