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ゲームルーム[V]

20200312_0

!SYSTEM
シリカが入室しました
シリカ
ヴィクトリールームだと反射的に私で入ってしまう。
!SYSTEM
フランシアが入室しました
フランシア
私達の部屋ですからね
シリカ
うむ。
どのような場面からやる。
フランシア
そうですね。帰ってからの話にしましょうか
シリカ
良かろう。開幕は任せる。好きにしてくれれば対応しよう
フランシア
分かりました
 
 
 
 
 
 
ユディス南方でのシリカとの再会 
想いを伝えて取り戻して以後、レベッカの計らいにより、王都イルスファールへと2人は直帰することが出来た
屋敷は剣呑な様子で出ていったシリカ、そしてそれを追いかけるようにして出ていったフランシアのせいか
落ち着かない空気になっていたのは確かだろう
それでも、2人が戻ってくると、シリカの専属となっていたメイドを筆頭に2人を出迎え
風呂を経て食事、そしてそれらを終えてようやくフランシアの部屋で落ち着いているというところだ
休んだ後に、一言二言言わせていただきますという ピシャリとした言葉と共に、2人は部屋に放置される
シリカ
いつの間にかすっかりと慣れてしまった屋敷に戻ってきて、入浴を終えて人心地がついた気がするものの、自分の勝手で屋敷を出ていったという自覚はないではない。
フランシア
「……ああなったエリンさんは、お父様でも止められません」 困ったように息をついて 白いガウン姿で 汚れが落とされてよく梳かされた金髪を少しいじる
シリカ
微妙な居た堪れなさを感じながら、出迎えたメイドたちの言葉を思い返す。
フランシア
エリンというのは、屋敷におけるシリカの専属メイドであり、そして本家においては時期メイド長の事である
シリカ
「常々思っているのだが、この家の使用人たちは我が強すぎるのではないか……」
フランシア
次期
「以前も言ったでしょう?家族のようなものだと」 苦笑して
「薄くはあるのですが、血縁者が多いのです。エリンさんは、結構血が近い方でして」
シリカ
「確かに今回の件は私にも非があるが……」 フランシアと同じく、白いガウンに身を包み、腕を組んで唸る。
フランシア
「……まあ、いいではないですか」
シリカ
「ああ。奴の口から聞いた事があったはずだ。その時は適当に流したが……」
フランシア
「もう来るなとは、誰も言っていません。一緒に怒られましょう」 ふふ、と笑って
シリカ
「怒られるのは前提なのか……」
フランシア
「私もエリンさんから、出ていった事を聞いて」
「すぐに発ったものですから」
「……仕事から帰ってすぐに。それは、心配されても仕方ないと思ってます」
シリカ
「私も私で、あやつに告げて出ていったからな」
「……それは心配されて当然だ。そんな様子で、よくもまああそこまで無事で居られたものだな」
フランシア
「……レベッカさんのところで、休むことが出来ましたから」
シリカ
「あの二人にも、世話になってしまったな」 主にフランシアが、と付け加えておいて。 「まあ、そのうち働きで返してやれば良いか」
フランシア
「それよりも、」 シリカの頬に触れて 「お疲れでしょう?、何日も、よくは眠れてないのでは?」
シリカ
「……」 柔らかな手が頬に触れると、反射的に目を逸らした。 「……ああ、しばらくはいつ眠っていたかも分からないというか、何をしていたのかもはっきりしない部分があるくらいだからな」
フランシア
「……提案があります。聞いてくださいますか?」
シリカ
「言ってみろ」
フランシア
「今日から、一緒の部屋にしませんか」
シリカ
