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- フォルティスが入室しました
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- エイトが入室しました
- フォルティス
- うむ。
- エイト
- こんな色だったと思うんだ
- フォルティス
- 多分そうだ。
- エイト
- 道中どの地点でもいいぞ
- フォルティス
- クリスタの宿屋でよかろう。
- エイト
- OK
- フォルティス
- 部屋は女性陣は皆同じになりそうだから
- 夜中に宿の外にでも出るか
- エイト
- そうねぇ
- フォルティス
- うむ。では開幕は担当しよう
- フォルティス
-
-
- エイト
- 願い奉る
- フォルティス
- 〈星の標〉の冒険者たちは、同じ冒険者でもあるフィオリエナという少女を通してとある依頼を受け、遥か遠方――オルトラント地方はヴェウルーン王国の首都クリスタを訪れていた。
- クリスタに着いた後、深夜まで魔術師ギルドの蔵書を当たり、追っている人物について確たる手掛かりは得られなかったものの、それに至るための足掛かり程度は得られた。
- この後はスフェン伯国領まで引き返すという強行軍になるが、流石に疲れた頭と体を休ませてやらねばならないということで、その日は皆クリスタ内の宿屋にて宿泊することになった。
-
-
- 同室の冒険者たちは、既に眠りに就いている頃だろうか。
- 静寂に包まれた宿の庭で、ひとりの冒険者がぼうっと夜空を見上げている。
- 本当はこの時間に王都を囲む湖まで出られればそれはそれは幻想的な景色を見ることが出来るのだろうが、仲間が居る手前、勝手な行動は出来ず、仕方なく此処の夜空で我慢することにしたのだ。
- 「――……」 欲を言えば、自分ひとりでなく愛騎を呼び出して一緒に眺めたいものだが――それも無理な話だ。
- 片足を投げ出し、もう片足を腕に抱くような姿勢で、芝生に座ってとりとめのないことを考えながら星を眺め続けている。
- どうにも、今宵はまだ眠気が来ない。
- フォルティス
- いつでもいいぞ
- そうこうしていれば、きい、と静かに扉の開く音が宿から聞こえ
- エイト
- 「────ふぅ」 暫くして、見知った顔が口元の灯りに照らされる
- フォルティス
- 「ん――」 傍に置いてあったランタンを持ち上げ、現れた人物の方を照らす。
- 彼女も夜空でも見に来たのだろう。わざわざ話す事もないと、誰であるかを確認するとすぐにランタンを置き直して、空へと視線を戻した。
- エイト
- 「ん……おや、フォルティスかい?」 紫煙を吐き出しながら動いた灯りに目を向ければ、意外な人物を見つけた。
- フォルティス
- 「ああ」 名を呼ばれれば、仕方ないとばかりに短い頷きを返す。
- エイト
- 「どうした。寝付けないのかな」庭に出た所に設置された灰皿の付近から声をかける。
- フォルティス
- 「別に。そういうわけではない」 声はいつも以上に控えめで、ぎりぎり届くか届かないか程度だ。
- エイト
- 「──そっか」暫くその場で煙を楽しみ、灰を落としたあと 「近く、行っていい?」 穏やかに問いかけた
- フォルティス
- 「……」 怪訝そうな顔を向けた後、エイトから視線を外して。 「好きにしろ」
- エイト
- 「ありがとう」 そう言うと、ゆっくりと芝生に歩いてきて、近すぎず遠すぎずな距離に腰を降ろした
- フォルティス
- 腰を下ろしたエイトをもう一度見やってから、空を見上げて、何か話すでもなく心の中で星の数を数え始めた。
- エイト
- 「なかなかザルニツァを呼んであげられないね」視線は特に向けるでもなく、空を見上げて
- フォルティス
- 「仕方あるまい。戻ったら好きなだけ飛ばせてやるしかない」
- エイト
- 「そういう意味でも窮屈そうだね。街は」
- フォルティス
- 「でもとは、含みのある言い方だな」
- エイト
- 「ああ、ごめんね。他意──はあるけど悪意は無いんだよ。君は街が苦手そうだからさ」
- フォルティス
- 「……」 目を閉じてため息をついた。 「分かっている。悪意を感じていれば、返事もしない」
- 「街――というか、人が嫌いだ。関わり合いになりたくない」 嫌い、というよりは苦手というのが正しいが、そう言っておいた方が後々面倒になりづらい、というのは経験則だ。
- エイト
- 「人が嫌い、か。僕にはよく分からない感覚だな」 「イルスファールに来る前は、どんな風に過ごしてたんだい?」
- フォルティス
- 「だろうな。お前は嫌う側ではなく、煙たがられる側だ」 冗談ではなく、真顔でそう言って。 「何故そんなことを聞く」
- エイト
