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災厄の獣達~幕間~

20201123_0

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レイヴンが入室しました
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マリーが入室しました
マリー
よろしくお願いいたします。
 
 
 
この地の歴史を調べる学者、トレークの依頼を受けた君達は小国エデン、そして災厄の獣にまつわる遺跡の奥にて魔域に呑み込まれた。
仲間の一人であるマリーと縁深いこの魔域にて、君達は災厄の獣のうちのひとつ、愛欲の獣、そして、その器であったマルグリットという少女にまつわる悲劇を知る。
マルグリット…今はマリーと言う名前の、君達の仲間であった女性はかつての記憶を取り戻し、災厄の獣を外に解き放たないために自らの命と共に魔域の核の破壊を考えた、が。
冒険者達…自らを迎えに来たまっすぐな友達と大切な人の想いに触れ、今の少女は願う。
彼らと共に、かつての自分が歩めなかった…未来を見たい、と。
 
 
 
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星と月の丘70%
愛欲の獣との戦いに区切りをつけた君達は、魔域から脱出するため、愛欲の獣がいる政庁舎の屋上…そこへ向かう準備と休息をとっていた。
愛欲の獣とつながっているがゆえに魔域の管理者でもあるマリーの言葉によると、もってあと一日ほどは猶予があるという。
冒険者達はその言葉にしばしの休息を得る。
 
 
 