「…………」 逸らした視線をフランシアへと向け直してから、また目を逸らして、片手で口元を覆った。 「……貴様はなんというか、本当に、遠慮がないというか……。……どういうことを言っているのか、分かっているのか」
フランシア
「……その方が都合がいいと思ったのです。利便性や、生活のしやすさもそうですが」
「‥‥せっかく想いを伝えたのに、また離れ離れというのは、嫌ではありませんか」
少し、拗ねたような表情を見せて
シリカ
「同じ屋敷に住んでいて離れ離れも何もないと思うが……」 困ったように肩に掛かった自分の髪を指で梳くように弄んで。 「……まあ、断る理由は、別にない」
フランシア
「ありがとうございます」 頷いて シリカの手をとる
シリカ
「……」 握られた手をじっと見つめる。 「本当に、良いのだな」
フランシア
「眠るまでの間に、少しお話をしましょう」
「シリカ」
シリカ
「……何だ?」
フランシア
「嫌なら嫌と、言ってくださってもいいのですよ」 真剣に見つめて
「もし、負い目があるなら、それは捨てることです」
「対等、なだけではもうないのですから」
シリカ
見つめてくる瞳を真っ直ぐ見据えてから、少し視線を落として、訥々と語り始める。
「……私が逃げたのは、貴様たちの事情を知ってしまったからだ」
「以前の私ならば、フランシアが欲しいと思えば、強引にでも貴様を奪い、私のものとしてしまえばそれでよかった」
「……しかし、いつからか私はフランシアにも幸福になって欲しいと思うようになった」
フランシア
「……はい」
「貴女は、」 シリカの手を撫でながら 言葉を繋いで
シリカ
「貴様には家がある。築き上げてきた地位や人間関係がある。私との仲が進むことで――」 途中でフランシアの声が返ってきて、言葉を止めた。
フランシア
「私を思いやって、距離をとってくださいました」
「自分がそれで、満たされないことを知りながら、そうしてくださいました」
「そして、私の言葉に応えてくださいました」
「シリカ」 下げられた視線を合わせさせるように両頬を挟んでこちらに向けさせる
「私には目標があります。それは、お話したことがありますね?」
シリカ
「…………あ、ああ」 たじろぎながらも、困ったような表情で視線も顔も逸らせずに見つめ返す。 
フランシア
「強さとは何かを知ること。そして、騎士を目指すこと。答えが見つからないから、私は騎士を目指すと、ユディスのベンチでお答えしました」
藤色の瞳が真剣な色をたたえて、シリカを見つめる
「……今回の事で、」
「私は明確に騎士を目指す理由が出来ました」
「帰り際にも言いましたが、貴女と一緒に在ったとしても、誰からも文句を言わせないためです」
「そのために、私は騎士を目指します。周りから認めてもらう努力をします」
シリカ
「……慣習とは、厄介なものだ。そう簡単には、周囲の目は変わらんぞ」
フランシア
「…シリカが私を思いやってくださるのは、とても嬉しいです」
「ですが、父がそうしたように、私も私の我を通すために、そこを目指します」
シリカ
しばらくじっとフランシアを見つめてから、ひとつ息を吐いた。 「こうなっては、貴様は何を言っても止まりそうにないな」
フランシア
「……シリカがシリカのままで居られる場所を、作ってみせます。そのうえで、一緒に居ます」
「……それまでの間、ご迷惑をおかけするのは私の方です」 今度はこっちが視線を下に下げて
シリカ
「奇異の目に晒されるのは、良い気分ではないぞ」 自分がかつて、蛮族領で通った道だ。
「迷惑?」
フランシア
「貴女の事を誤解する人が居ることは、もうご存知のはずです」
「…そうした人たちとも関わっていかねばなりません」
シリカ
「別に誤解でも何でもないがな。私が蛮族であることはいつでも変わらん」
フランシア
「……」 言葉に困ってしまって少しの間沈黙する
