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幕間

20200317_1

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ベイルが入室しました
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イルミエが入室しました
ベイル
来たな
夜な感じの酒場で良いと思うけれど、先にいるかい
イルミエ
じゃあ呑んでる
ベイル
おk
 
 
 
王都イルスファール 星の標 夜
多くの冒険者で賑わうこの店も、夜、それも夕食時を大分過ぎたとなれば、人も少ない。
それでも急な飛び込み等に備えて店は開いており、食堂兼酒場でもある1階は、注文があればそれを受け付けている。
さて、そんな人少ない酒場でエルフの女性が飲んでいる様だが。
 
 
ベイル
と言った感じで
イルミエ
「…………」
 はぁ、と溜息を吐きつつ、手に持ったグラスを揺らす。
 一見して、物憂げな様子の美人エルフが独りカウンターで酒を嗜んでいる―――という様子である。
からんからんと小さくドアベルが鳴る。この店は日中と夜でドアベルを付け替えている。
イルミエ
 なお、実態は自棄酒めいた何かであり、そろそろ何杯目やらもわからず、店主からは オイ、そろそろやめとけ という目線を投げかけられているのである。
ベイル
「どうにも遅くなっちまったねぇ」 首の後ろ辺りを抑えてコキコキと鳴らしながら入ってきたのは、体格の良い中年男性だった。
少々ボロくなったマントの下には、使い込まれた鎧が鈍く光る。背中には身の丈に迫るほどの大剣がある。
黒髪には大分白いものが混じり、それなりに年齢は重ねているだろうことを主張している。だが、鍛え抜かれた体が年齢を少しばかり若く見せてもいる
だが真っ先に目が行くのは、左目を縦に切り裂く様に残る傷跡だろう。
「よう。エルフの姉さん。邪魔するぜ」 男はカウンターに近付くと、軽い調子でそう告げて、大剣を近くのラックにかけ、椅子に座った。
イルミエ
―――ん……」
 気怠げな視線をちらりと男に向ける。
「別に……お好きにどうぞ」
ベイル
「お、後ろ姿から想像した通りの美人だねぇ」 片手を上げて笑いかけつつ、エールを注文する
イルミエ
「……お褒めの言葉どーも」
 ぐい、とグラスの残りを呑み干し。
「ガルバ、おかわり頂戴」
ベイル
「大分入ってる様だが、大丈夫かね」
イルミエ
「別に……どうってことないわ」
ベイル
「明日が辛そうな感じがするがねぇ。まあ、そう言うなら奢ろう」
「一人酒ってのつまらんもんだ。軽く話し相手になってくれんかね」
イルミエ
――なに、ナンパ?」
ベイル
「そう捉えて貰っても構わんぜ? 物憂げに一人で飲んでる美人を見かけて声かけにゃ失礼ってもんだろう」
イルミエ
 肩を竦める。まあ、独りで呑んでいると、こういう手合は珍しいものでもない。
「……好きにすれば」
ベイル
そうは言うが、どっかりと椅子に腰掛けてからから笑う様は、本気なのか分からない
「じゃあそうさせて貰うぜ」 という訳で一杯奢りだ。ガルバが肩を竦めた
「俺はベイル。この店じゃ新顔になるかね。そこのオヤジとは、まあ古い付き合いだ。来たのは5年ぶりくらいだが」
イルミエ
「ふぅん」
 改めて、風貌を確認するように男に視線を向けた。なるほど、年の頃的にガルバと古い付き合いというのは納得か。
「……イルミエよ」
ベイル
「イルミエ、ね。エルフらしい名だな。意味は分からんが良い名なんだろう」
イルミエ
「………別に。ありきたりよ」
ベイル
「ありきたりということはいい名前ってことだろうさ」 ジョッキを煽る
「見た所──」 耳の聖印に目が止まった 「導きの星神の神官かね」
イルミエ
「どうかしら」
 こちらもグラスを呷り。
「ま、一応はそうよ」
 と、後者の言葉には肯定を返す。
ベイル
肯定に軽く頷きを返し「俺は見ての通りなんでね。神官には世話になる。組むことでもあれば、宜しく頼まあな」
良い勢いでジョッキを空にすると、次を注文した
「っはぁ、このために生きてるって気がするな」 ダウナーなイルミエの様子とは対象的に、上機嫌である
イルミエ
「そう。まあ組むことがあればね」
ベイル
「おう。その時はな」
イルミエ
 こちらもぐっとグラスを呑み干すと、対照的に重苦しい溜息が吐き出される。
「はぁ……」
 ぐ、と軽く眉間を揉むなどしつつ。
ベイル
「どうしたよ。不味そうじゃないの」 手元でちゃかちゃかと火縄壷を弄り、煙草に火を付ける。目線はその手元に
イルミエ
「……別に」
