このログにはBGMが含まれています。
音量設定をONにしますか?
(後からでもメニューから設定変更できます)

マルフォードへ

20200315_0

!SYSTEM
カイトが入室しました
!SYSTEM
アンジェが入室しました
カイト
何分割になるかちょっとわからない ソロセもこの前成立したところを見ると、これもそうなる可能性は0じゃない
アンジェ
なん
了解
カイト
ただアンジェの場合判定が難しいところがあるから、やはりCCにしてしまうのは無難だとはGMは思っている
では、目標は12時前後で切る形で
前回のセッションが終わって マルフォードへ進む道中から描こうと思う
アンジェ
はーい
カイト
カイトがワンクッション入れておかないと、故郷の話が出来ない
アンジェ
うんうん
カイト
よろしくお願いします
 
 
 
 
 
 
オルトラント地方 ダゴール村での依頼を終え
アンジェと2人、マルフォードへと向かう旅の途中 運良く、行商人達の商隊と遭遇した2人
護衛を買って出ることになり、マルフォードの都市、ラブリヴァまで移動することになる
他にも護衛の者は居て、アンジェとカイトが加わることでローテーションが多少楽になったと喜ばれる
今は休憩時間 荷馬車の空いたスペースで休んで居ても良い時間だ 時間帯としては、夕暮れが終わり、夜が始まった頃
カイト
カイトはあの依頼の後、2人で歩いていた時も、ただでさえ少ない口数を更に少なくして どこか俯きがちに考え込んでしまっていた
荷馬車の縁に座っている今も 故郷に戻る緊張感とは別の、負の感情をまとっている
アンジェ
そんなカイトを心配そうにいて、近くに寄り添っている
カイト
「……すまない」 少し顔を上げて 昇りつつある三日月が目に入って ようやく口を開いた
アンジェ
「うん。いいよ」 肩を寄せて身体を預けた。 周りからは最初からそういう関係だとは見られているだろう
カイト
「……」アンジェの体温を感じて 「これから、を 考えないといけないのに」
「……どうして、ああなってしまったのかを、……考えてしまっていた」
アンジェ
「……そうだね。わたしも、ああなるなんて思ってなかった」
カイト
「……砕けば、それで。倒せば、それで終わると思っていた…」
アンジェ
「……うん」
カイト
「もしかしたら、」
「………」
思っていることを口に出そうとして、そしてそれは紡がれることなく呼気となって漏れた
頭を軽く振る 「……俺は、壊す、殺す、しか出来ない」
アンジェ
「そんなこと、ないよ」 身体に手を回して優しく抱きしめ
カイト
「……でも、」 抱きしめられて 「……壊してしまったのは、俺かも、しれない」 先程紡がれなかった言葉が漏れる
アンジェ
「それは違うよ。違う」
「あのとき、他の手段も、それを考える時間もなかった。みんなでそれが最善って判断したんだ」
カイト
「明らかに、(あれ)は反応していた……」
「……」 小さく、頷いて
「……ありがとう、アンジェ」
アンジェ
「……カイトが、それだけ傷ついてるのは、それだけ、セレストを想ってたっていうことだよ」
カイト
「……壊す、殺すしか出来なかった俺が、初めて、作れたんだ」
アンジェ
「……うん」
カイト
「アンジェへの気持ちを、……正しく教えて貰ったんだ」
「……マフラーを、受け取って欲しかった…もっとアンジェとも、話して欲しかった」
「……もう、随分となかった気持ちが、あって」
アンジェ
「うん……わたしも、もっと話したかった。終わったら、もっと仲良くなりたかった……もっと話しておけばよかったって、思うよ」
カイト
「アンジェがもし……」 その先は口にできないのか 言葉を切るようにして俯いて
アンジェ
「うん、話して」
カイト
「……もし」 促されれば言葉を紡いで
「セレストみたいになったら、……俺は、どうなってしまうんだろう、と」
「……記憶が、無いと言っていたから、また、無くなったりしたら…って」
「……それを俺は……すごく怖いと‥…怖いと思って」
アンジェ
「……無い、とは言えないよね」
カイト
「……怖いなんて、もう、思わないと思っていたのに……」
「悲しいとか……そういうのはもう、思わないと……思っていたのに」
アンジェ
「大切なものは、なくしたくないから」
「わたしも同じだよ。こういう仕事してるんだもん。カイトが死んじゃったら、とか思ったら、怖くてしかたないよ」
カイト
「……セレストに言われたんだ」 片手をアンジェの肩に回して 「"お前が失われることで、辛く感じる人間がいることを自覚しろ"って」
アンジェ
[
「そんなこと、言ってたんだ」 小さく微笑んだ
カイト
「……沢山殺した。だから俺も、誰かに殺されると思ってる、って答えた時、そう言われた」
「……どうしたらいいんだろう」
アンジェ
「わたしは、カイトに幸せになって欲しいな」
「昔のつらいことを忘れろとは言わないよ。過去があって今のカイトがあるんだから」
「でも、昔に引っ張られて、幸せになっちゃいけない、とかは、思っちゃダメだよ」
カイト
「…‥‥」
アンジェ
「上手く言えないけど、それは、自分の過去に重荷を背負わせちゃってるだけだと思う」
カイト
「……そうか」
アンジェ
「わたしたちが何もしなくても、時間は進むし、世界もまわっていくんだ。だから、生きてる以上は、より良く生きなきゃ」
カイト
「…‥アンジェが居てくれてよかった」 肩を抱く力を少し強めて
