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クッキーの甘さと珈琲の香り

20200517_2

!SYSTEM
ウィスタリアが入室しました
!SYSTEM
カルロスが入室しました
カルロス
名前色は……確かおーきっどだったと思う……
ウィスタリア
その色だった気がします
カルロス
別に君は大体どの時間帯でも大丈夫そうだよね。
つまり昼下がりだ
ウィスタリア
わかりました
導入などは もし入りやすさを考えるならお任せしますが こちらで受け持っても大丈夫です
カルロス
雑にやるのでちょっと時間を貰って用意しよう。
ウィスタリア
承知しました
カルロス
この日は一日オフだった。
元より、実を言えばそこまで勤労な方という訳でもなく。依頼へと精を出すのは、手持ちの金額が危なくなった時やぴんと来た時くらいが主、だったりもするのだけれど。
そういう意味では、ここしばらくは依頼を受けるでもなく本を読んだり散歩をしたり、のんびりとした時間を過ごしていたので今更にオフであることを強調する必要もないと言えばないのだけれども、今日のオフはまあ、いつもと少しばかり気分が違ったりしたのだった。
具体的にどう違ったのか、と言うと──。

「店長、厨房を借りたいのだけれど」
ガルバ
「はぁ? なんだいきなり」
カルロス
「大したことじゃあないの、実はね――

そんなやり取りが、あったりなかったり。
店で使う時間はともかく、午後の空いた時間帯ならということで許可を得て。当初の目論見を果たしたカルロスの手元には――焼き立てで未だにほかほかと湯気を立てるクッキーが置いてあるのだった。コーヒーも用意して完璧なおやつスタイルの完成である。
カルロス
やっつけた
ウィスタリア
やっつけられました
カルロス
現在地は〈星の標〉の酒場部分。酒場、という場所に対して持ち込んだのは甘味と珈琲。完全に喧嘩を売っているのだが問題ない、ガルバにお裾分けは済んでいるのだ。
 
たんたんたん と 階段の上の方から足跡がする 酒場に降りてくるのは白いブラウスに黄緑色のロングスカートの少女
カルロス
仄かに甘い匂いが降りてきた君の鼻腔を擽るかも知れない。
 
金色の髪はリボンで纏められ 青い瞳はガラス玉のように人形めいた無表情を彩る
ウィスタリア
「──、」 会話の習熟のために、一日に何度かはこうして酒場部分に来るのだが 今日は、いつもと違う香りがした
視線を香りの方に向けて 歩き出すと 「──、カルロス」 見知った人影を見出す
カルロス
「~♪」 ややご機嫌に。焼き立てのクッキーの、さくり、というよりは柔らかい食感を楽しみ始めていた所に。
「ん――、あら。ウィスタリア? こんにちは、お散歩かしら」 掛かった声に振り向き、見知った少女の姿に挨拶を返して。
ウィスタリア
とことこと、ゆっくりと近づいて 「日課デす」 散歩?という言葉に対する回答を少女は一言で発して
カルロス
「そう」 座る?と着席を促しながら。
ウィスタリア
「星の標にいル時は、1日に何度か、会話の習熟のたメに話し相手を探しマす」 言い切り そして促されれば席に着く
カルロス
「意味は大分通る様になっているものね」 会話に問題はそんなになさそうだ。 「発音、は習熟する必要がありそうだけれど」 若干イントネーションのおかしい部分がいくつかあるのに、ふ、と柔らかく笑みつつ。
「よかったら如何?」 皿へと乗せたクッキーをそちらへと寄せた。
ウィスタリア
「気になっタ相手と、話しテみなさいと」 これも訓練だからと言われましたと 「はい。もウ少し、こちラの言葉に寄せル必要がありマす」
カルロス
「あ、店長。珈琲もう一杯頂戴?」 この子の分を、とウィスタリアの飲み物を注文して。
ウィスタリア
発音に関しては頷いて 「…‥こレは?」
カルロス
「あら、私の事が気になったってこと? 嬉しいわね」 ウィスタリアの言葉にくすり、と笑って見せて。
「クッキーよ、クッキー。急に作りたくなって作らせて貰った者だから、味の保証はしないけれども」
