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砂の揺籠 幕間

20200519_1

!SYSTEM
アズハールが入室しました
!SYSTEM
ユウゴが入室しました
ユウゴ
はい
アズハール
はい
ユウゴ
描写は…
アズハール
描写はえっと
やりましょっか
トイレいく(またそれ
ユウゴ
じゃあお願いします さっくりでいいよ
アズハール
ほい
BGMいります?
描写するっす
アズハール
 
 
ユウゴ
おまかせ
アズハール
雲間から差し込む、月と星々の光が、砂漠を青白く照らしている。
焚き火と、寝息や、時折衣擦れがするくらいで、静かな夜だった。
「……」 皆から外れた位置の隅の方で毛布を被り、両指でこめかみを押さえ、月の光から目を背けて俯いている。
アズハール
いつでもいいです
ユウゴ
「ふぁあ……」 大きな欠伸を一つ。
この時間の見張りの当番はユウゴで、枯れて倒れた木を椅子替わりに、月を眺めながら過ごしていた。
あの亡霊以外は平和なものだ。周囲に、気になるような気配もない。見通しが良い分、騙し討ちをされるような心配もない。
「……酒でも少し頂いてくるんだったな」 遺跡に詰めた魔術師たちから。と、そんな事をぼやいて
なにげなく辺りを見回す。焚火を中心にして、思い思いの場所で休んでいる仲間たち。
――
少し離れた所に丸まっている、他より小さな毛布のかたまりが、もぞりと微かに動いているような気がした。
ゆっくりとそちらに歩み寄って、
「何だ、眠れねェのか」
アズハール
砂に、指で魔法文明語らしきものを点々と書いている……ところを、後ろから声をかけられて肩を震わせた。
ユウゴ
「……?」
アズハール
「……悪いー?」 毛布を被ったままそちらを見やった。
ユウゴ
「いんや」 アズハールの様子にも遠慮なく、そばにどっかと腰を下ろす。
アズハール
「何か用? 抜け出さないか見に来たみたいな」
「考えましたけど出来ませんですぅー」 むすくれた口調で、毛布の下で唇を尖らせた。
ユウゴ
アズハールの問いには答えず、
煙管を取り出して、咥え、
「火」
「火ぃ貸してくれよ。どうせ、ぱっと点ける魔法の一つでもあるだろ」
アズハール
「え? ……は?」
「……。ちょーっと、まってなさい」
「……いやアレだと全部燃えるから……」 言語を書いてた指をあげ、ユウゴを指差し、
ユウゴ
ティンダーあるかなあと
アズハール
きみ
ティンダーは妖精だったと思いますよ
ユウゴ
古代語魔法にあるんだ
アズハール
あるの???
アズハール
ぴっと上に弾く。MPに「4」のダメージ。
「ザス・ザルド――」 以下省略。【ファイア・ウェポン】を自分に行使して。
指先で、煙管の上を切った。
髪にかすったなら少し焦げたかもしれないが、無事、煙管に火がついた。
ユウゴ
――……」 煙管を吸って、旨そうに煙を吐き出した
アズハール
「てゆーか、焚き火から適当に取ればよかったんじゃん? 割とユウゴのマナを……まいっか。ユウゴのマナだから」
ユウゴ
「眠れなくてする事もねえなら、どうせ暇だろ」
アズハール
ふー、と肩ごと息をして。
ユウゴ
「ジャックの奴に交代するまで、まだしばらくあっからな。暇つぶしに付き合えよ」
アズハール
「む。べーつにする事ないから起きてたってわけじゃーないし……」
「暇つぶし?」
ユウゴ
応えずにもう一度、紫煙を吐き出す。
しばらくの間があり、
「お前、ちったあ落ち着いたのかよ」
アズハール
「落ち着かないから起きてるんでーすー」 人差し指でとんとん砂を叩いた。
ユウゴ
「あ、そ」
アズハール
「動的か静的かでいえば後者だけどさぁ」
「あ、そ て」
「やっぱ煙管ごと燃やして良かったね……」
ユウゴ
「残念ながらコイツは鉄製だ」
「こんな見た目だが、喧嘩ン時ぁ、こいつで鼻をへし折るくらいは朝飯前よ」
アズハール
「ユウゴも含めてってはっきり言えば良かった~??」
「そりゃ随分かたい煙管ですことー」
ユウゴ
「ンだよ。いちいち絡むな」
アズハール
