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幕間:アルモニカとオディール

20200804_0

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オディールが入室しました
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アルモニカが入室しました
アルモニカ
今日は金色な私で
オディール
ジャンヌカラーにどきっとしました
アルモニカ
ピンクだとダメージが回らないので……
オディール
では場面としては星の標にしましょうか
なるほど‥
アルモニカ
はあい
 
 
 
 
 
 
 
 
 
リアン地方、イルスファール王国 "星の標"
此処は、国内でも有数の冒険者ギルド支店としてその名を輝かしいものとしている
数多くの冒険者を取り揃え 高い依頼達成率を誇り
国の内外の組織・個人を問わず依頼が舞い込む
とはいっても、常に仕事があるわけではない
争奪戦と呼ばれる朝の依頼貼り出しを越えると、駆け込みや指名を除くと一気に依頼数は減っていく
そうした時間帯も過ぎ、やや弛緩した空気が流れる中
黒髪を後ろで纏め上げ、半袖の黒い神官服にホットパンツ、ブーツの少女は テーブル席の一つでポツンと座っていた
オディール
「──、」 青い瞳をどこか憂鬱に 仕事を取りに来たというのに、取ることは出来ず。かと言って今日から数日は外と言ってしまったので、行き場もなく
アルモニカ
「♪~」 そんな緩やかな空気の流れる店へとやってきたのは、金色のボブカットを揺らして鼻歌を歌う少女。
オディール
テーブル席の一つを陣取ったまま、駆け込み依頼を待つ 無為な時間を過ごすのは、苦手だ
アルモニカ
薄手の黒いシャツにホットパンツ、その上にはやはり生地の薄いジャケットを羽織り、今まさに運動してきましたといった様子だ。
オディール
「──、」 小さく息をつく コーヒーでも頼もうと思ったその時である 「……」 この声は、と 視線を向けて
アルモニカ
――あ」 知り合いに見られてしまうと、急に恥ずかしくなって鼻歌を止めた。
誤魔化すように笑いながら手を振ってそちらに寄っていく。 「オディール」
オディール
「おはようございます、モニカ」 小さく会釈して
アルモニカ
「うん、おはよう。珍しいね、オディールが暇そうにしてるなんて」
オディール
「──、仕事を取りに来たのですが……」 少しバツが悪そうに
アルモニカ
「あはは……あの人混みじゃ、取れない時もあるもんね」
オディール
「駆け込みがないか、待っているところです」
アルモニカ
「ここ、座っていい?」 同じテーブルの対面の席を指差して。
オディール
「ええ、どうぞ」
アルモニカ
ありがとうと返してから席について。 「駆け込みの依頼かあ」 ちら、とガルバを見た。ガルバも暇そうだ。この前聞いた話では、駆け込みの依頼が来る時はなんとなく勘で分かるそうだが……
「ガルバさんがあの様子だと、ちょっと期待できないかも」
オディール
「……そうですか」 ちょっと困ったように
アルモニカ
「どうしたの? 何か困りごとでもあった?」
オディール
「いえ、神殿に数日はでてくると言ってしまったものですから」
「誤算でしたね。仕事に行く前の準備のときにでも、伝えればよかったのですが」 先方のスケジュール等を考えて先に切り出してしまったらしい
アルモニカ
「んん……? やっぱり依頼がなかったからって神殿のお仕事を手伝うじゃあだめなの?」
オディール
「……、神殿も組織ですから」
「個人の裁量だけで、やるやらないを決めてしまうと、かえって迷惑になってしまいます」
アルモニカ
「そっか……村だととりあえず手が空いたら手伝えばいいって感じだったけど、やっぱりちゃんとした組織は違うんだなあ……」
オディール
「村、ですか」
アルモニカ
「うん、農作業からお祭りまで。なんでもかんでもとりあえず手伝えるものは手伝っておけーって感じだったから」
オディール
「賑やかな故郷ですね」 愛想笑いを浮かべて
アルモニカ
「どうだろ……みんな私より一回りとか年上だったし、おじいさんおばあさんばっかりだし……賑やかっていうよりは、長閑だったかな」
オディール
「若い方は、やはり街に?」 ラ・ルメイアでもそれは顕著だったな、と思い至って
アルモニカ
「うん、大体は街の方に出稼ぎに。私の世代はそもそも子供が少なくって、その上ほっとんど成人前に街に出ていっちゃって」
「私は村に残された最後の若い労働力として沢山こき使われました……」 へにょん、とテーブルに突っ伏した。
