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願いと手紙

20200516_0

!SYSTEM
エスメラルダが入室しました
!SYSTEM
ウィスタリアが入室しました
ウィスタリア
はい
エスメラルダ
うん
ウィスタリア
今回はわたしが導入をお引き受けしましょう
エスメラルダ
どちらが先に店の中にいる方がやりやすいかな。
っと
解った。ではお願いさせて貰うよ
ウィスタリア
店内にはお客様がいらっしゃる想定で描写します
エスメラルダ
ああ、解った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
リアン地方、イルスファール王国 "星の標"
ここは国内でも有数の冒険者ギルド支店としてその名を輝かしいものとしている
数多くの冒険者を揃え、高い依頼達成率を誇り
国の内外個人・組織問わず 数多の依頼がこの店には舞い込んでくる
そんな店も朝を除くと、そこまで騒がしくない
ウィスタリア
夜と昼はどちらがいいでしょう
エスメラルダ
どちらでも構わないよ。そちらの都合の良い具合で。
そちらも指定が無いようなら、夜にしておこうか。
ウィスタリア
わかりました
 
夕餉の時間も過ぎると、酒場は酒呑みたちの明るい社交場になる
朝の騒がしさとは別の 陽気な声が並ぶ様子を見ることが出来る だいたい半分のテーブル席がそれで埋まり
和気あいあいとしている
時間としては20時を過ぎる頃だろうか
!SYSTEM
トピックを変更 by ウィスタリア
星の標 夜
ウィスタリア
こんなところでしょうか
エスメラルダ
ああ、解った
エスメラルダ
そんな店内の隅、埋まっているカウンター席からやや離れた 酒呑み達が使っていないひとつのテーブルに、一人の男性が座っていた。
喧騒の中で特に気にするでもなく、テーブルの上には広げられたいくつかの書籍がおかれている。
その手前に置かれたメモの上に、羽ペンをぎこちなく走らせては、たどたどしく文字を記載している。
簡単な挨拶や報告、自身の名前であったり 文字が過不足が多く、まだ人に見せるには不十分な出来ではあるが
羽ペンを正しく持ちながら メモと向き合って、小さく首を傾げながら 書き連ねている。
 
階段を降りてくる足音ともに 店内に1人の少女が現れる
黄緑色のスカートに白いブラウス リボンで髪を後ろに纏めた少女は 青い瞳を無表情で店内に向けた
ウィスタリア
その明るい宴の場を 眺めやるようにして じーっと 少女は視線を向ける
エスメラルダ
「……」 ふと、視線をあげて
ウィスタリア
そして、視線が、テーブル席の一つに向けられると 固定される
エスメラルダ
階段から降りてきた、人形の様な少女を視界に収めると 視線が合った事に薄く微笑みながら、左手を小さく挙げた。
ウィスタリア
少女は特に頷きを返したりはせずに 真っ直ぐにエスメラルダの席までやってくる
エスメラルダ
「やあ。……こんばんは」 席までやってきた少女を見ると、席を立って会釈した。
ウィスタリア
「こんばンは。お客様」 エスメラルダに対しての印象、そして文字の記載(やっていること)を確認したのか、少女は開口一番名前を呼ばずにそういった
エスメラルダ
「……」 その様子に苦笑して、小さく頭を振る。
「今日は顧客としている訳ではないよ、ウィスタリア」
「またいつか、仕事を頼む事はあるかもしれないけれどね」 
ウィスタリア
「そうでスか」 頷き 「失礼しまシた、エスメラルダさん」
エスメラルダ
「ああ。……食事に?」 テーブルに広げていた本とメモを一つに纏めて、促す様に対面の椅子を示した。
ウィスタリア
「はい」 頷いて 促されれば席につく
エスメラルダ
「では、ちゃんと食べるといい。普段は何を?」 脇に置いていたメニューをウィスタリアの手元に差し出した。
ウィスタリア
「バランスよく取るよウ指示されています」 メニューを見ずに 「だいたいは、日替わりのメニューを選んでいマす」
エスメラルダ
「そうだな。食生活には気を付けた方がいい」 彼女なりに指針があって選んでいるのならば、それは良い事だろうと頷いた。
ウィスタリア
「日替わリを」 店員を呼ぶとそう言って 「それかラ、ホットミルクを」
エスメラルダ
注文を聞き取ると、薄く微笑んで口を開いた。
「……気に入ったか?」
ウィスタリア
「はい」 頷いて見せて
エスメラルダ
「口に合ったのなら良かった。……仕事はどうだ?」
ウィスタリア
「街デ配達を」
エスメラルダ
「誤配は無くなったかな」 茶化す様に微笑みながら声を掛けて
ウィスタリア
「冒険者ノ仕事は、あまり引き受けテない状態デす」
「ありまシた。今日まデに全部で16件でス」
エスメラルダ
「うん? それはどうして――、……そちらも少しばかり多いな。何か、解らない事でも?」
