- !SYSTEM
- セレストが入室しました
- !SYSTEM
- グレンが入室しました
- グレン
- やあ(^^
- セレスト
- 遅れてもうしわけない!
- 一応確認なんですが、卓後はふらっと旅をしながら、直近の冒険者ギルドにはベルとカレンにお願いし、アンジェカイトは故郷に、グレンマリーは王都に戻る具合だったかなと思いますが
- 戻る前に何某かしておいた、とかあったら伺っておきたいなとか
CC自体は王都に戻ってからにさせていただきたく
- グレン
- 君がイルスファールに早くいきたいというならそうするし
- まだ向き合うのが怖ければ回り道してきたことにしてもいいさ
- セレスト
- マリーはグレンに従うかなあとは思うので、それとなく促されたらその方向に転がっていく具合になりそうな
- グレン
- まぁ、急がず、回り道しすぎたりせずという行程で
- 旅すがら、自分の旅してきた場所について解説したりといったところかなぁ
- セレスト
- ふんふん
- ではそんな具合に話を聴きつつ、連れて貰って王都に来た所からシュバっと
- グレン
- 到着直後くらいがいい?
- あ、王都の地図をあげよう。
王都広域地図(11)(13) 11のが余ってる
- セレスト
- 一応直後で前書きは今書き始めてたところでした 戻ってきて休憩した後ぐらいがちょうど良さそうでしょうかな
- やったあ。>王都広域地図
- グレン
- 一見すると観光地図のような出来だゾ
- セレスト
- グレンのワンポイント解説付き!
- グレン
- ハルコネン工房【近寄るべからず】
- セレスト
- かねがたりねえ!
- では戻って一泊後くらいにしましょう 星の標に泊るのは避けそうかな
- グレン
- 元々の宿はどうしてたんだっけ?
- セレスト
- 元々は基本的に神殿暮らしでしたな
- ただまあ、星の標や神殿に戻らせるのはグレンはするかな、と思って
- グレン
- 夜遅く着くようにして、適当な宿に二部屋取るよ
- セレスト
- 頭の回る男である……
- グレン
- 西側の壁外地区あたりかなぁ
- 入ってしまえば知り合いと遭遇する率が上がるし
- セレスト
- うんうん では、西壁外の宿に入っていく具合で
- 一晩休んだ朝、ぐらいで描写しますね
- グレン
- OK
- シーン神殿はティダン神殿の傍にあるそうなので、壁内に入れば割と近いかも
- セレスト
- ああ、であれば北部にしておきます?
- >壁外 西でも態々出て来る人はそういないかな
- グレン
- https://sw.tale.blue/p/?plugin=attach&refer=world%2Fillus-far&openfile=CityMap2.png
- 西と言ってもほぼ北西で
- たぶんここ、倉庫街だよね
- (鉄道からの荷物の集積地っぽい
- セレスト
- ああー
- グレン
- 道が二つ交わってるところに
- 駅ではない荷物の下ろし場があると思ってる
- セレスト
- そこから運んできてって具合ですな となると、そう人は来ないか……
- グレン
- なので、そういう倉庫街と商館の出張所と、外から来た商人向けの宿なんかが多そう
- セレスト
- 丁度敬虔な信者が来なさそうな具合ではあるし
- 北西の倉庫街の外れ、くらいでいきましょうか
- グレン
- 北東や南の壁外地区は逆に新しい外壁があるので
- 新興住宅街として発展中な気がする
- セレスト
- そういう読み取り方って全然してなかったな……!
