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勇者の挑戦

20201005_1

!SYSTEM
ジャックが入室しました
!SYSTEM
カレンが入室しました
カレン
はい
メスガキです^^
ジャック
ぜったいまけない!
カレン
;;
 
 
カレン
描写はそちらからの方がよさそうだ
ジャック
おうさ
季節的にだいたい夏の終わりごろであってるよね(たぶん
カレン
うむ
リアン地方、イルスファール王国。
暑さもなりを潜めはじめ、夏の終わりを感じさせる季節になってきた頃。
冒険者ギルドではラーグ平原に現れた奇妙な魔域の対策に頭を悩ませられていた。
遠く、オルトラント地方からやってきた協力者を得て、有効と思われる対抗手段を手にしたという報告を受けたのがつい先日の事
それを形にして実行に移すには、もうしばしの時が要る――そんな季節の移り変わりのような間隙の出来事だ。
 
ジャン・ジャック=カモミーユはとある約束をしていた。
件の奇妙な魔域の最初の調査に携わった時に、同行した仲間の一人と交わした他愛もない約束だ。
この一件が報酬代わりに片付いたらデートをしよう、そんな内容の……真面目に考えれば冗談か社交辞令のようなそれを
彼は間に受けていたのだ。
カレン
かわいそう
そして、その後も件の魔域に関わり、挫折を味わって一念発起して修行に明け暮れたりする羽目になり、その約束は棚上げになっていた。
ジャック
;;
なんと、彼はそうして先送りしてしまったことに罪悪感すら覚えていたわけだ。
なので、その日、偶々、約束の相手(カレンデュラ)と出くわした、ジャン=ジャック・カモミーユのとった英雄的行動とは――
 
 
カレン
広告かな???
ジャック
「すまねぇ!!」 直立不動の姿勢から上体を直角に折り曲げた謝罪であった。
ジャック
黒塗りの高級車にぶつかった感
カレン
「え?」と、その英雄的な行動に目を丸くした「ええと……ジャック先輩、私に何か謝るようなこと……されました?」と、珍しく驚いた様子である。
ジャック
場所は星の標、店内にはまばらといえと人の目がある中でのことだった。
「その、あれだ……例の、特別、報酬的な…あー……デート、とか、な…?」顔を上げ、何とも歯切れが悪く
カレン
「……──ん。羞恥プレイでしょうか。ふふっ、それも構いませんが……」と、周りの目がこちらに向いているのをみて。
「あ、あ、あー……あー……」と、デートという言葉に
ジャック
「わ、忘れたとか、ほっぽといた訳じゃねぇんだ!その、あれから修行やら物入りで金欠だったりとかで……あぁっ、とにかくすまねぇ!」
カレン
「──」少し考えたようだが、ほんのちょっぴり顔を赤くして「ふふっ、そういえば、そういう約束でした。──では、行きましょうか。私、先輩が来てくれるのずっと、待ってたんですよ。待ちくたびれて、涙が溢れそうな毎日でした」と、手を掴んで
ジャック
「つーわけで、その、お前ぇが空いてる時で構わねぇから、オレにチャンス……ぅをぉっ!?」
カレン
「未来の大英雄が、こんな風に土下座している姿なんて、私も見たくありませんし、皆も見たくないでしょう。さあ、行きましょ行きましょ、先輩♡」
ジャック
「い、今か!?」
「土下座までしてねぇよ!?」
カレン
「晴天の霹靂~」
とか、ちょっと上機嫌な様子でジャックを引っ張っていく「はい、今からです」とか何とか言いながら
ジャック
「だ、だって、お前ぇ、こーいうもんは支度とかイロイロあんじゃねぇのか…? いや、まぁ、オレは殆ど……!? いや、ま、待った、ちょ、ちょっとココで待っててくれ!取ってくるモンがあんだ!」
カレン
「そうですか。ふふっ、分かりました」
「私、いつでもデートに誘われてもいいように、いつも整えていましたから。でも、殿方を待つ時間も私は好きですのね」と、ほほに手をあてて
「はい、待っています。先輩」
ジャック
残念ながら女性に身支度をする時間を与えるとか、そんな発想ではないだろう。なにせジャックなのだから。
カレン
「──しかし、そうしましょう。少し時間がありますが……」
「ふふっ、折角なので少しおめかししちゃお……あ」
「(部屋、掃除してませんでした……ま、まあ何とかなるでしょう)」
ジャック
10分ほどして、ドタバタと戻ってきた彼は武装こそしていないものの、いくらかの荷物を詰めているであろう背負い袋を携えていた。
カレン
と、言っている間に来たのでその計画は取りやめた
ジャック
「わ、悪ぃ、待たせちまった」
カレン
「あら、これは?」と、背負い袋を見て
「ふふ、クリスマスにはまだ早いですよ? 先輩」
ジャック
「あー……えっと、よぉ…こういうのはホントは街ん中でシャレた店とか回るモンだってのは、まぁ分かってんだけどな…」
カレン
「ええ」と、ジャックの言葉を聞いて
ジャック
「オレぁ、そういうのはチンプンカンプンでさ……外に行かねぇか? いや、そんな冒険みてぇなんじゃなく、すぐ近くまでだけどよ…?」抱えた荷物の詳細は明かさなかったが、ピクニックだかハイキングに関わるものなのだろう。
とすれば、彼なりにこの日に備えていたということになる。奇跡か?
カレン
「外──ですか?」と、少しきょんとした表情を見せて「ふふっ、ええ、先輩がそれが良いと判断したなら構いませんよ」
「花街をゆっくり歩くのもよいかなと思っていたのですが。そうですね、自然の中でデートというのも悪くありません。でも、私……そういったピクニックなどの知識は少ししかありませんので。先輩、エスコートお願いしますね」と、ジャックの顔を覗き込む。ふわりと、フローラルな良い香りがした。
ジャック
「判断、か……良いかどうかは分かんねぇよ、ぶっつけ本番さ、いつものな」ポリポリと鼻の頭をかいて
「むぐ」漂ってきた香りにクラッと後退りそうになり、ぐっとこらえた。
カレン
「そんなに緊張しなくとも、まずは楽しみましょ? 先輩。私、先輩とデートできることが楽しんですよ?」
「きゃっきゃっ」なんだかんだ、楽しみにはしてくれているようだ。
ジャック
「あー、靴はそれで平気か? 山ん中とまでは行かねぇが、ちょいと歩いて貰う事になんだがよ」 ここでようやく相手の恰好を気にするのだから実にジャックだ(誉め言葉ではない)
カレン
「結構歩くんですね? ふふ、では先輩の言うことに従って……ええ、いつもの冒険者の装いにしましょう」
ジャック
「つっても、王都っからも見えるとこなんだけどな……北門出た先に麦畑のあるちょっとした丘になってるとこあんだろ? あの辺だぜ」
歩きでは1時間程度の場所だ。
カレン
「先輩におんぶしてもらうのありかと思いましたが……」とウィンクしながら「私……お尻大きいって言われるんです。どすこい……」なぜかむすっとして
「ああ、なるほど。かしこまりました。では、着替えてまいります。外に出るのですから、丸腰というわけにはいかないでしょう。多少の準備をしてまいります。そうですね……。王都の玄関口で待ち合わせ、というのでいかがでしょうか?」
ジャック
「お、おう。急な話で悪かったな……ああ、それで構わねぇ」
カレン
「はい、では後程」
ジャック
待ち合わせを決めて一旦分かれることとする。
ああ、先に行く先を伝えておくべきだった、と今更過ぎる後悔をしたが、パァンと両手で自分の頬を張り気合を入れ直した。
カレン
かわいい
ジャック