マリー
イーハトーブにある建物のとある一室。そこにいるのは一組の男女である。
マリー
(ロールどうぞ)
レイヴン
「──」愛欲の獣に対しての有効打となりうる自身の剣。その状態を確かめながら──。休息を取っている。仲間たちはおのおのの準備をしているだろうが、前提条件としてはマリーを1人にさせないことであった。
マリー
「少し落ち着くことができたわね」誰かしらが自分についていてくれている状況なのは受け入れている。そうする必要があるのを理解しているからである。
レイヴン
「まだ完全につながりは断ち切れていたいようだが……マリー、身体の様子はどうだ。もし負担があるなら、休んでくれていても構わない」
マリー
「大丈夫よ。愛欲の獣とのつながりは…だいぶ弱まっているわ」
レイヴン
「──そうか、少し無茶を通した甲斐があったわけだ」
と、その言葉は心底安心したように、ほっとしたような感じでつぶやいた、
「そして、無茶を通してくれた仲間のおかげでもある。本当に良かった」
「まだ終わってはいないから気は抜けないけどな」
マリー
「…本当にね」無茶を通せば道理が引っ込むという言葉が浮かぶ。
「…ここから出たら、私がご飯奢ろうかしら」ふふ、と微笑んで
レイヴン
「──ああ。マリーのおすすめの店を皆に教えてやってほしい」
マリー
「ジャックがいるからお肉料理の方がいいかしら?アッシャーやユーリの好みも聞いておかないといけないわね?」
レイヴン
「意外と、店じゃなくても──俺と、ジャックが手料理を振るってもいいのかもしれないな」
マリー
「それもいいわね、スペースを借りてお料理を持ち寄って…」
レイヴン
「──そういうのも悪くないんじゃないかと思う」
「でも──そういった話ができるくらいに。マリーが持ち直してくれて……良かった」
マリー
「…ごめんなさい、貴方達にはたくさん迷惑もかけたし…不安にもさせたわね」
『私の性質が貴方を傷つけることもあると思うわ』文字通り、そうなってしまったのであるから。
レイヴン
と、目頭を押さえる。「……いいんだ。恋人、いや、それ以前に仲間を助けられたなら、それは迷惑でもなければ、不安でもない」
「俺の時もそうだし」
「仮にジャックや、ユーリや、アッシャーが同じ目にあった時は……たとえ無茶だとわかっていても」
「俺たちは同じように動くだろう? 来るなと言っても突っ張ってくるだろう?」
「手段には個性が出るだろうが──それでも、無茶を通していたのは変わらないはずだ」
マリー
「そうねぇ…こちらが行く前に壁が壊されてそうなメンバーだけれども」あの時のフォールンのことを思い出して
レイヴン
「──容易に想像できるな」と笑ってから
「だが……一番怖かったのは。マリーが俺を不安にさせたことじゃない。追い込まれた時。可能性が限りなく『0』に近くなった時に、それでも『0,1』にさえできる手段を探すあの瞬間が一番怖かった」
「今回なんかは、魔剣もあったし、マリーの癖も少しは知っていたし……それに、マリーの涙が背中を後押ししてくれた。だから、俺は過去の遺産を信じて、自分を貫き通すことができたのもある」
「まあ、それでも」
「恋人が辛い思いをしている時点で、引くつもりは毛頭なかったけどな」
と、声をもらした
マリー
「…そうね、ここの街に…マルグリットとしていた頃は、いい思い出もあるけれども…よくない思い出の方が多いわ」
「…あの時マルグリットとして貴方達に話したことは本当よ。力の事も、育った環境も…何が起こったのかも」
レイヴン
「神の贈り物を得た特異な自分として扱われて、人に裏切られて──自分が取り込んだものの性質を知って。そして愛しても愛されなくて。実験台にされて──挙句の果てには、標本箱にいれられる」
マリー
「…封印を受けたことについては後悔していないわ」
「あの人がソレ(ビアノール)の作成に着手していたことは聞いていたけれども」
「時間が足りなくなる可能性も否定できなかったもの」
「彼女の本質が…歪んでしまっているけれども、愛であったのも幸いしたのかもしれないわね」
レイヴン
「─……そうかもしれないな」と、言う彼の眼からは
涙がこぼれていた
マリー
「彼女は私の好きにさせてくれた。人の味方でありたいと私が言った時も…でもそれは絶対ではなか…」
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天涙100%
レイヴン
「もし同じ状況なら──俺は耐えきれなかったと思う。俺もろくな人生を歩んできた人間じゃないのは分かってはいるが──」
マリー
「…どうしてあなたが泣くの」その涙を指先でぬぐおうと
レイヴン
「終わってしまったことに同情なんてしても意味がないのもわかっているが──」
「知ることなんてできるはずがない、そんなこと論理的に分かってるんだ」
と、拭われるなら拭られる。その言葉には嗚咽が混じっている。
「だけど、大切な人が苦しんでいた事実を知ると──心が痛くて仕方なくて……」
「──ふっ、格好悪いな……本当に」と、少しずつ涙は止まってきて「まだ終わってもいない。ようやく足掛かりをつかんだところなのに」
マリー
「…確かにそうね、マルグリットであったころは、彼女の言った通りよ…私は、自分の不死性を否定して、怖れて、誰かを殺す前に自分を消してしまいたかった」
「たとえ人から愛されなくても…封印を受け入れたのも、それが最適解であったからよ」
「…私は後悔していないわ、あの時封じられることを選択肢したのを、それが最適解であったというのもあるけれども」
「…バタフライエフェクト
レイヴン
「──そうだな。そしてそれは否定できない。そこに俺たちもいなかったし、手段もなかったんだろうから──最適解であったことも否定はしない。否定なんてできるはずがない」