- グレン
- 北はたぶん列車が本格稼働する前に、穀倉のデライラとの主要交易路
- 中枢区画の商業街が北西側にあるのもその関連と勝手に思ってる(´・ω・`)
- セレスト
- ほうほう。地図からそうやって読み取れていくの楽しそうだなあ……単純に壁建設中、としか見ていなかった――
- グレン
- 東はオルトラント地方諸外国もあるし、南は蛮族領方面なので、それに対する備えでもあるんだろうけど
- ユディスもあるし、ああして壁が出来てくればたぶん地価が上がる('ω')ノ
- セレスト
- 留まるところを知らない王都よ……
- グレン
- 街の規模に対して省庁街がかなりの面積を占有してるのもなかなか面白い
- 閑話休題…
- セレスト
- よしでは おまたせしました
- ざざっと流し込みます
-
-
- ダゴールでの一件から数日後、ギルドの報告には連れて行くべきではないと判断したグレンは、
セレストを連れ立ち、彼らと別れてダゴールを後にした。
- 王都へと帰還する道中、マリーは特にグレンに対して反感を示す事もなく、
その言葉に素直に頷いて 以前とは異なり、愛想良く連れられていた。
- グレンが退屈でなくなるまでは供をする、と語った彼女の言葉に偽りはないようで、
直行するでも、回り道をするでもないグレンの行程について、常に従い、可能な限りの手伝いと気遣いを向けてきた。。
-
- 数日後、王都へと帰還したグレン達は 旅の疲れを癒す為に王都北西、壁外の小さな宿で二つ部屋を借りると、別々の部屋で休息した。
- これまでの旅程ではグレンよりも少し遅れて起きて来ていたマリーだったが、この日の朝は、どうにも目覚めが遅いらしい。
- グレンが起床して暫く経っても、隣の部屋からの物音は一切して来ない。
- 予定していた出立時刻はじきに訪れる、といった頃合いだ。
- グレン
- 部屋を訪ねて行けばいいかな
- セレスト
- ではこのくらいで 宜しくお願いします。
- グレン
-
- グレンという男の朝は早い。どんな場所であろうとも油断とはかけ離れており、その眠りは浅い。日も上がらぬうちから目だけは覚まし、自身の状態と周囲の状況から始まる。
- オルトラント地方からの長い旅路を終えた直後であってもそれは変わらず、起床し、装備の点検などを黙々とこなし…
- 「……」今日で彼女との旅も終わりだ。特に感慨という感慨はない。道中、間違いを起こしたわけでもなく、必要な役割を果たしたに過ぎない。
- 「……」点検の最中、そんな益体もない事を考えている自分に苦笑し、部屋を出る。思ったよりも無為に時間を費やしていたようだ。
- 隣室や階下の気配には常に注意を払っていたが、旅の連れが起き出してくる気配はない。仕方があるまいと、彼女の止まる部屋へと向かった。
- コン、ココ、…コンと旅の際中取り決めていたノックを行った。
-
- ノックの音に返る言葉はなく、また室内から響いて来る物音もない。
- グレン
- 「マリー」少し間を開けて名を呼ぶ。偽りの名を呼ぶことに違和感を覚えることは、ない。そんなものは慣れきっている。
-
- グレンの言葉に対しても、帰ってくる言葉はない。
ノックと呼び掛ける声が響いても、静かな時間が流れている。
- グレン
- 「――」反応の無さにスッと目を細め、意識を研ぎ澄ませる。ドアノブをマント越しに掴み、施錠の有無を確認しつつ、周囲に気を配る。
-
- 扉の鍵は不用心にも掛けられていない様で、グレンが確認すればその扉は容易に開くことが出来ると解る。
- しかし周囲に人の気配はなく、同時に部屋の中からは物音はしていない。
- グレン
- 「―――」僅かに扉を開く。中を覗き込んだりはしない。窓が開いていれば風の流れが生まれる筈だ。もし、開いたままであれば誘拐の線も考慮に入れる必要がある。 窓を開けたまま過ごさないようにとは旅の中で伝えてはあるが、何しろ相手はあのセレストだ。
-
- 開いてみても、グレンの懸念していた風の流れは感じられない。
言付けは守っていたようではあるが――すべてを守っていた訳ではない事は、施錠がされていない事から解る。
扉を開き、耳をすませば、微かに寝息を立てている音がグレンの耳に微かに流れ込んで来る。
- グレン
- 「…………」小さく息を漏らす。呆れが7割、納得が2割というところか。 残りの1割は定かでない。
- 音を立てないように扉を閉め、ピッキングツールを使って逆に施錠を施す。
- マリー
- 寝台の上で身体を丸め、薄い寝間着のまま、まだ肌寒い空気の中、布団を雑に体に掛けながら眠りについている。