そしてようやく周りの視線に気づくのだ。
「なんだコラぁ!見世物じゃねぇぞ!!」
どう見ても見世物でした、本当にありがとうございました。
 
 
ジャック
はっ、どすこい聞き逃してた…
カレン
そうだぞ
どすこい
王都イルスファール、北門。
かつてはラーグ平原方面の各都市へと続く主要街道に臨む花形の大門であったが、近年は鉄道の発展に伴い、輸送・交通の主役を奪われつつあるとか
これから向かう先の田園地からして、鉄道によって運ばれてくるデライラ産の安価で質の高い小麦に翻弄されつつあるという話もちらほら…
そんな、時流の変化を感じさせる場所に待ち合わせた二人……
ジャック
「……」こちらは準備は既に済んでいたので、あのまま向かってきたようなものだ。
カレン
「はい、お待たせしました」と言いつつやってくる。ジャックがいつも依頼で見ているような手品師のような服装だが、歩きやすい靴を履いていることから今回のジャックのデートプランに見合ったものだとわかる。
ジャック
鎧は着ておらず、武装はといえば枝払い用の手斧にナイフ。なんというか田舎からやってきた農民上がりの青少年といった風情だ。
「無理言ったのはこっちの方だぜ、つき合ってくれてあんがとよ」
カレン
ただ一つ言うならば、香水の匂いが変わっているかもしれない。先ほどのように甘美ではあるが、ジャックのような青年?には刺激が強いものではなく。サボン系。つまりは石鹸の香りをベースにした優しいものだ。パヒューマーであるから、これくらいの準備はすぐできるのだろう。
「いえいえ、折角、デートを考えてくだったんですもの」
「あの星の標で、ああいう風に誘われるなんて……もしや愛の告白……? なんて思って、とてもドギドギしましたけど。ふふっ」と、いつも通りのからかうような笑みを浮かべながら
ドキドキ
ジャック
「考えた……おう、いろいろ、そのな、詰め込ま…勉強はしたんだけど、結局、分かん無くなっちま…うぇぁ!?」
「ば、バッカ野郎、そりゃいくらなんでも早ぇだろが!?」
カレン
「早い?」と、首をかしげて
「なーんて、冗談です。さあ、デート行きましょ? 先輩」
「時間は有限です。だから、有限な時間を有意義に使うのも大人のたしなみですよ。ふふっ」
「まあ、私15歳なんですけど」
なんていいながら、先を歩いていこうとする。
ジャック
「あーっ。うっせぇ、そら、い、行くぜ」 背負い袋を片手に、もう片方の手をぬっと突き出した。
カレン
「あら?」少し考え「やだ、先輩。繋いでほしいんですか?」と、手で口を押えて
カレン
メ ス ガ キ
ジャック
「~~~っ」差し出した手をプルプルさせながら悶えた。
カレン
「はい」と、繋いで
ジャック
「お、おう!悪ぃか!」
カレン
「ふふっ、その反応が見たかったんです。では、先輩。エスコートお願いしますね?」
と、何だかんだ楽しそうな様子を見せているようだ。
ジャック
「くぅ…っ」予定の通りではあるのだが、羞恥と謎の敗北感に打ちのめされつつ、自分とは全く違う手の感触にドギマギとしながら
「お、おう……」手をつないだまま、ずんずんと街道を進み、北へ。
晩夏の田園の景色は、深緑から黄金へと切り替わる合間だ。
カレン
「……ぁ」と、黄金色に輝く田園の景色を見て
ジャック
ところどころ、疎らだったり、ある一面だけ黄金色になっていたりと統一感が無い。
「ああ、あの辺は刈り入れの早ぇやつだな」
カレン
「……自然を感じますね、こういうの見るのあまりなかったから、新鮮です」
「なるほどなるほど。さすが先輩お詳しいですね」
ジャック
「自然って、お前…この辺の麦はみんな人が植えてんだぜ。人が土ぃ耕して、種まいたり苗を植えたりしてな」
カレン
「普段の食もそういった方々の営為に支えられている。人は助け合い、支え合っている。ということでしょうか」
ジャック
「雨やら風やらに泣いたり笑ったりしてよ、汗やら泥まみれになってなぁ……オレもガキん時はそんな暮らしだったぜ」
カレン
「──この仕事についてから、ようやく私もそういった感覚が身についてきましたが」
ジャック
「助け合うとか支えてるなんて大層なもんじゃねぇよ、いや、この辺の畑の持ち主はそうかもしんねぇけど」
カレン
「でも楽しそうです。昔のことをお話ししている先輩の様子は」
「そうなんです?」>助け合うとか
ジャック
「開拓村の貧乏農家はその日暮らしで手一杯だぜ」
カレン
「なるほど──」
ジャック
「で、それなりに暮らしがマシになった頃によ、思ったわけだ。オレぁ、一生クワ振って過ごすのか、ってな?」
カレン
「ええ、ええ」
ジャック
「そんで家を飛び出して、すったもんだの挙句が今のオレってわけだ。人生ナメてたな? 良く生きてたぜ」へへっと笑い
カレン
「けれども、今の先輩は。少なくとも最初にお会いした時よりも、剣の腕も、魔法の力も。それに他者とのつながりも強固なものになっている。ふふっ、良く生きられた分、得たものはあるのではないですか?」
「先輩、楽しそうですもの」
ジャック
「ま、突っ走んのが性に合ってたってこったろ。後はぁあれだ。周りの連中に恵まれてたんだろな」
カレン
「そうですね。私も周りの方々に恵まれたということは同じです。……代わりに聞こえなくなったものもありましたが……。でも、今は楽しいと感じていますから」
「お互いに良い縁に恵まれたかもしれませんね」と、ジャックを見つめて
ジャック
「今まで散々、アホやら無茶やらかしてんのによぉ、ここの冒険者ときたらお人好しばっかかよってな」
カレン
「私も胡散臭い胡散臭いっていわれて
「最初は煙たがれていましたし、いえ、今も煙たがれれるのですが。それでもおせっかいを焼いてくださる人がいて──」
「……予定にもなかったランクも申請して──」
「……ええ、本当に色々ありました」
ジャック
「あー、その、なんだ……お前ぇは、その、胡散臭いつーか…」
カレン
「うん?」と、カレンを見て
カレンじゃない、ジャック
ジャック
「気ぃ悪くしたらすまねぇんだがよ……嘘臭い? あ、いや、演技つーのか? 作ってる?……よな?」
カレン
「え? 作ってる?」
「……」目をぱちくりさせて、少し悩んで。あまり見ないような思案顔を見せて……んー、と悩んで。そして、もう1回ジャックを見て。
「……いえ、素のつもりだったのですが」
「でも、確かに嘘くさいだったりとか、演技臭いというのはよく言われます。ええ」
と、別に気は悪くしていないようではある。
ジャック
「あー、オレぁアホだからよ、そんな風に思っちまっただけかもしんねぇけど」
「いつものアレ、センパイとかいうのも素でやってんのか、あれ??」
カレン
「……私より年上が多いから間違いないかなって。おそらく最年少ですし……」
「それに、先輩って呼ぶのなんだがかっこいいではないですか」
「……ジャック先輩はお嫌だったりします?」
ジャック
「んなもん気にするこたぁねーだろ。年食ってようが若かろうが強い奴は強ぇし弱ぇ奴は弱ぇ」
「お前ぇはしっかりやってんじゃねぇか、胸張れってばよ」
カレン
「ふふっ、そうですか」と、褒めてくれたことに「そうですか」と、もう一回かみしめるように言いなおして
ジャック
「別に嫌ってわけじゃねぇけどよ……ま、最初はおちょくってんのかコイツって思ったんだけどな」
カレン
「ありがとうございます。これからもできる魔術師として頑張りますね」と、笑みを見せる。本人は気づいていないが、作り笑顔っぽくない素の笑みのように見えた。