ウィスタリア
真面目に答えやって
「争奪戦というもので中々取ることが出来まセん」 最初のどうしてに回答して
「現住所と変更後の住所が違っていタことなどが主な原因デす」
2つ目の質問にも答える
エスメラルダ
ふむ、とどちらの返答にも頷きを返して
ウィスタリア
日替わり ビーフシチューのセット とホットミルクが運ばれてくると それを前にしつつ
エスメラルダ
「争奪戦は……そうだな。確かに、ウィスタリアの体躯では厳しいものがあるかもしれない。相当な密度だからな……」
「他の者が取得した依頼に参加する……というのが、妥当な所かな」
運ばれてきた食事に頷いて 美味しそうだな、と声をかけておく。
「住所の変更については……文字の読み違いだとかではないのだよな」
ウィスタリア
「はい」 頷いて
「一日あたりの配達数を考えルと、16件は比較的少ない方だと考えらレます」
エスメラルダ
「そう、なのか? ……そうか。印象で言ってしまって、すまないな」
ウィスタリア
「問題ありまセん」 無表情に返して
食事などには手を付けずに 会話を続けて
エスメラルダ
「ああ、……すまない。食べていいんだぞ」
ウィスタリア
「いただきます」 食べていいと言われてはじめて 手を付ける
エスメラルダ
「……ウィスタリア。食べながらでいいから聞いてくれ」 その様子を見て、困った様に声を掛ける。
ウィスタリア
「…‥」 頷きを返して ビーフシチューとパンを口にする
エスメラルダ
「……最初に仕事を頼んだ時もそうだったが、命令が無くとも行動して良いんだぞ」
苦笑しながら、此方が何も食べないのは気になるかと 軽食を注文する。
ウィスタリア
「……」 飲み込み 「指示や、命令はあルと動きやすいデす」
エスメラルダ
「だが、ウィスタリアは兵士ではないだろう。配達屋の職員ではあるかもしれないが……」
「自分の意志で動く事も、してみてもいいのではないかな」
ウィスタリア
「わたしを遺跡から連れ帰った人の話によルと、わたしは兵器の部品だったようデす」
「なんらかの実験に関わっテいたと推察されていマした」
エスメラルダ
「……」 一瞬だけ眉を顰めて それを戻す
ウィスタリア
「兵士でアった可能性は否定できまセん」
エスメラルダ
「以前はそうであったのかもしれないが、今はそうではないだろう?」 口にしながら、自嘲する様に笑みを浮かべた。
ウィスタリア
「はい。今は兵員ではありまセん」
エスメラルダ
「ならば、命令を求めずに生きることもきっと悪くないだろうとは思う」
決めるのはウィスタリア自身だが、と続けながら、運ばれてきた軽食を受け取った。
「自由に生きる事も、存外悪くないものだよ」
ウィスタリア
「自分の意志で、とは言われてイます。ただ、」
「それは、難シいです」
エスメラルダ
「……では、小さなことからはじめてみてはどうだろうか」
ウィスタリア
「小さナこと」 おうむ返しに
エスメラルダ
「ああ。……配達屋や、冒険者としてではなく」
「何か、したい事はないか? 慣れたい事、覚えたい事……何でもいい」
ウィスタリア
「……」 言われて無表情に困った色を僅かに載せる 「……思いつきまセん」
エスメラルダ
「今すぐではなくていいよ。思い付いたら教えてくれ」
ウィスタリア
「承知しました」
「…‥これで、2つ目デす」
エスメラルダ
「……、うん?」
ウィスタリア
「分かったら、お伝えスる項目が2つになりマした」
エスメラルダ
「そうだな。……ゆっくり、焦る事はないよ」
ああ、と頷いて 「言っておくが、これは命令ではないからな」
ウィスタリア
「命令や指示ではないのナら、なんでしょう?」
エスメラルダ
「頼み事だよ。……勿論、報酬の発生する依頼、という事でもない」
「俺から君に、ただのお願いをしているだけだ」
ウィスタリア
「……手紙と一緒デす」
エスメラルダ
「手紙?」
軽食を食べながら 青竹色の瞳を、ウィスタリアへと向ける。
ウィスタリア
「願いというもノをわたしなりの理解に置き換えルと、手紙になるのデす」
エスメラルダ
「興味深いな。それは、どうして?」
ウィスタリア
「相手に、渡す言葉、それが受け取られルかは、相手次第」 「住所が変わってイて、受け取られないこともあっタり、届かなかっタりします」
「それでも、手紙は、出されないことはありまセん」
「相手に何かを願うトき、それは手紙ににていルと、思うのです」
エスメラルダ
「届くかもわからず、届いたとしても……か」
「……では、ウィスタリアに手紙を書こう」
その言葉に頷きながら、薄く微笑んだ。
ウィスタリア
「わたしに?」
エスメラルダ
「ああ。……ウィスタリアにとって、頼み事が手紙と同じならね」 
「……暫く時間はかかってしまうが」 先程文字を練習していたメモを一瞥して、苦笑した。
ウィスタリア
「……習熟するなら、実際に書いてみるノが一番でス」