- グレンが部屋へと入り、施錠を施した後でも起きる様子はなく、
よくよくその表情を覗き込んでみれば、酷く安堵したように、少し硬い寝台の上で眠りこけている。
- グレン
- 階下へと向かい、宿の主にチェックアウトを少し遅らせる旨、伝えつつ、外へ出て、倉庫街で働く労働者向けの屋台で軽食を買い求めて戻る。
- セレスト
- おっと、入っていないな。部屋を確認し、だ
- グレン
- 部屋には入らないよ><
- セレスト
- 失礼しました。
- グレン
- そうして、宿へ戻ると再び彼女の部屋の前へ向かう。
- 長旅の直後だ、無理に起こす必要もない。ただ、事前に決めていた出立時間に遅れれば彼女は随分と気落ちすることだろう。だからどうしたというのか。
- 部屋の前で朝日が僅かに昇っていくのを明るさの変化で捉えつつ、もう一度、扉に向かい
- コン、ココ、…コンと、先ほどよりも内部に響くようにノックをし直した。
- マリー
- 「――、……っ」 ノックの音には、今度は遅れて小さく息を呑む声が帰ってくる。
- グレン
- 「マリー」もう一度名前を呼ぶ。声量は先ほどとそう変わらず。声音に感情は乗せない。
- マリー
- 遅れて、寝台の上からずるずると動く音、床に慌てて足を降ろした音が響き
- グレン
- 彼女のことだ、大慌てで着の身着のまま扉に向かうだろう。そして、かけた覚えのない鍵がかかっている事で、開けるまでには一拍の時間を要する筈だ。
- マリー
- 「は、はい……!」 以前、魔域に先行した彼女を保護した時の様に、狼狽え、上擦った声が部屋の中から響いて来る。
- グレン
- 「おはよう。慌てずとも構わないよ。朝食を買って来たんだ、着替えが終わったら報せてくれ」
- マリー
- その後はグレンの算段通り、扉へと歩み――
「……、あれ」 これも想定通りに、手を止めた。
- グレン
- 「一緒に食べよう」
- マリー
- 「……!」 一緒に、と声を掛けられれば、やはり以前とは異なり 嬉しそうな声が帰ってくる。
- 「はい、すぐに」 喜色を滲ませながら、そう答えると いそいそと着替えを行い始めた。
- グレン
- 「……」どうにも素直すぎる反応に、らしくないとは思わない。 元々こんなものだ。
- マリー
- 暫くして、旅の間に使っていた普段着を纏い 少し伸びた前髪を軽く整え、肩ほどまで伸びた髪を流す。
- ゆっくりと扉の方へと歩み寄ってくると、もう一度扉に手を掛けた。
- グレン
- 「やあ、おはよう」寝坊を責めるでなく、いつも通りの平静さで挨拶をした。手にした紙の袋には屋台で買いそろえた二人分の軽食が入っている。バターをふんだんに使ってクロワッサンの香ばしい匂いが漂う。
- マリー
- 「お待たせしました、グレンさん」 言葉にしながら、薄く微笑んで 朝食の香りには、紙袋を一瞥した。
- 「……すみません、御一緒に行ければよかったのですけれど、……その。随分と……」 寝入ってしまっていた事を言っているのか、頭を下げて
- グレン
- 「分かるよ」
- 「旅の終わりともなれば、疲れも溜まるものさ」と疲れを感じさせぬ様子でのたまうと、紙袋をマリーへと押し付け
- 「珈琲を淹れて貰って来よう。支度は任せても?」
- マリー
- 両手で紙袋を受け取ると、曇った表情をまた緩めて
「……はい、お任せください」 頷いて、やはり以前とは異なる様子で微笑んだ。
- グレン
- 再び階下へと向かい、二人分の珈琲を持って戻ってきた。こうしている間に身嗜みだけでなく、部屋の整頓も少しは片付いている、筈だ。
- マリー
- グレンを見送ってから、ゆっくりと包みを机に置き
- 大慌てで準備を再開する。時計を確認すれば、時間は当然予定よりも遅れてしまっている事に気付いた様だ。
- グレンが戻ってくる間に、何とか支度を整えて 彼を迎えた。
- グレン
- 紙袋の中身はといえば、クロワッサンがいくつか、ゆで卵、葉物野菜のサラダ、ソーセージに、一口サイズのドーナツがいくつかといった内容だ。
- マリー
- 「……グレンさん、ありがとうございます」 先ずは、珈琲と朝食を用意してくれたグレンに礼を言って その様子を見る。
- グレン
- 器用に片手で二つのマグカップを保持し、片手でノックを響かせ返事を待ってから室内へ
- セレスト
- ぐおお、読み違いが多いな。申し訳ない
- グレン
- 「独りで食べるのは味気ないからね。こちらこそありがとう」 心にもない事を言っているものだ、と思いつつ、そんな答えを返しながらカップの片方を渡す。
- グレン
- お砂糖とミルクは?
