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The Reluctant Heroes 幕間 フルーズにて

20200627_0

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アウラが入室しました
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ルトヴィークが入室しました
アウラ
お待ちしておりました
ルトヴィーク
ごめん、ちょっとばたついた
アウラ
描写はこちらが致しましょう
ルトヴィーク
ありがとう。お願い
アウラ
いえいえ、その分、開幕描写を書く時間が取れました
よろしくお願いします
 
 
 
 
 
 
 
 
 
──時間は、少し遡る。
 
 
 
 
リクハルドから依頼を受け、カストレイルやフルーズがあったとされるラーグ平原での魔域の破壊に赴いたルトヴィーク達。
通常の魔域とは異なり、内部が見て取れたそこに、冒険者たちとリクハルドは踏み込んだ
そこは、魔動国家フルーズそのものが再現された場所であり、君たちは魔動機文明(アル・メナス)の街並みの只中に居た。
ただ一点を除き、それはある意味いつもどおりの事だった。
──、依頼人が、消えてしまっていたのだ
リクハルドによく似たフルーズ王家の一員であるリカルドと出会い、フレット、アンナのフルーズの英雄二人を紹介された後、
リクハルドを探して貰うことを依頼しつつも、自分たちでも捜索することにした"星の標"の冒険者達は、
ひとまずフルーズの街中で手分けをして目的の人物を探そうとしていた
 
 
得ることが出来た時間は短い しかしそれでも何らかの成果が出るのではないか、という淡い期待の中
ルトヴィークを連れて、アウラはフルーズの街並みを歩く
しかし、午前中をかけても、それほど大した成果はなく
休憩できる場所を探して、二人は歩いていた
アウラ
「──、」 成果は上がらなかったけれど、街並みを見ることが出来たのは幸いで ただ人が思ったより多いこの街に、少し気疲れを感じてもいた
足取りは出発した頃より、少し重たい
ルトヴィーク
探し人を求めて街を歩く内、目の前の少女の変化には確りと気付いていた。
何に、かはまだ解らない。けれど確かに動きの変わった少女を一瞥すると、その手を取った。
「……大丈夫?」
何と声を掛けたものかと少しだけ考えたが、出て来た言葉はそれだけだ。
アウラ
「……ありがとうございます。ルトヴィーク」 少しの驚きの後にそう口にして微笑んで
ルトヴィーク
「……?」 求めていたものとは違う返答に、小さく首を傾げると、取った手を小さく引いた。
「大丈夫?」 確かめる様に、空色の瞳を覗き込んだ。
アウラ
「……、大丈夫です」 少し間を置いてそう答えて 笑ってみせる 「まったく、困ったものですわね」
「どこに、行ってしまったのやら……」
ルトヴィーク
鉄色の瞳は少しだけ細められ、小さく口を開く。
「……解んない。どこかにいると思うけど」
ぐるりと街並みを見回してみる。
――まず、多過ぎる人の中から彼を探す事が神経を使うものだ。
アウラ
「ええ、一緒に入ったのですから、そのはずですわね」 頷き
ルトヴィーク
「どこかで死んでるかもしれないし」
それでも、不思議と人の量を見ても違和感を覚える程度で 疲れを見せる様子はない。
アウラ
「……」 彼の様子にふと気がつき そして思い当たると 困った様に眉根を寄せた
「…‥ちゃんと、お顔は覚えていまして?」
ルトヴィーク
「覚えてるよ。リカルドと同じような顔でしょ」
アウラ
「……」 息をついた 「ええ、それで誤ってはいませんが」 本来なら、逆である
「少し休憩をしましょう」
ルトヴィーク
「うん」 アウラの様子には少しだけ首を傾げて、頷きながら手を引いて街を歩き始める。
 
