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幕間:アンジェとウィス

20200815_0

!SYSTEM
アンジェが入室しました
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ウィスタリアが入室しました
アンジェ
ぬくぬく
ウィスタリア
では、開幕は受け持ちます
アンジェ
はぁい
 
 
 
 
 
 
リアン地方イルスファール王国 "星の標"
此処は国内でも有数の冒険者ギルド支店としてその名を輝かしいものとしている
そんな店だが、常に人が目一杯ということはない
特に茹だるような暑さの日なんかは、皆水辺へと逃げ出すのか、人が店内にいることは少ない
そんな店内
涼しやかな印象を抱く人形のような見た目の少女が、白いブラウスに黄緑色のロングスカートを身に着けて 店内を見渡せる位置の壁際で彫像の様に立っていた
ウィスタリア
「……」 ただ彼女もずーっと立っているわけではなく、時折、何度か便箋から手紙を広げては内容を確認して また戻すというのを繰り返している
アンジェ
「……あっつい……」 日傘を畳みながら、白い少女が入店してきたのだった
ウィスタリア
何度目かのそれをしている最中に 声がする方に視線を向ける
アンジェ
「はぁ…お水下さーい」 とウィスタリアに声をかけつつ 「あれ、店員さん、じゃない?」
ウィスタリア
「了解しまシた」 
アンジェ
「あ、いいのかな……」 若干戸惑いつつ席につこう
ウィスタリア
一つ頷くとカウンターへと歩いて行って 水差しからコップに水を用意すると戻ってくる 「こちらになります」
アンジェ
「うん。ありがとうございます」 一気に飲みたいのを堪えて、小さく水を飲む
ウィスタリア
「……」 片手に収まっていた手紙を折りたたむと封筒へとしまう
アンジェ
「どうせこれだけ暑いならまた海でも行きたいなぁ」 だらんと力を抜こう
ウィスタリア
「……」 改めてアンジェを見る 真っ白だ 「海、でスか」
アンジェ
「うん。砂浜で遊ぶの楽しいよ。私は薬を使わないと火傷しちゃうけど」
ウィスタリア
「広範囲に水をたたえている部分、イルスファールも海に面してイます」
「砂浜で、何をするのでスか?」
アンジェ
「そうそう。ジョナスあたりでね」 「うーん、貝殻拾ってみたり、生き物を探してみたり……あとは、もちろん泳ぐかな」
「新しい水着も買おうかなぁ」
ウィスタリア
「水泳は、水中での移動手段デは?」
アンジェ
「むしろ移動で泳ぐことはそうないかなぁ…」
ウィスタリア
「意味的に誤りがあレば、修正を」
アンジェ
「えぇ……間違ってないけど」
ウィスタリア
「?」 不思議そうな表情で 「…私は現在、現代語を学習中なのデす」
アンジェ
「えーと、本気で泳ぐわけじゃなくて……水の中にいると楽しいし気持ちいいから」
「あ、そうなんだ。昔のわたしみたいだね」
ウィスタリア
「娯楽としての水泳、が、成立しているのでスね」 承知しましたと頷いて
「或いは入浴のような感覚でしょウか」
アンジェ
「うん。そうかも」
ウィスタリア
「昔…、でスか」
アンジェ
「わたしは前は魔動機文明語しか話せなかったからね」
ウィスタリア
「私もデす」
アンジェ
「え、そうなんだ。そんなことあるんだね」
ウィスタリア
『こちらのほうが、未だに話しやすいのは変わりありません』 流れるような発音の魔動機文明語で
アンジェ
『まあわたしもこっちの方が得意だけど、合わせよっか?勉強になるっていうなら共通語でいいけど」
ウィスタリア
『学習中なので、現代語の方でお願いします』 頭を下げた
アンジェ
「はーい。そう言えば名前は?わたしはアンジェっていうの」
ウィスタリア
「ウィスタリアと申しマす」
アンジェ
「ウィスタリアかぁ。優しい色の名前だね」 にっこり微笑む
ウィスタリア
「アンジェさん、でスね」微笑まれて不思議そうに 「優しい、でスか」
アンジェ
「うん。藤色。わたしはそういうイメージだな」
ウィスタリア
「そう意識シたことはありませんでした」
向かいの席に着席すると
「アンジェさんの名前は、」言葉を探すようにして 「印象と噛み合いマす」
アンジェ