アンジェ
「昔がこうだからって、未来を悪くしちゃ、ダメなんだよ」 抱きしめ返して
カイト
「……殺されたやつのために死ぬなと言われたんだ」 囁くように 顔を寄せて
アンジェ
「わたしも、カイトがいてくれて、よかった」
カイト
「その殺した分だけ、人を救って見せろって……」
アンジェ
「……うん」
カイト
「……まだ分からない。ただ、セレストはその時、」
「誰かと共にあることが救いだって言っていた」
「…‥アンジェが悩んだ時、苦しんだ時に、それを助けやることが、救いだって…」
「今、俺は……間違いなく」
「…アンジェに…救われてる」
アンジェ
「それは、嬉しい」
「あのね、わたしも」
「カイトにはいっぱい救われてるよ」
カイト
「…‥?」
少し表情がつらそうなものから 驚きを含んだものへと薄く変わる
アンジェ
「嫌なことがあっても、一緒にいると元気になれるし、この人と、何があっても幸せになりたいって、思えるから」
カイト
「……そうか」
アンジェ
「わたし、実は最近、少し昔のことを思い出したんだ……というより、夢に見たんだけどね」
カイト
「……聞かせて、貰えるか」
アンジェ
「うん。昔、新しい兵器を研究しているところにてね。そこは、わたしみたいな子がいっぱいいたんだ。男の子も、女の子もね」
「わたし達そのものが、兵器の一部みたいな感じ。ちゃんとした名前もなくて、番号で呼ばれてて、実験の道具だった」
「自由を奪われて、本当に、身体を乗っ取られて無理やりに戦わされるような研究。当時も、結構難しい研究だったみたいで、仲間は大勢死んじゃった。……仲間って言っても、言葉をかわしたことなんて、殆どなかったけど」
カイト
「……」
アンジェ
「……それに、わたしが助けられた時……あまりみないようにしてたけど……研究所にはカプセルがいっぱい並んでて」
「……みんな、骨になってたんだ」
「だから、たぶん、生きてあそこを出たのは、わたしだけ」
「……夢でね、生きてた時のみんなが言うんだ。お前だけ助かるのか、自分達を置いて幸せになるのかって」
カイト
「……それは」 
「………それは」
アンジェ
「わたし、みんなの、怒るような、縋るような目をみたら、動けなくなっちゃって。ああ、わたしは、そういう資格がないのかなって」
カイト
「……俺は、俺も、似た夢を見るから」
アンジェ
「………うん」
カイト
「……同じことを考える」
「でも……アンジェが俺を、幸せになって欲しいと思うのと同じ…で」
アンジェ
「わたしの場合はね、カイトの姿が見えたんだ。みんなの向こうに」
カイト
「俺も…アンジェには幸せになって…欲しい」
「……」
アンジェ
「うん」 微笑み 「わたしね、それを見たら、弱気なのが吹っ飛んじゃった。わたしは、カイトと一緒に幸せになりたいって」
カイト
「……」 表情が和らぐ
アンジェ
「だから、みんなには、みんなのことは忘れないよ。でも、わたしは先に進まなきゃって言って……それからは、夢は見なくなったんだ」
カイト
「……俺も」
アンジェ
「……うん」
カイト
「……同じ言葉を、返せるように、したい」
「だから行くんだ……」
アンジェ
「───うん」
カイト
「……ありがとう、アンジェ」
アンジェ
「えっと…どういたしまして?」
カイト
「……変、だったか」
アンジェ
「ううん。わたしがなんて返せば良かったのかなって」 苦笑し
「カイトハ、マルフォートについたらどうするつもり?」
カイト
「……公都に、行く」
「……公都の白7番街通り、その路地裏…‥そこが最後の、場所だったから」
アンジェ
「うん。分かった」
カイト
「……」 少し身体が震えて 息をつくことでそれを落ち着かせる
アンジェ
「わたしがいるよ。ずっと」
「だから大丈夫。わたしも、カイトがいれば怖くない」
カイト
「……極力、隠してくれ。ラブリヴァについたら、少し買い物をする」
「……何があっても、アンジェは守る」
アンジェ
「うん。わたし、白いからね。すぐ日焼けしちゃうからって、言い訳できるから。まあ、本当のことなんだけど」
「ありがとう。カイト、かっこいい」
カイト
「……」 少し照れたように表情を動かして
「アンジェから言われると、」
「……なんだか、照れる…」
アンジェ
「えへへ」はにかんだ
カイト
「……」つられて笑みを返して 「……もう大丈夫だ」
「少し、休もう」
アンジェ
「うん」
カイト
アンジェの手を取り、荷馬車の中に入って 毛布を広げてから横になる
アンジェ
隣に一緒に横になる
カイト
「おやすみ…」 握った手の指を絡めて そう呟いて
アンジェ
「うん。おやすみ、カイト」 絡めた指を頬に擦り寄せて、瞳を閉じた
カイト
こんなところで一度切ろう
アンジェ
──ちなみに、他の護衛の皆さんは、この一部始終、見てないことにしてくれました
カイト
午後はちょっと14時くらいからならいけるけど 予定が他に入りそうならそちらを優先してほしい
アンジェ
はいはい。まあ出たいところの卓があればって感じかな
カイト
この2人は本当に、ダメージが
はーい
では窓を閉じれば
アンジェ
はい
カイト
ログを汚さずに再開出来るらしいから
アンジェ
そうね
カイト
とりあえず退室はセずに閉じる感じで
お疲れ様でした
アンジェ
OK
お疲れ様でした
カイト
よし
アンジェ
よし
カイト
では描写していこう 終わるまでゆっくりしておいて
 