 美味いと思って呑んでるわけじゃないし、などと言えば面倒なので、濁すように。
ベイル
「肯定してるようなもんじゃないの」 紫煙を吐きつつ苦笑した 「ま、ダメとは言わんが、溺れん様にな」
イルミエ
「……」
「火、貸して」
 誤魔化すように、こちらも煙草を取り出し、ベイルに向ける。
ベイル
「あいよ」 火種は消えてしまったので、手に持った煙草をイルミエの前に差し出す
イルミエ
「どーも」
ベイル
「事情は知らんし、初対面で話すつもりも無いだろうが」 イルミエが火をつけ終えたらまた一服
「俺は一時期酒浸りでな。思い返せば酷いもんだ。つうわけで程々にな」
イルミエ
「……ご忠告どうも」
 ふー、と深く紫煙を吐き出しつつ。
「でもあたしは神官だから、その気になれば酔いなんて一発で冷ませるわ」
ベイル
「そもそも一発で覚ます気があるなら、深酒なんかしねえよ」
イルミエ
「……」 ぐむ。
ベイル
「まあ、そうでもしなきゃ、いられねぇ、って時もあるけどな」 注文をウィスキーに切り替えた
「飲むか?」 ストレートで一口煽ると、グラスを掲げ
イルミエ
「…………貰うわ」
ベイル
「おう」 ガルバからグラスを受け取ると半分程注いで、カウンターの上を滑らす
イルミエ
 目の前に来たグラスをとって、ぐいと呷る。
ベイル
「飲みっぷりが良いねぇ」 苦笑し、煙草を取り出してチェーンスモーク
イルミエ
「飲みっぷりなら、そっちの方がよっぽどいいと思うけど」
ベイル
「体格相応、だろ?それに、そっちは俺が来る前から飲んでたじゃないの」
イルミエ
「あなたのほうが、よっぽど気分よさそうに飲んでるわ」
「あたしは別に……だし……」
 眉間を揉みつつ。暗にいい飲み方をしていないことを認める。
ベイル
「美人さんの前なもんで、気分は良いなぁ確かに。まあ、俺は好きで飲んでる訳だからな」
イルミエ
「……ふん。まあそうなんでしょうね」
ベイル
「楽しく飲んだことはないかい?」
イルミエ
「別に……ないわけじゃないけど」
「…………あんまり覚えてないわ、もう」
ベイル
「そうか」 静かに紫煙を吐き出し 「そいつは、辛いな」 グラスをゆっくり煽る
イルミエ
「……」
 肯定も否定もせず、黙ってグラスを傾ける。
ベイル
「サマにはなってるんだがねぇ」横目で見やり、へっと口の端を少し吊り上げ
イルミエ
「なによ」
ベイル
「なぁに、その澄まし顔も眼福ではあるが、笑顔が見てみたいな、とね」
イルミエ
「難しい相談ね」
ベイル
「難しいかぁ」
「まあ、いきなり現れたおっさんが説教じみた事言ってりゃ難しいよなぁ」 椅子に体重預けて、グラスを飲み干して笑う
イルミエ
「若造が何を、と思っているかもしれないわよ」
 エルフの歳なんてわかんないんだからね。
ベイル
「はっは、若造って言えるトシなら、んな飲み方しねえだろ」 可愛いなこいつ
イルミエ
「そんなのわかんないでしょ」 ふん。
ベイル
「ほう。じゃあ、そうなのかい?」
イルミエ
「…………。教えないわ」
 ぐ、とグラスの残りを呑み干し。
ベイル
「いつかは教えて欲しいもんだねぇ」
「おっと、エルフ相手に“いつか”なんて言うと、OK貰えても先に死んじまいそうだな」
イルミエ
「……やめてよ。面白くない」
ベイル
「悪い」 片手を上げて素直に謝った。こいつのは、そこか。
イルミエ
「……はぁ」
 煙草を灰皿に押し付け、立ち上がる。
ベイル
「行くかい?」
イルミエ
「……ええ。お酒はありがとう」
 と、少々足元が覚束ない様子で階段へ向かう。
ベイル
「律儀だねぇ」
イルミエ
「……じゃあね」
 と、上階へ消えていく。
ベイル
「ああ、またな」 目線は前のまま、片手を上げて送った
「どうにも、トシ食うと説教臭くなっていけないねェ。なあガルバ」 うるせえ同意を求めるなと返された
イルミエ
 なお一瞬、 ドタンッ という音がするなどしたが、すぐに再び足音がして、今度こそ遠ざかって行った。
ベイル
「……なああいつ大丈夫か?」 ガ:ダメだから俺は止めてたんだ
「しかし、根深そうだねぇアレは」 と続く言葉にはガルバは何も返さず
カウンターはおっさん同士の静かな会話が流れるのであった
ベイル
といったところで
イルミエ
であった……
 
 
 
ベイル
お付き合いありがとー
イルミエ
おつかれであるわ
ベイル
ではてったい
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イルミエが退室しました
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ベイルが退室しました
背景
BGM