「絡んできたのユウゴじゃん何言ってんの」 じっとり上目で睨む。
ユウゴ
「……ん? そうだったっけか?」
アズハール
「いやそーでしょ」
「眠れねぇのかって」
「声かけたでしょーが」
ユウゴ
「んー……?」 
「んー……」
「まあ、どっちでもいいか」
紫煙を吐き出し、灰を砂に落として
アズハール
「寝ぼけてんの???」 やや引きつった口元。
ユウゴ
アズハールを見やる。
――……」 その顔を、じっと見つめた。
アズハール
「それとも煙管の中になんか変な薬いれてるやつだった……?」
「……な……」
「今度は何」
ユウゴ
「……いや、本当、あいつと似てるなって思ってよ」
アズハール
恐る恐る言ったが。
ユウゴ
「分かってても、な。どーも、あいつと話しているような気分になってくるぜ」
アズハール
「……」 微妙な顔してから、口を曲げた。
「見た目も中身も?」
ユウゴ
「……いや、よく見りゃ目元が違うし、話してりゃ別人だなってのは分かるんだが」
「お前の声とか、その話し方が、よく似ててよ」
アズハール
「ふーんー………」 中指で自分の頬を押して軽く頬杖をしている。
「……記憶違いじゃなかったら、やっぱ、私に親族はいないと思うよ」
心做しか不機嫌そうに。
ユウゴ
「……案外、お前の孫だか、ひ孫だかかもしれねえけどな」
アズハール
「は……」
「……」
「え……?」 お腹を両手でおさえて 「信仰とかなんもしてないんですけど」
「しょじょじゅたい……? しらぬまになんかうんで……??」
「いや全っっ然……記憶ない……」 新たな不安が押し寄せる。
ユウゴ
「……あー、悪かった悪かった。気にすんな。戯言だとでも思って聞き流せ」
アズハール
「確かに昔の人だとか言われて……未来から見れば……みたいな……??」
「ああ、はい。戯言ですね、はいはい。未来ジョーク」
ユウゴ
「お前だってロクに信じてねェだろうが」 未来から来たとか
アズハール
「ありえなくはないのかなぁとは思わなくないよ」
ユウゴ
「……?」 どっちだ?
アズハール
「未来から来たっての。ラルカちゃんにも言った……と思うけど」
「知らない技術……その、魔動機とか。カードとか。そういうの見て」
「転々としてる時に欠片も見なかったもん」
ユウゴ
「なんだ、そうか」
「まあ――れっきとしたモノがありゃ、完全な与太話として片付けるわけにもいかねえか」
アズハール
「あんなカードぱっと投げて効果あるの見たんじゃ、信じるしかないんじゃない?」
「魔法で誤魔化してる風にもなんか、思えないしさ」
ユウゴ
「頭が柔らかいってのは美点だね」
「それなら、さっきの話だって、あり得ねえ話じゃねえだろ?」 と、肩をすくめて
アズハール
「……」
ユウゴ
アズハールの孫だのひ孫だのという話だ。
アズハール
「しょ……じょ、じゅたい……?」
「…………まじ?」 額を両手でおさえて、マジ顔だ。
ユウゴ
「……だぁから、お前に取っちゃ未来の話だろ」
「この先、お前が惚れる相手でも出て来るのかもしれねえじゃねえか」
「よかったな、先の愉しみができて」
アズハール
「いやいやいやいや……」
「そんな愉しみある未来とか私には無……い……」
ユウゴ
――……」 あん? とアズハールを見やる
アズハール
「なか……った……」 人差し指で眉間をおさえる。
ユウゴ
「……」 かつての罪の意識からそんな資格はないのだ――と、例えば、そういう様子とはまた違うように思われた。
アズハール
「……」
「……私、どうしてここにいるの……?」
ユウゴ
「……おい」
「今度はなんだってんだ。しっかりしろよ」
アズハール
「ぁ……いや、うん……」
ユウゴ
――……お前、本当に大丈夫か?」
アズハール
「……即答でいいとは、絶対、言えない……かな」
「なんか……なんで、こんな、ぐちゃぐちゃなんだろ……」
ユウゴ
「……記憶喪失、ってのは本当みてえだな」 正確には、記憶の混濁、という所だろうが
アズハール
「……魔神たちと悪さすごいしたのは、間違いじゃない」
ユウゴ
「…おう」
ユウゴ
うってるかな?