- セレスト
- 1つずつ頂きます
- グレン
- もう入っているさ
- マリー
- 「いえ。……」 両手でカップを受け取って、小さく微笑んだ。
「…………」 ぼんやりと窓を眺め、その向こうにある王都を見据えている。
- セレスト
- この男……
- グレン
- 砂糖ひとさじ、ミルク一杯を加えたものだ。自身はミルクだけを加えたものにしてある。
- 「ここからだと外壁であまり見えないだろうが、この壁の向こうが王都だよ」
- ナイフで切れ込みを入れてあるクロワッサンにサラダとソーセージ、卵を挟みこみながら、そんな当たり前のことを口にした。
- マリー
- 「……はい。グレンさん達がいらっしゃった所、ですよね」 声を掛けられると、はっとしたようにグレンへと視線を戻した。
- グレン
- 到着するよりも以前に、自ら書き記した王都の地図は渡してある。それを見ても、記憶を呼び起こされることはなかったようだが
- マリー
- 両手に持ったカップを机に置き、グレンの眼を見上げた。
「グレンさんは、王都は好きですか?」
- グレン
- 「ああ、他の3人はもう戻ってきているかもしれないな」
- 「…良い街だとは思うよ。歴史は浅いが、活気がある。」
- 「余所者にも何というかな、緩いんだ。根付いているものが少ない方が、懐は深くなるのかもしれないな」
- マリー
- 「……」 良い、と答えたグレンの言葉に、好きでも嫌いでもない、という意図を含んでいるのか、とぼんやりと思考を巡らせて 小さく頭を振ってそれを切る。
- グレン
- 「……君も、」サンドイッチを齧り、コーヒーを一口
- 「無理に好きになる必要は無い」
- マリー
- 言葉の意図を呑み込むまでに、時間がかかる。彼が何を言っているのか、何を言いたいのか……を、上手く掴めない。
結果として、カップを取る手も、朝食に伸ばす手も動かず、ただただグレンを見つめている。
- グレン
- 「この街に戻れば、君は過去の自分と関係した人と向き合う事になるだろう」
- 「それが負担になるなら、無理に向き合う必要は無いという事だよ」手を止め、此方を見つめる左右色違いの瞳を見つめ返して
- 「正直なところ、俺も過去の君の人間関係を把握しきっているわけではないからね」
- マリー
- 「……」 困った様に微笑み、右手で少し伸びた髪を弄る。
- 「……不安がないかと言われたら、あります。カイトさん、でしたよね……あの人の様に、辛い思いをする方も、いらっしゃるかもしれませんし」
- グレン
- 「壁の向こうで恋人が待ってて、突然、"再会"することになるのも困るんじゃないかい?」少しおどけた表情を作っているので、冗談だと分かる。
- マリー
- 「……けれど、それはグレンさんも同じ事でしょう? グレンさんも、昔の誰かを知っていて、それでもここまで連れてきてくださいましたし、私も貴方に向き合って――」 ぱたぱたと手を振って喋っていたが、その言葉にはより困った様に肩を落とす。
- 「…………困ります、グレンさん」 冗談だとわかっていても、と言いたそうに、表情を曇らせた。
- グレン
- 「俺は君をダシに面倒ごとを彼らに押し付けて、オルトラントの旅を満喫させて貰っただけだよ。お陰で地図も随分と埋まった」
- マリー
- 「……本当に、そうですか?」
- 以前の表情ともまた違う、寂しそうな苦笑を向けて呟いた。
- グレン
- 「少なくとも、」そんな寂しげな表情を横目に眺めつつ、コーヒーを一口
- 「今回の旅路は充実していたよ。退屈はしなかったかな」
- セレスト
- 「……良かったです。少しでも、御恩を返せたのなら」 肩を落としたまま、苦笑して
「私も、グレンさんと旅が出来て良かったです。新しいもの、綺麗なものばかりで――、退屈なんて、しませんでした」
- グレン
- 「まさか、王都の膝元とはいえ、同行者が旅先の宿で鍵もかけずに眠りこけているなんてね」く、く、と笑い
- セレスト
- あっ、という顔を浮かべ、困った様に唇を結んで 恨めしそうに見つめた。
「……意地悪な方」
- グレン
- 「流石にヒヤリとしたよ。この街が良い街で助かった」
- グレン
- マリーからセレストに変わっている…これは伏線……!?