ウィスタリア
「ラヴとはなにか分かっタら、お伝えするとお約束シました」それにも頷くように肯定して 「だから、それは考えるようにしていマす」
「菓子類でスね。カルロスは、こうしタものを用意されマすね」
カルロス
「そう。完全に、でなくても何か感じられることがあったかしら?」 顔を合わせていない間に、と。
「この間のはお店のを食べたくなって。今回は、どちらかというと作る方をやりたくなったのよね、不意に」 同じようで違うのだ。
ウィスタリア
「まだ、分かりまセん。ただ、誰かに何かをしてあげタい、と言う人達を見まシた」
「それから、郵便配達員にナりました。他にも、代筆ヲしました」
カルロス
「あら、アルバイト?」
ウィスタリア
「肯定しマす」 頷いて 「仕事は、必要デす」
「また、代筆しタお客様から、手紙のやり取りをするという約束もしマした」
淡々と報告するように口にして クッキーを一枚、手に取る
カルロス
「まあどちらも、良くも悪くも他人の感情には触れる事は多い物かもしれないわね」 仕事としては。
「まだやわらかいから気を付けてね」
ウィスタリア
「……硬いものダと、思っていまシた」
不思議そうに眺めてから口に含んで 咀嚼する
カルロス
「焼き立ては、まだ柔らかいのよ」 ふふ。
「作りたてでしか楽しめないのよ。私は案外好きなのだけれど」 あなたは?と尋ねて。
ウィスタリア
「……」 飲み込んで 「甘いです。不思議な味がしマす」
カルロス
「そう、嫌いじゃあないなら良かったら食べて頂戴。 作りすぎた、と言うつもりはないけれどもそれなりに作ったから遠慮しなくて良いわ」 
ウィスタリア
少し考えて 「美味しイと、思いマす」 カルロスを見る
カルロス
「あら」 その反応に少し驚いた様子を見せた後。
「そう、なら遠慮なく食べてくれていいわ」 お店で売られているもの程じゃあないけれど、と微笑み。
ウィスタリア
「言葉にするのが難しいのでスが、」表情は動かないが声には軽く驚きの色がついている 「柔らかいもノは、柔らかい味がすルようです」
もう一枚、手にとって 何度かふにふにと動かしてから また口にする
カルロス
「普段硬いものだから、食感が楽しいでしょう?」 割りと食べ慣れた味が、舌触りや食感が変われば全然違う味に感じられる物だ。
「冷えれば普通に硬いクッキーになるのよ」
ウィスタリア
「楽しイ…」首を傾げて 「不思議デす」と語をつぐ
「固くなっタ後と、前デは、こんなに違うのでスね」
カルロス
「その辺りの差が楽しめるのも、自作の楽しみではあるわね」 うん、と小さく頷き。
「良かったら、後で持っていく?」 冷えてしっかり固まった方のクッキーも。
ウィスタリア
「シュナさんにお渡しシます」 頷いて
「……クッキーが固くなるノは、」
「成長なのでしょウか」
カルロス
「ええ」 頷き返し、ウィスタリアが口を開いたのでどうしたの、と首を傾げ。
ウィスタリア
「成長を見るノが、楽しイと、お客様……エスメラルダさんから言われまシた。成長とは、変化スる事です」
カルロス
「ううーん」 少し考えて。 「成長、とは言わないわね、たぶん」
「クッキーが冷えて固まるのは、自動的な物よ。ただ時間が経って、熱が奪われていけばそうなるもの」
ウィスタリア
「そうでスか……柔らかいクッキーと、硬いクッキー、違いがあルのは似ていルと思ったのでスが」
カルロス
「成長っていうのは、自動的な物じゃあなくて自発的な物だわ」
「例えばこのクッキーが、『もっと美味しくなりたい、サクサクになりたいんだ』と思ってそうなるんだったらそれは成長、と呼べるのかもしれないけれど――違うわよね?」
ウィスタリア
「……」頷いて 「自然に、そうなルのは、別なのでスね」 やはり難しそう
カルロス
「まあ植物が育つことも成長と言うし、それらにそんな考えがあるのか、と言われたら難しいのだけれど」 ちょっと苦笑しつつ。
「少なくとも、人間(あなた)の成長、と呼ぶのは。ただ自然にそうなるから、というものじゃあないと思うわ」