アズハール
「マハー出身じゃなくて、そもそもここの世界の人じゃなくって……のも合ってる、はずで……」 記憶を辿りながら、人差し指をくるくるとまわしてる
アズハール
うった(うった
ユウゴ
「……」 ココの世界の住人でないのは、それは自分たちもご同様だが。
「どっかから流れて来るなんて話は、まあ珍しい話だが、この稼業やってりゃ、たまに聞く話だからな」
アズハール
「ん、ん? そんなもん、か」
ユウゴ
「ん? ――ああ。おれたちが来た場所の話だよ。なんでか知らんが、よそから色んなものが流れ着く土地なんだと」
「奈落の影響だ、なんだって言うやつもいるが―― おれに言わせりゃ、どっちかの神さんが、でっけえゴミ溜めにでもしたんだろうさ」
アズハール
「どこかで巨大な穴を作られただけで、そりゃ大した影きょ……ん……?」
今なんて言った、とばかりに人差し指を右往左往とさせて、
「……私、奈落とか、知らな……かった、よね……??」
ユウゴ
「……」 またか、とアズハールを見やる。これがあるから、ネフィーの影響を感じるのだ。 「知るはずのない事を知っている――か。お前の時代にゃ、まだ奈落は無かったんだっけな」
アズハール
「そう……だよ。そうだよ。そんなの無かったよ」
「ジャックが言ってた魔域だって……」
「……私は知らないはずなんだよ。なんか……中に入ったりするやつ……でしょ?」
ユウゴ
「ああ、そうだな。黒い球みたいな形で現れてよ、中に入ると、外とはまるっきり違う景色が広がってんだ」
「お前の時代にも、魔剣はあるだろ? 剣が作る迷宮ってのに、ある意味じゃ似てる。気分屋で、ふたつと同じものが無い所とかもな」
アズハール
「教会……とか……、城? みたいな……とか……」
「世界に根付いたものとは、ちょっと……違う気が……?」
ユウゴ
「詳しい事はしらねえけどな。そういうのは、カレン辺りにでも聞いてくれ」
「ただ、奈落の底からは、魔神どもが這い出してくるんだと。後から後からぞろぞろとな」
アズハール
「うーん……うん……」
「? それって、いうことは……」
「違う世界とは、言ったけど……つまり私は奈落から……いや私そういう穴からは来てない……」
「……」 なんだか怖気を感じて身震いし、
「あんまり考えたくないけど……でも、考えなくちゃ……いけないんだ、多分。これ……」
ユウゴ
――……」
「ま、あんまり思いつめ過ぎんなよ」
「必要なことなら、きっかけさえありゃ、ふとした拍子に思い出すもんさ」
アズハール
「……なぁんか、あんまり、今は前向きになれないねぇ」
ユウゴ
「だったらよ、もっと目先の事を考えな」
アズハール
「信用ないんだから、ちゃんと、説明できなきゃ……」 ぐりぐりと、被った毛布を両端にひっぱってる。
「目先?」
ユウゴ
「いまお前がしなきゃいけねえ事は、この指輪を集める事なんだろ?」
「どうして集めなくちゃいけないのか、集めてお前が何をしたかったのか」
「過去は過去、今は今、だろ」
アズハール
「……」 両目を瞬かせて、
「そうだよ。夢で見たからだけじゃ、ないんだよ。ちゃんと……私は願いが合って」
「……なんでそんなことまで、忘れてたんだろう」
ユウゴ
――お前の目的は、おれたちにも何か意味があるような気がすんだ」
「こういう言い方は、柄じゃねえんだが……」
「お前とバッタリ出会ったのにも、何か意味があるような気がすんだよ」
その言葉は、彼の中の、別の経験に基づいている。
アズハール
「魔域を……攻略する、ための?」
「願いを明らかにして、記憶を明らかにして……」
ユウゴ
「言ったろ。おれたちはネフィーを探しに来たって」
アズハール
「……指輪じゃなくて、そう、人探しで」
ユウゴ
「迷惑ばっかりかける大概な奴さ。首根っこ掴んで、たっぷり文句を垂れてやらねえと気がすまねえんだ」