シリカ
――心配するな」 視線を落としたフランシアの頭に手を伸ばして、優しく撫でた。
「私とて、貴様に頼り切りでいるつもりはない。生き方を変えるつもりはないが、やり方は少しくらいは変えてもいい」
フランシア
「……はい」
「頼りにしてます。私の剣……本当は、この言葉は」
「私が騎士になったときに、言おうと思っていたんです」
シリカ
「人族の味方になったつもりもないが……少なくとも、私はいつでもフランシアの味方だ」
フランシア
「それまでの間、」
「ずっと一緒に居てくれるって……思ってたから」
シリカ
「……そんな顔をするな。今回の事は、私も浅慮だったと思っている……。もうあのような勝手な真似はしない」
フランシア
「……いえ」
「それが甘えだということも、今回で分かりましたから」
「……私の方こそ、もうためらいません」
「ごめんなさい……鈍感で」
シリカ
「……強情な奴だな」 ふ、と小さく笑みを浮かべる。
フランシア
「……」 笑みを返して 「横になりましょうか」
シリカ
「ふん、それこそ私が浅はかだった。貴様の鈍感さは、私が一番よく知っているというのに」
「……そうだな。今日は、ゆっくりと眠ってしまいそうだ」
フランシア
少し頬を膨らませて
「…はい」 頷く
シリカ
「エリンたちの小言は、起きてから聞く事にしよう。時間が経てば奴らも忘れるかもしれん」
フランシア
「どうでしょうか…」
シリカ
「……あいつらは忘れんな」
フランシア
シリカを誘うように手を引いて ベッドに横になる
シリカ
素直にそれに従い、一緒にベッドに横たわって。 「……落ち着くような、落ち着かないような、妙な気分だな……」
フランシア
「……一緒の部屋にしましょうといって、」
はにかむように笑って 「叶ったのは、これが初めてです」
シリカ
「……む、他の奴にも同じ事を言った事があるのか」
フランシア
「あります。コルネリア様に、一度」
「……本当に、間に合ってよかった」 シリカの片腕を抱くようにして 少し声が低くなる
シリカ
「ふん……何でもかんでも奴に先を越されているようで良い気分では――」 半分本気、半分冗談で言い掛けていたところで、腕を抱かれて、言葉を途切れさせた。 「……ああ、今回は貴様の望み通りだ」
フランシア
「シリカが初めての事のほうが、」
「多いですよ。もう」
シリカ
「そうでなくては困る」 鼻を鳴らして、背を向けた。 「私は、相当に嫉妬深いぞ。覚悟しておけ」
フランシア
「……」 シリカの肩に頭を寄せるようにして
「例えば…‥その、」
「……誓いの言葉の後に…やったこととか…」
シリカ
「…………」 耳元で囁かれた言葉に、此方もその時の状況を思い出してしまって、耳まで赤く染まった。 「……わ、わざわざ自分からダメージを負うようなことを言わないでもいいだろう」
フランシア
「だ、だって」
「気にしてらしていたから……その」
「シリカは、特別だって言うことを……ですね…」
シリカ
「まったく……馬鹿な奴だ」 フランシアへと向き直り、腕を回して頭を抱き寄せた。 「……そういうところが、好ましい」
フランシア
抱き寄せられて 頭をシリカに寄せるように動かして
「…‥私は鈍感な上に、思慮が少しかけるところがあるみたいで」
「無自覚に傷つけてしまったり、気にさせてしまうことがあると思うんです」
「だから、」
「……言葉だけじゃなくて、行動でも示せたら、いいなと思うんです」
シリカの背に、腕を回して
シリカ
「……その行動が、また短絡的というか、思い切りが良すぎるというか――」 嘲りなどではなく、面白がっているような笑みを漏らして。
フランシア
「何でもありがたがるから、お前の言葉は信用できないと言ったのはシリカではありませんか」
拗ねたような声音で返して