「やっぱりそう感じるんですね。んー……勉強がひつようですね」おちょくってんのかコイツに関しては思う所があるようで考えてる
ジャック
そんな話をしながら、街道の主道から外れて用水路の脇のあぜ道を伝い、小麦畑に覆われた小高い丘へと到着する。
「よし、ここだ」
カレン
「あら、到着ですか。おしゃべりをしていると、短く感じましたね」
ジャック
王都の北。小高い丘の上からの景色は、はっきり言えばそれほど恵まれた景観ではない。丘の上にはため池があり、周りは畑ばかり。遠く、ユスの森とニデア山が見えるがそれだけだ。
「だな、よく走り込みに来てるとこなんだけどよ、そん時よか短く感じたぜ」
カレン
「ふふ、先輩の秘密のトレーニングコースでしたか」
ジャック
お世辞なのか本気で言ってるのか、そんな言葉を口にしながら背負い袋を下ろすと中から折り畳みの小さな椅子を取り出して、ため池のほとりに置いた。
「そこ、座れよ。そら、これ」更にゴソゴソと荷物を取り出していく。手渡したのは木のカップだ。水袋も取り出して中身を注ぐ。水のようだ
カレン
「はい。ありがとうございます。では──失礼しますね」
と、お上品に用意された椅子に座って。「依頼以外でこういう形で外に向かうのは初めてです。なんだか緊張しますね」なんかいってた
ジャック
取り出したる荷物はと言えば、バケツ、細く短い木の棒、糸、ちいさなフライパン、ナイフ、スキットル、食器、etc、etc
どうかっ詰めていたのか、雑多な荷物がキャンプ時の底敷きに使い古された布の上に並んだ。手品のようだ
カレン
「……空間拡張の鞄を使っている。わけではないんですよね?」
と、手品のように次々と出される調理器具や、道具を見ながら
ジャック
「詰め方ってもんがあんだよ、コツがな。喉はまだ渇いてなかっか? まぁ、いいや、じゃあ、これ、お前の分な」
カレン
「あ……」と、渡されて
ジャック
そう言って、カップに次いで渡してきたのは先ほどの細く短い木の棒だ。
先端に糸が括りつけられ、糸の先には何やら千切った干し肉のようなものが
カレン
「ええと……これは……? 焼いて……食べる?」
ジャック
「バッカ、お前、そんなもん食ったってハラの足しになんねぇだろ? 池ん中、見てみろよ」ため息の縁の辺りを指差した。
カレン
ジャックの指の先のを追い
ジャック
やや濁ったため池は、縁を木の板で補強されている。その木と木の隙間、ジャックが指差したあたりに赤色の何かが要る。
ハサミを持ち、エビのように見えるそれは……いわゆるザリガニだ。
カレン
「……ザリガニ?」
ジャック
「そいつを餌に奴らを釣り上げようってわけさ」
「あ、お前、まさか……え、エビとか食えなかったりするか!?」
カレン
「ああ、いえ。そういうことはありませんが」
と、簡易の釣り竿を持ってみて
「これ、どうやって使うんです?」
ジャック
「はぁぁ……やっべぇ、それこそ先に聞いとくべきじゃねぇか、アホかよオレ……」
「あ? どうもこうもねぇさ、こうやって――」自身ももう一本、同じような竿を手にして
カレン
「闇の妖精の力で放心状態にして捕まえるのではいけないのですか? 先輩」
「あ」
と、既に動き始めた釣り糸を見て
ジャック
スナップを利かせるとかそんな技術も何もなく、ただポチャンと、池の縁の辺りに落とした
「これから秋になんだろ? こいつら、冬には泥ん中に潜って寝てすごすんだ。だから今は入れ食いってやつだぜ」
カレン
「確かに。生物学上では、そうなりますね……ああー……ああー」
ジャック
「妖精連中になんざ頼んだら、池ん中の魚から虫からみんな浮いてきちまうだろうが」
カレン
と、知識上では知っているが、ジャックのように応用ができていない。学はあるが、実践できない良い典型である。
ジャック
「まぁ、いいから、やってみろって」
カレン
「……え、ええ」と。ジャックの動きを見ていたので、流石に変なハプニングが起こることはなく、池のふちあたりに、餌を落とした
「……なるほど?」と、釣り竿を持ちながら首をかしげている
そこに普段の余裕な笑みはなく。ただただ、新しい経験にぽかんとしている様子が見て取れる。
ジャック
濁った水の向こう、獲物の姿は見えている。駆け引きも何もない。餌を落とせば向こうから勝手に食いついてくる。まさに入れ食いだ。
カレン
「あ、かかりましたね。えっと、釣り竿をひけば……、あ、釣れた」
「……」
ジャック
「こうして、掴んで来たら、少し食いつかせてから……な?簡単だろ?」
カレン
「ええ、魔力も使わず、ガメルも使わずここまでのことができるなんて」
「なんだが不思議です」といっているうちに、もう一回竿を投げていた
竿というか、餌
ジャック
バケツに何を思ったか、石をいくつか拾って入れ、ため池の水を汲む。その中に釣り上げたザリガニを放り込む。
「不思議かぁ? 流石に手づかみだと難しいんだけどな」
カレン
「こういう経験したことがなかったので。とても新鮮です」
ジャック
「金はまぁ…糸と餌代がちょっとってとこだな?」
カレン
「なるほど」とかいいつつ、ジャックと共にザリガニを積み上げていく
ジャック
「マジかよ、オレぁ冬以外はしょっちゅうこいつらを獲っては食ったもんだぜ」
「まぁ、昔は適当に塩で茹でて食うだけだったがよ」
カレン
「私、気づいたときには孤児院にいて。ただ、孤児院で唯一魔法が使えたので、皆から避けられていて──でも、それなりの待遇は受けていて。ただ、魔神に村が襲われて。偶々、助けがあって生き延びて。はい。それから冒険者になるまでは、花街の商売をして過ごしていたので……ふふっ、ある意味こういうサバイバルな経験をしたことがありませんでしたから」
「はい、とても新鮮です」と慣れてきたのか重い発言をしながらも、楽しそうに再び釣りを続けていく。
ジャック
「あれはあれでまぁ美味ぇんだが、家出した後に転がり込んだ傭兵共んとこで、料理仕込まれてなぁ」なんて話をしていたら
「そっか、お前ぇ、孤児だったのか……って、魔神に、村が!? な、なかなかハードな人生送ってんだなぁ……」
カレン
「はい。そうなんです。ふふっ、良家の令嬢だと思いましたか?」
「もしかしたら、生まれはそうなのかもしれませんけど。ふふっ、そう思ってくれたなら、なんだか嬉しいですね」と、ザリガニを増やしながら
ジャック
「オレよか良い暮らしをしてきたのか、なんてアホなことしか考えてなかったわ…」
カレン
「ふふ、花街で商売をしていると。今ほどではありませんが。というより、今が異常すぎるだけですが、それでもガメルは稼げましたから」
「ある意味、楽をして過ごしてきたのは間違いありません」
ジャック
「……楽じゃあねぇだろ」
カレン
「そうです?」
ジャック
「お前ぇはサバイバルっつーけどよ、こんなもん、田舎暮らしじゃ普通の生活の一部だぜ」
カレン
「え……?」
「そ、そうなんですか……」と、びっくりしてた
ジャック
「けど、お前はお前で、そういう暮らしとは全然違ぇ環境で生きてきたんだろ」
「そいつを楽だなんて言えやしねえさ。なんせ、オレにゃあ想像もつかねぇんだ」
カレン
「……」ジャックの発言にぽかんとしていたが
「そうかもしれませんね。なるほど……なるほど」と、2回頷き