オディール
「お疲れさまです、モニカ」 また愛想笑いを浮かべて 「どうでしょう、飲み物とか」
「見たところ、運動してきた後でしょうし、水分補給をされては」
アルモニカ
「でも、神殿のお仕事に比べたら全然だと思うよ。あんなに大きな組織なんだし」
「あ、うん。じゃあ、お水をもらおうかな」
オディール
「少し待っていて下さい」 立ち上がって カウンターのコップ2つに ピッチャーから水を注ぐ
アルモニカ
「っとと……わざわざありがとう、オディール」
オディール
「いえ、」 席に座り直して
「……少し助かりましたから」
アルモニカ
「助かったって、なにが?」 水を受け取りながら首を傾げる。
オディール
「苦手なんです。無為な時間を過ごすというものは」
「特に1人で何もすることがないというのは、あまり嬉しいことではありません」
アルモニカ
「たしかに不意に暇な時間が出来ちゃうと困ることもある、かな」
「イルスファールに来て間もないから、私は街を歩いてるだけでも結構時間を潰せちゃうけど……」
オディール
「……ああ、」 言われて初めて気がついた様子で 「そうですね、それもありました」
アルモニカ
「あとは本を読んだり、運動したり、剣の練習したり……」
「ゆっくり料理するとかもいいかも?」
オディール
「本、ですか……料理…、」 言い淀むように
アルモニカ
「好きじゃないなら無理にするようなことではないけど、何か趣味みたいなものがあるとそういう時間の過ごしやすさは変わってきそう」
オディール
「…‥読書に料理、どちらもやったことがありませんね。聖典は、読み込みましたけれど」
「個人的に読みたいという本は、ありませんでした」
アルモニカ
「そっか。私は村での娯楽がそのくらいしかなかったから、街の商人さんが持ってきてくれる本は何でも楽しく読めたけど――……よくよく考えてみると、街の人には全然おもしろくないのもあったのかもしれない」
オディール
「訓練はしますけれど、それも敷地内でなければ」 危ないので、と
アルモニカ
「でも料理は覚えておいて損はないんじゃない? 野営の時とかでも少しでも食卓を豊かにーって」
オディール
「いえ、傷んでいるものを軽く火を通すくらいはしますが、」
ちょっと言いづらそうにして 「……味は気にしないので」
アルモニカ
「でも、まずいものよりは美味しいものを食べたい、って思わない?」
オディール
「それはそうですが……」 それをする時間があれば、1体でも多く屠るために聖水やその他薬品を運ぼうと思うオディールなのであった
「……自分からそうしようとは思いません」 少なくとも私は、という答え方をして
アルモニカ
「それで今時間を持て余しちゃってるんでしょ。だったら、何かやった方が有意義だと思うな」
オディール
「そう、纏まった時間というものでもないですし、それに」
「教本等を探すところから始めないといけない事、それから、キッチン等を借りないといけないこと」
「それを考えると、実現性は少し乏しいです」
アルモニカ
「冒険者を続けていくとなると、こういう依頼が取れなかった空き時間はこれからもありそうだけど」
「それに、何も料理に限定した話をしてるわけじゃないよ」
「なんなら、私とトレーニングとか、釣りでもいいし」 ぐ、と腕を持ち上げてみせた。
オディール
「──、トレーニング、ですか。そして、釣り‥」
「…モニカは、やることが多くて、困りそうですね」
アルモニカ
「走り込みとかくらいなら場所を借りる必要もないし、釣りなら私が教えてあげられるし、道具も貸してあげられる」
「あはは、読みたい本もいっぱいあるしね。まだまだイルスファールの街のことも全然知らないし」
オディール
「……そういう行動力の高さは、なんと言うか、…」 青い瞳そして金色の髪に視線をやって
一瞬少し羨むような目をした 「聖典に出てくるある人物を思い出します」
アルモニカ
「せ、聖典?」 思わぬ言葉に目を丸くして。 「私が……?」
「私なんて田舎者だし子供っぽいし、そういうので語られる人とは対照的だと思うけど……」
オディール
「…はい。聖ヒルデガルドというのですが」
アルモニカ
「聖ヒルデガルド……」
オディール
「魔法文明時代、デュランディルと呼ばれる年代に居たとされる人物で、」
太陽神(ティダン)の加護を授かった武器を用いて、人々の進むべき道を切り拓いた少女であったと言われています」
「ちょうど、モニカの様に、金色の髪に青い瞳の少女だったそうですよ」
アルモニカ
「……そう、なんだ。きっと、ものすごく立派な人だったんだろうね」 目を細めて、少し目線を下げてから、すぐに顔を上げ直し、ぽんと手を打った。 「あ」