ウィスタリア
「それをわたしも楽しイと思える日が来ルと、言われたのでス」
カルロス
「さっき。こうして話をすることを日課にしている、と言ったけれど。それは、誰かにそうしろと言われたからそうしているのかしら?」
ウィスタリア
「……」 言葉を受け止めるように少し沈黙してから 「提案しまシた。会話の習熟は、必要なことなノで」
「それで、許可を頂きまシた」
カルロス
「つまり、あなたが自分で『そうしよう』と思って実行していることよね」
「実際、どうかしら。会話には慣れてきているでしょう?」
ウィスタリア
「はい」 頷いて
カルロス
「たとえば。私も詳しくはないけれど――今みたいになる前の、一緒に遺跡に行く前、くらいになるかしら」 自分でもまだ知っているのは。
「その頃のあなたは、そんな風に。自分で考えて、なにかをしよう。そう決めることをしたと思うかしら?」 出来たか、ではなく。
ウィスタリア
「いいえ」首を横に振って 「沢山の指示を頂くマでは、そうしタ事はありませんでシた」
カルロス
――なら」 「それは、あなたが成長した、ということね。誰かに何かを言われなくても、自分で考えて動けるようになった、と」
「どうしてあなたが指示や命令を受けないと動けない、と思っているのか詳しいことは知らないけれど。例えば、あなたがやりたいと思える事を見付けられたとして」
ウィスタリア
「……そう、なのでしょウか」
カルロス
「さっき。こうやって誰かと話をする、という事に許可を貰ったと言ったわね?」
ウィスタリア
「命令ヤ指示は、……無いと動けまセん」
「はい」 カルロスに頷いて
カルロス
「あなたが見付けたやりたい事を、誰かに「それはやってはダメだ」と言われて。それでも、そのやりたいことを優先して行えるように――行ってしまうようになった、とすれば」
「それも、人間らしい成長、っていうことなのよ。人間っていうのは、命令や指示が絶対、じゃあないんだから」
ウィスタリア
「……」 少し視線を下にして 「絶対じゃ、ナい…」
カルロス
「ええ」
ウィスタリア
「やりたいことはないか、と言われまシた」 ぽつりぽつりと
「命令がなくても、動いテいい。自分から行動できるようになっテほしい……そう言われマす」
「……願いと命令は違ウというのは、言われまシた」
カルロス
「その発展が、命令に逆らってもいいってことになるわね」 くすくす。
ウィスタリア
「‥…命令に逆らってもいいという命令を出されたトき」
カルロス
「そうね。『そうしなさい』というのが命令で、貴方自分でそうしたい、そうしてもいいと思ってくれた上で『そうして欲しい』というのが願い、かしら」
ウィスタリア
「わたしはどう対処すればいいのでシょう」
カルロス
「そうねぇ、それじゃあ例えば、ウィスタリア」
「私が貴方に、『命令に従うな』という命令を貴方にしたら。どうするのかしら?」 悪戯っぽく笑いながら尋ねた。
ウィスタリア
「……より上位の指示者であるシュナさん、シトリスさんに確認を取りマす……でスが」
「同じことをお二人からも命令されたラ……」
カルロス
「ちなみに。『今後』じゃあなくて、その命令から即時に、よ?」
ウィスタリア
「……」 考え込むようにして 「……わかりまセん」 出した答えがそれで
カルロス
「どうしたとしても、命令に従う、ということはできないものね」
ウィスタリア
「その命令に従う事が、命令違反になり、命令に従わないことが、命令通りになりマす」
「対処が、出来まセん…」 無表情に少し疲れた表情を載せて
カルロス
「だから、命令に逆らってもいいというのは命令じゃあないわね」
「あなたが、そうやって人間らしくなって欲しい、という願いなのよ」
ウィスタリア
「……命令と願いの違イが、分かりまシた」
少し黙った後に またカルロスの方を見て口を開く
「ラヴというものは、」言葉を切りながら 「願いに近いのでしょウか」
「誰かのために、何かをしてあげたいと思ウこと。して欲しいという事とは、違うかもしれまセんが」
「似ていル、気がしマす」