「実際に体が売ることはそこまで抵抗はありませんでしたし。幸い優しい方々をお相手することが多かったので、そちらはそこまでだったのですが……。はい。孤児院で1人でいた時と。それと魔神におそわれた時は……寂しかったかな」と、ふと、本音らしきものが出て
「楽じゃなかったかもしれません」
「でも、そういってくれて。先輩。ありがとうございます」
ジャック
「オレさ、あの店に来てから色んなやつに会って、なんかすげぇ因縁だか星の下で生きてんだなって奴とか見てきて」
カレン
「ええ、ええ」
ジャック
「お前ぇもそういう特別な奴かなって、思ったんだ」
カレン
ジャックの発言を静かに聞いている
ジャック
例の奴等とかよ……」 星座にまつわる魔神や怪物と出くわした時、彼女は深く事情に通じているように見えた。そのことだ。
カレン
「……」目を瞑り考える
ジャック
「そのくせ、いっつもヘラヘラ、余裕か線引いてんのか分かんなかったけどよ、まぁ、そんな事考えてた」ポチャン、とバケツにザリガニを放り投げ、また釣り竿を池に向け
カレン
「ふふ、胸が痛いです。ヘラヘラしているつもりはなかったんですが……」
「やっぱりそう見えてしまうのは……ダメですね」
ジャック
「わ、悪かったよ、てか、つ、続きがあんだってば」
カレン
「続き?」
ジャック
「で、アズハール、あいや、ネフィーか?どっちもでいいか」
カレン
と、釣り竿を池に向けて
ジャック
「あいつの魔域ん中でよ、オレ、飯作ったろ?」
カレン
「はい。とても美味しかったです」
ジャック
「そしたら……いつもと全然違ぇ顔してやがんのな、お前」
カレン
「……そうだったかしら?」と無意識だったようだ
ジャック
「まぁ、その、なんだ……もっぺん、どんな顔すんのかと思ってよ…で、連れてきた」
カレン
「……ということは、料理を先輩作ってくださるんですね。うふふ、予想はしていましたけど」
ジャック
「ど、道具見りゃ分かんだろ」
カレン
「はい。さすがにそれは分かっていて」
「期待してました」ウィンクをする。これはいつものカレンの表情だ。
ジャック
「……」渋面を浮かべた。まぁ、顔が赤いので作ってるのはお察しだが
「よ、ヨシ、とりあえずこんなもんか…」 立ち上がり、バケツを覗き込む。中はザリガニと石ころ、濁った水で満杯だ。
カレン
「いっぱいですね」ほっーって顔してる。今日は表情がよく動く
ジャック
「妖精の使いどころって奴を見せてやらぁ――『そこに居んだろ手伝ってくれ』」バケツに手を向け、水の妖精に呼びかける。
ピュリフィケーション!
2D6 → 5[4,1] +11 = 16
カレン
やるじゃん
ジャック
濁った水が透き通り、細かな藻や砂利が取り除かれる。残ったのは清水とザリガニ、そして石ころだ。
カレン
「ふふ、先輩もお友達(妖精)に懐かれていますよね」
ジャック
「で、だ……こいつを、と」スキットルのふたを開け、中身をドボドボとバケツにそそぐ。強い酒精――蒸留酒の香りがする。
カレン
「……彼女たちも綺麗所が多いのに……女性にあがってしまうのはどうし……」
「はっ」
と、酒が注ぎこまれているのをみて
「おおお、お酒ですか?」
ジャック
「ぺちゃくちゃうるせぇんだけどな」実はさっきからずっと、ため池の中から揶揄するような声が聞こえていたとかなんとか
カレン
と、珍しく動揺した声をだす
カレン
ヤーイヤーイジュピィージュピー
ジャック
酒を注ぎこまれたことで、ザリガニがバタバタと悶えている
「おう、水がきれいになったって、こいつらそのまんまだと泥臭ぇだろ?こうして酒入れて臭いをトバすってわけよ」
カレン
「ああ、ああ、そ、そそそ、そうなんですね……?」と、理屈は分かっている分かっているのだが……
「そうそう。私はお酒は平気なんです。はい、大丈夫大丈夫。大丈夫やから……」
ジャック
「おら、暴れんな、へへ、観念しやがれ」まるっきり悪役のような台詞を口にしながら、ザリガニが暴れるバケツに塩とハーブなどを放り込み、鍋の蓋をかぶせた
「安心しろって、オレも下戸だから、酒は全部、こうやって――
『来い!火トカゲ!こいつをガンガンに熱くしてくれ!』 バケツにヒートメタルをかけた
2D6 → 8[4,4] +11 = 19
カレン
「な、なるほど……すごい次々と」
「……」
「もしかして、ジャック先輩のやり方を覚えれば、私も料理できるように……」
ジャック
バケツが赤熱する。中からジュウという音の後、ぐつぐつと煮立つような音がする。
カレン
といえば、突然。カレンの後ろから。光と闇を司る猫の妖精が出てきて「いえ、カレン嬢の生活能力の無さからすれば、それはいささか厳しいかと」と、言って去っていく
ジャック
「さっき、底に石ころ入れたろ?あれで、中の奴らがバケツの底に張り付いて焦げ付かねぇって寸法さ」
カレン
「……」と、少し黙ったが。その調理されていくザリガニを見て
「す、すごい……」と、手を口に当て。目を見開いて感心していた。
ジャック
「普通にやってりゃ石ころも念入りに洗わねぇとだけどな、そこはそれ、オレら(フェアテ)ならではってやり方だぜ」
カレン
「……無駄がないのに、タネがしっかりしてる。ほんま手品みたい……こんなんできる人いるなんて……」と
「なるほど……」と、感心してる。一瞬訛ったようだが
ジャック
「前に肉焼くのに試したら黒焦げになっちまったし、スープも焦げ付いちまったけど、これならイケるんじゃねぇかってな」
カレン
「やっぱり失敗はするんですね……ええ、分かります。新しい手品を試すときは、まずは失敗から入りますから。でも、そういった試行錯誤の果てにできるのが相手を楽しませるパフォーマンスであって……はい、今日のお料理みたいにうまくいって……」
ジャック
煮立ったバケツから噴き上がる蒸気は、今や酒精の香りは飛び、ハーブと甲殻類の出汁の匂いがする
カレン
「……おいしそうです」
ジャック
「おいおい、まだ終わりじゃねぇぜ。こっからさ」
バケツの熱が下がった頃合いを見計らい、蓋を取る。真っ赤に色づいた茹でザリガニを一匹取り出し、尻尾を引っこ抜いて殻をむく。
「ま、先に味を見とくのは構わねぇぜ。こりゃあこれで美味ぇかんな」殻を剥いた茹でたての尻尾をカレンに差し出し
カレン
「……よいのですか。では、失礼して」
と、食べられるようになったソレを口に入れると
ジャック
やや小さな身だがエビだ。完全にエビだ。泥臭さは感じられず、塩とハーブで味と香りがついている。
カレン
「おいしい……」と、あの魔域で見せた時と同じような。いや、あの時よりも驚きの形の方が近いだろうか。そんな自然な驚きの様子を見せた。
ジャック
先ほど自分が釣り上げたものだという実感も味わいを彩っているのかもしれない。
カレン
「……あの泥がついていた時からとは思えない上品な味わい。あの状態からこんなに……」と頬に手を当てながら
ジャック
「人参だって芋だって掘った後は泥まみれだろ?」
カレン
「なるほど、道理です──」
ジャック
尻尾を引っこ抜き殻を剥き、身と殻をより分けていく。頭と殻はナイフで刻んでフライパンに入れ、油で炒める。堪らなく香ばしい匂いがする。
カレン
「……お見事としかいいようがありません……私からしたら手品のようで……」
ジャック
「種も仕掛けもあるぜ? 見ての通り、な」
カレン
「ぐぅ……見せられているからこそずるいです……」頬膨らませ
「手品は決して見せられないのに……」
ジャック
「よし、じゃあ、お前も手伝えよ、ほら、これだ。小麦粉な」木のボウルと小袋に入った小麦粉、そして水の入ったカップを目の前に