- セレスト
- あれっなんでだ
- い、弄った覚えはなかったのに……どうして……
- グレン
- (あっやっぱりって顔)
- セレスト
- (ぐぬぬ)
- マリー
- 「グレンさんにお守りして頂いていたので、緩んでしまったのかもしれません」 これは恨み節でもなく、ただの本意だ。申し訳なさそうに目を伏せた。
- グレン
- 「はは」前からそうだったよ、君は
- マリー
- 「……グレンさんは、この後は如何なさるんですか?」
- グレン
- 「君をもう少し警戒心を持った方がいいな。ここから先は」
- 「しばらくはこの国を拠点にするつもりだよ。列車の便利さにはあまり慣れたくないんだが」
- マリー
- 「警戒心……」 首を傾げながら、曖昧に頷いて もう一度口を開く。
「……冒険者として、ですか? それとも、旅人として?」
- グレン
- 「両方かな。俺にとってはその二つに大きな違いは無いんだ」
- マリー
- 「では、……もし、グレンさんが王都を発つ時は」 顔をあげて、視線を向けた。
- 「旅人としてでも、冒険者としてでも、見送らせてください。……お嫌でなければ、ですが」
- グレン
- 「旅と言っても長旅ばかりじゃなくてね、近隣の村や町を行き来するくらいの方が多いんだ。君が飽きる方が先になるんじゃないかな」
- 「まず、王都での暮らし方をどうするかを考えるのが先だよ」
- マリー
- 「飽きるなんて、……そんな事」 否定する様に首を横に振って
「……そちらはもう、決めてあるんです」
- グレン
- 「冒険者、かい」
- マリー
- 「はい。きっと、その方がいいと思うんです。何故かは、解らないんですが……」
- 「……そうすれば、いつか追い付けるかもしれないと思いますから」
- グレン
- 「昔の自分に?」
- マリー
- 「――、……」 嘘は、見透かされるのだろう。この人の瞳には、いつだってそうだ。
- いつだって、と思考を巡らせてから、そう長くない時間である事に苦笑して 否定する様に、首を横に振った。
- グレン
- 「君は今、霧の深い湖に小さなボートで漕ぎだしているような心持ちなんだろうな」
- マリー
- 「いいえ。私は、グレンさんやカイトさん、アンジェさん達に――、……」
- グレンの言葉に言葉を切り、続きを促す様に小首を傾げた。
- グレン
- 「どこから来たのかも、どこへ向かっているのかも曖昧で、時折垣間見える景色も見たことがないものばかり」
- 「望んで漕ぎだした訳じゃない。不安の方が大きいだろう」
- 「ただ、俺は……そう。そんな君の立場が、少し、羨ましく思っているところもあるんだ」おかしな事を言った
- マリー
- 「――、……う、らやましい?」 グレンの物言いに首を傾げて、その瞳を覗き込んだ。
- グレン
- 「今回の旅は、新しいものや綺麗なものばかりで退屈しない旅だったと言ったろう?」
- 「何のしがらみも無く、そんな風に旅を楽しむことは以前の君にも出来なかった事だ」
- マリー
- 何の記憶もないからこそ出来る事。それを羨ましい、と語るグレンに、少しだけ顔を歪めて 静かに話を聴いている。
- グレン
- 「ある日突然、全てを思い出す日が来て、君は以前の君に戻るかもしれない」
- 「今の君の好きなように生きて、君の旅を続けるといい」
- マリー
- 「……なら」 左の手のひらをそっとグレンに差し伸べる。
- グレン
- 羨ましい、と自分の心境を語ったのは僅かで、続きはほとんどマリーへ向けたものだった。
- 本心を覗かせまいとする拒絶というよりは、ある種の諦念の現れなのかもしれない。
- 「……」 いつもの感情の揺らぎを感じさせない渇いた瞳を差し伸べられた手に向けた。
- マリー
- ああ、これは迷惑な事だと理解している。
だが、それでもこの人が旅に退屈をし、楽しむ事が出来ずにいる――それを理解してしまったから。
- 自分に足る役割ではない、という事も理解している。
あまりに力不足で、どうにもならないのだろう。
- ただ、私の望んだ旅路を歩むのならば、それでも伝えなければいけない。
- 「グレンさん。……いつか、私が戻るとしても」
- 「その日まで、貴方の旅路を供に歩ませてください。……私の旅は、きっとそこにあります」
- グレン