「もしかして、オディールがこの前言ってたヒルダって名前は、その人から?」
オディール
「?」
「…ええ。そうです」 間を置いて頷いて
アルモニカ
「ふふ、すごいね。そんな立派な人から名前を借りられるなんて」
オディール
「…‥皆、聖人から名前をいただくのです。私だけが特別というわけではありません」
「それに……」 と続けようとして
アルモニカ
「それに?」
オディール
「……いえ、」 小さく頭を振って 「なんでもないです」
アルモニカ
「うーん……私からすると神殿に勤めてて、聖人の名前から愛称?を貰ってるって時点でみんな特別にすごいと思えるけど……」
オディール
「そう、でしょうか」 戸惑いを声に乗せて
「……ずっと神殿にいたものだから、その辺り、特別だと思ったことがなくて…」
アルモニカ
「そういう呼び名で呼び合うとか、格好いいし。私なんて名前を縮められまくって、村ではモニって呼ばれてたからね」
「イルスファールのティダン様の神殿でもみんなそうやって特別な名前で呼び合ってるの?」
オディール
「いえ、そういうわけではなさそうでした」 首を横に振って 「独特の風習だったようですね」
アルモニカ
「じゃあ、ここではもっと特別だね」
オディール
「……そうですね」 声が少し、固くなった
アルモニカ
「……あ、ごめん。オディールは意図せず流れてきちゃったのに」
その様子に、申し訳無さそうに小さくなって。
オディール
「いえ、これも(ティダン)のお導きなのでしょうから」
「応えるのが、信徒として、そして使徒としての聖務(つと)めです」
アルモニカ
「何処に居ても自分の使命を果たす、かぁ……。やっぱり立派だ。私には真似出来そうにないや」
オディール
「……」 机の下で拳を作る どうしてこの子は、私を評価してくるのだろう
アルモニカ
「……オディール?」
オディール
は、となり 「…すみません、少しぼーっとしていたようです」
アルモニカ
「大丈夫? 神殿でも大変なんだろうし、疲れとか溜まってない?」
オディール
「疲れは、どうでしょう・・・何分、環境がガラリと変わったものですから」
「アンデッドだらけだった場所から、そうではない場所に…」
アルモニカ
「気付かない内に溜まってることもあるからね。環境が変わると特に……」
「私も――」 言いかけて、口を手で押さえた。 「……、経験があるんだ。突然環境が変わると、一見過ごしやすい環境に変わっても、知らずのうちに疲れちゃってること」
「まあ、アンデッドだらけより疲れる環境はそうそうないとは思うけど……」 と苦笑する。
オディール
「……モニカも、ですか」 意外そうな音が声に載った
アルモニカ
「うん、村から、街にね。結局すぐに戻ることになっちゃったけど」
「そういうことだから休める時にはしっかり休んでおかないと――って」
「オディール、泊まってるのって神殿って言ってたよね」
オディール
ふむ、と 思いつつ 「ええ」 と肯定するように頷いて
アルモニカ
「寝る時も戻らないの……?」 数日空ける、って言っちゃったからには。
オディール
「…考え中です」 少しバツが悪い気持ちもあるようで
アルモニカ
「だったら、その間は私の部屋に泊まる?」
オディール
「え」
愛想笑いや冷たい印象の顔が多い彼女の表情に 驚きの色が強く出た
アルモニカ
「何処かの部屋で宿を取るのもいいかもだけど、わざわざ探すのも大変でしょ?」
オディール
「で、ですが…その…」 単独行動、個室、そうした1人に特化した環境に置かれ続けてきた少女は、確実に戸惑いの色を表情に載せていた
「‥‥」 でもどうする、宿を取ると言っても、あてはない訳で
この街にも不慣れ、なら、少しでも知り合った顔のところがいいのでは
アルモニカ
「もちろん、気が乗らなかったら断ってくれていいよ。眠る時に誰かが居ると落ち着かないっていう人もいるし」
オディール
「……──、モニカが、」
「それでご迷惑でないなら…」
「……ただ、これは、借りておきます」
アルモニカ
「自分から誘っておいて迷惑だなんて言わない言わない。部屋は……うん、まだ日も浅いからそんなに散らかってないはずだし」
「借り?」
オディール
「いつかご恩を返すということです」
アルモニカ
「オディールは真面目だなあ……。そんなの気にしなくていいのに」
「私が、友達が部屋に泊まりに来てくれたら楽しそうだなって思ってるだけなんだから」
オディール
「そういう関係が多かったのです」
「…‥あの、モニカ」
アルモニカ
「友達なんだから貸し借りだけじゃなくて、もっとゆるく考えても――なに?」
オディール
「……私は、その、友達、友人というものが居たことがなくて」