カレン
「小麦粉?」
ジャック
「混ぜて捏ねるだけだぜ、適当でいいわ」
カレン
「てき……とう?」
ジャック
「おうよ、手ぇ突っ込んでぐーるぐる、だ」
カレン
「手で」
ジャック
「殴ったっていいぜ」
カレン
「殴る?」
「ケット・シー?」
ジャック
「最初はベチャベチャしてっけど、そのうち生地になってくかんな」
カレン
「や、やってみます」
ジャック
「おう、頼むぜ!」
カレン
と、ボウルに小麦粉を入れるのはさすがに成功したが……
「水は、このカップだけでいいんです? あ、そうだ。折角だから、妖精のお力を借りましょう」
ボウルを満タンにすれば捗るんじゃないかしら?」
ジャック
カレンにパン生地を捏ねさせてる合間に、こちらは炒めた出汁殻と先ほどのゆで汁でスープをでっちあげ
カレン
『おいで、私のお友達』と、フラウを召喚しようとしている……
して、何やらこんな会話をしている
ジャック
「? 待て待て待て、そこはナシ!ナシだ!」
『帰れ帰れ!お前が手ぇ出したら凍っちまうじゃねぇか!』>フラウ
カレン
『何?』『このボウルを水で満タンにしてほしいの』『なぜ』『満タンにしてこねるため?』とかいっていたが
フラウ
『私もそう思うわ』
カレン
「えー……」
といって、ジャックに賛同して帰っていく
「じゃあ……私が出します。まず、先輩にもらった水をいれて……」
ジャック
「虫一匹殺すのに、大剣取り出すようなもんだぜ、そりゅあ」
カレン
と、まだ小麦粉をこねてすらいない
ジャック
ほどほどって奴があんだろ?人付き合いでもよ」
カレン
「でボウルに水がまだ足りないから、私が浄化の水をだして──」と、やけに難しそうな顔をしているが、非常に真剣な顔つきである。
が、ジャックが渡した水は適量のはずだ
だが、ボウルに次々と水が注ぎこまれようとしている
「……1回。2回。3回……」
ジャック
「おぉーい、カレン、おーい」
カレン
「はい、ほどほど……ほどほど……、はっ、はい」
と、ほどほどと繰り返していたが、ジャックの声がようやく届いて
「ええと、水を入れていました。先輩」
ジャック
「あー…だな、よし、ちょと貸しな」
カレン
「はい」と、ジャックにボウルを渡す
心なしか、ちょっと水が増えている
ジャック
「……そぉい」小麦粉を増やした 「ヨシ」
カレン
「あ、増えた」
ジャック
「オラッ!こうだ、こう…ッ」そして、無造作に手を突っ込んで少し捏ねてみせ
「ん……」再びボウルを突っ返した
カレン
「……はっ、なるほど」
ジャック
「粉っぽいとこが無くなるまでやっちまいな」
カレン
「……先輩のようにはうまくいきませんが」と、言いながらこねていく。腐っても冒険者だ。やり方さえわかってしまえばこねることぐらいはできただろう。
ジャック
「そういや、オレもはじめは粉をぶちまけて吊るされたり、ぶん殴られたりしてたわ、へへへ」
カレン
「先輩でもそうなんですね……よいしょ……と」と、小麦粉をこねながら
「……もしかして、この小麦粉に隠し味をいれたり…? 何かあったかしら」と、こねている間に余計なことを考え出す。
まさしく料理のできない典型だ
ジャック
あいたフライパンに瓶詰の刻んだトマトとニンニク、オイルを開けて、むき身の尻尾と共に軽く炒めつつ、ちらちらとカレンの様子を見る。
カレン
何とか任務を遂行しているようである。時々何かを思考するように手が止まるが
ジャック
そもそも、彼女に手元に他の調味料の類は無いのだから、生地を落っことすとか、その手のヘマが無ければミッション完遂はたやすいだろう。
ジャック
ハッ、時間平気か…?(い ま さ ら)
カレン
大丈夫だ
あと30分くらいなら!
ジャック
よく考えたらいったん中断して続きっからやるのも余裕だった
カレン
そうよ
セーブデータ保存されるし
ちょい、折角だし知りたがり野郎の話もするから、一旦中断する?
ジャック
童貞小僧なのでむちゅーでわすれてたわ(テヘペロ
いいね
カレン
てへぺろw
じゃあ、ここでキリいいし中断しておくか
和退社
私は
小麦粉と
闘ってる
ジャック
こいつをフライパンの裏に張り付けて焼いて無発酵ピザ生地もどきにして
ザリガニとトマトのピザとザリガニスープで完成さ
カレン
つ、つよすぎる
ジャック
勝利の鍵!胃袋を殴れ!
カレン
おいおい
こいつは
家事料理洗濯
全部技能0だ
???
ジャック
じゃあ、一旦中断しよう。長々とお付き合い感謝なのぜ、たーのしー
カレン
おつおつー
きほんたくないかぎりはあいているから
またやりましょう
ではこのままぬけ
ジャック
うむ
!SYSTEM
ジャックが入室しました
カレン
jao
はい
戻りました
ジャック
iyou
 
 
カレン
飯できてからお話しする感じだな
ジャック
その方が話がはやいな
カレン
描写はそちらの方がよかろうもん
その後は大きなトラブルもなく(カレンが何かやらかそうとする度にジャックが慌てて止めたわけだが)
カレンの練った生地で無発酵の平べったいパンを焼き、そこにジャックが調理していたニンニクとトマトベースで味付けたザリガニのむき身をたっぷりとのせ、炒めた出汁殻からとったスープというザリガニ尽くしメニューが完成した。
それは店に並べられる程の料理ではないものの、その場で獲った材料を使い、(作業配分はさておき)一緒に調理したというスパイスが加わって……
 
ジャック
「あむっ」大口を開けてザリガニピザもどきにかぶりつき、もぐもぐと咀嚼して
カレン
「……なんということでしょう」
ジャック
「むぐ、もむ」前に、おっさんから食ったまま喋るなと言われたのを思い出してごくりと呑み込み
「ヨシ! まぁまぁいけるじゃねぇか。なぁ?」口の周りをトマトソースで赤く汚してカレンの方を見てみれば何やら呆然とした様子だった
カレン
と、パンを持ちそして、あっという間に完成していく料理に驚いていた。家事、料理、洗濯などのスキルが0に等しいほど。いや、むしろマイナスといってもいいくらいにできない彼女にとっては
あのザリガニの集団がいつの間にかこのような麗しい料理に変身してしまうのはまさしく手品とでもいうべき所業だったのである。
ジャック
「どした? 実はトマト嫌いだったとかねぇよな? あ……ニンニクか?」そういや女は臭いの強い食べ物はよくないんだったか? やっべ、
カレン
「ぽけー」と、出来上がった料理を見つめている。
「ああ、いえ。すみません。思わず出来上がった料理に見惚れてしまって。それに私、普段はそこまで料理にはこだわらないものですから」と、首を振り
ジャック
「あー…その、まぁ、なんだ、とりあえず一口試してみねぇか? この生地、悪くねぇ感じだぜ?」
カレン
「ふふ、頂きますね。先輩」と、一口食べて「まあ……おいしいわ」と、言うと上品に食べていく。彼女自身、そこまで食べる方ではないゆえに、ガッツリは食べたいのだが。それでも心底、味を楽しんでいるようだ。
「……先ほど、仕込みのザリガニの味もいただきましたが……あれでさえ、素材の一つとしてこのような食に仕上がるとは……まさに手品のようです」と、手をほほに当てながら
ジャック
「オレもさ、しばらく料理はしてなかったんだよな……あんまイイ思い出ってのか?無かったしな」
カレン
「そうなんです?」と、首を傾げ
ジャック