 
 
 
 
 
ラブリヴァまでの道中は、大変平穏で
その城壁の前で、2人は降りることになる
同行させてもらった行商人も、そして同業者達も 
2人に色々と持たせてくれたり 幸せにな みたいな事を言って 散会することになった
カイト
ラブリヴァは城壁こそあれど、それ程厳重な警備が敷かれている都市ではなく
 
おっと
カイト
公都って正式名称あったりする?
アンジェ
あっ、書いてなかった
カイト
オルトラントがクリスタだったから どうなのかなーって
ヴェイルーンだ
アンジェ
設定してたけどどこいったかな…
 
港街であるジェリヴァと公都を結ぶ都市であり、セルゲイルからの玄関口としての側面も持つこの都市は、人の行き交いが多く
入国手続なども、冒険者ギルド発行のランク証明があれば、すんなりと進んだ
カイト
まあ見つかったらでいい 公都で通させてもらおう
アンジェ
あった。オールテア。だ
カイト
OK
 
流石に異国のものなので 少し待たされることはあったが それ以上の目は向けられず
2人は、マルフォード大公国へと入国を果たす
街並みは、ヴェイルーンが近いのもあって似た様式、そして流通は豊かだった
カイト
「オールテアまでは…乗り合い馬車、か」 停留所のような場所を確認して、街並みを眺める
アンジェ
「これだけの旅になると鎧が邪魔だねぇ」
カイト
「ん。だと思ったから」
「ちょっと買い物だ」
アンジェ
「うん?うん」
カイト
大きめの冒険者ギルド支店に赴いて 冒険者ランクを示すプレート等を見せて、店の名前を確認する
まずカイトが向かったのは、魔法具等を扱っている場所で
そこで、1つの背負い袋を購入した
「知り合いに、」
「似たようなのを持っている奴が居た」
アンジェ
「背負い袋を?」 首を傾げる
カイト
「…」頷いて 「その鎧も入るはずだ」
「名前は確か……〈空間拡張の鞄〉」
アンジェ
「ああ、なんか話は聞いたことある。へぇ、それがそうなんだ……高かったんじゃない?」
カイト
「アンジェが楽な方がいい」
アンジェ
「………ありがとう」 うれしそう
カイト
「宿をとったらそこで着替えよう。…武器はまあ、それも邪魔なら入れてしまおう」
アンジェ
「さすがに、この鎌は入らないような……入るのかなぁ」
カイト
「……まああまり道具を過信するのも良くないか」
「……後は、」 店を出てから
「被っててもおかしくない帽子がほしいな」
アンジェ
「じゃあ服も合わせて買おうかな」
カイト
「……いいと思う」 頷いて
アンジェ
「よし、じゃあこっちの流行っぽいのを探そうっと」
カイト
頷いて 「ただ…」
「クリスタで買っておけばよかったな」 少し心配そうなのであった
アンジェ
「あー……店員さんに任せると、分かっちゃうかもしれないしね……髪で隠れてるから兵器だとは思うけど」
平気
 