街並みはイルスファールよりもある種にぎやかで 露天やオープンテラスのお店もある
ルトヴィーク
「どこがいい?」 周囲を見回しながら、後ろを振り返る。正面から来る通行人とぶつかりそうになりつつも、視線はアウラに向けられている。
アウラ
「……っ、」こちらが手を引いて衝突を回避させて 「…気をつけて下さい」
「そうですね…、冷たい、紅茶が飲みたいですわね」
ルトヴィーク
「ん」 手を引かれればそのまま大人しく従って アウラに身体を寄せる。
「店、か。……ええと」 視線を周囲へと戻しながら、少女の腰へと手を回して はぐれない様にと留めている。
アウラ
「……っ」 そ、と反射的に彼との間に自分の片手を割り込ませて
「手、手だけで大丈夫です……」
顔をそらすようにして 向いた先 ショーウィンドウの中
ルトヴィーク
「ああ、」 歩き辛いか、と小さく頷いて その視線の先を見る。
「あそこにする?」
アウラ
目を奪われたのは その中にあった 楽器だ
「ああ、いえ……」 彼はその隣にあるカフェを見たのだろうが 「……少しあれを眺めてもいいでしょうか」
ルトヴィーク
「……? あっちじゃないの」
少女の目線はその隣にある、と気付いて 傾げていた首を更に傾げた。
「休憩じゃなくて?」
アウラ
「……少しだけですわ」
ショーウィンドウの中にある 楽器 それは、魔動機で作られたピアノで
ルトヴィーク
「……解った。アウローラがそうしたいなら、そうしよう」
少しだけ、と口にした少女の手を引いて ショーケースの間近へと歩いていく。
アウラ
二人で近づいていって
ガラスには手を触れず、ショーウィンドウの中身に視線を向ける 「……これも、ピアノですわね」
ルトヴィーク
「……ピアノ、って」
ショーウィンドウに手で触れて じっとそれを眺め
「もっと大きい奴じゃないの。……店にあるような」
アウラ
「ええ、グランドピアノと言われるものは、ああしたものですわ」
ルトヴィーク
「これも同じなの? ……小さいな」
アウラ
「……まあこれもそうなのでしょうが」
「複雑ですわね…」
ルトヴィーク
「……どう出来てるのかわからない、って事?」
ふくざつ。
アウラ
「いえ、これも」
「これもピアノであることが、です」 困ったように笑った
「正しい形というものは、決まっているのですから……こうしてまで使おうとしなくても良いと思うのです」
ルトヴィーク
「……でも、今って結構昔なんでしょ?」
「この時は、これが正しい、のかも」
アウラ
「…‥そういうものでしょうか」
ルトヴィーク
「解んないけど。……気になるの?」
アウラ
「人は人です、魔動機は魔動機……そしてそれらが魔神と混ざりあった"ブラックタール"」
「……なんでもかんでも、便利だからといって、混ぜたり掛け合わせたりするものではないと、思ったのです」
「たとえそれが、正しいことであっても」
ルトヴィーク
「……」
言われた言葉を整理する様に、頭を掻いて 小さく唸ると、視線をショーウィンドウからアウラへと向けた。
「正しくなくても、なの? ……その方が正しいのに?」
アウラ
「……僻みです」 困ったように笑って 「ルトヴィークが言っていることが、正しいのかもしれません」
「持ち運べるピアノなんて、夢のようですもの」
ルトヴィーク
「……」
珍しく、困った様な表情を浮かべて
「なのに嫌なの? ……何で?」
アウラ
「なんで…といわれますと」少し考えて 「気分、の問題という答えになりますわね」
「だって、」
「あちらの方が優秀だということになれば、それを使ってきた人たち、今も使っている私達が、少し惨めではありませんか」
ルトヴィーク
「…………」
惨め、という言葉(きもち)は解らないが、もう一度首を傾げた。
「アウローラは、優秀なものを使ってないとそう思うの?」
アウラ
「んー……、負けた気分になる、と言いかえれば伝わりますでしょうか」
ルトヴィーク
「負けた」 負けた……。
「勝ちたい?」
アウラ
「私達が使う上では関係がないのですが……私はこのピアノより、お店のピアノを応援したい、勝っていて欲しいと思うのです」
ルトヴィーク
「…………良く、解んないな」
ごめん、と小さく呟いて ウィンドウ越しのそれを眺める。
アウラ
「愛着、ですわね」
ルトヴィーク