「おう、傭兵団に転がり込んだ頃はマジでただのガキだったしな? 掃除洗濯買い出し荷物持ちに加えて料理登板だぜ?」
「それも最初のうちは芋の皮むきやら何やらでよ、水は冷てぇわ、出来が悪ぃと殴られるわでロクなもんじゃなかったわな」
カレン
「そういえば、先輩は傭兵出身でいらっしゃるのよね? 標の先輩方で前職が傭兵な方は何人が存じ上げておりますが……」
「……やはり私などより、もっと過酷な毎日ではありませんか?」純粋に首傾げ
ジャック
「出身って言えるほどのもんじゃねぇさ、オレぁロクに戦場に連れてっちゃ貰えなかったしよ……今思えば、あの連中なりに気ぃ遣って‥‥いや、ねぇか」
カレン
「ふふっ……しかし、傭兵出身となれば……ジャック先輩が戦闘技術に秀でているのも納得ですね」
「斥候や野伏の技術はイマイチみたいですけど」と、悪戯っぽくウィンクした
ジャック
「やってること自体は開拓村の暮らしとそこまでは変わんねぇよ。あちこち点々とするのと、乱暴で飲んだくれなクズが多いくれぇか」
カレン
「なるほど──飲んだくれのクズ……」
ジャック
「秀でて、ねぇ……オレのは技術っつーか見様見真似だしなぁ……うっ…斥候は、しょうがねぇだろ…それこそ見様見真似じゃ覚えようがなかったんだっての」
「お前ぇの方こそ、よくイロイロ身に着いたよな? 妖精共はまぁ…勝手に向こうから来たのかもしんねーけど」
カレン
「むしろ我流でそこまで伸ばしてしまうところが、先輩の才能というべきところではないかしら? それに我流であるからこそ、まだまだ学ぶことも伸ばすことができる……英雄にもっと近づけますね?」とかいいつつ
「そうですね……野伏や斥候の術は難しいものですから。と、私ですか?」
ジャック
「他の魔法とかカードとか、大変だったんじゃねぇか?」スープをずずっと啜る。香ばしいザリガニ殻の出汁が良く出ている。
カレン
「妖精は……仰る通りあちらから。それも昔から声をかけてきて。なんだが、好かれるんですよね。波長が合うともいわれたりしました」とかいいつつ
「カードに関しては。趣味で昔から手品をやっていましたから。魔動機文明語を覚えればすぐにできました。操霊術や、今は真語の方も少し勉強する予定ですが、体系化されているので、割と本を読めば、できてしまいましたね」
「ふふっ、こう見えてお勉強は得意なんですよ」にこにこしてる
ジャック
「手品と魔動機文明語にどう関係があんだよ……オレはなんとかカード一枚使えるようにはなったけど、言葉の方はあんま自信が無いわ」
『ワタシ オベンキョ ニガテ デース』へたくそな魔動機文明語で
カレン
「あら、お可愛い魔動機文明語」と、手を口を押えて笑った。なんか腹が立つ感じだ。
「とはいえ、先輩方とは違い。私には剣も震えなければ、前に出て戦うこともできません。敵前に晒されてしまえば、瞬く間に死んでしまいます。種も仕掛けもない手品ができても、追い詰められれば終わりですから」
「そう思えば、魔法を扱い、知識を蓄え、先輩方をサポートすること。それは後輩としての当然の役割であると思っていますよ」
ジャック
「チェっ、言われなくてもクソヘタなのはわかってんよ」と不貞腐れてみせてから、先ほどのカレンの言葉を反復する。
「英雄に近づく、かー……どーなんだろなぁ……」空を見上げる、雲一つない青空が広がっている。
カレン
「どうかされましたか?」英雄に近づくについて
ジャック
「オレが昔なりたかった英雄ってのと、本物の英雄ってやつ、オレぁどっちに近付いてんのやら」
「物語の中の連中はなんかこう、一騎当千って感じでよ、それこそ一人で剣も魔法も使えて頭もキレるみてぇなのばっかじゃん?」
カレン
「ええ、ええ」
ジャック
「オレは確かに剣も魔法も使えっけど、そんだけだ。お前ぇは前に出て戦えねーっつうけど、オレが出来ねぇ大体のことは出来んだろ」
「料理以外、な」へへっ腹立つ感じの笑みを浮かべて見せた。先ほどの意趣返しだろう
カレン
「どうでしょうね……真面目な話をすれば、私は神の声を聞くことはなかったので。奇蹟を起こすことはかないません」
「む」
と、ちょっとぷすーとしたが
「ええもん……どうせ、料理も洗濯も家事もできへんもん……毎日魔晶石と交換でケットシーにしてもらってるもん……」
と、訛ったイントネーションが出たが
ジャック
「お前、そんなことであいつら呼んでんのか? 石代クッソかかるじゃねぇか」
カレン
「あまりお金使うことないですし……?」
ジャック
「洗濯なんざ、桶につっこんで石鹸ぶちこんで適当にかき混ぜてっから、さっきのバケツみてぇに浄化すりゃあっという間だぜ?」
カレン
「……」
「はっ」
気付かなかった顔した
ジャック
「ま、これもあいつら(妖精)の手ぇ借りられっからだけどよ」
カレン
「……ライフハックですね……」真剣な表情
ジャック
「思えば、オレ、そっち系でばっかあいつら使ってたなんだな、昔…」
「ら、らいすぱっく…?」なんだそりゃって顔で
カレン
「ふふ、内緒です」
「しかし、英雄ですか……そうですね。定義によるところもありますが……」
ジャック
「まぁ、お前ぇの場合は下手にあいつらの手ぇ借りるよか、てめぇの手でやる方法を覚えてからの方が良いかもな」
カレン
「私は。それこそ一般論的な話で申し訳ないのですが、英雄とはなるものではなく、いつの間にかなっていくもの。歩んだ道が自然と英雄の道に繋がっているもの、だと考えていますよ」
「うっ……」と、ジャックの言葉には図星だったようだ。苦い顔をした。今日は表情がコロコロ変わる。
ジャック
「オレがガキの頃夢見てたやつはまさに超人って感じで、まぁ実際、カミサマになったなんて話ばっかだったけどよ」
カレン
「ええ、ええ」
ジャック
「オレぁ流石にそこまでとんでもねぇ奴じゃねぇからなぁ」
カレン
「──どうでしょう」
ジャック
「いつかなってやる!って叫びながら突っ走るくれえしかねぇわ」
カレン
「いえ、もうなっているのではありませんか?」と、ジャックを見つめて
「……もし、マハーの民がまだ1人でも生きていたとしたら。私たちはあの消えてしまった国の英雄であることに間違いありませんし……。少なくともアズハールという1人の人間を救った英雄であるかと私は思いますよ」
「……きっと。英雄とはそれの積み重ねなのではないかと思っています」
ジャック
「……なってんのか? オレぁ……まだ、あのクソ野郎のあのイカレ女も……」
カレン
「ええ、英雄とはなるものではなく。道を突っ走る中で現在進行形で更新されていくものであるのではないかと私は思っています」
「……クソ野郎? イカレ女?」
ジャック
「マハー…アズハールにサーリー…なんか、そんなに経ってねぇのに、懐かしい気分だぜ」
カレン
「ふふ、私語っていてそれは感じました」
ジャック
「クソ野郎はクソ野郎さ……あの死にたがりの不死身野郎だよ……威勢よく突っかかってったのに、おとんだダセェ結果になっちまった」
カレン
「ああ……双子座の」と、その言葉を聞いて眉を下げた
ジャック
「……」カレンの表情が変わったのを目にして渋面を浮かべた。そんな表情をさせたかったわけじゃなかったのだ
カレン
「私が……いえ、今では追っているとも十分には言えませんが……。星座の魔神の力を扱う彼……のことですね。あの時は罠にまんまとかかってしまい申し訳ございません」
ジャック
「悪ぃ、思い出させちまってよ」
カレン
「いえ、大丈夫です。向きわなければならない問題ですので」