アズハール
「他人事じゃなくって、なんかウケるわ。生涯迷惑しかかけてなかったもん」
ユウゴ
けっ、と笑い、「ああ。そういうところもそっくりだよ」
「いまんとこ、手がかりらしきものは、お前の中にしかねえんだ」
アズハール
「私と違って、有限だもんね。いや、私もある意味有限とは思うんだけど……」
ユウゴ
「だから、おれたちはおれたちの目的で、お前とこうして話してる」
指輪を顎で示して、「何だか知らねえが、お前のそれは大事な事なんだろ」
アズハール
「きっとね」 黒い指輪をしている手を、改めて出して、 「この指輪のことだから、行き着く先はどうしたって、ろくなもんじゃないと思うけど」
「それでも指輪は集めるよ」
「私には、他に縋るものがないんだ」
ユウゴ
「なるようになるさ。たどり着く場所がどこでも、いつかたどり着くことにゃ変わらねえだろ」
――だったら。あいつらが起きてきたら、思い出したこと全部話しな」
アズハール
「うん……今話してて、割と思い出したこともあるから」
「もし、その、目的が違えることになるんだったら」
「もう……それはそれでいいや」
「目的……じゃないな……えっと……」
「まあ。精々、自分なりにまとめるからさ……」
ユウゴ
「おう」 と、だけ答えて、立ち上がる
アズハール
「明日、言うけどさ」
ユウゴ
アズハールを見下ろして、言葉を待った。
アズハール
「とっくに死んでること、思い出した。自覚したっていうのと、思い出したっていうの、どっちが正しいかわかんないけど」
「そう聞いたら……どんな願いかぐらい、想像つくでしょ」
ユウゴ
――……」 思わぬ告白に、ユウゴの目が大きく見開かれる。
しばらくの沈黙の後、
「……そうか」 とだけ、短く言って。
そばに立てかけていた、大太刀を取った。
蒼い刀身を持ったその大太刀は、奇しくも、
世界に、とうにもう居るはずのない者たちから、託されたものだ。
――筋を通そうって奴は、嫌いじゃねえよ」
そう言って、大太刀を背負い、ユウゴは踵を返す。
アズハール
「今はまだ、斬られるわけにはいかないけど」 その背に向けて言葉を投げかけて。
「そうされることに、もう文句はないよ」
ユウゴ
脚を留め、振り返って、「ばぁーか、勘違いすんな」
「こちとら、はじめてじゃねェんだよ。とっくに死んでるって奴の世話をすんのはな」
からからと笑い飛ばした。
「さて、と……ジャックを起こさねえとな。そろそろ交代の時間だろ」
アズハール
「変な縁があるんだね」 それはまたと肩を小さく竦めた。
「そんな時間? そっか……まあ、私はまだ起きてるけど……」
ユウゴ
「違いねえ」
腰に吊り下げていたスキットルを外して、アズハールへ投げて寄越した。
「話のお代だ。旨い酒だぜ」
アズハール
「っと、と」 受け取る時に、被っていた毛布が頭から落ちた。
ユウゴ
それだけ言って、ユウゴは歩いていく。「あいつ、ちゃんと起きるだろうな……」 などとぶつくさ言いながら。
アズハール
「自分で飲まないの? まあ、もらえるならもらうよ」
ユウゴ
こちらは以上かな
アズハール
「……」
いつか夢で見た光景を見たような、気がした。
一度首を横に振るって、毛布を被り直すと再び背を向けて、
思い出したことを振り返りながら、もらった酒を口にする。
「……はは。飲んだこと、あるんだなぁ……」
困り笑いをして、深く息を吐く。
それから寝るまでに、また時間がかかってしまったかもしれない……
 
 
アズハール
おわ
ユウゴ
おつさま
さんくす
アズハール
こちらこそ
ユウゴ
ではあとは卓でですね
アズハール
だらだらありがとう('、3_ヽ)_
ユウゴ
おやすみ~~
アズハール
おやすみ~また卓で~
!SYSTEM
ユウゴが退室しました
背景
BGM