「え?そう? 天使、というのはちょっと、気恥ずかしいけど、そう言われるのは嬉しいな」 照れ
ウィスタリア
「全体的に白いというのと、優しそうといえば、意味合い的にアンジェさんの方からそうした印象を受けマす」
封筒をテーブルの上において 「天使というのは、神の遣いというものでスが、それが気恥ずかしさに繋がりまスか?」
アンジェ
「んー、優しい、というのはよく言われるけれど、どうなんだろうねぇ」 と笑い 
「えーと、天使って、綺麗とか可愛いって意味で使われることが多いから……解説するの恥ずかしいなぁ…」
ウィスタリア
「なるほど」 無表情で頷く 今度何処かで使ってみましょう
アンジェ
「えーと、ウィスタリアは店員をしているの? そういえば、ここで何回か見かけた気もするけど…」
ウィスタリア
「私は店員ではありまセん」 「ただ、今こうしているように、言語の習熟のために会話をしてくださる方を探して居ることが多いのデす」
アンジェ
「あ、そうだったんだ。注文しちゃってごめんね? 代わりじゃないけど、お話なら、いくらでも」
ウィスタリア
「私の職業は、郵便配達員。それから冒険者というのが適切な説明になりマす」
「指示をくださる分には、問題ありません」
アンジェ
「郵便配達に、冒険者?不思議な組み合わせだね」
ウィスタリア
「はい。色々なものを知るには、いい機会が得られると言う話だっタので」
「代筆を行ったりもしマす」
アンジェ
「手紙、かぁ。あんまり書かないなぁ…」
ウィスタリア
「そうした方もいらっしゃるので、書き起こせないからと、頼まれる事が少なくありまセん」
アンジェ
「字はかけても、言いたいことを書くのって難しいかもね
ウィスタリア
「はい。なので要件からお尋ねして、記載していくことが多いデす」
アンジェ
「書いてる途中で色々考えて、最初思ってたのと違うこと書いちゃいそうだし……代筆って、そう考えるといいのかも」
ウィスタリア
「ただ、出来たものに加筆されたりそれを元に書き直す方もいらっしゃいマす」
アンジェ
「まあそこは人それぞれなのかな」
ウィスタリア
「一度、言われたことがあるのですが、」
アンジェ
「うん?」
ウィスタリア
「手紙ではなく勧告文ではないかと、お叱りを受けたことがありマす」
アンジェ
「かんこくぶん」
ウィスタリア
「内容的にはご説明頂いた通りに記載はしたのでスが、」
「文体、記載方法などがお気に召さなかったようデす」
アンジェ
「うーん……なんか、真面目そうだもんね」 なんとなく察したのか苦笑い
「公文書みたいになっちゃったんじゃないかな?」
ウィスタリア
「……はい」 頷き
「…‥こちらの様な内容に、出来れば良いとは思うのでスが」
封筒に目をやって
アンジェ
「それは?」
ウィスタリア
「シュナさんからのお手紙です」
「私と同じ部屋に済んでいる、指示者の方デす」
アンジェ
「同居してるのに、手紙?」
ウィスタリア
「現在、シュナさんは、依頼でルシェンカという街に滞在中デす」
「そこで問題が発生しタので、帰還が遅れるという内容のものでシた」
アンジェ
「あ、そっか。そういう手紙なら書いたことはあるなぁ」
ウィスタリア
「‥‥最初の二行で済むもののはずなのでスが」 
手紙を広げて
アンジェ
「まあ、用件だけならねぇ。 え、見ちゃっていいの?」
ウィスタリア
「はい。よろしけレば」
アンジェ
「…じゃあ、ちょっと失礼して」 他人の手紙を読むのに若干気恥ずかしさと申し訳無さを覚えつつ、興味はあったりする
ウィスタリア
きっとなのですが
帰還が遅れるという記載の後に
様々な心配事を記載してくださったのではないでしょうか
アンジェ
はい
用件を先にかいてあとは日常のことで
アンジェ
「……うん。なんか、同居人っていうか、お姉さんみたいだね」 ふふと微笑み
「あなたのことが好きなんだね。だから色々と心配しちゃうんだろうなぁ」
ウィスタリア
「よく頭をなでたり髪を梳いてくださりマす」 「‥‥難しい言葉デす」
アンジェ
「ふふ。好き、というのが?」
ウィスタリア
「はい」
アンジェ
「うーん、そうだなぁ」
「他の人よりも、その人と一緒にいたい、と思ったり、その人を喜ばせたり、笑わせたい、とか」
「他の人より、ちょっと特別。そんなのが、好きっていうことだと思うよ」
ウィスタリア
「……他の人より」
アンジェ