ジャック
「お前ぇが悪いわけじゃねぇよ。前張ってたオレらがあの野郎を引き付けきれなかった、そんだけだ」
カレン
「……彼と会うのはこれで2回目。一度目は、ご存じであるならばシグネ先輩やアネット先輩。そして“雲耀の剣”のライル先輩。“慈愛の盾”のアリエル先輩。そしてミネット先輩と一緒の時に遭遇しました」
「いえ、彼自身も冷静な戦いをしていましたから……一本取られたと把握しています。先輩方だけのせいではありません」>ジャック
「2回目は以前の件ですね……ただ、何でしょう……」
ジャック
「大物揃いじゃねぇか……そんだけの面子でも殺し切れなかったってわけかよ…」
カレン
「いえ、あの時は彼は、撤退して……。あの魔剣の能力を使って、再生するオーガーバーサーカーを生み出していましたね。……『僕は死ななければならない存在だ。が、君たちの実力を見定めてもらう』とかいいながら」
「……ある種、以前とシチュエーションは似ていたかもしれません」
ジャック
「……アイツらぁ、なんなんだ? さっき言ったイカレ女つーのも野郎の仲間みてぇでよ、射手座とかいったか?」
「あの後な、また例の魔域絡みの仕事でよ……アルなんとかいうあのイカレた女と戦ったんだ」
カレン
「イカレ女……。ああ、私、彼女とは実はあったことがなくて。あちらは私の存在を認識していてるようですが。アルテミアという名前であることは存じております」
「……そうでしたか」
ジャック
「死にたがり野郎とドッコイのふざけた奴だったぜ」
カレン
「──ミネット先輩も仰っていましたね。本当に心底嫌そうに」
「性格が悪い! みたいな感じで」
ジャック
「あいつ、よりにもよってお前ぇの事をよぉ……」思い出したらムカッ腹が立ってきて、ピザもどきの残りを乱暴にムシャムシャと食い散らかした
カレン
「私のことを?」
「ふふっ、嫉妬されちゃったかしら。私って罪な女ですね」と、なぜか嬉しそう
ジャック
「??」その表情を前に首をひねり、話の流れと自分の言った言葉を反芻し
「いや、その、あ、あれだぞ? お前ぇより上等な手品だとか抜かして、カードをやたらとバラまきやがって調子こいてやがったからムカついてだな!?」
カレン
「ふふ、分かっていますよ。先輩。私のことを思い出してくれただけでうれしいなと思っただけです」と、いたずらな笑みを返して
「……」沈黙して、そして口を開いた
「彼らは──」と一拍置いて
ジャック
「お、お、おう」
カレン
「星の力。星座の力を得た魔神。というものが存在するのですが、その力を取り込んだ魔具を使うものたちです。同時に”庭”という組織に属しているようですが、どこまで関連が深いかは分かりません」
「ただ、彼ら二人には上司がいるようで。その上司の管理下で動いているようですが……どうも言動を聞く限り彼らは彼らである程度、目的があって動いてるようです」
「……どうにも彼ら自身も、星の力をもつ魔神や魔道具を追っているようで……。だから、星座のマークが現れた魔域に必ず現れる。そう思ってもらって間違いはないかと」
と繋げた
ジャック
「………」聞いているうちに眉間に皺が寄っていく、話が難しから……もあるが、あの厄介な連中の更に上がいて、組織的な背景もあるということを突きつけられたからだ。
「………ヨシ!」
カレン
「ヨシ?」
ジャック
「つまり、出会った先からぶっ飛ばしていきゃ良いってこったな!」
カレン
「ま、まあ、そうなりますね…?」
「専門家の意見とかがあれば、もっとうまくは行くかと思いますが……?」
と、あまりの直球の意見にぽかんとなって
ジャック
「アジトなんざそうそう突き止められるとも思えねぇ。魔域で何をしてやがんのかもサッパリだけどよ」
「少なくとも、魔域をぶっ壊して連中もぶっ飛ばしてきゃ邪魔にはなんだろ」
カレン
「なるほど、単純すぎる解ではありますが──はい、ふふ、そうですね」
ジャック
「その、魔具だかなんだかもついでにぶっ壊すか、かっぱらっちまえば更にヨシ、だぜ」
カレン
「そういう風に割り切れるところはとても好感が持てますよ。ジャック先輩」
ジャック
言動が英雄のそれではなくチンピラかかっぱらいだ。
「オレぁ、アタマが回んねぇし、器用でもねぇ、手の届くトコから解決してくっきゃねぇだろ」
カレン
「ええ。ええ……はい」と、しっかり頷いて
「であれば、私も皆さんに知っていることを全部お話ししないといけませんね」と、目を瞑り
ジャック
「……お前、あいつらとなんか因縁があんだろ?」
カレン
「……あいつら、よりも星座の魔具にあります」と、素直に答えて
ジャック
「そっか……ま、正直、詳しく話されても難しいことは分かんねぇかもだけどな」
カレン
「ふふ、だから簡単に話します。私も持ってたんです。あの星座の魔具。魔神の力は感じられませんでしたし、なかったみたいですけど」
「持ってたんです。ミネット先輩にあげてしまいましたが」と、カミングアウトした
ジャック
「ミネットぉ!? あいつ、そんなもん持ってたのか……」
カレン
「……半ば、私が押し付けちゃった感じです。だってハルーラ様の声がなければそもそも使えない代物だったみたいだもの」
ジャック
「お前ぇ、自分で使えねぇもんなんて何で持ってた…いや、持たされたんか??」
カレン
「……ただ、この「♎」のマークの魔具は……。私の村が魔神に襲われた時にたまたま近くにあって……それで、多分、魔神から私を守ってくれたのではないかと思います」
「……何故なんでしょうね」
ジャック
「守っただぁ? ありゃあ魔神絡みのブツなんだろ? どういう気まぐれだ、そりゃ」
カレン
天秤のマークは襟元を示した
「……それが分からないんです。この星の魔具がどういう存在なのか。どういう関係であるのか……。知っているところは話せるには話せるのですが……。どうにもそれに最近自信すら持てなくて」
「ただ、一つだけうっすらと最近思い出したことがあるんです」
ジャック
「あぁ?」
カレン
「……確かに私は村が魔神が襲われた時に魔具を拾った。ただ……その時にもう1人私以外の誰かがいた。ような記憶があるんです」
「その人は──」と、言いかけたところで
「うっ……」と、唐突に頭を押さえた。
ジャック
「そいつぁ一体、誰……って、お、おい、大丈夫かよ!?」慌てて駆け寄って
カレン
「……ふぅ……大丈夫です。先輩。お気になさらず。ただ、このことを思い出そうとすると、どうしても頭痛が走って……」
「お役に立てず申し訳ございません」と、少し息を荒げながら申し訳なさそうな瞳でジャックを見つめた
ジャック
「闇の妖精どもの仕業か…? いや、連中の手を借りゃぁ…あー、くそ、ニガテなんだよな、あいつら」
カレン
「ふふ、それならば──私が呼んでみてもいいのですが」と、少し汗を流しながら
ジャック
「いや、オレの方こそすまねぇ。辛ぇ時の話なんてメシ時の話題にするもんじゃなかったぜ」
カレン
「……ええ、また今度。そう、忘れてました」
「今はデート中なのでした」と、ちょっと無理して笑顔を作って
「いえいえ、先輩のお心遣いには感謝しています。だからこそ──私は自分に嘘はついてはいけないと思うんです」
ジャック
「!? お、おう、そ、そそウ、だな」カクカクと頷き
カレン
「だから、もう少しだけ待ってもらえませんか? 必ず話せるようになったら話しますから」
ジャック
「嘘、な……オレぁお前がロクでもねぇ隠し事をするようなヤツじゃねぇと思ってる」