「……でも、それはこいつには関係ない事なのに」
アウラ
語を継いでそう結ぶと 彼の言葉に 「……いけませんか?」
と今度はこちらが首を傾げる
ルトヴィーク
「ううん。アウローラがそうしたいなら、それでいい……けど」
首を緩く横に振ってみせて
「何か、ちょっとだけ変な気分だ」
アウラ
「……言いたいことがあったら仰ってくださいね」
「変な気分、ですか」 ショーウィンドウから離れて 隣のカフェへ
ルトヴィーク
ぎこちなく頷いて 言葉を続けはせずに
アウラ
「なにか、思うところがありまして?」
ルトヴィーク
「変な気分、なだけ。……何か言いたい訳じゃないんだ」
アウラ
「……」 困ったように 「私がそうさせてしまったでしょうか…」
ルトヴィーク
「そういう訳じゃ、ないんだけど」 んん、と呻いて 頭を掻きながら、口を開いた。
「……使ってみたいとは、思わないの?」
アウラ
案内されて席に付けば 冷たい紅茶を取り敢えず2つ頼んで
「ああ、」 注文を取りに来た店員が去ったタイミングと答えたタイミングはほぼ一緒だった 「使ってみたいと言われれば、そうですわね」
「試してはみたいです」
ルトヴィーク
アウラについて、席へとついて 小さく一息つく。
いつか怒らせてしまった時の様に、どこか居心地は悪そうにアウラへと視線を向けて
「……そうなんだ。ある事が嫌、みたいだったから」
アウラ
「愛着、なのですわ」 ふふ、と笑って
「一番好きなのはヴァイオリンですが、ピアノにもそれはあって、」
「長く使っていたものの方に心が寄せられた、というお話です」
ルトヴィーク
「……うん」
頷いて、運ばれてきた紅茶を一口。
アウラ
「……ルトヴィークにもあるのではなくて?」
「例えば、剣にしても」
ルトヴィーク
「俺は、……」
アウラ
「これが使いやすい、この形状が好きとか、そういったものはないのですか?」
ルトヴィーク
「使えれば良いから。……他のもっと良いのがあるなら、そっちにするし」
「使えればいいか、っていうのも、愛着?」
アウラ
「愛着というのは…‥そうですわね」
「それとは逆ですわね、──」 喉を潤すと 1つ息をついて
ルトヴィーク
小さく頷いて、使い潰してきたいくつかの剣を思い返し――やはり、彼女の様な思いを持った事は無いな、と再確認する。
アウラ
「──ふぅ、」 「有利でなくとも、これを使いたい。という欲求です」
ルトヴィーク
「…………」
首を傾げて 頭を掻いて
表情が、微かに顰められる。
アウラ
「……ルトヴィーク?」
ルトヴィーク
「愛着っていのうが、解んないなって思っただけ」
(っていうのが
アウラ
「きっと分かるようになりますわ」
ルトヴィーク
「……そうかな」
曖昧に頷きながら、もう一度紅茶を飲んで
「ああ、……じゃあ、アウローラも」
思い付いた様に、先程のショーウィンドウに視線を向けて
「あれに愛着を持てる、……かも」
アウラ
「……どうでしょうか」 ふふ、と笑って 「そうかもしれませんわね」
ルトヴィーク
「……見てみる?」
となりの店を示してみせて
アウラ
「いえ、魔域から物を持ち出すとしても、ここでは荷物になってしまいますし」
「発掘品であれば、もしかしたら王都…或いはシラーで手に入れられるかもしれません」
ルトヴィーク
「じゃあ、……」
「帰ったら、見に行こう」
何故ここまで食い下がっているのかは、自分でも解らない。が、どこか……そう、気持ちが悪いのだ。
アウラ
「ええ、…無事帰りましょう」
頷いて 「そのためにも、」
「もう一息ですわね……1人も欠けてなるものですか」
ルトヴィーク
「大丈夫だよ、アウローラ」
「何とかするから」
具体的な事を示す訳でもなく、しかしただ当然の様に口にして頷いた。
アウラ
「…ええ、頼りにしています」
頷くと また微笑んで
ルトヴィーク
「うん。……じゃあ、休んだら行こうか」
アウラ
「はい」
アウラ
こんなところですわね
ルトヴィーク
うん。戻ったらやる事が増えたな
アウラ
いいことですわ
では、お疲れさまでした。少し休憩なさってくださいね
ルトヴィーク
うん。お疲れ様、導入ありがとう。
)))
アウラ
)))
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ルトヴィークが退室しました
背景
BGM