このログにはBGMが含まれています。
音量設定をONにしますか?
(後からでもメニューから設定変更できます)

幕間:仕事の後で

20200719_0

!SYSTEM
エスメラルダが入室しました
!SYSTEM
ウィスタリアが入室しました
エスメラルダ
前回の仕事の後、星の標に戻ってから くらいでいいだろうかな
ウィスタリア
承知しました
 
 
 
 
 
 
 
――リアン地方、王都イルスファールにある冒険者ギルドのひとつ、〈星の標〉。
かの“剛腕”のガルバ・ベイツが店主を務めているその支店は、
高い依頼達成率などから、地方を超えて名が知られつつある内のひとつだ。
日夜多くの依頼が舞い込んで来るこの支店では、当然多くの冒険者達がここを発ち――
――また、舞い戻って来る。
 
エスメラルダ
3名からの報告を終え、挨拶も程々に終えると、背の小さな神官を見送って
ゆっくりと息を吐く。
これまでの仕事よりも、少し特殊な敵と状況だったからだろうか。
!SYSTEM
BGMを変更 by ウィスタリア
Unspoken Words100%
エスメラルダ
僅かばかりに感じた疲労に、なっちゃいないな、と心中で呟き 胸元で腕を組んだ。
エスメラルダ
恐らく近くにいるぐらいにしてしまったが、どうぞ。
ウィスタリア
「──…‥お疲れでスか?」 エスメラルダを見上げるように
エスメラルダ
「移動の距離は、なんて事なかったけれどな。あの手合いを相手取るのは、中々骨が折れた――、いや」
ウィスタリア
人形めいた少女は 青い瞳に青年を映した
エスメラルダ
「俺が収められている間、闘ってくれたのはウィスタリアだが」
問いに答えながら、視線を合わせて エメラルドを想起させる様な、青竹色の瞳もまた、少女を映す。
ウィスタリア
「はい」 それは事実なので少女は頷いた
エスメラルダ
「助かった。……すまなかったな、ありがとう」
ウィスタリア
「あの状況に陥った場合、」 言葉を切って 「依頼達成に向けて行動しただケです」 表情は動きにくいが、問題ありません、と言いたげだ
エスメラルダ
「……もう眠るか?」 窓の外を眺めれば、もう陽は暮れている。
続いたウィスタリアの言葉には、静かに頷いて。その言葉を褒めはせず。
ウィスタリア
「食事を摂ろうと思いマす」淡々と 「ただ、アップルパイを頂きましたので、量は減らした方が良いでしょウ」
エスメラルダ
「そうか。では、どこか席を探すか……」 頷きながら、店内をぐるりと見回す。この時間としては、人はまだ少ない方だ――適当なテーブル席を一つ見つけると、そちらへと向けて歩いて 座る様に促した。
ウィスタリア
後ろに続いて 促されて着席する
エスメラルダ
――……今日の依頼は、どうだった」 後から座ると、メニューを差し出して。
ウィスタリア
メニューを受け取ってから 短く答えた 「──、普段よりも攻撃が当たりませんでシた」
「訓練不足というよりは、相手の動きが素早かったというのがありそウですが、」 メニューは開かずに続けて
「不安定な姿勢での戦闘も、今後考慮に入れルべきだと思いマした」
エスメラルダ
返答を聴いて、薄く苦笑しながら頷いた。
聞きたかったのは、戦闘の事よりも親子達について、だったのだが……まあ、良いだろう。
ウィスタリア
報告を終えて メニューを改めて開く
エスメラルダ
「確かに、今回の相手は闘い辛かったな。内側に捕らえられているリネットの事もあったろうが……そうでなくとも、厄介だった」
ウィスタリア
「……」 サラダを中心とした軽めのメニューを選択してから エスメラルダにメニューを返して
「──ただ、」
エスメラルダ
「……ああ」 メニューを受け取って
ウィスタリア
「これは依頼とは関係ないと思うのでスが」
エスメラルダ
頷いて
ウィスタリア
「故郷というものと、」 エスメラルダを見ながら 「親子というものが、どういう関係なのか、気になりマした」
「ミロさんも、エスメラルダさんも、アンドリアさんのことを良い親と呼んでいました」
「評価が分かれるものなのでしょウか」
エスメラルダ
「どういう関係……か。難しい質問だ」 アンドリアの事にも頷いてみせて
「そうだな。……例えば、」
「子を蔑ろにする親と、子を尊重する親となら、どちらが良い、と評価できる?」
ウィスタリア
「──、」 少し止まって 「子の状況にも寄ると思いマす」 指摘する 「ただ、」
「後者の方が、良い。のではないでしょウか」
エスメラルダ
「普通は、そうだろう?」
「まあ、親子に限らず互いに尊重し合う方が良い、と感じるが……」
ウィスタリア
「普通…」 僅かに不思議そうな顔をして
エスメラルダ
「リネットの窮地を、すぐさま此方へ持ち込んでくれて……あれだけ詳細に教えてくれた。……つまり、それだけ想っているのだろうと思ったよ」
ウィスタリア
「想う」
エスメラルダ
答えながら、店員を呼んで 手短に注文を済ませる。
「……、うん?」
ウィスタリア
「──、心に浮かべる。また、想像する」 辞書的な事を口にして 「希望する、心配する、思い起こす…」
「心配する、が該当するのでしょウか」
エスメラルダ
笑みを浮かべて そうだな、と小さく呟いた。