- 「まあ、そうだろうねぇ」 自覚はあるのか苦笑しながら 「そうだなぁ……一言で言えば好奇心。言葉を飾るなら君のことを少しでも知りたいから」
- フォルティス
- 「馴れ合うつもりはないと言っている相手の事を知って、何か得になるのか?」
- エイト
- 「気に入ってる子のことを知りたいと思うのは、損得とは違うと思うな」 うん
- フォルティス
- 「……変な奴だ」 わざと突き放すような棘のある口調で言ってから、少し間を置いて。 「……山の中で、竜たちと暮らしていた」 声量を落として、視線は向けないまま先の質問に答えた。
- エイト
- 「竜たちと、か……それは凄い、というより、想像もつかないな」 フォルティスが言うと、そうなのだろうと納得する話ではあるのだが
- 律儀に応えてくれていることには優しい表情を浮かべつつ
- フォルティス
- 「食べるものには困らない。竜に比べれば、私の食べる量など微々たるものだからな」
- エイト
- 「一緒に暮らす人は、君だけなのか」
- フォルティス
- 「ああ。人間は私だけだ」
- エイト
- 「服なんかは大丈夫なの?」 体育座になって、膝を抱えたりしつつ
- フォルティス
- 「……武具の手入れや調理器具を始めとした道具の購入、衣服などは問題だったな。仕方なく、近くの街に下りていた」
- エイト
- 「その辺りはやむ無しだね。全部自分でやるには無理がある」 何かを考えまた苦笑し 「僕なんかは、普段の生活から他人がいないとまるでダメなんだけど」
- フォルティス
- 「……母に教わることが出来たのも、日常生活に関する事や竜たちの事くらいだったからな。他を教えてもらうには、時間が足りなかった」 片膝だけでなく、両膝を抱える姿勢になって。 「駄目だという自覚があるなら改めれば良いだけだろう」
- エイト
- 「────母か」 そこはあまり立ち入って良いところでは無さそうだ 「いやぁ……はは、性根がずぼらで面倒くさがりでねぇ、お金で解決できるならそれでいいって考えが抜けないんだよねぇ」
- フォルティス
- 「……ふん」 それ以上聞かれなかった事に、安堵を隠して鼻を鳴らす。 「街で過ごしているのなら、それでもいいだろう。お前自身が納得していればな」 とはいえ、感心はしないが、と最後に付け加えた。
- エイト
- 「手厳しい──訳じゃなくて常識なんだろうけどね」 肩を竦め
- 「竜は、やっぱり人と違う?」 話題をかえ
- フォルティス
- 「別に、出来ないことで不自由していないなら無理にする必要はない」 と答えた後に提示された話題に、ようやく顔をそちらへと向けた。 「違う。が、変わらない所もある」
- エイト
- 「例えば?」 膝を抱えたまま、そちらを見る
- フォルティス
- 「当然ながら肉体は見ての通りに違う。見た目だけでなく、中身もな。竜の身体は強靭で、私たちに比べればずっと強いが、私たちにとって些細な事が、彼らにとっては大きな問題になることもある」
- 「だが、精神的には私たちと大きく変わらない。無論、寿命の長さから来る感覚の違いなどはあっても、それは人族の中でも同じことだからな」
- 「だから心を通わせることには何の壁もないし、互いが互いを知っていれば共に暮らす事は決して難しいことではない」 自覚しているのかいないのか、いつになく淀みなく、饒舌に語る。
- エイト
- 「そうなんだ。それはちょっと意外だな」 へぇ、と言葉を漏らし 「勝手な想像だけど、永き時を生きるものとして、細かいことを気にしないとか、そういうイメージだった。泰然としている、っていうのかな」
- フォルティス
- 「成竜になればそういう者も多いと聞く。私が暮らしていたのは子竜と幼竜で、成竜は知人……いや、知竜……? に一人いるくらいだからな」
- 「だから、実際そういう者が多いのかどうかは知らないんだ」
- 「ただ100に満たない竜は、その例には当てはまらない事が多い。人の子と同じで、我侭で自分勝手なところもある」
- エイト
- 「ああ、そうなんだ。じゃあ君は、子供たちと一緒に暮らしている様な感じなのか」
- フォルティス
- 「そうなる。……まあ、そうは言っても幼竜のザルニツァですら、私よりは長く生きているのだがな」
- エイト
- 「途方も無い話だよねぇ……ふふ」 「じゃあ、君は、人が嫌い、というより、人のオトナが嫌い、なんじゃないかな。子供とだったら、結構上手くやっていけそう」
- まあ、それこそ関わる機会が薄いだろうけど、と続け
- フォルティス
- 「……たとえそうだったとしても、変わらないな。人の子には、大抵その親がついて回る。関わり合いになりたくないのは同じだ」
- エイト
- 「ん、それもそうだね。というか、親というのは子供が関わるとより過敏になるし」
- フォルティス