カルロス
「同じではないかもしれないけれども、重なる部分はあるものかしらね」 小さく頷きながら。
「少なくとも。シュナがあなたに、命令なんてなくても自分で行動出来る様になって欲しい、と。そう願っている気持ちは、きっとあなたに対するラヴから来ているものだもの」
「シュナが言っていたこと、よね?」 きっとこの発言は、と。口にした後で確認した。
ウィスタリア
「はい」 肯定するように頷いて
カルロス
「お世話になってそれなりに経っているんでしょうけれど。あなたは、シュナのことをどう感じているかしら。改めて、考えてみてご覧なさい?」
「ただ命令をくれるだけの人のまま、それだけかしら。例えばさっき名前の挙がったもう一人から、もうシュナの傍にいなくていい、命令を聞く必要もない。――そう言われて、引き離されたとして。何とも思わないまま、かしら?」
ウィスタリア
「‥‥指示者の方。服を選んでくだサり、よく頭を撫でて下さいマす。朝、髪を梳かすとき手付きが柔らカです」
「シトリスさんから、そうした命令があっタ場合……対抗した命令が出たなのなら、やはり先程と同ジ判断が出来ない状況になりマす」
カルロス
「じゃあ、出なかったら?」 対抗した命令が。
ウィスタリア
「従いマす」
カルロス
「従って離れる事になる、と。想像してみても、何も感じない――かしらね?」 そうじゃあないと思うのだけれど、と小首を傾げながら尋ねてみた。
ウィスタリア
「……」 視線を下げて 「……変な感じがしマす」
「体調に不備はないはずなのでスが」
カルロス
「ええ」 頷いて言葉の続きを促し。
ウィスタリア
「…‥ここが」 胸元や腹に手を運んで 「少し変デす」
「……ただ、どうして変なノか、よく分かりまセん」
カルロス
「きっとそれは寂しいとか、そういう感傷ね」
「シュナのことを、なんとも思っていなければ感じない筈のものだわ」 ふ、と笑いかけ。
ウィスタリア
カルロスの笑みを眺めやってから 「………」自分の手元を眺めて
カルロス
「ウィスタリア」 考え事を邪魔する様に、名前を呼んで。
ウィスタリア
「はい」 視線をカルロスに戻して
カルロス
「もしも、シュナをびっくりさせて、喜ばせてあげたい、と。少しでもそう、あなたが思うなら。いつでも声を掛けて頂戴?」
「クッキーの作り方くらい教えてあげるわ。あなたがそうしたいと思って食べて欲しいと思った、と言って渡してあげれば。きっと、彼女は凄く喜ぶでしょうから」 にこにこと笑いながら言って上げよう。
ウィスタリア
「……分かりまシた」 頷いて 「そうしタいと、…思っタら、でスね」
カルロス
「ええ」 頷き返して。 「命令、なんかじゃあないわよ? どちらかと言えばこれもお願い、かしらね?」
ウィスタリア
「……」頷いて 「また、一つです」
カルロス
「あなたが。そうしたいと思えた時に、お手伝いさせてちょうだい、と。そういうお願い」 よろしく頼むわね、と。
「今日のところは私のクッキーで我慢してちょうだい」
ウィスタリア
「頂きマす」 また一つ クッキーを手にとって
珈琲の香りと甘い香り その両方が無表情をどこか、穏やかにさせたかもしれない
カルロス
話している間に冷えて、少し硬く。先程と違ってさくりとした感触の、よく知っている、だけれども少しやわらかめの食感を味わう事になったでしょう。
ウィスタリア
こんなところでしょうか
カルロス
「ウィスタリア。あなたはきっと、ちゃんと成長しているわ。焦らなくても良いし、変わっていく事を不安に思うこともないの。人間なんてきっと、そういうものよ」 穏やかにしている所にそんな風に声を掛けて、後はお茶と益体のないお話でもしていたことでしょう。
おみやげには二人分ということで少し多めの紙袋に詰めたクッキーを差し上げた。
カルロス
こんなもんだべな
ウィスタリア
ありがとうございました。
また大事な会話が出来ました
カルロス
おつかれさまでしただ。
))
ウィスタリア
お疲れ様でした
!SYSTEM
カルロスが退室しました
背景
BGM