「どれか一つ、ではないよ。きっとあの時、アンドリアはリネットを心配してもいたし、今の状況を想像してもいただろう」
「心に浮かべて、無事に帰って来る事を望み、共に過ごした記憶を思い起こしもしたかもしれない」
ウィスタリア
「……複合しているのでスね」 小さく頷いて
エスメラルダ
「ウィスタリア。想う、という事は……言葉にする事は、とても難しい」
ウィスタリア
「……エスメラルダさんでも、でスか?」
エスメラルダ
「俺は口下手だよ」 苦笑しながら頷いて、
「積もった感情を、一つの言葉にしたものが想う、というものだから。定義が曖昧で、それでいて強い言葉なんだ」
ウィスタリア
「……」 小首をかしげて 「言葉にも、」
「強弱が?」
エスメラルダ
「例えば、心に浮かべて、想像して。これからの事を期待しているから……俺だって、ウィスタリアを想っている、と言える。親子でなかったり、密接な関係でなかったりしてもね」
「…………」 しまったな、と少し苦笑して。
「この場合の強弱、というものは、ただ言葉としてのものじゃない」
ウィスタリア
「──……」 エスメラルダの言葉に黙考するように 「想う…」 もう一度繰り返した
エスメラルダ
「今はまだ解らないかもしれないが、……リネットに、君はアンドリアに想われて、大切にされている、と言えば」
「きっと、リネットはその言葉に力を感じられる……と思う」
ウィスタリア
「言葉に力……魔法、でスか?」 また疑問調に
エスメラルダ
「魔法……」 首を横に振ろうとして、かつてのがまだ胸にある事に気付くと、少しだけ悲しそうな笑みを浮かべ、動きを止める。
「ああ、魔法だよ。けれど、マナも用いない上に、誰にでも使える小さな魔法だ」
ウィスタリア
「小さな魔法…」 鸚鵡返しに 「…不思議です」
「……想うことで、使えるのでしょウか」
エスメラルダ
「いいや。……伝わらなければ、この魔法は発揮されないんだ」
「人の想いを受け取る事で、前に進むための魔法、だからね」
「それに、――時には、戒めになる事だってある」
ウィスタリア
「──…戒め」
エスメラルダ
頷いて。
ウィスタリア
「……」 少し考える 「私の、知りたいことモ、知りたいという気持ちも」
「戒め、なのでしょウか」
エスメラルダ
背負いきれない想いは、確かにあるのだと。伝えるか迷った末に、口を閉じた。
「どうかな。俺はウィスタリアがどうしてそうしたいのかを知らないから、その問いの答えは持っていない」
「けれど、戒めになる想い、というものはそう多いものじゃない。……いつか、ウィスタリアがそうする事が苦しくなるのなら、そうなのかもしれないが」
ウィスタリア
「……」 小さく頷いて
エスメラルダ
「知りたい、と想う気持ちは」
「苦しいか? ……もうやめてしまいたいと、そう思うか?」
ウィスタリア
「……否定します」 首を横に振って
エスメラルダ
「なら、それは戒めなんてものじゃない。ウィスタリアの想いだよ」
ウィスタリア
「私の……」 また不思議そうな顔をして 
エスメラルダ
「解らなくても、今はそれでいいさ」 机に置かれた、冷えた珈琲を一つ啜って。顔を顰めてからミルクをひとつふたつ入れて、また飲み直す。
ウィスタリア
「──……」 少し間を置いてから、小さく頷きを返して
話題が途切れたタイミングで、食事が運ばれてくる
エスメラルダ
食器を受け取って、それぞれ注文したものを差し出して
ウィスタリア
差し出されれば受け取って 
「いただきます」 呟くように言って アップルパイを食べている時も目にしたかも知れないが、以前よりもしっかりとした手付きで食事を始めた
エスメラルダ
「……いただきます」 少女の成長を見守りながら、注文していたスープを食べ始める。この程度であれば、慌てる事もなく食べられるのだ。
ウィスタリア
こんなところかな
エスメラルダ
ああ、じゃあ最後に一つだけ
ウィスタリア
どぞどぞ
エスメラルダ
――ウィスタリア」 食事を続ける少女に視線を向けて。
ウィスタリア
「──、」 手を止めて顔を上げて
エスメラルダ
「どんな仕事に向かおうが、……必ず、ここに戻って来るんだ」
「これは命令ではなくて、そうあって欲しい、という想いだ。……配達の仕事も、この仕事も。必ず無事に終えて、戻って来てくれ」
ウィスタリア
「──、お願い、でスね」 頷いて
「──、努めマす」 少女はそう回答した
エスメラルダ
ウィスタリアの瞳を、鏡越しに手を伸ばし合った時よりも鮮明な翠が覗き込み
その返答に、満足そうに頷いた。
エスメラルダ
これくらいだ。
ウィスタリア
青い瞳が青年の動きを映して それからまた、少女は食事に戻るのだった
ウィスタリア
はい
エスメラルダ
うん。
!SYSTEM
BGMを削除 by ウィスタリア
ウィスタリア
お付き合いありがとうございました
エスメラルダ
お疲れ様。いつもログを任せてすまないな
ウィスタリア
ログ番号は 20200719_0 です
エスメラルダ
ああ、ありがとう。
ウィスタリア
いえ、お気になさらず
エスメラルダ
では、また。
ウィスタリア
はい
!SYSTEM
エスメラルダが退室しました

BGMリスト

背景
BGM