- 「……」触れられた手を辿り、色違いの双眸と目を合わせた。作り笑いも消したいつも通りの無表情な顔がそこに映っている。
- 柚葉色の髪の一房に触れるか触れないかの位置で手を伸ばし、
- 首根っこへと手を回り込ませて、ぐいとその身を引き寄せようとする。体術、体格、腕力の差、本来であればあらゆる面で抗う余地もない筈だが、そこには逃げ出す隙が用意されている。
- マリー
- 笑みも消えたグレンの表情には、怯えるでも、躊躇うでもなく、ただ静かに視線を向けていた。
- 髪に伸ばされた手に、僅かに身体を寄せて受け入れようとした所に、
- 身体を引き寄せようとする力を掛けられれば抵抗する事はなく、
針金の様に細い肢体は、グレンの腕の中に引き込まれる。
小さく息を呑み、身体を強張らせるものの、抵抗する様子はない。
- 「……グレン、さん?」
- グレン
- 「――君は、少し警戒心を持った方がいい」いつかのように腕の中へと収めた相手の耳元に、低い声でそう告げた
- マリー
- 「……貴方は、」 腕の中で、低い声にたじろぐ事も、動揺する事もなく、いつかとは違う優しい声で続けた。
「供に旅をしようと思う相手に、そんな風に思えますか?」
- グレン
- 「随分と買い被られているらしいな」腕の中で囀る女を抱えたまま、立ち上がって寝台へと投げ出し、上から覆いかぶさるようにした。
- マリー
- 「っ、う……」 放り投げられれば軽い身体は寝台に沈み、息を呑んでグレンの胸元に軽く触れる。
- 息を詰まらせながら、それでも二色の眼は揺れず、グレンに向けられている。
- グレン
- 「俺は、お前に進むべき道を示すつもりなんてない。偶々同じ方向を歩く時があろうと、お前達と同じ場所に行くことは、ない」
- 渇いた瞳の奥に、口調に、はっきりとした怒気をにじませ、眼下の女に拒絶の言葉を投げかけた。
- マリー
- [
- ]
- グレン
- 「お前は指針を失くして、俺に居場所を求めているだけだ」
- 「俺にそんなものを求めるのはやめろ」
- グレン
- ゴ、ゴァン
- セレスト
- 時間的にも展開的にも
- この辺りで〆ておいてもよかかとは――
- マリー
- 「――、……」 明確な拒絶の言葉に続いたものを否定しようとして口を開くが、声は出ない。
ひゅう、と息だけが漏れ出してから、声が出ない理由は、彼の言葉が否定できない為だ、と気付くまでに時間を要した。
- グレン
- クッタ
- このまま置いて立ち去るとしよう
- セレスト
- クッタカ
- はーい
- グレン
- 「―――」強張り、言葉を発する事の出来なくなった女をしばしの間、見下ろし、すっと上体を起こして拘束を解いた。
- 「……分ったかい、顔見知りでも不用意に男を部屋になんて招くものじゃない」
- 自分から押し倒しておいて、悪びれもなく教訓めいた言葉を口にする。
- マリー
- 「……、」 答える言葉はなく、投げかけられた言葉に静かに目を伏せた。
- グレン
- 「旅はおしまいだ。楽しかったよ、さようなら」そう言い残して部屋を出て行った。
- そして、そのまま宿も出ていく。主にチェックアウト時間の延長を申し渡し、追加の料金を払っていく事も忘れない。
- マリー
- その背を見送り、閉められた扉に視線を向けながら、止めていた呼吸をゆっくりと再開する。
- 胸に走る悪寒は、彼の言う通りに指針を喪った事から来るものなのだろうか。言い様の無い感覚に脱力したまま、天井を眺める。
- 「……ううん」 だろうか、ではない。そうだ。今自分がした事は、彼にそうある様に縋っていただけに過ぎない。
- それを、体良く言い換えただけの。
- 「――……」
- ゆっくりと、投げ出された寝台から立ち上がる。
部屋に残っていたのは、微かばかりの温度と、冷え切った珈琲だけだった。
- セレスト
- 追えない状況なので、こちらはこれくらいに。
- グレン
- うむ
- セレスト
- ではこのくらいで。ありがとうございました。
なるべくしてなった――
- グレン
- 予定通りなのでは
- セレスト
- 粛々と
- ではログの格納はしておきまする
- グレン
- お付き合いありがとうなのだ
- !SYSTEM
- グレンが退室しました
- セレスト
- ありがとうございました