シリカ
「確かに言ったが……あれはその……」
「……私の意地が悪かっただけだろう。貴様が鈍感だから、つい言ってしまったのだ」
フランシア
「その後が…大変でしたね」 思い出したように笑って
「あのシリカも素敵でした」
シリカ
「……あんな姿を見られるのは、恥ずかしくて仕方がないのだぞ……」
フランシア
「私の前だけにしてください」
シリカ
「当たり前だ……貴様以外に見た奴は生かしてはおけん」
フランシア
「……約束ですよ」 シリカの頭を今度はこちらの胸元に寄せて
シリカ
「……」 目を瞑って顔をフランシアの胸元に埋めながら小さく頷いた。 「……思った以上に落ち着くな。このまま眠ってしまいそうだ」
フランシア
「私以上に、お疲れのはずです」
「…おやすみなさい。シリカ」
シリカ
「疲れているのは、貴様も同じだろう。あんなところまで探しに来て、あの状態の私と交戦したのだからな」
「それに、姉上の相手もあったしな……」
「……」 言ってから、身体を完全にフランシアにあずけて。 「おやすみ、フランシア」
フランシア
「シリカと会えたら、疲れなんて感じている暇がありませんでした…から…」
あくび混じりの声音で
「おやすみなさい・・・シリカ・・」
シリカ
「…………」 恥ずかしさを誤魔化すように、ぎゅっと強くフランシアにしがみついて意識を手放す努力を始めた。
 
 
 
 
 
食器……陶器がテーブルの木材に置かれる音がして
そして次いで、差し込んでくる陽を瞼の裏に感じる
シリカ
「…………」 差し込んでくる明るさに、意識が現実へと引き寄せられる。
 
柔らかな感触から顔を上げれば、未だ眠ったままのフランシア がうつる
「──おはようございます」 耳触りの良い、聞き慣れた声がする
シリカ
私の方が早く目覚めたのかと、心の中で呟く。フランシアを起こしてしまわないように注意しながら、ゆっくりと身を起こして。
「……おい、主たちがまだ眠っている最中なのに勝手に入って来る馬鹿が何処にいる」
 
茶色の髪に すみれ色の瞳 クラシカルなメイド服に身を包んだ女性が、軽い朝食と紅茶を配膳しているところだった
エリン
「そうは申しましても」 困ったように 「様子を確認しなければ全員で押しかけるところです」
「改めて、おはようございます。シリカ様」
シリカ
「心配せずとも、二人で夜中に逃げ出したりはせん」 ふん、と鼻を鳴らして。 「ああ」
エリン
「そのようなことにはならないでしょう」 フランシアの笑みによく似たものを表情に浮かべて
シリカ
「わからんぞ。私には貴様たちの常識は通じんからな」
エリン
「シリカ様がそれをなさるとしたら、お嬢様を抱えて正面から出ていかれます」
「違いますか?」
シリカ
「この家か、人族社会に愛想を尽かした場合はそうするかも知れんな」
エリン
「……」 息をつくことでコメントは差し控えて 手近な椅子を持ってきて 寝台に寄せて座る
「結局、」 口を開いて 「こうなってしまいましたね」
シリカ
ベッドの端に移動して、フランシアに布団を掛け直してからエリンに相対する。
「ふん、こいつの出した答えだからな。私には、もう遠慮する理由はなくなった」
エリン
「その様です。……こうなってしまえば、私から申し上げることも出来ません」
シリカ
「貴様の持てる力を尽くして、私を排除しようと動いても構わんのだぞ」
エリン
「止めることが出来るとしたら、それはお館様だけでしょう」
「それでも止められるかどうか」 苦笑して
シリカ
「無理だな。今のフランシアは、もはや私でも止められんぞ」
エリン
「お嬢様がそれを望まないのであれば、」 「貴女が強引にお嬢様をものにしようとしたならば」
「そうすることも吝かではありませんでしたが」
シリカ