カレン
「……そう信じたいですね」自分のことが思い出せないので不安げな表情で
ジャック
「うるせぇ! オレはそう思うって決めたんだ、それについちゃお前ぇにだって文句を言われる筋合いはねぇかんな!」
カレン
「……ぁ……」
「………やば、かっこいい……」と、訛ったイントネーションで。顔を赤らめた。
ジャック
「と、とりあえず、だ……さっきも言ったけどよ……手の届くトコから解決してこうぜ」
カレン
「はい。そうですね──」
「多分、事態は少しずつ動いているはず。だからこそ、積み重ねていくしかないですね」
ジャック
そう言って、カレンに向けて手を差し出した。
カレン
「ふふっ」
「ちょっと放置したら面白いかなって、思っちゃいました」
と、言いつつ、手を握って
ジャック
「……だぁぁっ!!お、お前ぇ…っ、お前なぁ…っ!?」差し出した手は汗ばんでいる、顔は真っ赤だ
カレン
「きゃっきゃっ」
ジャック
「……手は貸すぜ。ココはまだオレの届く範囲だ。だからよぉ…」
握り返されたカレンの手をやや名残惜し気に離し、その手へ、先ほど料理に使ったフライパンの柄を握らせた。
カレン
「へ?」と、思ってはなかった展開にきょとんとして
ジャック
「お前、そいつを洗う当番な? 妖精(あいつら)に頼るの禁止で」
カレン
「……じゃあ人形(ゴーレム)に頼ります」むすっとして
ジャック
「はい、それもナシな」
カレン
「……」
「ひどいです。ウチ泣いちゃう」と、ウルウル目をしてみるが、明らかに演技なのは言うまでもない。
ジャック
「う゛っ…」しかし効果はそれなりにあるのだ。なにせジャックなので
「だ、だから……お、オレが面倒……てやるって…ってんだよ…」
カレン
「……先輩と楽しみでデートきたのに。最後にウチがフライパンをまともに洗えなくて……先輩と美味しいご飯を食べて、先輩とお話をして、そのうえで最後に残った思い出が……私のへたくそなフライパン洗いで終わるなんて……よよよ」と、乙女座りをして、ハンカチをどこからともなく取り出して泣いたふりをするが
「え! いいんですか、先輩! ありがとうございます。これで、私のひと時のアヴァンチュールの思い出は守られました」と、面倒を見るを目ざとく聞き逃さない。フライパンをとりあえずおいてジャックの手を両手で握った。
ジャック
「……べ、別に、これっきりってわけでも、ねぇ、わけ…出汁ぃ!?」両手を握られてイントネーションが何かおかしくなった
カレン
「ふふーんふーん」と、いつの間にか手を離し、とても上機嫌な様子で……
「では、妖精にも手伝ってもらいながら後片付けしましょうか。夜が遅くなる前に帰らないと──」
「女の子は怖いんですよ」と唇じ自分の指に当て、ウィンクをした。
ジャック
「陽が暮れるまでなんざかかんねぇよ!?」
カレン
「ふふっ、先輩の突っ込み差分ゲットです。きゃっきゃっ」
ジャック
「……し、知ってらぁ」女は怖い、という言葉に
カレン
「では、私もできるところは手伝いますので」
「撤収作業。しましょうか」
「あ、フライパンは洗いません。壊しちゃうので」
ジャック
「壊れるかよ! 火トカゲにだってそうそう壊せねぇわ!」
ケットシー
「少年よところがどっこい」と、いつの間にか出てきて「あるのですよ。これがほっほっほ」と言って帰っていった
ジャック
「ったく、なんでそう、滅茶苦茶チグハグなんだか……まぁ、そこが面白ぇっちゃ面白ぇんだが」
カレン
「……」
ジャック
「うぉわ!・ どっから出てきやがった!? てめぇ、覗いてやがったのか!?」
カレン
「ふふ、私。できることとできないことの差が激しいんです」
「だから、先輩。色々教えてくださいね?」
ケットシー
サムズアップしてかえっていく…
ジャック
「お、おうよ。オレも……」色々学ぶことがある的な事を言おうとして
「あー、もう一個、教えて貰ってたわ」
ケットシー
「はい?」
カレン
私です
ジャック
「うるせー!テメェは帰れ!クソネコ!」
ケットシー
「フォッフォッフォ」
ジャック
そして、同じ台詞を口にしているカレンに向きなおり
「久々にメシ作ってみて、面白ぇなって思ったんだ。あん時、美味そうに食ってくれたからかもな」マハーでの野営の時の話だろう
カレン
「はい。美味しかったですもの」
ジャック
「まぁ、だからって店で出すようなモンが作れるわけでも、作れるようにも早々なりゃしねーんだが」
カレン
ジャックの言葉の静かに待っている
ジャック
「今日も楽しかったぜ。……ありがとよ」苦手意識を持っていた料理を前向きにとらえる事が出来るようになった礼だ
カレン
「……私も楽しいデートでした。そうですね……ふふっ」
ジャック
手汗を服で拭ってから、ぽんぽんと頭を撫でた。同年代の女性にすることじゃないが、こいつはなんかちぐはぐなとこあるし、年は下だ、一応、つまり、まぁきっと問題ない筈だ。たぶん、
カレン
「では、今度は私がデートプランを………あっ」
「……」頭をぽんぽんとされて
少し顔を赤くして考えて──
ジャック
「……」いや、そもそも、これは礼になってんのか? どっちかっていうとただオレが触ってみたかっただけなのではないか
カレン
「うふふ、先輩の中々度胸があるんですね……良いこと思いついちゃった♪」と
と、セーフだったらしい。が、その割にはどこか不穏な笑顔を浮かべている
「次のデート楽しみにしててくださいね?」と、片付けが終わればすたすたと先に歩いていこう。
ジャック
「わ、悪ぃ、つ、つい、届くとこにあったからつーか、お、おい」
カレン
先輩もなかなか~
「夜は短し、歩けよ乙女」
ジャック
「あぁ? な、なんだそりゃ」
カレン
「さあ、何でしょう。この意味を考えるのが次までの宿題ですよ。ジャック?」と言って
「さあ、先輩。参りましょう。参りましょう。今日はとても気分がいいんです」
と、鼻歌を歌いながら先に進んでいった。
ジャック
「お、おう……おう? しゅ、宿題? ちょ、待てよ、調べんのか?調べてわかんのかそれ!?」
帰り道は手を繋ぐことなく。先を歩く黒髪の乙女の様子を伺いながら付いていく有り様だった。
カレン
こんな感じでしょうか
ジャック
ジャックには乙女心は分からぬ。香水の善し悪しも種類も分からぬ。
ただ、晩夏の風が運ぶ黒髪の薫りに惑う心は持ち合わせていたのだった。
ジャック
こんな感じでしょうか
カレン
おつかれさまー!
実質
1.5セッション分やったな!?
すげえデートだったぜ…
なお内容はザリガニデート
 
ジャック
いっぱいしゃべった
カレン
20201005_1
はい
ジャック
大事な内容あったか??
カレン
???
ジャックは頑張ったよ
ジャック
やったぁ
カレン
私は心底感動したね
とりあえずラウンジ戻るか。おつあり! たのしかった!
ジャック
大丈夫?それ、オレ、フレイムエンチャントしないとじゃない???
カレン
剣の加護 炎身
そういって、自分のフレイムチャントするジャック。まあ、当然爆死したわけだが…
ジャック
かなしい
よし!ラウンジ戻ろう、おつかれさまありがとう!たのしかった!
!SYSTEM
カレンが退室しました

出目統計

23456789101112合計平均
23456789101112合計平均
ジャック
0.0%0.0%0.0%150.0%0.0%0.0%150.0%0.0%0.0%0.0%0.0%2回6.50
背景
BGM