穏やかな気候ではあるが、まだ冬の時期 幸い、肌の露出が多い服装の人は少ない
ただ春先であるためか、日差しはそこそこあり、帽子や日傘の女性はそこそこいるようだ
アンジェ
「んー……軽装だと鎌も目立つし、手頃な剣とかも用意しとこうかなぁ。予備も持たなきゃって思ってたし」
カイト
「剣……か」
「……アンジェには、軽いかもしれないけど」
サーベルを外しかけて 「……いや、やめておこう」
これもまた、先程買った袋へと入れる
アンジェ
「ん……そうだね。それはカイトが持ってた方がいい」
「わたしは手頃なの見繕うよ。予備だし、ショートソードくらいで」
カイト
「また、見繕うのもいいし」
アンジェ
「うん」
カイト
「ザングスを通る時に、探してもいい」
アンジェ
「あ、そうだね。あっちは良い武器があるって有名なんだっけ」
カイト
「アザクに一振り、買っていこうと思っている」
アンジェ
「えっと、ドワーフのおじいちゃんだよね」
カイト
「後は……」
「ああ」 頷いて
「……食事を持っていきたいけど」
「……オールテアで‥買うのがいいのかな…」
アンジェ
「保存食じゃないと、ちょっと保たないかなぁ…」
カイト
「何が好きだったのかは、覚えてる、けど」
「……置いてくるのは、やめておこう」
アンジェ
「えっと、なにかで聞いたんだけど」
「お墓にお供えしたらね、それを下げて食べるっていう風習があるところがあるんだって」
「そういうので、いいんじゃないかな。一緒に食べよう、って」
カイト
「……そういう、ものか」
「7人分は、大変だな…」
アンジェ
「だいじょうぶ。わたしも食べるから」 と笑い
カイト
「……」 笑みを返して 「オールテアで買う」
「今日は、服と…‥帽子を選んだら、少し街を見て…休もう」
「ラブリヴァは、初めてなんだ」
「オールテアはしってる。フェランスは通った、メイユとワイヤックは行ったことがない」
アンジェ
「ん、そうなんだ……カイトは、どうやってイルスファールに来たんだっけ」
カイト
「フェランスにいって、リンブルク、フェノイに少しいて、スフェン、ボルダ、メーヌ砦を通って、イルスファールだ」
「フェノイにいたのは、剣を習ったから」
アンジェ
陸路で、水晶海の近くをきたんだね
「陸路で、水晶海の近くをきたんだね」
カイト
「ああ。船には、乗れなかったから」
アンジェ
「お金かかるもんね」
カイト
「殺しのときは、短剣を使ってたんだけど」
「そこで、長剣を‥なんか、教えてもらったというか」
アンジェ
「……ええと、道場とか?」
カイト
「叩き込まれたと言うか」
アンジェ
「そ、そっか」
カイト
「わからない。スリをしようとしたら捕まって」
「スリをしようとした相手から、剣を習った」
「男で、」
アンジェ
「ああ……」
カイト
「30歳から40歳くらいで……剣を習ったのはそれだけだけど」
「あれ以上の人を見たことがない」
アンジェ
「達人だったんだ……」
「ある意味、運が良かったんだね」
カイト
「でも名乗らなかったし、名乗られなかったから」
「おっさん、とこそ泥で呼び合ってた」
アンジェ
「ふふ、なんか不思議な関係」
カイト
「ふらりと居なくなったから…まあもう会わない」
「運が良かったかは……分からない」
アンジェ
「良かったと思うな。少なくともわたしには」
「そうじゃなきゃ、カイトは冒険者をやってなかったかも知れないし、そうであればわたしと会わなかったもの」
カイト
「……なるほど」
「イルスファールには、」
「どれくらいかかっても行こうとは思ってたんだ」
「……仲間が、最後に行きたいって言ってた場所だから」
アンジェ
「ん……そっか」
「来られて、良かった?」
カイト
「良かったと思う。会いたかった相手にも、たぶん会えたし」
「アンジェに、会えたから」
アンジェ
「うん」 軽く抱きつき
カイト
「会いたかった相手っていうのは」
「…‥」 支えるように軽く腕を添えて
「アライルって名乗ってたけど」
アンジェ
「あらいる?」
カイト
「たぶん、リチャード・イルスファールだったと思う」
アンジェ
「………オウサマ?」
カイト
「……」 頷き
アンジェ
「ええ!?どこで会ったの?わたしも遠くから見たことくらいはあるけど…」
カイト
「依頼人だった。仮面つけたりしてたから、顔はみれなかったけど」
「昔の戦いの戦友からの言葉を、届けることが出来た」
アンジェ
「……うわぁ……そっか…わたしも会いたかったなぁ」
カイト
「そのうち会える……たぶん」
「それに最後まで、自分が王様とは言わなかったし」
「次あっても、覚えてないかもしれない。向こうは」
アンジェ
「きっと、覚えてるよ」
カイト
「知らないふりをされる」 たぶん、と
アンジェ
「ふふ、たしかに、そうかもね」
カイト
「…よし、」 話し込んでしまったな、と 「服を選びに行こう」
アンジェ
「うん。そうしよう。可愛いの選んでね?」
カイト
「……俺が選ぶ…のか…」
「……難しいな」
アンジェ
「ふふ。じゃあ、わたしが幾つか選ぶから、どれが可愛いか言ってもらおう」
カイト
「分かった」
「……次は選べるように、しておく」
アンジェ
「ありがとう」
カイト
「ただ、アンジェは…」
アンジェ
「うん?」
カイト
「何を着ても似合うと思う…」
アンジェ
「え……そ、そうかな?」 なんだか照れた
カイト
「‥あまり詳しくないからかもしれないけど」
「普段の服とかも、うん」 
真っ黒な自分はおいておいて、頷きを一つ
アンジェ
「なんか照れちゃうなぁ……」 頬をかき
カイト
「……そう、か」
アンジェ
「よし、頑張る」
「とびっきりのを揃えて、カイトを困らせてやる」
カイト
「ん」 頷いて
「……」 困ったような表情をして
「お手柔らかに頼む…」
アンジェ
「ふふ、カイトのもえらぼーっと」
 