「並の蛮族であれば、そうしたかもしれんがな」
エリン
「…繰り返すようになりますが、その点だけに限れば、私から申し上げられることはもうありません」
シリカ
「それを望んでいないフランシアは、私の欲しいフランシアではない」
エリン
「……背が高くて、優しく、腕の立つ御仁…理想的な男性なら、騎士の家にも軍人でも、直属の上司の方でも居ましたのに」
シリカ
「背も高くなく、優しくもなく、男でもなくて悪かったな」
エリン
「いえいえ、当てつけているのではありません」
シリカ
「嘘をつけ……」
エリン
「そう思われても仕方ない事は申し上げているのは否定いたしませんが」
「……出ていかれた時よりも随分といい顔をされています。貴女も」
シリカ
「貴様は良い性格をしているからな」
「……ふん。まあ、迷いは無くなったからな」
エリン
「これから先、きっとお嬢様は無茶をなさるでしょう。困難な道を、代々選んでいる家柄ですから」
シリカ
「あいつの無謀さは血筋ということか」
エリン
「前当主のアルトゥール様も、現当主のオフシェル様も」
「騎士になるという目的は、本当の目的の付属物でしかない、とそれぞれ仰っていたそうですから」
シリカ
「今のフランシアと同じ、か」 呟いて、眠るフランシアを見やる。
エリン
「きっとお嬢様もまた・・・」 やはり、と頷くように
シリカ
「私と共に在っても、誰にも後ろ指を指されることのないように、だそうだ」
エリン
「…‥私達が出来ることといえば、生活をよどみなく行えるようお手伝いすることくらいです」
シリカ
「無論、それ以外にも人間たちを守る目的もあるのだろうがな」
エリン
「お嬢様と同じ道を、私達は進むことは出来ません」
シリカ
「分かっている」
エリン
「…‥であれば、私個人としてももう、止める理由がなくなりました」
ふふ、と笑って
シリカ
「……ふん。敵が減ったのなら何よりだ」
エリン
「お嬢様をよろしくお願いします」
シリカ
「任せておけ。フランシアはもう私にとっては自分も同じ。彼女を守っても、戦神の教えには背く事にはなるまい」
エリン
「因みにですが、」
シリカ
「それと……」 姿勢を正し、言いづらそうに咳払いをひとつ挟んで。 「……何だ」
エリン
「……」 どうぞ、と促すように 手を動かして
シリカ
「……先に言え」
エリン
「では」
「俗っぽい言い方になりますが」
「お嬢様との関係を、なあなあにはされていませんね?」
シリカ
「…………していない。ちゃんと、互いの想いは伝えた」
エリン
「それは素晴らしいことです」
「恐れながらシリカ様は、お嬢様に対して自分の気持ちを表現なさる際、ライオンが猫になったかの様になりますので」
シリカ
「……うるさいぞ。そんな事は自分が一番よく分かっている……」
エリン
「最大の懸念事項でしたもので」
シリカ
「あんな場所まで迎えに来た相手から逃げる程、私も落ちぶれてはいない」
エリン
「今後ともその意気でお願い致します」
「…私の方からは以上です」 どうぞ、と改めて促して
シリカ
「……善処はする。が、あまりからかうなよ」
エリン
「お嬢様の前で貴女の面子を潰すようなことは致しません」
シリカ
「馬鹿な事を言われて、伝える気がやや失せてしまったが……」 仕方がない、と軽く頭をかいて。
改めて姿勢を正す。 「此度は、貴様たちにも迷惑を掛けた。それについては詫びておく。……すまなかった」
エリン
「──、私達は使われる立場の人間です。道具と似た感覚を持たれる方も居ますし、私共もより優秀なものとして仕事をする人も居ます」
「ですが、」
「血の通った人間です。貴女やお嬢様と同じ様に」
「──とても心配したのよ」
「引き止めても聞かないだろうし、貴女がフランから離れていくのは、それはいいと思ったことは事実」