「単純な疑問から伺うのですが、」言葉を選ぶように 「友達というものは、何を条件とすれば友達なのでしょうか…?」
アルモニカ
「友達の、条件?」 思っても見なかった質問にきょとんとオディールを見つめて。 「…………」 考え込み始めた。
「む、難しいことを聞くね。友達に条件なんて考えたことなかったから、上手い答えが見つからないや……」
「友達と思ったから友達……じゃあだめ?」
オディール
「……そういうものですか」 なるほど、と 「では、モニカが初めての友達…になるのでしょうね」 淡々とした口調でそう述べて
アルモニカ
「他の人の中には、条件とかある人もいるのかもしれないけど。少なくとも私はそんな感じかなあ……」
「オディールは歳も近そうだし、だけど私と違って落ち着いてるし……黒い髪もさらさらで、大人びた雰囲気があって、あとあの羽も綺麗で格好いいし……」
「知らない街ではあるけど、すごい大きな街の出身みたいだし……」 ぶつぶつと列挙していって、はたと気付く。 「うん、憧れとか羨ましがってるところはあるかも」
オディール
「……」 ふるふると身体が少し震えて よりにもよって"綺麗"だなんて表現を使われるなんて… 「そう、ですか…」
アルモニカ
「え、と……」 様子を心配そうに伺って。 「何か、良くないことを言っちゃった……?」
オディール
「……いえ、その」
「……大丈夫です」
アルモニカ
「私もあんまり同じ年頃の友達が多かったわけじゃないから、距離の取り方とか間違えちゃうこともあると思うの。……もし嫌だなって思うことを言っちゃった場合は、言ってね?」
オディール
「…‥」 そう言ってもらえるのであれば
「……嫌いなんです」
アルモニカ
「……嫌い? えっと……なにがか、聞いてもいい?」
オディール
「…自分の翼と、この髪色は」
アルモニカ
「そう、なんだ……」 思い出してみれば、時折私の髪や瞳をじっと見られていたことがあった気がする。 「どうしてかも、聞いてもいい?」
オディール
「……」 どうしてだろう、こんな事、誰かに話すのは初めてなのに
「……」 言ってしまえば或いは少し晴れるのかもしれない 少し苦しそうにしながら 悩むようにじ、とテーブルを見つめて
「……いえ、」 「今は、お話できません…」
アルモニカ
「……話したくないなら、今は大丈夫だよ。話したくなったら、でいいから」
うん、と頷いて。 「でも」
「私がオディールの髪や翼のこと、綺麗だって思ってるのは本心からだから」
オディール
「……っ」
アルモニカ
「できれば、友達の意見としてちょっと好き嫌いの判断の参考にしてくれると嬉しいな」 小さく首を傾げて屈託なく微笑んだ。
オディール
「…‥」 眩しいものを見るような目でアルモニカを見つめて 「……ありがとうございます、モニカ」
アルモニカ
「うん、どういたしまして」
オディール
「…夜にでも、モニカの話も聞かせて下さい」
「私は、ずっと街にいたので…」
アルモニカ
「わ、私の話? ……村でのほのぼのとした話ばっかりで、面白くないかもだけど、それでもいいなら」 頬を指で軽く掻いて。
オディール
「とりあえず、汗を流してきて下さい。着替えたら、……トレーニングにお付き合いします」
アルモニカ
「うん、分かった。その前に、オディールの荷物を私の部屋に置きにいこっか」
オディール
「ああ、…そうですね」
背負い袋等を持ち上げて
アルモニカ
「それじゃあ、立って立って」 オディールの手を引きつつ、その荷物の一部を持って。
オディール
「は、はい」 手を引かれて
アルモニカ
「一名様ご案内ー」 楽しそうに言いながら、自分の借りている部屋まで案内していくのだった。
アルモニカ
この店なのか別の宿なのかはわかりません……
オディール
決まってませんでしたか
アルモニカ
私はこれで大丈夫だよ
オディール
「……」 これが、友達 なのだろうか、と戸惑いの気持ちを持て余しながら 少女は手を引かれていった
オディール
私もこれで大丈夫です
アルモニカ
うん、お疲れ様。
オディール
お付き合いありがとうございました
アルモニカ
こちらこそありがとう
数日はゆっくりしていってね
オディール
ええ、色々、連れ回されそうです
アルモニカ
ご案内します
オディール
ログ番号は 20200804_0 です
アルモニカ
ありがとう
オディール
では掃除するので、ご退室下さい
アルモニカ
はーい
オディール
またお会いしましょう
アルモニカ
それじゃあまたね
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アルモニカが退室しました
背景
BGM