「……」 観念したように頷くと
カイト
「……」 観念したように頷くと
そのまま街並みへと2人は溶け込んでいった
 
 
 
 
 
カイト
他にやりたい描写があれば言って欲しい
なければ、このままオールテアへ移動する
アンジェ
OKだよー
 
服を選び、ラブリヴァでの1日を過ごし、休む
鎧や荷物は全て一つの背負い袋にまとまり、リアンを出る時よりもふたりとも幾分か身軽になった
アンジェ
店員の助言など受けながら、上質でセンスの良い服を選んだ(選んでもらった)。大きめのつばを持つ帽子なども被り、他の旅装がなければどこかのお嬢様みたいである
カイト
カイトの分も選んで貰ったわけだが、その上から結局いつものコートにマフラーを巻いてしまっているので アンジェ程の変化はない
 
朝頃の便に乗り、夕方頃にオールテアへと到着する
黄昏色の空の下に、クリスタを明らかに意識した作りの街並みが広がっている どこかクリスタよりも建物の背などが高く見えるのは、樹のせいではないだろう
気のせい
街の規模としてはクリスタを超え、出入り口も複数あり、そして城壁もラブリヴァよりも高い
アンジェ
「うわぁ………凄い」
カイト
「……」 どこか、緊張感をたたえた瞳が、故郷の姿を見る
アンジェ
「きれいな街だね」
 
都市に入る前の列からでもその街並みはしっかりと見れる訳だが
カイト
「…見た目はな」
入場する時に衛兵が あまり見られない行為をしている
アンジェ
「……ん、あれは何をしてるの?」
衛兵
小さなサークルが液体で描かれた場所で 祝詞を捧げる神官が一人
入場者はそれに順次上に乗っては 入場していく
1人の入場者が 軽く呻く
見れば、うめいた人物の手は白い肌をしており、背は高めだった
カイト
「出たことはあっても、入ったことはない…からな」
「ただ…あれは」
衛兵
何か言おうとする人物に 衛兵は両脇を固めると 手の甲にスタンプのようなものを押して それから開放する
「…‥では次のグループ、どうぞお嬢さん」 アンジェに声がかかる
アンジェ
「──はい」 前に歩を進める。何だか嫌な予感はするけど
衛兵
サークルの上に立つと 悪寒はしたが、それ以上のことはなく 悪寒を表情に出さないことは容易だろう
ただ、自分のもつ穢れに何らかの作用があると アンジェは魔法使いとしての直感から感じ取れていい
アンジェ
守りの剣の範囲に入った時の強いバージョンみたいな感じなのかな とか思いつつ
衛兵
「問題ありません。どうぞ」
アンジェ
「────」 出来るだけ平静を装いつつ、どっきどきであった 「うん」 余計なことを喋らず軽くお辞儀だけして進もう
カイト
カイトは感じ取れないし、そもそも何をしてるかわからないから ほぼそのまま
門をくぐった先で待ってるアンジェに、 「……」頷いてから そのまま街を進む
 