「うん。特別っていうのも、ちょっと、からすごくまで、色々あるけどね」
ウィスタリア
「そういう事であれば、シュナさんは指示者でもありマすので、他の人とは異なりマす」
アンジェ
「うーん。立場じゃないんだよねぇ。フィーリング」
ウィスタリア
「……フィーリング」
アンジェ
「重要なのは特別の前で、その人に対してどうしたいか、かな」
ウィスタリア
「……」 軽く瞑目するようにして
アンジェ
「立場とか全部考えないで、それでこの人と一緒にいたい、というのがあれば、それが好きだと思うな」
ウィスタリア
「……好き、というのはやはり難しいデす」 目を開いて
アンジェ
「むずかしいかー」 微笑む
ウィスタリア
「…これはその問題とは関係ないかもしれないのデすが」
アンジェ
「うん?」
ウィスタリア
「内容は確認したはずなのに、」 少し不思議そうに
「何故かその手紙を、何度も見てしまウのです」
「初めて頂いた手紙というのはあると思うのでスが、…‥それが少し不思議デす」
アンジェ
「うーん、そうだなぁ。手紙に想いが乗ってるからじゃないかな?」
ウィスタリア
「想いでスか」
アンジェ
「うん。ウィスタリアちゃんのことが大事で、心配しているっていうのが伝わってくるからね」
ウィスタリア
「…‥ちゃんと、受け取れているでしょウか」
アンジェ
「うん。大丈夫」
「きっと、ウィスタリアちゃんは、嬉しいんだよ。だから何度も見ちゃうんだね」
ウィスタリア
「……嬉シい」 小さく口にして 「嬉しいなら、不思議ではない‥のでしょウか」
アンジェ
「うんうん」
「あなたもそのシュナさんの事は好きなんだと思うな」
ウィスタリア
「…他の方にも、似たようなことは言われまシた」
「……自分では、まだ、よく分からないのでスが」
「そう、なのかもしれまセん」
アンジェ
「うん。今はそれでいいと思うな」
「たぶん相手は分かってるよ」にっこりと
ウィスタリア
「……」 小さく頷いて 相槌を打った
「アンジェさんにも、そうした方がいらっしゃるのでしょウか」
「説明をされる際、とても具体的な印象を受けまシた」
アンジェ
「…うん。いるよ。とても大切な人」
「大好きな人がいるんだ」
ウィスタリア
「……」 じ、とアンジェを見て
アンジェ
「……うん?どうかした?」 なんか幸せそうににこにこしていたけどウィスタリアの視線に気づき
ウィスタリア
「……きっと、そういう顔が出来るこトが、……きっと、分かった日に、なるのでしょう」
アンジェ
「え、なんか変な顔してた?」
ウィスタリア
「……とても、良い笑顔だったと思いマす」
アンジェ
「そ、そうかなぁ。…うん、ウィスタリアちゃんも、そうやって笑えるといいね」
ウィスタリア
「……」 小さく頷いて 「シュナさんが、戻られたら、」 「海について、相談してみマす」
アンジェ
「ふふ。いいかもね。肌を焼きすぎないようにね」
ウィスタリア
「お嫌いでなければ、…見たことがないので行ってみるのも良いかもしれまセん」
アンジェ
「それは是非行ったほうがいいよ。すごい光景だから」
ウィスタリア
「……」 また小さく頷いて
アンジェ
「一緒に水着とかも選んだりしてみればいいんじゃないかな。そういう買い物も楽しい時間だから」
ウィスタリア
「はい……暫くかかるようなので、それが終えられたら、ですね」
アンジェ
「うん。じゃあ、わたしはそろそろ行ってみるね」
ウィスタリア
「はい。ありがとうございまシた、アンジェさん」
「またお話してくださルと、嬉しいです」
アンジェ
「うん。わたしも。またお話しようね」 小さく手を振りつつ
笑顔で部屋に戻るのでした
ウィスタリア
「……」 1人残ったテーブル席 もう一度手紙を広げて 内容を読む
口元は、本人が知らない間に、僅かに綻んでいた
ウィスタリア
こんなところでしょうか
アンジェ
こんなところで
海に行かねばならない。
ウィスタリア
20200815_0 こうなります
アンジェ
はぁい
ありがとうございました
ウィスタリア
お待ちしてます カイトでもウィスでも
ありがとうございました
アンジェ
2人同時──死ぬ
ウィスタリア
死にます
色んな意味で死にます
では、ログはやっておくので撤退をどうぞ
アンジェ
はーい
!SYSTEM
アンジェが退室しました
背景
BGM