「もし頂けたラ、手紙を返しマす」
エスメラルダ
「うん。文字にしても、言葉にしても、生き方にしても、実際に書いて、喋って、生きてみる事が一番だ」
頷いて、続いた少女の返事には首を傾げた。
「ウィスタリアからもか?」
ウィスタリア
「頂いたら、お返しがアるのが手紙でもありまスから」 頷いて
エスメラルダ
「では、楽しみに待っているよ。……手紙も、その返事も」
ウィスタリア
「ただ、書いたことはありまセん」
エスメラルダ
「……では、互いにはじめての手紙を出そうか。どうなるかは、解らないけれど」
ウィスタリア
頷きを返して
ホットミルクに口をつける
牛乳ひげは、作られることはなくなっていた
エスメラルダ
コップを運んだのを見ると、その口許に視線を向ける。
「……」 
残っていない牛乳ひげに、先程までの薄い笑みとは別に 妹や子供の成長を喜ぶような、穏やかな笑みを浮かべた。
「よくできた」 
ウィスタリア
「教えていただきまシた」
「一口で飲む量を調整すればいいのではなイか、と」
エスメラルダ
「良い事だ。……もう、ナプキンは必要ないな」 
ウィスタリア
「いいことがあったら、乾杯するといウことも」
エスメラルダ
「そうやって、一つずつ覚えていくと良い」 頷いて、嬉しそうに微笑んだまま少女を眺めている。
ウィスタリア
「‥なにか、あったのですか?」
エスメラルダ
「……ああ、良い事がひとつ」 
ウィスタリア
「……」 不思議そうにエスメラルダを見て
エスメラルダ
「知人の成長というものは、嬉しいものなんだよ」
「……成長というと、どうにも上からになってしまうな」
ウィスタリア
「成長、でスか」
エスメラルダ
言葉を切って、グラスを手に取ると 注がれていたエールを口に含んだ。
「ああ。……牛乳ひげが付かなくなったり、乾杯を知ったり」
「知らなかったものを知って、世界を広げていっているからな」
ウィスタリア
「……それが、嬉しいのデすね」 首をかしげるようにしつつ
エスメラルダ
「ああ。……他の誰かや何かを見れば、ウィスタリアもいつか解るさ」
ウィスタリア
「……いつか、それもわかるようになるのでしょウか」 少女は、漠然とした疑問をゆっくりと口にして
エスメラルダ
「なるさ」 その疑問には、静かに答えた。
「自由に生きて、君が一つの兵士ではなく、一人の人間になれたら」
「きっと、……いや」 言い聞かせる様に、一度口を噤んで
「必ず、なれる。絶対に」
ウィスタリア
「……」 じ、とエスメラルダを見つめて
「……それも、願い、でスね」 口を開く
エスメラルダ
ウィスタリアの視線には、少し緩んだ青竹色の瞳が応えて
開かれた言葉には、穏やかに微笑んだ。
「叶う様に、願っているよ。……手紙を出してね」
ウィスタリア
「……」 頷き 少なくなったビーフシチューを空にして ホットミルクを干す
エスメラルダ
その様子を見ながら、残っていたスナックのひとつを口に含んだ。
ウィスタリア
「ごちそうさまでした」
エスメラルダ
「うん。美味しかったか?」
ウィスタリア
銀貨を置いて 「…‥はい」 少し間を置いて頷いた
エスメラルダ
頷いた様子にも、嬉しそうに頷いて 良かった、と呟いた。
ウィスタリア
「待機に戻りマす」 席を立って
エスメラルダ
「ああ。俺はまだここに残るから、またどこかで」  
ウィスタリア
「はい。またどこカで」
流れるような動きで テーブルの間を縫って階段へと向かい そしてそのまま上に上がっていく
上がり切る前、またエスメラルダの方をじっとみて
そして視線を戻して部屋に向かっていった
エスメラルダ
その姿を見送るように視線を投げかけて、一度向いた視線には
穏やかな微笑みをもう一度浮かべて 「おやすみ」と声をかけた。
ウィスタリア
その声が聞こえたのか聞こえなかったのかはわからないが
笑みと言葉には 小さく頷いた気がした
ウィスタリア
こんなところでしょうか
エスメラルダ
うん
趣旨とは少しずれてしまったな、すまない。
ウィスタリア
いいえ
これは良い流れだったと思います
エスメラルダ
うん 流れ自体は俺も好みだった
ウィスタリア
お付き合いありがとうございました
ただ手紙はきっと
報告書になります
エスメラルダ
ああ、ありがとう。
うん?
大丈夫だ、はじめてのものだからな
こちらもそうならないとは限らない……
ウィスタリア
お互い
それが正解だと思いこむ流れですね
エスメラルダ
手紙とは……
ウィスタリア
ウィス側が
シュナさんやカルロス、リコさんに
指摘されない限り
たぶん継続するかと
ひとまず、この場はこれにて
エスメラルダ
カルロスの圧倒的な信頼感。
ウィスタリア
お疲れ様でした
エスメラルダ
ありがとう、またどこかで会おう。
お疲れ様。
ウィスタリア
はい
!SYSTEM
ウィスタリアが退室しました
背景
BGM