「……ああ、蝶が羽ばたいて今に答えを残してくれた」
マリー
「私があの時、愛欲のルクスリアとして封印されることを選んだ、その結果、私は今ここにいることができるのよ
レイヴン
「ああ、そして、愛欲のルクスリアがそれを選んだから」
「マリーがいたから」
「俺は今ここにいて、届かなかったはずの月に手を伸ばせた
マリー
「…ふふ、貴方があの場で言ってくれたこと、私とても嬉しかったのよ」
「私にとって愛は苦しいことの方が多かった、それだけじゃないのはもちろんわかっていたし、わかっているけれども」
「…貴方が教えてくれたのよ、レイヴン。私は貴方に出会って、貴方に恋をして、あなたを愛してよかったと心から思ってるし」
「きっとずっと思うのでしょうね」
マリーは微笑んだ。それは…外に浮かぶ月のような、穏やかな笑みである。
レイヴン
「本当の最適解は、マリーを殺して、愛欲の獣ごと消滅させてしまうことだっただろう。そうすれば、もう一度、獣と戦うこともなかったはずだ。だが──だが──……最適解が、正解であるとは限らない」
「今、ようやく人類が獣に手が届いたように、遠回りした先に……正解が、最高の答えが掴めることだってある」
「……俺は何も教えてもらってないさ。マリーがくれた愛にようやく気付けて。そして──俺も、マリーのことををどうしようもないほどに愛しているということにようやく気付けて」
「今ようやく返せてると思ってる。同時に──これからは分かち合うんだと思ってる」
「あの時、告白した時、俺は『愛したい』といった。今思えば、本当に馬鹿な話なんだが。マリーが俺のことをずっと思ってくれたと知った時……嬉しくなって、その思いに答えようとしたのは事実なんだ」
「でも、手紙を送る時に考えた」
「その思いにこたえるのは──1人の女性として君を愛しているからか?」
「そのモ位にこたえるのは──1人の仲間として親愛の情を抱いているからか?」
「──それとも、単なる欲望で君が欲しいからか」
「……でも、些細な問題であることに一緒に過ごすようになって」
「そしてこの世界で君のことをしって」
「ようやく気付けたんだ。結局、全部だということにな」
と、息を吐いて。そして涙をぬぐって、マリーの目をみつめた
マリー
「…貴方に言わせてばかりだから、私も言えたと思ったのに」あなたにはかなわないわね?と微笑んでいる
レイヴン
「今なら自信をもっていえる。マリー、君のことを愛してる」
「冒険者である以上、どこが終着点になるかはわからないが──それでも、こんな過去に囚われるのはもう終わりでいい」
「だから、王都に帰ろう」
「そして、俺たちが子供のころに手に入れられなかった『当たり前』を取り戻そう。一緒に」
マリー
帰る、という言葉は自分にとって縁遠い言葉であった。マルグリットであるときは、帰る場所というものは、なかった
マリーとして生きてきた人生でも、孤児院の先生達は優しくしてくれたけれども、どこかでここは自分の居場所じゃないとも感じていた。
今思えば、愛欲の獣が夢を通して干渉し、そう思わせていたのであろうが。
レイヴン
「過去を消すことはできない。俺とフランメの過去も。そして、マリーが今まで築いてきた果てしない過去も。でも──その過去を共有して前に進むことはできる」と、マリーの手に自分の手を重ねて
マリー
…ああ、そうか。
頬にあたたかい何かが流れる。思えばこんな風に泣いたのは…初めてかもしれない。
マリー
マルグリットであったころ、そんなものなどないと諦めていた。誰かが助けてくれるなんて、おとぎ話だと。
『素敵じゃないですか。マリーさんの方が頑張って恋をしただなんて』
『なら、今がどうか聞かせて貰おうじゃねぇか』
『もう態々手加減してあげるような、水臭い仲じゃないでしょ、我々』
「っ………」少しだけ嗚咽がもれる。声にならないほどであるが。そしてあたたかいその手を握り返した
「私も、帰りたい…っ」
あのときかえれないと言った少女は望みを口にした。
レイヴン
その手を握り返してくれたことを確認して「ああ──だから、俺たちができることは……」と、言って彼女を抱きしめる。そこには震えも、女性に対する動揺も一切存在しない。
大切な人を離さないという決意を胸に
マリー
「みんながいるところに………貴方がいるところに……っ」
「…貴方が好き」震える声で。常ならばある余裕さはそこにはない。レイヴンの腕の中、彼を見上げて
レイヴン
「──俺も好きだ。愛してる。だから、俺たちは最後まで俺たちらしく戦おう」
「そのためにも、今は──泣けるだけ泣いておこう」と、こちらの声も震えている。
マリー
「愛しているわ、レイヴン」それはマリー(ひとりの少女)としての言葉である。
レイヴン
「……マリー……」と、その言葉を聞いて、お互いに顔はぐちゃぐちゃになっているだろうが。しっかりと彼女を見据えて
「愛してる」
と、彼女の髪をかきやり──そして、唇を重ねた。
実はフランメが奪えなかったものが一つある。あの女は、彼を完全に篭絡してから絶対服従の証として、最後に唇を奪おうとしていた。だが──完全に落とし切る前に、烏は蝶と出会った。このことが語られるのは──おそらくはこの物語が終わってからのことになるだろう。
ただ、ただ一つ言えることは
これが彼の初めての接吻であり、そして、この過去を断ち切る決意の表れであるということであった。
 
 
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BGMを削除 by マリー
マリー
おつかれさまでした
レイヴン
おつでした
これで
心おきなくたたかえる
20201123_0
マリー
おつかれさまでした

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