「けれど、それとは別に」
「数ヶ月お世話をした相手に、私も情が沸かないわけではないの」
「……戻ってきてくれて、改めてありがとう。おかえりなさい」
シリカ
「……ああ」 普段の世話から、彼女たちがどれだけ自分たちの事を気にかけてくれているかは知っている。異端の存在を受け入れてくれて、フランシアと同様に大事な存在として扱ってくれている。それを理解できない程、今の自分は鈍くはない。
けれど、多くを語るのはやはり気恥ずかしくて。 「……ただいま」 これからも世話を掛けるという意味を込めて、短く答えて頭を軽く下げた。
エリン
満足したように頷いて 「今日と、それから明日。ごゆっくりなさって下さい」
「食事はこうしてお部屋にお持ちしてもいいですし、食堂でもご用意します」
シリカ
「ああ、そうさせてもらう」
「食事――ああ、そうだ。迷惑ついでに、ひとつ頼みがある」
エリン
「お館様はやはり当分は戻られないようなので、それとなく本家の方に事情を伝えておきます」
「なんでしょうか」
シリカ
「オシフェル……いや、オシフェル殿にも、折を見て挨拶はしにいくつもりだ。あまり多くを伝えすぎて、混乱させぬようにしておいてくれ」
「頼みというのはだな……」
エリン
「承知しました」 頷いて
シリカ
「貴様たちの暇な時だけでいい。私に、料理を教えてくれ」
エリン
「料理、ですか」
シリカ
「フランシアに提供する食事に、一品だけで良いから、私の作ったものを混ぜておきたい」
「あいつには黙っておく。気付かれずとも構わんからな」
エリン
「……」 少し考えてから頷いて 「お嬢様がお好きな物を中心に、レシピを揃えておきましょう」
「私が、直接ご指導させていただきます」
シリカ
「ああ、頼む」
「もっと優しい講師を立ててくれても良いぞ」
エリン
「ふむ、そうですね」
「それでお嬢様が満面の笑みを浮かべるか、気遣いの笑みを浮かべるか」
「どちらがシリカ様にとって都合が良いかを考えれば、自ずと答えは出るのではないでしょうか」
シリカ
「……そういう意地の悪い所は、本当にフランシアによく似ている」
「分かった。貴様でいい」
エリン
「妹分を取られたも同然なのです。意地も悪くなります」
ふふ、と笑って
シリカ
「意地が悪いのは以前からだろうが」
エリン
「今までのをそう評価していただけるとなると」
「これから先が大変ですね」
シリカ
ふん、と鼻を鳴らして立ち上がる。 「フランシアには悪いが、先に朝食をもらおう。酷く腹が減っている」
「……頭痛がしてくるな」
エリン
「承知しました。追加で作らせますので、まずはこちらをお召し上がり下さい」
配膳の整った朝食は、フランシアにとっては十分な量だろう
つまりシリカにとっては物足りない
シリカ
「私が先に起きるとは思っていなかったのだな」 まあ、いつものことを考えれば当然だが。
「まあ、のんびりと待っている。後で持ってきてくれ」
エリン
「はい」 頷いて 一礼すると退室する
シリカ
エリンを見送ると、疲れたような溜息をついて。 「……本当に、苦労が多そうだ」 やれやれと肩をすくめて、席につくと、
フランシアの寝顔を一瞥してふと口元に笑みを浮かべてから、食事に手を付け始めた。
シリカ
私はこんなところで大丈夫だ。
フランシア
これで綺麗に終わるでしょう
シリカ
うむ
フランシア
私も大丈夫です
シリカ
ではここで、だな。
お付き合い感謝だ。
フランシア
はい。お付き合いありがとうございました
シリカ
山積みの問題についてはこれからじっくり片付けていくとしよう。
フランシア
はい。2人なら
超えていけます
ではまた
シリカ
うむ。
ではまた、な。
フランシア
)))
!SYSTEM
シリカが退室しました
!SYSTEM
フランシアが退室しました
背景
BGM