- 「それも竜と同じだな」 だから自分もザルニツァに触れようとする相手には敏感になってしまう。
- エイト
- 「親竜を怒らせるとか、およそ考えたくない事態だね」
- 「しかし、君がそうなんだ。いいところなんだろうな」
- フォルティス
- 「言われもない罪を他人に着せ、子のためだと大義名分を掲げて糾弾してくる人間の親よりはマシだ」
- 謂れ。
- 「住んでいたのはどこにでもある山の奥で、特別な何かがあるわけでもないぞ」
- エイト
- 「──────ん、そうかもね」 それ以上は触れずに 「ふふ、そういう事を言ってる訳じゃないってのは分かってるんだろう?」>いいところ
- フォルティス
- 「……? どういうことだ?」 本当にそういうことだと思っていたのか、怪訝そうに首を傾げた。
- エイト
- 「ん、ああ……単に街だとか山だとかじゃなくて……心安らかにあれる環境なんだろうなって」
- フォルティス
- 「気が置けない相手と過ごせる環境ならば、誰だって”いいところ”だと思うだろう」
- エイト
- 「ああ、それはそうだ。僕が少し夢見がちだったかな」
- フォルティス
- 「結局、街を追われて――――…………」 言い掛けて、しまったと首を横に振った。 「忘れてくれ」
- エイト
- 「───なんのことだい?」 と微笑み
- フォルティス
- 「…………人が良いのか悪いのかわからんな」
- エイト
- 「変なやつというのは良く言われるねぇ」
- フォルティス
- 「それは間違いない。格好の時点でな」
- エイト
- 「いやあ、ずっとこういう格好をしてたから、今更ひらひらしたのなんて恥ずかしくて着れないよ」
- フォルティス
- 「黙っていれば、知り合い以外は違和感を抱いたりはすまい」
- エイト
- 「勘弁してくれ。勝手に悶え死ぬ」
- フォルティス
- 「少しでも大人しくなるのなら、お前がうるさい時の対策として一考の余地はあるかもしれんな」
- エイト
- 「僕そんな煩いことあったかなぁ。うざいならあるかも知れないけど」
- フォルティス
- 「……今のはちょっとした冗談だ。お前に対してうるさいと思ったことはない」
- 「口数は多い奴だな、とは思っているが」
- エイト
- 「冗談か。よかった。うん、あんまり黙ってられないタイプだけれどね」
- フォルティス
- 「……だから人付き合いは苦手なんだ」 普通の人間がどういう感覚で冗談を交えるだとか、面白い会話だとか分からない。思わずため息が漏れた。
- 「……だったら、もっと喋ってくれる相手に話しかけた方が有意義だな」
- エイト
- 「口数に意義を感じる訳じゃないって」 苦笑する
- フォルティス
- 「だとしたら、尚更だ。私は気の利いた言葉や面白い話は言えない」
- エイト
- 「それ事態も、そんなに関係は無いさ。様は、僕が話したいと思う相手かどうか、だからね」
- フォルティス
- 「……やっぱり、変な奴だ」 先程自分でも言っていた通りだと、微かに苦笑してから、立ち上がる。 「そろそろ部屋に戻るか。寝坊でもしたら、フィオリエナに何を言われるか分からない」
- エイト
- 「うん。そうだね。船便を逃したら大事だ」 ゆっくりと立ち上がろう
- 「僕はもう一本吸ってから。すぐに戻るよ」
- フォルティス
- 「分かった。……誰も来ないとは思うが、一応気をつけておけよ」 お尻を手で払うと、宿の玄関へと向かって歩き出して――
- 足を止めて振り返った。 「ああ、そうだ」
- 「ザルニツァに、触れさせてやれと伝えておいてやる。道中、どこかで言え」
- エイト
- 「…うん?」 こちらも手でズボンを払いつつ
- 「ああ、それは嬉しいな。でも、嫌がる様だったら無理……は君がさせないか」
- フォルティス
- 「……さっき言っただろう。過敏なのは、子ではなく親だ」 そう返すと、続く返事を待つことなく、先に宿へと戻っていった。
- エイト
- 「ありがとう。おやすみ、フォルティス」 ふんわり微笑むとそう言って見送った。
- フォルティス
- 私は終わりで良い。
- エイト
- 「────」 さて、と再び懐から煙草を取り出して、火をつけながら
- 今は、これくらいかなぁ、とか思ったりしつつ、空を見上げるのであった
- エイト
- お疲れ様でした
- フォルティス
- うむ、お疲れ様だ。
- 退室したら格納しておこう。
- お付き合い感謝だ。
- エイト
- OK.
- こちらこそ感謝だよ
- フォルティス
- うむ。ではまたな。
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- フォルティスが退室しました
- エイト
- またね
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- エイトが退室しました