先程のスタンプを押された人物はと言うと、蛍光色で光るそれが、とても良く目立った
アンジェ
「──うん、あれ、穢れを見つける何かだよ」 小声でカイトに
カイト
「……ナイトメアは、ここには居ない事になっている。って、聞いたことがある」
小さな声で返して
「……だから入る時、」息をついて 「……気をつける」
アンジェ
「………じゃあ、あの人は」
カイト
「……それでも入らなきゃいけない理由が、あったんだろ」
アンジェ
「……思ってた以上だった。この国」 あそこまでするとは
カイト
「……すごい反応を、されるらしい。でも、居ないはずがないんだ」
「だからうまく行ってるやつも居れば…うまく行ってないやつもいる…そういうところはきっと、どこも一緒なんだ」
アンジェ
「………そっか」
カイト
「……明日か、早くても明後日には出よう」
遅くても
アンジェ
「わかった。カイトが、それでいいなら」
カイト
「…長く、居たい場所でもないんだ」
「……思い出すから」
アンジェ
「ん………」 手を握り
カイト
「部屋を取ろう……それからだ」
握り返して
アンジェ
「うん」
 
一部屋を借りると 2人で夜の街へと移動する クリスタもそうだが、夜でも灯りがたかれ、夜景は美しいものだった
高級店などでは、店先に銀の針をあからさまに置いてあったりしたが、それを横目に 手を繋ぎながら、七番街と呼ばれる場所へと入っていく
繁華街と花街の間、その客に合わせるために食品店などが並ぶそこは
昼間よりも夜のほうが人が賑わうのだろう
アンジェ
「………」 入って秒でこの街を嫌いになったせいで、嫌な感じ
カイト
「…路地裏に入る前に、ちょっと色々買っていこう」
アンジェ
「うん」
離れると危なそうな場所だ。ぴったりくっついて、ペアであることが分かる様にしておこう
カイト
しっかりと手を握って ドーナツ、コロッケ、白いパン、等など 買っていき 最後にぬいぐるみ店で小さな猫の人形を買った
「……あの店は、よくそのまま捨てられるものが出たけど、まだ在るんだな」 ぽつり、ぽつりと呟いて
「あっちの店は、ゴミ箱に鍵がかかるようになってからは行ってない」
アンジェ
「………」 懐かしさと、悲しさと、今はどちらが上回るんだろう
カイト
「エディと、アンデルは…あの店が好きだった」 どこか、感情を感じ取れない声音で 呟いて
小さな猫の人形に関しては 「……ニアは、こういうのを欲しがってたけど、欲しいとは一度も言わなかった」
アンジェ
「うん」 思い出を邪魔しないように、半歩後ろに控えて、小さく頷いている
カイト
「いつも、通るたびにそれを見てた。盗もうとしても全部店の中だから、難しくて」
「……それが…こうして、手に入るんだな」
アンジェ
「……不思議な感じ?」
カイト
「…そうだな」
「……なんで俺は」
「あの時、この自分じゃないんだろうなって」
「……思ってしまう」
アンジェ
「……難しいね」
カイト
「‥‥揃った。行こう」
アンジェ
「うん」 今のカイトがその頃にいれば、みんなを助けられたんだろうけど、そのカイトじゃ、たぶん、みんなの所にいなかったんだろうな
カイト
路地裏、小綺麗な格好の2人が行くには、少し違和感がある場所で
 
浮浪者等が2人に目を向けては 視線を下げるか視界から外れるまで凝視してくる
奥へ奥へと進んでいくと
アンジェ
「────」
 
ロープで入らないようにされている場所に出くわす ロープ自体もだいぶ古い
アンジェ
「……規制線? じゃあ、ここが……?」
カイト
「……」 カイトが足を止める
「もう少し、先だ」
アンジェ
「……うん」
 
「お若いの、人気のない場所に行くなら他所になさいな」 しわがれた声が聞こえてくる
アンジェ
「…うん?」
老人
うずくまるようにしていたニット帽に継ぎ接ぎだらけのボロボロの厚着をした老人が 立ち上がる
「……恋人2人が入っていく場所じゃあない」
カイト
「……」 目を細めて 老人を見つめて
アンジェ
「えっと……ありがとう。でも、どうしてもそこに行かなくちゃいけないの」
老人
「……この先はな、先走った憲兵が子どもたちを殺した現場があるんじゃよ」
アンジェ
「…………」
老人
「儂もその時はここにはおらんかったから、このロープはどうしてかと伝え聞いたくらいなんだが」
アンジェ
そう、どうして、仲間が殺されたのか。そのところは、カイトには聞いていなかったのだ
老人
「まとめて孤児院なりに入れてやればよかったものだが、」
「子どもたちの中にナイトメアがな、混ざっておったらしくてなぁ」
アンジェ
「それだけで?」
老人
「その憲兵……、この辺りでは見ない顔だったらしいんじゃが」
「ナイトメアの子供だけを他所につれていこうとしたら子どもたちから反撃を受けたらしくての、近くにいた同僚がそれで負傷して」
「最終的には……という話ではあったが」
「何分、目撃者が居らんし、現場にはあからさまに剣が置いてあるしで、相当不可解だった、という話じゃったよ」
「その剣もどこかに行っちまって、憲兵から処分者は出なかったのもあって」
「もみ消しか……という納得の仕方ではあったがの」
「話してくれた相手も、去年の冬に逝ってしもうたわい」
「まあ、ともあれ…お若い2人には似合わん話じゃよ」
アンジェ
「ありがとう。教えてくれて」
カイト
「……その相手の名前は」
老人
「さあなぁ、本名は知らんが」
「通り名は、シニック爺さん、じゃったな」
カイト
「……そうか」
「……少し、見張っていてもらえるか。すぐに出る」 銀貨を何枚か 老人の前に載せて
老人
「行っても何もありゃせんが…まあもう止めもせんよ」
銀貨をしまって 2人が来た道を眺める
カイト
「行こう」
アンジェ
「うん」 カイトに続いて歩を進める
 
しばらく歩いて行けば、そこには 亡骸もなく、血の跡もなく ただ、通路の角があるだけで
灯りはほとんど差し込んでいないためか、月明かりと 喧騒による光しかなく 薄暗い
カイト
「……」 ただ、カイトには別の光景が見えているように、しばらくそこを眺めていた
鞄からサーベルを取り出して 通路に置く
「ここに、置いてあった。抜身のままで、血はぎとぎとで」
「ニアも含めて、全員の遺体があった…涙は、出なかった」
アンジェ
「…………」
カイト
「……分かってる。俺たちが悪かったのは分かってる。もう分かる」
「…置いていかないでくれと、思った。夢で見る皆には、触れない。夢で見る皆は、同じことしか言わない」
アンジェ
「───」 カイトの言葉を黙って聞いている
カイト
「許さないと決めた……殺人で仕事をしている場所に行って、身体を売りながら、技術を学んだ」
「女装も得意になった…化粧だったら、アンジェよりも得意かもしれない」
「‥女子供は油断させやすいからと、殺して、殺して、殺して…」
「そこから逃げ出せなくなっていって……」
「……仕事じゃない殺しを、初めてやった」
アンジェ
「………それは」
カイト
「その後、復讐を果たして……それから、逃げた」
「ずっと女の格好で…サングスを超えた辺りでやっと、スカートをやめた」
アンジェ
「……うん」
カイト
「……ここまでやっと、来ることが出来た」 角を見つめながら 声が震え始めて
「……赦してくれ……皆」
「俺は……まだ生きていたい…」
アンジェ
「……カイト」 抱きしめて、カイトの頭を胸元へ
カイト
「こうして、会いに来れて……やっと、会いに来れた…」
「……忘れない。皆の事は。だから…」
「俺は……明日に進むよ…アンジェと一緒に」
ようやく、流れたのは 一筋の雫で それは頬を伝ってアンジェの服に吸い込まれる
アンジェ
「わたしは」
「カイトと一緒にいたい。カイトを支えるから」
「みんなも、見守ってて欲しいな」
 
応えるものは何もなく 2人の言葉も暗闇に吸い込まれていく ただ俯いていたカイトの目には入らなかったが
暗視を持っていたアンジェには、月明かりが一瞬結実して 
継ぎ接ぎだらけの服を着た少年が6人と少女が1人 こちらを見つめて頷いたように見えた
それは、瞬きすれば消えてしまった一瞬 次の瞬間にはもうそこにはない
アンジェ
「────」 あ、と小さく息が漏れ 「…ありがとう」涙が静かに頬を伝った
「……カイト」
カイト
「…‥」 顔を上げて
アンジェ
「みんなは、見守っててくれるよ。カイトを、恨んでなんかいない」 あれは、幻ではない筈だ
「わたしには、それが分かるよ」
カイト
「………」 小さく、頷いて 
「俺は……生きるよ」
アンジェ
「うん」
カイト
「沢山の土産を持って、そっちに行くまで……待っててくれ」
「……」アンジェから離れて 角に置かれた木箱の上に ぬいぐるみを置く
アンジェ
「あと、100年くらいかな」 
カイト
「どうだろう。それくらいか」
「もっと長生きするかもしれない」 苦笑して 「…大丈夫、アンジェを、1人にはしない」
アンジェ
「……わたしの寿命は長いからね。カイトにも長生きしてもらわなきゃ」
カイト
「……目標があるんだ」
「ヴンシュの描いた作品を、一つ、完結させる」
「それを描いたら……自分でも話を作ってみる」
アンジェ
「───うん」
カイト
「そのために、いろんなものを見ようと思う」
「それに満足したら……アンジェを1人にしない方法を探す」
「不老不死とかそういうのはたぶん無理だ、だけど、他の方法は今、頭に浮かんでる」
アンジェ
「他の方法?」
カイト
「──、子供を、作る」真剣な表情で 「俺だけじゃ、出来ないし、まだ、先の話かもしれないけど」
「……ずっと一緒に、居られるなら」
アンジェ
「────」 驚いて、ついで顔が真っ赤になっった
カイト
「俺はずっと、アンジェの傍に居たいから……」
アンジェ
「……そっか、子供か。うん、そこまで、考えてくれてるんだ……」 でも、恥ずかしいより、嬉しいが先にきた
カイト
「……一番つらい時に、一番一緒に居てくれたのは、アンジェだから」
「……ただ、うん…少し、気が早いかもしれない」
「俺はまず…俺の出来ることから、やるよ」
アンジェ
「えっと、うん、早いかは、分からないけれど……」
「うん。カイトなら、大丈夫」
カイト
「……ありがとう」
「アンジェを連れてこれて、良かった」
アンジェ
「わたしも」
「来てよかった。ありがとう。カイト」
カイト
「……」アンジェを抱き寄せるようにして 安堵したような息をつく
アンジェ
「うん」 されるままに抱き寄せられ
カイト
「その日が来ても、それからも…俺がずっと、アンジェを守る…」
アンジェ
「……ありがとう
「わたしも、カイトを守るよ」
カイト
徐々に光を取り戻しつつある瞳で アンジェを見つめてから ゆっくりと目を瞑って唇を合わせるように近づける
アンジェ
「───」 こちらも目を瞑り、顔を寄せる
カイト
ゆっくりと唇を重ねて ついばむようにする
「……」 しばらくしてから 息をつくようにして 離れて
アンジェ
「………」 唇が離れてからゆっくりと目を開く
カイト
「……」 その目を見つめ続けるには、気恥ずかしい気持ちが背筋を走って 目を逸らすようにして顔をそらす
アンジェ
「えっと……」
カイト
「‥…食べるか」 一度地面においていた、各々が好きだった物が入った紙袋を示して
「………」 何か言いかけたから またアンジェに視線を戻して
アンジェ
「うん」 何を言えばいいか分からなくなっちゃっただけ
カイト
「‥…」 頷いて紙袋持ち上げて
「7人分だから…大変だ」
アンジェ
「そうだね。夜のご飯はこれで」
 
その後、片付けを含めて夜を過ごし、次の日オールテアの街並みを少し回ってから 公都からは出ることになる
フェランスを経由して、寄り道としてザングスに向かうのは、また別の話
カイト
こんな感じにて
まだ出せる設定とかは実は色々あったんだけど
これはこれでいいなと
(セッションになっちゃうからね
アンジェ
はい。こんな感じで
カイト
長い時間お付き合いありがとうありがとう
ザングス編はまた時間がある時か、モチベがあるときで
もう帰った感じでも全然大丈夫
アンジェ
んー
そこはまた考えよーう
カイト
はーい
アンジェ
ではお付き合いありがとーう
カイト
ではでは
アンジェ
ではではー
!SYSTEM
アンジェが退室しました
背景
BGM